エレメントの資格チェック

このトピックでは、どのエレメントが変換される資格を持つのかを判断する方法について説明します。

資格の有無を確認する資格チェック プログラムによって、プロセス リストにあるどの支給、控除、休暇取得、および周期ベースの休暇付与エレメントが、変換される資格を持つのかが判定されます。

  • エレメントに資格がある場合、資格スイッチとプロセス スイッチが「Yes」に設定されます。プロセス リスト マネージャによって PIN マネージャが呼び出され、そのエレメントが変換されます。

  • エレメントに資格がない場合、プロセス スイッチは通常「No」に設定され、エレメントは変換されません。

一定の状況下では、エレメントに資格がない場合でもプロセス スイッチが「Yes」になることもあります。たとえば、支給または控除の遡及デルタがカレンダーに繰り越されている場合や、控除に未払いの延滞残高がある場合です。このような場合、デルタが調整として変換されたり、延滞残高が変換されることがありますが、支給または控除のエレメント自体は変換されません。

画像: エレメント資格チェック図

次の図は、システムによって、エレメントの資格の有無がチェックされる際の手順を示したものです。

エレメント資格チェック図

エレメントの資格判断の際には、以下がチェックされます。

  1. プロセス リスト。

    プロセス リストで資格チェックが最初に行われます。エレメントが変換資格を持つためには、そのプロセスのセクションに入っている必要があります。

    プロセス リストによって、セクションの変換条件が指定されます。必要条件が満たされず、セクションが変換されない場合、そのセクションのエレメントに対する処理は続行されません。

    注: ポジティブ入力作成セクションでは、エレメントの資格が検証されるのは、ターゲット カレンダーの処理中です。ポジティブ入力が作成されるソース カレンダーの処理中ではありません。

  2. カレンダー除外。

    資格チェック プログラムでは、現在処理中のカレンダーからそのエレメントを除外する指示が入力されているかどうかが検証されます。エレメントが除外されている場合、資格スイッチは「No」に設定されます。この場合、エレメントは変換されず、ポジティブ入力も使用されず、延滞残高からの回収、調整の繰り越しも行われません。(エレメントを除外しても、フォーミュラでそのエレメントに値を割り当てることは可能です。)

  3. ポジティブ入力。

    ポジティブ入力がない場合は、エレメント割当の検証 (手順 4) に進みます。

    [上書き] アクション タイプのポジティブ入力のインスタンス ([処理しない] が指定されていない) がある場合は、有資格グループが検証されます (手順 5)。

    [処理しない] アクション タイプのポジティブ入力のインスタンスがある場合は、[上書き] または [追加] アクション タイプの他のインスタンスがあっても、資格チェック プログラムによってプロセス スイッチは「No」に設定されます。つまり、[処理しない] インスタンスが 1 つでもあれば、そのエレメントの処理は停止するということです。

    注: ここでは、ユーザー フィールドが含まれている場合、エレメントとは、エレメントとユーザー フィールド セットを指します。たとえば、差し押さえのユーザー フィールドが "都道府県/州" で、受給者にネバダ州とカリフォルニア州の両方の差し押さえがあるとします。このような場合、ネバダ州の差し押さえポジティブ入力の [処理しない] インスタンスは、カリフォルニア州の同じ差し押さえポジティブ入力の資格処理には影響しません。これは、以下で説明されている項目のいくつかにも適用されます。

    複数変換について」を参照してください。

  4. エレメント割当。

    エレメント割当には 2 つの機能があります。1 つは、エレメントを受給者に割り当てることです。もう 1 つは、受給者のエレメントの定義を上書きすることです。

    ポジティブ入力がない場合は、受給者レベルでエレメントを割り当てたり、上書きする指示がエレメント別受給者割当ページ、受給者別エレメント割当ページ、または付与/取得割当ページで入力されているかどうかが検証されます。

    エレメント割当がない場合は、有資格グループが検証されてエレメントの有無が確認されます (手順 5)。

    エレメント割当があり、[適用] チェック ボックスがオンになっている場合は、有資格グループが検証されます (手順 5)。

    エレメント割当があり、エレメントの [適用] チェック ボックスがオンになっていない場合は、プロセス スイッチが「No」に設定されます。エレメントが受給者の有資格グループにある場合でも、エレメントは有資格であると認められません。この場合、ユーザーはエレメントの資格定義を上書きできます。

    注: エレメントを有資格グループに追加する際には、そのエレメントの受給者レベルでの入力がある場合にのみ有資格であると認められるように指定できます。これは、ポジティブ入力とエレメント割当の両方に適用されます。この場合、ポジティブ入力またはエレメント割当のどちらかがないと、エレメントが有資格であるとは認められません (手順 5 を参照)。

  5. 有資格グループ。

    エレメントは、有資格グループに追加され、受給者レベルまたは有資格グループと指定されます。受給者レベルで指定されるエレメントは、そのエレメントの受給者レベルで入力を必要とします。これは、ポジティブ入力またはエレメント割当を使用して達成されます (上の手順 3 と 4 を参照)。

    [上書き] アクション タイプのポジティブ入力インスタンスがあって、その中に [処理しない] インスタンスがなく、そのエレメントが受給者の有資格グループにある場合は、プロセス スイッチと資格スイッチは「Yes」に設定されます。それ以外の場合は、支給元上書きについて検証されます (手順 6)。

    エレメント割当があり、[適用] チェック ボックスがオンで、そのエレメントが受給者の有資格グループにある場合は、プロセス スイッチと資格スイッチは「Yes」に設定されます。

    ポジティブ入力またはエレメント割当がない場合は、受給者の [有資格グループ] と指定された有資格グループにエレメントがあるかどうかが検証され、プロセス スイッチと資格スイッチは「Yes」に設定されます。エレメントが有資格グループにない場合、エレメントの処理は停止します。

  6. 支給元上書き。

    支給元 - 処理詳細ページで、支給元のポジティブ入力上書きを許可しておくと、エレメントは受給者の有資格グループにない場合でも変換される資格を持ちます。

注: 延滞残高のある控除エレメントが資格条件の検証を通過しない場合でも、控除 - 延滞ページにある [延滞回収の管理] グループ ボックスの [給与計算の全実行] オプション ボタンが選択されていれば、回収処理は実行されます。