オフサイクル処理について

このトピックでは、次について説明します。

  • オンサイクル処理とオフサイクル処理の相違点。

  • オフサイクル トランザクションのタイプ。

  • オフサイクル処理の機能。

  • オフサイクル リクエストの入力手順。

  • 処理手順および後処理手順。

  • オフサイクル バッチ処理。

  • オフサイクル ルールの設定に使用するシステム エレメント。

フィールドまたはコントロール

定義

エレメント選択

選択するオプションによって、プロセス リストにある主要エレメント (支給および控除) の変換が決定されます。値は以下のとおりです。

[全て]: オンサイクル給与計算処理と同じ変換を行う場合に選択します。

[ポジティブ入力のあるエレメント]: ポジティブ入力で入力されたエレメントのみを変換する場合に選択します。

注: 選択内容にかかわりなく、ポジティブ入力は常に処理されます。

[限定エレメント セット]: プロセス リスト内の選択した支給エレメントおよび控除エレメントのみを処理する場合に選択します。処理対象のエレメント グループを入力します。限定エレメント セットを定義するには、エレメント グループ コンポーネント (GP_ELEMENT_GROUP) を使用します。

たとえば、受給者のポジティブ入力を入力する際に事業主拠出金も処理されるように指定するには、事業主拠出金用のエレメントを含むエレメント グループを作成して、支給方法を入力するときにこのエレメント セットを選択します。

限定エレメント セットにエレメントを含めても、一般の資格ルールは上書きされません。限定エレメント セットは、変換するエレメントをさらに限定する追加フィルタとして機能します。

エレメント グループの定義」を参照してください。

オフサイクル グループ

処理対象のオフサイクル トランザクション セットを指定します。オフサイクル グループ名は、ユーザーが自由に定義できます。使用できる名前に制限はありません。

支給日

以下の決定の際に使用される日付です。

  • 累計を更新する期間 (支給日に基づいて累計が行われるように定義された累計の更新期間)。

  • 処理中に取得されるエレメント定義 (定義の指定日として支給日が使用されているエレメントのエレメント定義)。

支払方法

[現金][小切手][郵便為替][通常の配分を使用]、および [第 1 口座にのみ支給] を選択できます。このフィールドは、手動支給以外の全てのトランザクション タイプに適用されます。選択した支払方法によって、計算処理中にルールを通じて割り当てられる支払方法が決定されます。

期間開始日期間終了日

以下の決定の際に使用される日付です。

  • 累計を更新する期間 (期間開始日または期間終了日に基づいて累計が行われるように定義された累計の更新期間)。

  • 処理中に取得されるエレメント定義 (定義の指定日として期間開始日または期間終了日が使用されているエレメントのエレメント定義)。

手動支給、訂正、および追加支給では、ターゲット カレンダーからこれらの日付が継承されますが、これらのデフォルト値は上書きできます。前払い支給では、ソース カレンダー (前払い対象のカレンダー) からこれらの日付が継承されますが、上書きはできません。

サポート エレメント上書き

[サポート エレメント上書き] ボタンをクリックして、受給者カレンダー上書きページにアクセスし、特定の受給者およびカレンダーに関連付けられたブラケット、日付、デュレーション、フォーミュラ、または変数などのエレメントの値を上書きできます。

ターゲット期間 ID

残高累計が更新される期間に影響を与えます。ターゲット期間により、前払いを除く全てのトランザクションの期間開始日と期間終了日のデフォルト値が設定されます。前払いでは、ターゲット期間により、処理開始日と処理終了日の値が設定されます。

オンサイクル処理とは、定期的に実行する給与計算処理のことを指します。この処理では、あらかじめ定義された期間、カレンダー、およびカレンダー グループに対して、給与計算が繰り返し実行されます。たとえば、月次周期が定義された支給グループに対して、毎年 12 回、定期的に給与計算処理を行う場合などに使用されます。

オフサイクル処理とは、通常の給与計算スケジュール外の最終決定された結果に対する支給処理および訂正処理を指します。オフサイクルのトランザクションは、過去の支給の訂正や、次のオンサイクルの給与計算まで待てない雇用終了に伴う支給を前倒しで行う場合に使用されるのが一般的です。

注: 四半期ごとの賞与、手当の支給、および定期的な給与計算実行よりも処理頻度が少ないその他の定期トランザクションでは、大きな受給者グループを扱う場合が多いため、オンサイクル処理を適用することによって、より効率的な管理を行うことができます。

