ほとんどのネットワークプロトコルと同様に、DNS には答えを提供するサービスと、そのサービスに照会する DNS クライアントという 2 つの部分があります。BIND ソフトウェアとそれに関連付けられたデーモン named は、Oracle Solaris オペレーティングシステムのデフォルトの DNS サービスを提供します。BIND は、インターネットシステムコンソーシアム (ISC) によって管理されます。DNS クライアントは、ユーティリティーとライブラリの集まりで構成されます。
マルチキャスト DNS (mDNS) は、設定が容易であり、かつユーザーがローカルリンク上のシステムを容易に保守できるネームサービスシステムを提供します。同じローカルリンク上の参加しているすべてのネットワークデバイスが、ユニキャストではなく mDNS を使用して標準の DNS 機能を実行するため、ユニキャスト DNS サーバーは必要ありません。管理者にとって、mDNS の主な利点は、ローカルネットワーク上でユニキャスト DNS サーバーを保守する必要がないことです。たとえば、mDNS を使用しているローカルリンク上のシステムへのホスト名から IP アドレスへのリクエストを解決するために、ファイル内のホスト名を更新したり保守したりする必要はありません。
ネットワークサービスには、出力、ファイル転送、音楽共有や、写真、ドキュメント、その他のファイル共有のためのサーバー、およびほかのローカルデバイスによって提供されるサービスが含まれます。Oracle Solaris での DNS サービス検出のサポートには、アプリケーションがネットワークサービスを通知および検出できるようにするためのオープンソースフレームワークおよびツールが含まれています。
ユーザーにとっては、ネットワークサービス検出により、サービスを手動で検索しなくてもネットワーク上のサービスを参照できるようになるため、コンピューティングがより容易になります。ほかの企業やグループによる既存の標準および作業により、クロスプラットフォームサポートを使用できることが保証されます。
DNS および BIND の管理については、次のソースを参照してください。
ISC の Web サイト (http://www.isc.org) にある BIND 9 管理者用のリファレンスマニュアル
/usr/share/doc/bind/migration.txt ファイル内の『BIND 9 Migration Notes』のドキュメント
BIND の機能、既知のバグと不具合、および ISC の Web サイト (http://www.isc.org) 上の資料へのリンク
『DNS & BIND 第 5 版』、Paul Albitz および Cricket Liu 著、(オライリー・ジャパン、2008 年)