雇用データ
雇用データとは、雇用形態のそれぞれの登録情報のことです。個人の個人情報レコードを作成したら、雇用データを作成して、職務レコードの入力や管理をします。雇用データには、独自の採用日があり、その雇用データに関連付けられた個人の職務データ レコードが累積されていきます。
次のコンポーネントのいずれかを使用して、雇用データを作成します。
従業員情報の作成 (JOB_DATA_EMP)。
新規非従業員情報 (JOB_DATA_CWR)。
テンプレート ベース採用 (HR_TBH_EULIST)。
注: テンプレート ベース採用コンポーネントを使用するには、最初にテンプレートを作成する必要があります。
関係者情報の追加 (JOB_DATA_POI)。
注: 職務レコードを必要とする関係者タイプを選択する場合は、[人事・労務管理] メニューから、このコンポーネントにアクセスします。他の方法として、職務のある関係者を処理するアプリケーションのメニューからこのコンポーネントにアクセスできます。その場合、コンポーネント名は別の名前になっています。
注: PeopleSoft タレント獲得管理の採用コンポーネント (ER_APP_HIRE_LAUNCH) によるデータを使用して、応募者を採用します。
『PeopleSoft Talent Acquisition Manager』「Hiring Applicants」[英語版] を参照してください。
注: 職務データ コンポーネント (JOB_DATA) または最新職務データ コンポーネント (JOB_DATA_CURRENT) で、雇用データの職務データを更新および管理します。
関係者の雇用データ
PeopleSoft では、必要に応じて複数の関係者タイプをアクティブにして使用することができます。次の関係者タイプには、職務レコードが必要になります。
COBRA 有資格受益者。
年金受給者。
Stock アプリケーションにおける取締役員。
Stock アプリケーションにおけるヒューマン リソース管理外従業員。
グローバル ペイロール受給者。
学生還付。
管理する関係者の中には、職務レコードを必要としないものもあります。職務のない関係者を管理する場合、関係者情報の追加コンポーネント (PERS_POI_ADD) を使用して個人がどのような関係者であるのかを示すと共に、個人データへのアクセスを制御するのに必要なセキュリティ パラメータを入力する必要があります。
例: 3 つの雇用データを持つ個人の場合
Mario Estevez は、新しいポジションに配属される前に、サードパーティ ベンダーの研修を修了する必要があります。研修の費用を Mario に支払うために、Mario の職務レコードが必要です。人事部門担当者は、個人情報の追加コンポーネントを使用して彼に ID 1234 を割り当て、データを登録します。その後、関係者情報の追加コンポーネントを使用して彼の関係者職務レコードを作成します。
Mario は研修を修了した後、従業員として雇用されます。人事部門担当者は、職務データ コンポーネントを使用して関係者情報を終了し、従業員情報の追加コンポーネントを使用して従業員情報を作成します。
入社してから約 1 年後に、Mario は短期間のプロジェクトに参加することになります。人事部門担当者は、非従業員情報の追加コンポーネントを使用して彼の非従業員情報を作成します。
後に、Mario は従業員の職務で異動、昇進があります。異動、昇進に対してそれぞれ新しい職務データ行が挿入されます。職務レコードの履歴は、作成された雇用データごとに累積されます。人事部門担当者は、職務データ コンポーネントを使用して、従業員情報および非従業員情報の職務レコードを更新します。
次の表に、4 年間の Mario の職務レコードの変更を示します。
入力日 |
従業員情報 |
非従業員情報 |
関係者情報 |
---|---|---|---|
1997/03/01 |
関係者情報を作成。 |
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1997/04/07 |
この日付を採用日として従業員情報を作成。 |
関係者情報の職務レコードを非アクティブに設定。 |
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1998/05/01 |
従業員の職務レコードは変更なし。 |
この日付を採用日として非従業員情報を作成。 |
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1998/06/15 |
部門異動 |
非従業員の職務レコードは変更なし。 |
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1999/12/15 |
従業員の職務レコードは変更なし。 |
非従業員の職務が終了し、職務データ レコードを非アクティブに設定。この日をこの雇用データの終了日とする。 |