このトピックで説明する例外を除けば、オンサイクル処理に適用される概念は、オフサイクル処理にも適用されます (遡及、分割、カレンダーとカレンダー グループ、計算の実行、銀行振込、一般会計など)。オンサイクル処理とオフサイクル処理の主な相違点は、処理内容と処理対象の指示の入力方法です。

グローバル ペイロールでは、以下の 4 つのオフサイクル トランザクション タイプがサポートされています。

  • 手動支給

    現金または小切手による支給など、システム外で計算および支払いを行うアイテムの支給を記録できます。

  • 訂正

    最終決定済みの給与計算結果を訂正するトランザクションです。たとえば、定期実行に含まれていない新規採用者に対する支給や、エラーになった受給者に対する賞与支給の取り消しなどに適用されます。

  • 追加支給

    特別賞与や費用の払い戻しなど、オンサイクル処理外で、カレンダーに通常定義されない 1 回限りの支給などに適用されます。

  • 前払い

    前払いトランザクションは、雇用終了に伴う賃金の前払いや、休暇に関する事前処理や事前支給など、通常にスケジュールされる前のセグメント処理です。

オフサイクル処理では、以下の処理を行うことができます。

  • 受給者の通常の支払い方法の上書き。

    純支給額配分の指定ページで受給者に対して定義した支払い方法、または計算プロセス中にルールを通じて定義される支払い方法を上書きできます。たとえば、月に 1 回定期的に給与が自動振込で支給される場合でも、その受給者に対して 1 回限りの賞与を小切手で発行することができます。

    受給者の純支給額配分の定義」を参照してください。

  • 変換されるエレメントの限定。

    前払いを除く全てのオフサイクル トランザクションには、変換されるプロセス リストの主要エレメント (支給と控除) を限定するための機能が 2 種類用意されています。[エレメント選択] セクションでは、変換する主要エレメント (これらのエレメントの遡及またはポジティブ入力は除く) を選択することができます。全てのエレメント、ポジティブ入力のあるエレメント、または処理対象の限定された主要エレメントのセットを指定できます。

  • サポート エレメントの上書き。

    前払いを除く全てのオフサイクル トランザクションでは、特定の受給者とカレンダーに対するブラケット、日付、デュレーション、フォーミュラ、および変数の値を上書きできます。前払いトランザクションでは、前払い処理対象のカレンダーのカレンダー定義から上書き値が取得されます。

同じ支給グループおよびターゲット期間に対して、複数のオフサイクル リクエストを入力できます。

オフサイクル トランザクションのリクエストを入力するには、次の手順に従います。

  1. オフサイクル オンデマンド コンポーネント (GP_ONDEMAND) を使用して、オフサイクル グループを作成します。

    オフサイクル グループは、同時に処理される受給者と支給のグループです。オフサイクル グループによって、処理対象のオフサイクル トランザクションとその処理の指示が指定されます。これには、支払い対象や支払い内容 (支給グループ)、および支払い時期 (ターゲット カレンダー ID) などが含まれます。オフサイクル グループの用途は、各受給者に対して個別に指示を入力すること以外は、オンサイクル処理でのカレンダーと似ています。オフサイクル オンデマンド ページでオフサイクル グループの名前を入力します。

  2. 個々の支給リクエストを入力します。

    オフサイクル オンデマンド コンポーネントでは、オフサイクル手順を任意の順序で実行することはできません。リクエストを入力するには、[リクエスト作成] ボタンまたは [編集リクエスト] ボタンをクリックします。最低 1 つのリクエストが作成されている場合、ボタンは [編集リクエスト] と表示されます。

    ボタンをクリックするとメイン リクエスト ページに移動し、ユーザーの組織に有効なオフサイクルのタイプが表示されます。このメイン ページで、トランザクション タイプ別に受給者の ID を指定します。次に、詳細のリンクをクリックすると、トランザクション タイプの個々の詳細ページが表示されます。

    注: オフサイクル設定ページを使用して、オフサイクル トランザクションの個々の詳細ページに表示されるフィールドを設定します。これらのページを設定すると、オフサイクル トランザクションを作成する際に表示されるフィールドおよびオプションの数が大幅に減少します。

