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Oracle® Fusion Middleware Oracle Access Management管理者ガイド
11g リリース2 (11.1.2.3) for All Platforms
E61950-08
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9.1 Webゲート・インスタンスのロギングの理解

ロギング機能により、システムのパフォーマンスを分析し、問題をトラブルシューティングできます。

次のコンポーネントの個別のWebゲート・インスタンスのロギングを構成できます。

ノート:

特に明記しないかぎり、この項のすべての情報は10gと11gのWebゲートに等しく適用されます。たとえば、ログ構成oblog_config_wg.xmlの場所は11gでは変更されましたが、ファイルの内容と他の詳細はほとんど変更されていません。

この項では、次の項目について説明します。

9.1.1 ロギング、ログ・レベルおよびログ出力について

コンポーネント・インスタンスの異なる機能領域に対して別々のロギング・レベルを構成できます。

たとえば、LDAPアクティビティのデバッグ・データを取得して、それ以外のすべてのコンポーネント・アクティビティではエラー・レベルのデータのみを記録できます。また、コンポーネントが処理する各リクエストで要する時間を記録し、異なるレベルのログ・データを別々の宛先に送信できます。たとえば、エラー情報をファイルに送信し、その他のログ・データをシステム・ログに送信できます。

機密情報の保護: Access Managerでは、ユーザーの機密情報が処理されます。サイトによって異なりますが、ユーザー・パスワード、誕生日、社会保障番号、ロスト・パスワード・リクエストに対するセキュリティ上の質問と回答などが含まれます。セキュリティ番号や保護の対象とするその他の情報も機密データに含めることができます。機密情報は、特定のロギング・レベルで取得されます。現在は、ログ・ファイルの機密情報をフィルタできます(「機密属性のフィルタ処理」を参照してください)。

ロギングの構成: Webgateとともに格納される構成ファイルを編集して、ロギングを構成します。「ログ構成ファイルのパスおよび内容について」を参照してください。

ロギング・レベル: 様々なレベルで、ロギングをリクエストできます。最上位レベルは「致命的」で、最下位レベルは「トレース」です。詳細は、「ログ・レベル」を参照してください。

ログ出力先: ログ構成ファイルでは、ログ・ライターと呼ばれるパラメータがログ出力の宛先を決定します。詳細は、「ファイルまたはシステム・ファイルへのログ出力の送信について」を参照してください。ログ・ライターまたはログ・レベルを識別して、ログ出力の完全な定義を作成します。この完全な定義はログ・ハンドラと呼ばれます。詳細は、「Webゲートの2番目の複合リストのパラメータとログ・ハンドラ」を参照してください。

9.1.2 ログ・レベル

ロギング・レベルは、ログ・データ・ファイルに書き込まれるデータの量を決定します。各ロギング・レベルは累積的で、上位のレベルで生成されたすべてのデータが各レベルに含まれます。

たとえば、エラー・ログには、致命的ログで生成されたすべてのデータに加えて、エラー・カテゴリに固有のイベントが含まれます。

表9-5にレベルを示します。デフォルトのログ・レベルは警告(LOGLEVEL_ WARNING)です。

表9-1 ロギング・レベル

レベル レポートされるイベント数 説明

LOGLEVEL_ FATAL

> 60

クリティカルなエラーを記録します。一般に、これらのイベントは、コンポーネントの終了の原因になります。

システム障害が発生した場合は、致命的レベルのメッセージが常にログ・ファイルにフラッシュされます。

LOGLEVEL_ ERROR

> 960

コンポーネントが使用できないなど、修正処理を必要とする可能性のあるイベントを記録します。エラー・ログは、別のコンポーネントへの接続失敗など、一時的または自己修正可能な問題に対して生成されることもあります。

LOGLEVEL_ WARNING

> 1200

将来のある時点でエラーを引き起こす、または修正処理を必要とする可能性のある問題を記録します。

LOGLEVEL_ INFO

> 400

コンポーネントの初期化中など、コンポーネントの完了したアクションまたは現在の状態を記録します。

LOGLEVEL_ DEBUG1

> 400

デバッグ情報を記録します。通常は、このレベルの情報は開発者にとってのみ意味があります。

LOGLEVEL_ DEBUG2

> 100

詳細なデバッグ情報を記録します。このレベルは、Debug1ログ・レベルを補強します。通常は、このレベルの情報は開発者にとってのみ意味があります。

LOGLEVEL_ DEBUG3

> 900

大量のデバッグ情報またはコードの高コスト部分に関連するデータをログ・ファイルに記録します。このレベルは、タイト・ループやパフォーマンスに敏感なファンクションのデバッグに役立ちます。通常は、このログ・レベルの情報は開発者にとってのみ意味があります。