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2001/03/01 |
昇進。 |
画像: Mario の従業員、非従業員、および関係者としての情報と、それらに関連付けられた職務レコード
次の図は、Mario のデータがどのようにシステムに保存されているかを示しています。個人レコードの下に従業員、非従業員、および関係者の雇用データがあり、それぞれ固有のイベント履歴を持ちます。

雇用レコード番号 (ERN) は、個人の ID と組み合わせて、個人の職務データ レコードを一意に識別します。雇用データを新しく作成する場合、新しい雇用レコード番号を使用することによって、個人の他の雇用データと区別します。
また、次の状況で職務データ レコードを作成する場合にも、新しい雇用レコード番号を作成します。
アクション |
コメント |
---|---|
次のような兼任職務の作成
|
注: 雇用データの追加は、ヒューマン リソース管理のレポートで採用と認識されるのに対し、職務の追加 (雇用レコードの追加) は、そのように認識されません。この違いによって、追加職務をシステムに入力する方法を決定します。 兼任職務間の区別が必要ない場合は、兼任職務の入力方法をどちらかの方法に統一して、一貫してその方法を使用します。 「従業員、非従業員、および関係者の雇用データの追加」を参照してください。 「雇用レコードの追加」を参照してください。 「兼務について」を参照してください。 |
海外赴任の作成 (従業員のみ)。 |
本国/赴任先データ コンポーネント (HOME_HOST_DATA) を使用して、海外赴任の職務レコードを作成します。海外赴任の (赴任先の) 職務レコードには、新しい雇用レコード番号が割り当てられ、その従業員の元の (本国の) 職務レコードと区別されます。 『PeopleSoft Human Resources Track Global Assignments』「Understanding Global Assignment Tracking」[英語版] を参照してください。 |
臨時職務の作成 (日本の出向 (shukkou). も含む) |
職務データ コンポーネントで労働者に臨時職務を割り当てる場合は、主要職務が一時停止され、臨時職務レコードに新しい雇用レコード番号が割り当てられます。 「臨時職務の入力」を参照してください。 「出向の管理について」を参照してください。 |
例: 複数の雇用レコード番号を持つ個人の場合
Jan Smith は、Sutter Enterprises の営業部門に採用されます。彼女は、営業部門で 2 年間、すばらしい業績をあげた後、新しいアプリケーションの開発を支援するため、子会社での 6 か月間の臨時職務を割り当てられます。臨時職務の終了後、彼女は元の職務に戻りますが、その 3 か月後に、元の営業の職務に加えて、その子会社でコンサルティングの仕事も担当することになります。次の表に、3 年間の Jan の職務レコードの変更を示します。
入力日 |
従業員情報 |
非従業員情報 |
---|---|---|
1996/05/01 |
従業員情報を作成。職務レコードは、次の情報によって識別されます。
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|
1998/05/01 |
主要職務を一時停止。 |
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1998/05/01 |
臨時職務の新しい職務レコードを作成。職務レコードは、次の情報によって識別されます。
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1998/11/01 |
臨時職務の完了。 |
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1998/11/01 |
主要職務を再開。 |
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1999/02/01 |
従業員の職務レコードは変更なし。 |
非従業員情報を作成。職務レコードは、次の情報によって識別されます。
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画像: Jan Smith の従業員および非従業員としての情報と、それらに関連付けられた雇用レコード番号
次の図は、Jan Smith の雇用形態ごとの職務レコードを示しています。個人レコードの下に従業員および非従業員の雇用データがあります。さらに、従業員情報の下に 2 つの雇用レコード番号があり、非従業員情報の下に 1 つの雇用レコード番号があります。各雇用レコード番号は、固有のイベント履歴を持ちます。