    オフサイクル設定について」を参照してください。

  3. オフサイクル実行用のカレンダー グループを作成します。

    オフサイクル処理用のカレンダー グループにより、同時に処理するオフサイクル グループが指定されます (これに対し、オンサイクル処理のカレンダー グループでは、同時に処理するカレンダーが指定されます)。同じページを使用して、全てのカレンダー グループを作成し、オフサイクル処理に関連するフィールドを入力します。

    オフサイクル オンデマンド コンポーネントのオフサイクル オンデマンド ページで [カレンダー グループ作成] ボタンをクリックすると、オフサイクル実行用のカレンダー グループを作成できます。ダッシュボードからカレンダー グループを作成すると、オフサイクル グループの名前 (キーの 1 つ) がカレンダー グループ名として使用されます。また、カレンダー グループ ページに、オフサイクル カレンダー グループの作成に必要なその他の情報が入力されます。

    注: 訂正リクエストを処理する場合、訂正が要求された支給を再計算するための遡及トリガが存在していることを確認してください。

オフサイクル トランザクションのリクエストを処理するには、次の手順に従います。

  1. オフサイクル実行を開始します。

    オフサイクル オンデマンド コンポーネントのオフサイクル オンデマンド ページで、[計算] ボタンをクリックしてオフサイクル実行を開始します。計算はリモート コールとして実行されます。リモート コールにより、計算処理の間、ブラウザはオフサイクル オンデマンド ページに表示されたままになります。完了時には関連メッセージが表示されます。計算が実行されるたびに、受給者がキャンセルされ、計算の対象となる受給者が特定され、受給者の全てのエレメントが計算されます。

    注: オンサイクル処理の場合と同様に、休暇欠勤計算/給与計算ページを使用してオフサイクル処理を実行することもできます。

    計算が終了すると、受給者ステータス ページが開きます。このページから、カレンダー グループ別結果ページと受給者メッセージ ページにアクセスできます。受給者ステータス ページは結果が計算されたかどうかを反映します。このページでは、以下の内容を確認できます。

    • 受給者の計算ステータス。

    • 受給者の結果。

    • 受給者のメッセージ。

      注: カレンダー グループが作成されているとき、[ステータスと結果の表示] リンクをクリックすると、受給者ステータス ページにいつでもアクセスできます。

  2. 処理結果を確認したら、以下の操作を選択できます。

    • 計算をキャンセルします。オフサイクル オンデマンド ページで [キャンセル] ボタンをクリックします。

    • オフサイクル トランザクションの変更に基づいて再計算します。オフサイクル オンデマンド ページで [計算] ボタンをクリックします。

    • 給与計算処理を最終決定します。オフサイクル オンデマンド ページで [最終決定] ボタンをクリックします。これが終了したら、ステップ 3 に進みます。

  3. 銀行振込、一般会計、費用データを勤務管理へ送信、レポートなどの、全ての後処理を実行します。

    各後処理の手順は、オンサイクルと同じ順序で実行する必要があります。必ず、オンサイクル給与計算と同じナビゲーションを使って、これらの手順を開始してください。

オフサイクル処理では、影響を受ける受給者が、アクティブになっている他の実行で自動的に一時停止されるため、これらの受給者をオフサイクル処理に含めることが可能になります。(受給者は、一度に 1 つの実行でしかアクティブにできません。)

オフサイクル リクエストが送信されると、以下の処理が行われます。

  • 受給者が、オープンになっているカレンダー グループに関連付けられているかどうかが確認されます。

  • 関連付けられている場合、オフサイクル グループですぐに計算を行えるようにするために、その受給者は、そのカレンダー グループで一時停止されます。

    注: 計算ステータスが [凍結] に設定されている場合、受給者は、オフサイクル カレンダー グループで一時停止されます。

トランザクション処理は、処理対象のオフサイクル リクエストのタイプによって異なります。

手動支給

手動支給では、バッチ検証により、計算された総支給および純支給の累計額が、入力された総支給額および純支給額と一致しているかどうかがチェックされます。計算された総支給額および純支給額が、入力された金額と異なる場合、メッセージが表示され、その受給者のステータスはエラーに設定されます。これらの金額が一致しない限り、給与計算を最終決定することはできません。