これらのログには、機密情報が含まれる場合があります。

LOGLEVEL_ TRACE

> 900 Access Manager API

> 150 サード・パーティAPI

このログ・レベルは、コード・パス実行のトレースまたはパフォーマンス・メトリックの取得に使用されます。この情報は、各コンポーネント・ファンクションのエントリ・ポイントおよび終了ポイントで取得されます。通常は、このログ・レベルの情報は開発者にとってのみ意味があります。

これらのログには、機密情報が含まれる場合があります。

LOGLEVEL_ ALL

> 5000

このレベルには、その他のレベルすべてのイベントおよび状態がすべて含まれます。

複合リスト: 隣接していないレベルからログ・データを収集し、異なるレベルのログ・データを別々の宛先に送信できます。たとえば、致命的ログをシステム・ログに送信し、エラー・ログをファイルに書き込めます。詳細は、「Webゲートの2番目の複合リストのパラメータとログ・ハンドラ」を参照してください。

しきい値: グローバル・カットオフまたはしきい値を構成して、ログ構成ファイルのLOG_THRESHOLD_LEVELパラメータでロギングできます。デフォルトでは、ログ・ハンドラの構成済レベルがカットオフを超えると、ログ・データは収集されません。LOG_THRESHOLD_LEVELパラメータがログ・ハンドラで構成されたレベルに優先するため、構成済レベルにかかわらず、ログが書込みに失敗する場合があります。ログ構成ファイルのMODULE_CONFIGセクションのみがグローバルしきい値をオーバーライドします。詳細は、「Webゲートの単純なリストのパラメータとロギングしきい値」を参照してください。

オーバーライド: グローバル・ロギングしきい値に対する機能固有またはモジュール固有のオーバーライドを、MODULE_CONFIGパラメータに指定します。詳細は、「異なるデータのタイプへの異なるしきい値レベルの構成」を参照してください。

ノート:

「トレース」および「デバッグ3」レベルのログには、機密情報が含まれる場合があります。機密情報の詳細は、「機密属性のフィルタ処理」を参照してください。

9.1.3 ログ出力

ログ出力ファイルの各行は、特定の構造に従います。行は、日付およびタイム・スタンプで始まり、次にリクエストを処理するスレッド、ログが記録された機能またはモジュールの名前とログ・レベルが続きます。

次に、ログ出力ファイルの最も左の列のスナップショットを示します。

2007/06/01@00:50:56.859000    5932  2672  DB_RUNTIME     DEBUG3
2007/06/01@00:50:56.859000    5932  2672  DB_RUNTIME     TRACE
2007/06/01@00:50:56.859000    5932  2672  LDAP           DEBUG1
2007/06/01@00:50:56.859000    5932  2672  LDAP           TRACE
2007/06/01@00:50:56.859000    5932  2672  LDAP           TRACE

リグ・レベルの右の2つの列は内的コード参照で、無視できます。次に、この列の例を示します。

0x00000205   ldap_connection_mngr.cpp:212

内的参照列の右に、"Function called"または"Function returned"などのこのログ・レベルに割り当てられたログ・メッセージがあり、次に示すような機能の名前が続きます。

"Function called"   _CallName^ldap_init

ログ・メッセージおよび機能名の後に、次の例に示すように、処理の間隔、機能が実行されるアドレス領域または状態の情報などの追加情報が続く場合があります。

"Connection health check result"   Server^dlsun4072   Port^389   Server Priority^1     Connection available^true

"Function entered"    _TraceName^ConnectionWatcherThread::CheckPrimaries  

"Function exited"     _TraceName^ConnectionWatcherThread::CheckPrimaries TraceDuration^0.000028

"Connection Pool Status in ValidateConnections()    "NumLivePrimaryConnections^1 Maximum Connections^1     UpConnections^1     Failover Threshold^1     Max Session Time^0    SleepFor^60

機密情報を保護して、ロギング操作の出力に含まれないようにする方法は、「機密属性のフィルタ処理」を参照してください。