既存のインストールサービスを再構成するには、installadm set-service コマンドを使用します。このセクションの例では、インストールサービス別名、デフォルト AI マニフェスト、またはインストールサービスのイメージパスを設定する方法と、インストールサービスを更新する方法を示します。
インストールサービス別名を使用して、新しいサービスが作成されたときに実行する必要のある再構成の量を最小限に抑えることができます。たとえば、default-arch インストールサービスは別名です。サービスを作成するとき、create-service サブコマンドの –t オプションを使用することによって別名を作成できます。set-service サブコマンドの –t オプションは、指定されたサービスを、別のサービスの別名に変更します。set-service サブコマンドを使用するとき、指定されたサービスはすでに別名でなければなりません。
サービスまたは別名のいずれかに追加されたマニフェスト、プロファイル、およびクライアント条件は、別名のリセット後も変わりません。指定されたサービスが使用するネットイメージが変わるだけです。
新しいインストールイメージに関連付けられた AI DTD と SMF DTD が異なる可能性があるため、別名を設定する前にサービスに追加されたマニフェストとプロファイルは、別名のリセット時に再検証されます。この検証は、create-manifest および create-profile コマンドによって実行される検証と同じです。
使用例 50 インストールサービス別名の作成この例は、新しい install-sparc サービスを、既存の solaris11_3-sparc インストールサービスの別名として作成します。
# installadm create-service -t solaris11_3-sparc -n install-sparc使用例 51 インストールサービス別名の変更
この例では、solaris11_3-i386 インストールサービスと install-i386 インストールサービス別名が両方とも事前に作成されている必要があります。次の例は、install-i386 インストールサービスを solaris11_3-i386 インストールサービスの別名として設定します。
# installadm set-service -t solaris11_3-i386 -n install-i386
これらの例では、新規インストールサービスおよび既存のインストールサービスの両方について、特定のマニフェストまたは派生マニフェストスクリプトをデフォルトとして指定する方法を示します。
使用例 52 インストールサービスを作成する際のデフォルト AI マニフェストの設定この例は、mem1 マニフェストを新しい install-sparc サービスのデフォルトマニフェストとして設定します。ほかのクライアント条件に一致しないこのサービスに関連付けられたすべての AI クライアントは、デフォルトでこのマニフェストを使用します。
# installadm create-service -M /tmp/mem1 -n install-sparc使用例 53 既存のインストールサービスを変更することによるデフォルト AI マニフェストの設定
この例は、すでに登録済みの mem1 マニフェストを既存の install-i386 サービスのデフォルトマニフェストとして設定します。ほかのクライアント条件に一致しないこのサービスに関連付けられたすべての AI クライアントは、デフォルトでこのマニフェストを使用します。
# installadm set-service -M mem1 -n install-i386
これらの例は、特定のサービスのインストールイメージへのパスを定義またはリセットする方法を示します。
使用例 54 新しいインストールイメージのイメージパスの設定この例は、サービスおよびネットイメージを作成するときに、solaris11_3-i386 サービスのインストールイメージへのパスを定義します。
# installadm set-service -d /export/ai-images/solaris11_3.i386 -n solaris11_3-i386使用例 55 既存のインストールイメージのイメージパスの設定
この例は、solaris11_3-i386 サービスのインストールイメージへのパスを再配置します。
# installadm set-service -d /export/ai-images/solaris11_3.i386 -n solaris11_3-i386
IPS AI ネットイメージパッケージを使用して作成されたサービスの別名に関連付けられたイメージを更新するには、update-service サブコマンドを使用します。更新されたイメージを使用して新規サービスが作成され、別名は新規サービスを使用するように変更されます。
サービスを更新する際に異なるリポジトリを使用するには、update-service サブコマンドに –p オプションを追加します。–p オプションが指定されていない場合、svc-name が別名であるサービスのイメージの作成に使用されたパブリッシャーが使用されます。
–s オプションが指定されていない場合、パブリッシャーから入手可能な最新バージョンの install-image/solaris-auto-install パッケージが使用されます。
使用例 56 インストールサービスの更新この例は新規サービスを作成し、この新規サービスを使用するように default-i386 別名を変更します。
# installadm update-service -n default-i386使用例 57 インストールサービスを更新するときの異なるリポジトリの使用
この例は、solaris11_3-i386 サービスに関連付けられているパブリッシャーを識別する方法を示しています。最初に installadm list サブコマンドを使用してサービスのイメージパスを決定します。次に、イメージパスを使用して、使用されているパブリッシャーを決定することができます。
$ installadm list -v -n solaris11_3-i386 Service Name Status Arch Type Alias Aliases Clients Profiles Manifests ------------ ------ ---- ---- ----- ------- ------- -------- --------- solaris11_3-i386 on i386 iso no 1 0 1 1 Image Path ........ /export/auto_install/solaris11_3-i386 .... $ pkg -R /export/auto_install/solaris11_3-i386 publisher PUBLISHER TYPE STATUS URI solaris origin online http://pkg.oracle.com/solaris/release/
この例は、インストールサービスを更新するときに、example.com/solaris/mybuild のパブリッシャーを使用することを指定します。
# installadm update-service -n default-i386 -p solaris=http://example.com/solaris/mybuild使用例 58 インストールサービスを更新するときの異なるネットイメージパッケージの使用
この例は、特定のネットイメージパッケージを指定します。
# installadm update-service -n default-i386 -s FMRI