SL150 ライブラリは、SCSI 接続の単一 LSM ライブラリです。この章では、SL150 ライブラリの ACSLS サポートについて説明します。
ACSLS サーバーには、SL150 ライブラリ内のブリッジドライブとの互換性がある FC ホストバスアダプタ (HBA) が必要です。
$ACS_HOME/install/install_scsi_sol.sh
を実行すると、新しいハードウェアの存在 (JNI カードまたは LSILogic カードのいずれか) についてシステムにプローブが行われます。これらの HBA カードのどちらかがシステム上に存在しているが、対応するドライバが所定の位置にない場合は、このルーチンは適切なドライバパッケージを見つけ、それをインストールするための権限を求めるプロンプトを表示します。
注:
SL150 はパーティション分割できますが、ACSLS はパーティション分割した SL150 をサポートしません。注:
制御パス用の SAS ブリッジドライブは、サポートされません。ブリッジドライブへのファイバチャネル接続のみがサポートされています。このセクションでは、ACSLS と SL150 ライブラリの相違点について説明します。
ACS、LSM - SL150 ライブラリは、単一の LSM を持つ ACS です (1 ACS および 1 LSM)。
SL150 は現在、パススルーポートをサポートしていません。
SL150 には少なくとも 1 つの基本モジュールがあり、最大 9 個の拡張モジュールを追加できます。
ACSLS は各 SL150 モジュールをパネルとみなします。
ACSLS で管理される SL150 ライブラリは、ACSLS インタフェースを介して 6 文字の volser
ラベルを報告します。
このセクションではライブラリの場所について説明します。
ACSLS のアドレス指定は、ACS、LSM、パネル、行、列です。
SL150 のアドレス指定は、モジュール、サイド、行、ストレージセルの列です。
ACSLS のアドレスはゼロが基準です。パネル 0、行 0、列 0 から始まります。
SL150 ライブラリは 1 が基準です。モジュール 1、行 1、列 1 から始まります。
SL150 ライブラリと ACSLS の内部アドレス間で整合性を確保するために、ACSLS はパネル 0、行 0、列 0 に対してプレースホルダを定義します。
SL150 のアドレス指定:
モジュール, サイド, 行, 列
列 1-5 (各サイドの前から後ろ)
ACSLS のアドレス指定:
1 から 10 の番号が付けられます。
列 1-5 は左側の前から後ろを示します。
列 6-10 は右側の前から後ろを示します。
SL150 ライブラリの最大数 = 31。
LSM の最大数 = 127。
SL150 ライブラリ内のモジュール (パネル) の最大数 = 10。
拡張モジュールには、それぞれ 1 つのパネルを追加します。
基本モジュールだけを含む SL150 にはパネルは 1 つだけです。
SL150 ファームウェアは、ラベルのないカートリッジをサポートしません。これは、venter
コマンドを使用できないことを意味します。
パーティション分割された SL150 ライブラリは、サポートされません。
制御パス用の SAS ブリッジドライブは、サポートされません。
SL150 は、ACSLS に影響を与える構成設定をサポートしています。
パーティション分割
パーティション分割された SL150 ライブラリは ACSLS によってサポートされていません。
ブリッジドライブ
ACSLS は FC 制御パスをサポートしています。制御パス用の SAS ブリッジドライブは、サポートされません。
メールスロットの構成
標準メールスロットの拡張機能として、基本モジュールの一方のサイドにあるストレージスロットを使用できるようにします。
ACSLS の必須設定: 標準メールスロット (4 スロット)
ドライブ要素アドレス指定モード
空のドライブスロットがライブラリ内に存在する場合、SCSI 要素のアドレスを報告する方法を制御できるようにします。
ACSLS の必須設定: 取り付けられているドライブだけのアドレス指定
予約済みセル
予約済みセルは、ライブラリでの用途 (診断およびクリーニングカートリッジ) にのみ使用します。
数 (n) は 0 から 3 (基本モジュールでの最大行数) まで構成できます。
基本モジュールにのみ影響 - 列 1 の最初の (n) 個のセルが予約されています。
これらのセルは ACSLS にアクセスできないとみなされます。
SL150 では、CAP に対して「メールスロット」という用語を使用します。基本モジュールのメールスロットには 4 スロットマガジンが 1 つあります。
すべてのメールスロット操作は、ライブラリのタッチスクリーンまたは BUI のどちらかを使用して実行されます。
SL150 には、カートリッジの挿入および取り出しに 1 つのアクティブなメールスロットが必要です。
ACSLS はメールスロットを監査するときに、すべてのセルを調べます。
以前にライブラリを管理していた ACSLS のインスタンスによって SL150 CAP (メールスロット) がロックされたままである場合に、取り出し (eject
) (または挿入 (enter