バッチ処理中に、入力した実行タイプに関連付けられたプロセス リストが使用されます。

手動支給が処理されるときは、次のような処理が行われます。

  • 手動支給リクエストで入力した支給および控除については、以下のとおりです。

    • プロセス リストに含まれている場合にのみ変換されます。

    • ジェネレーション コントロールを含め、エレメントの資格はチェックされません。

    • 前処理フォーミュラおよび後処理フォーミュラが変換されます。後処理フォーミュラによる、支給または控除の値の修正は、適用されません。

    • 個々のコンポーネントは変換されません。ただし、ユーザーがコンポーネントを追加した場合、そのコンポーネントは保存され、関連する累計に追加されます。たとえば、ユニットを時間として入力した場合、金額は、金額の計算ではなくこのユニットの残数を更新するために使用されます。

  • 他の支給および控除は、エレメント選択に従って変換されます。

  • サポート エレメントは、プロセス リストに含まれている場合、常に変換されます。

  • 期間分割トリガとエレメント分割トリガの両方が無視されます。

  • PeopleSoft 勤務管理および PeopleSoft HR の変動報酬管理アプリケーションからの入力は無視されます。

訂正

オフサイクル訂正は、オンサイクル実行で行われる遡及訂正と同様に、遡及処理に基づいて行われます。

  • トリガは、訂正または取り消し対象のカレンダーの支給期間終了日、またはそれ以前に存在する必要があります。

  • 以下の 2 つの訂正タイプを選択できます。

    • [置換]: 間違って支払われた既存の支給を置き換えます。

    • [強制取消]: 間違って支払われた既存の支給を、受給者に資格があるかどうかにかかわらず、取り消します。

  • 遡及方法は以下の 2 つのタイプを使用できます。

    • [既存の遡及ルールを使用]: トリガとルール設定に基づいた遡及方法が使用されます。

    • [強制訂正]: 遡及方法は "訂正" になります。

  • 訂正または取り消し対象のカレンダーに対して、支給および控除は、通常の処理と資格に基づいて変換されます。

  • 新しいカレンダーが作成され、処理されます。デルタが存在し、繰り越しが行われる場合、自動生成されたこれらの新規のオフサイクル カレンダーに対してデルタの繰り越しが実行されます。

    • 支給および控除は、エレメント選択や、オフサイクル リクエストで入力したポジティブ入力に従って変換されます。

    • プロセス リストにある全てのサポート エレメントが変換されます。

    • 分割トリガは無視されます。

    • PeopleSoft 勤務管理および変動報酬管理アプリケーションからの入力は無視されます。

追加支給

バッチ処理中に、入力した実行タイプに関連付けられたプロセス リストが使用されます。

  • 追加支給リクエストで入力した支給および控除には、以下のオンサイクル バッチ処理ロジックが適用されます。

    • プロセス リストに含まれている場合にのみ変換されます。

    • ジェネレーション コントロールを含め、エレメントの資格は考慮されます。

    • 前処理フォーミュラおよび後処理フォーミュラが変換されます。

    • 個々のコンポーネントが必要に応じて変換されます。

  • 支給および控除は、エレメント選択やオフサイクル リクエストで入力したポジティブ入力に従って変換されます。

  • サポート エレメントは、プロセス リストに含まれている場合、常に変換されます。

  • 期間分割トリガとエレメント分割トリガの両方が無視されます。

  • PeopleSoft 勤務管理および PeopleSoft 変動報酬管理アプリケーションからの入力は無視されます。

前払い

前払いトランザクションでは、カレンダー グループは、適切なカレンダーに基づいて処理されます。オンサイクル処理と同じバッチ処理ロジックが適用されます。

次の表で、オフサイクル処理に使用する標準装備のシステム エレメントについて説明します。

システム エレメント

説明

GP TX TYPE

トランザクション タイプを識別します。

  • R (訂正)。

  • M (手動支給)。

  • U (追加支給)。

  • A (前払い)。

  • なし (オンサイクル実行)。

OFF CYCLE

カレンダーがオフサイクルであるかオンサイクルであるかを識別します。

  • Y (Yes) = オフサイクル カレンダー。

  • N (No) = オンサイクル カレンダー。(準定期実行も含め、定義されたカレンダーに基づく全ての実行が、オンサイクルと見なされます。)

GP CORR TYPE

訂正タイプを識別します。

  • N (通常の遡及)。

  • R (置換 - 通常の遡及)。

  • V (取消 - 通常の遡及)。

  • W (取消 - 置換)。