QoS プロパティーの定義

ストレージクラスと優先度レベルに加え、論理ボリュームにはその他にも定義しなければならないサービス品質 (QoS) プロパティーが 2 つあります。RAID レベルと先読みポリシーです。Oracle FS System では RAID レベルと先読みポリシーを 2 つの方法で定義できます。

注: LUN を作成すると、システムによって自動的に RAID レベルと先読みポリシーが設定されます。これらのデフォルトプロパティーは「SAN LUN の作成」ダイアログで、「ストレージプロファイル」フィールド内の「カスタム」を選択してオーバーライドできます。
次のいずれかの方法を使用して、RAID レベルと先読みポリシーの設定をカスタマイズできます。
基本アプローチ

基本アプローチでは、ボリュームの RAID レベルと先読みポリシーを間接的に指定します。この方法では、論理ボリュームのデータ冗長性、I/O バイアス、およびアクセスバイアスを指定します。これらの QoS プロパティーはボリュームの基本 QoS プロパティーと呼ばれます。

詳細アプローチ

詳細アプローチでは、論理ボリュームの RAID レベルと先読みポリシーを直接指定します。これらの QoS プロパティーはボリュームの詳細 QoS プロパティーと呼ばれます。

注: Oracle FS System Manager (GUI) で論理ボリュームの QoS プロパティーをカスタマイズするときに、ボリュームの基本 QoS プロパティーを設定し、それらを詳細 QoS プロパティーにマッピングできます。しかし、詳細 QoS プロパティーを設定し、それらを基本 QoS プロパティーにマッピングすることはできません。
次の図は、ボリュームの基本 QoS プロパティーと詳細 QoS プロパティーの対応をまとめたものです。
表 1 QoS プロパティーのマッピング
初期ストレージクラス 初期冗長性 基本的な QoS プロパティー 詳細な QoS プロパティー
初期の標準的アクセス 初期 I/O バイアス 初期 RAID レベル 初期先読み
容量ディスク 二重 順次 読み取り RAID 6 積極的
その他 その他 RAID 6 通常
その他のストレージクラス 単一 順次 読み取り RAID 5 積極的
ランダム 書き込み RAID 10 (ミラー化) 通常
その他 その他 RAID 5 通常