)) 操作中に問題が起きる可能性があります。この問題が起きる可能性のあるシナリオには、新しい ACSLS サーバーへの移行、つまり HA フェイルオーバーイベントが含まれます。
メールスロットがホストによってロックされている場合、ライブラリのタッチスクリーンディスプレイには、次のように表示されます。
状態: SCSI 防止メディアによってロックされている
ACSLS は通常、自動 CAP をロックしたままにしないので、自動モードの CAP でこの問題が見られる可能性は高くありません。この問題は、手動モードの CAP、またはオフラインに変更されたライブラリ内の CAP (どちらかのモード) で起きる可能性が高くなっています。
軽減:
この問題が発生しないようにするために、次の手順をお勧めします。
SL150 ライブラリの制御を新しい ACSLS サーバーに移行する場合 (非 HA 構成):
自動モード CAP (推奨):
元のサーバーで ACSLS をシャットダウンする前に、ライブラリをオフラインに変更しないでください。ACSLS は、ライブラリがオンラインの場合、シャットダウン時に CAP をロック解除したままにします。
手動モード CAP:
元のサーバーで ACSLS をシャットダウンする前に、CAP を自動モードで動作するように設定します。ライブラリをオフラインに変更しないでください。
ACSLS HA インストールでライブラリを管理するときには、自動モードで CAP を操作することを強くお勧めします。
自動モード CAP (推奨):
オンラインライブラリにはアクションは必要ありません (CAP は通常ロック解除されています)。フェイルオーバーイベントの時点でライブラリがオフラインだった場合、次の手順に従って、ブリッジドライブを再起動することにより CAP のロックを解除します。
手動モード CAP:
次の手順に従って、ブリッジドライブを再起動することにより CAP のロックを解除します。
解決方法:
以前のホストにより保持されていたロックは、SL150 BUI を使用してブリッジドライブを再起動することによって解除できます。ブリッジドライブの再起動の詳細は、SL150 の製品ドキュメントを参照してください。
警告:
この操作は、ドライブでの現在のデータパス操作をすべて中断させます。データパスのアクティビティーが中断されないときに、ブリッジドライブの再起動をスケジュールできます。
この問題が発生し、ロックを解除する必要がある場合:
データパス (読み取り/書き込み) アクティビティーがブリッジドライブで発生していることを確認します。
SL150 BUI を使用して、ブリッジドライブを再起動します。
次の場合に、監査を実行します。
これが新しいライブラリである場合。
1 つ以上のモジュールが追加、取り外し、またはスワップされた場合。
メールスロットからカートリッジを手動で追加または取り外した場合。
ライブラリ構成設定が変更されたあと。
次の場合に、ライブラリの自己監査が行われます。
ライブラリの電源を投入するか、再初期化した場合。
メールスロットを開いて閉じた場合。
自己監査が完了したあとで、ACSLS を使用してデータベースを更新する必要があります。
SL150 モジュールが追加、取り外し、スワップされたあとで、またははじめてライブラリを監査している場合に、次の手順を実行します。
SL150 ライブラリを ACSLS に対してオフラインに変更 (vary
) して、ライブラリの電源を切断します。
モジュールの追加などのライブラリの変更を実行します。
SL150 ライブラリの電源を投入するか、再初期化します。
ACSLS が実行されている場合、次のコマンドを使用して ACSLS を終了します。
acsss disable
acsss_config
を実行します。
次のコマンドを使用して ACSLS を起動します。
acsss enable
影響を受ける SL150 パネルの監査 (audit
) を実行します。
ライブラリのメールスロットから、手動でカートリッジを LSM に対して追加したり取り外したりした場合、データベースを同期させる必要があります。query poolの説明に従って、audit
を実行します。
ACSLS の cmd_proc
を使用し、メールスロットを通じてカートリッジを LSM に対して挿入または取り出した場合、データベースは自動的に更新されます。
ライブラリ構成設定を変更した場合は、acsss_config,
を使用して ACSLS を再構成してから、ライブラリを監査 (audit
) する必要があります。予約済みセルの数を変更したあとでも、ライブラリを再構成して監査 (audit
) する必要があります。
次の手順を実行します。
SL150 ライブラリを ACSLS に対してオフラインに変更 (vary
) して、ライブラリの電源を切断します。
ライブラリの変更を実行します。
SL150 ライブラリを再初期化します。
ACSLS が実行されている場合、次のコマンドを使用して ACSLS を終了します。
acsss disable
acsss_config
を実行します。
次のコマンドを使用して ACSLS を起動します。
acsss enable
影響を受ける SL150 パネルの監査 (audit
) を実行します。