G StorageTek Virtual Tape Library の ACSLS のサポート

ACSLS は、FalconStor ベースの VTL 製品ラインに実装されているような一般的な仮想ライブラリを識別する新しい LSM タイプ (StorageTek VTL) をサポートします。StorageTek VTL ライブラリ は、ほかの単一 LSM、SCSI 接続のライブラリと同様に、構成、管理、および操作できます。

ACSLS は、馴染みのある PRC スタイルの識別子 (panel、row、column) を使用して、StorageTek VTL 構成を表します。StorageTek VTL ライブラリに対して ACSLS または ACSAPI リクエストを発行するときに、これらの PRC スタイルの識別子を使用します。これらには、セル識別子 (acs、lsm、panel、row、column)、ドライブ識別子 (acs、lsm、panel、transport) および CAP 識別子 (acs、lsm、cap) が含まれます。

サポートされている構成

StorageTek VTL 構成は、ACSLS に対してライブラリが構成されているときに、acsss_config.log ファイルに記録されます。このファイルは、通常、診断目的にのみ使用されます。パネルの説明は、動的構成 (config ユーティリティーを使用) 中にも表示されます。

次の表では、ACSLS によってサポートされている VTL 構成について説明します。

ストレージセルの数
開始要素アドレス
ドライブの数
開始要素アドレス
インポート/エクスポート要素の数 開始要素アドレス
1 - 10,000 1000 1 - 100 500 1 - 20 10

  • ストレージセルの数: 1 から 10,000

  • 開始要素アドレス: 1000

  • ドライブの数: 1 から 100

  • 開始要素アドレス: 500

  • インポート/エクスポート要素の数: 1 から 20

  • 開始要素アドレス: 10

次に、ライブラリコンポーネントのサポートについて説明します。

  • パネル

    サポートされている各構成は、次のような一連のパネルとして示されます。

    • パネル 0 - CAP のみが含まれます

    • パネル 1 - 10 - ストレージセルおよびドライブが含まれます

    • パネル 11 - 50 - ストレージセルが含まれます

  • CAP

    1 つの CAP がサポートされています。これは CAP 0 として識別され、最大 20 の CAP セルを含めることができます。CAP は、StorageTek VTL のパネル 0 上に定義されています。

  • ストレージセル

    ストレージセルは、パネル当たり 200 個のセルを含むパネルに編成されています。最大の構成には、200 セルのストレージパネルが 50 含まれ、合計 10,000 個のセルに対応します。

    ストレージセルは、StorageTek VTL のパネル 1 - 50 上に定義されています。

  • ドライブ

    ドライブは、パネル当たり最大 10 台のドライブを含むパネルに編成されます。最大のドライブ構成には、10 のドライブパネルが含まれ、合計 100 台のドライブに対応します。

    ドライブは、StorageTek VTL のパネル 1 - 10 上に定義されています。

  • PTP

    パススルーポートはサポートされていません。

VTL の動作

次の動作は、特に VTL に適用されます。

  • 挿入操作

    ACSLS での enter 操作は、StorageTek VTL ライブラリにテープボリュームを追加する場合には役立ちません。VTL ライブラリ内の新しいボリュームを検出するには、そのライブラリに対して audit を実行する必要があります。これには、VTL 仮想ボールトからインポートされている可能性があるボリュームの検出が含まれます。

    enter 操作は、StorageTek VTL の場合、明示的に拒否されません。enter 操作を開始した場合は、単に取り消すことができます。

  • 取り出し操作

    ACSLS の eject 操作はサポートされています。取り出されたボリュームは、VTL 製品では、現在仮想ボールト内に存在していると表示されますが、これは VTL 専用の機能であり、ACSLS では仮想ボールトは認識されません。

  • マウントおよびマウント解除操作

    StorageTek VTL ライブラリでは、ACSLS mount オプション (read-only、bypass) および dismount オプション (force) は受け入れられますが、無視されます。さらに、(force オプションを使用しない) 通常のマウント解除が、force オプションを指定していた場合と同様に機能しているように見えます。

    注意:

    データパス操作が進行中のときに仮想テープボリュームをマウント解除する可能性があるため、マウント解除操作を実行するときには注意してください。
  • 仮想テープドライブ

    VTL 内で仮想ドライブを追加または削除したあとで、config ドライブユーティリティーを使用して、ACSLS 内のドライブ構成を再確認します。仮想テープドライブを VTL から削除するときに、VTL コンソールを使用して、ドライブを割り当て解除するだけでなく、ドライブを削除する必要があります。仮想ドライブの割り当てまたは割り当て解除は、データパスに影響を与え、ACSLS には影響を与えません。

ACSLS に対する VTL の構成

このセクションでは、VTL を ACSLS に対して構成するときの前提条件とインストール手順について説明します。

前提条件

VTL を ACSLS に対して構成する前に、次の前提条件を満たしている必要があります。

  • ACSLS がインストールされていて、ファイバチャネル HBA が含まれています

  • VTL システムがインストールされています

  • システム間にファイバチャネル接続が存在しています (ACSLS イニシエータポートを VTL ターゲットポートに接続する必要があります)

インストール

VTL を ACSLS に対して構成するには、次の手順を実行します。

  1. VTL コンソールを使用して仮想ライブラリ (StorageTek-VTL) を作成します。

    注:

    • ACSLS が使用する仮想テープライブラリを作成する場合、そのライブラリのテープ識別子は、ACSLS でサポートされている従来の 6 文字のボリュームラベル形式に適合している必要があります。

    • VTL コンソールを使用すると、ACSLS によるサポートの制限 (10,000 スロット、100 ドライブ) を超える StorageTek VTL ライブラリを作成できます。ただし、ACSLS に対してサポートされていない構成を行おうとすると、構成リクエストは失敗します。

    • 新しい StorageTek VTL ライブラリを作成するときに、VTL コンソールは、スロット数が 678 を超えたときに警告するように設定されています。この警告制限は L700 の容量に基づいており、StorageTek VTL ライブラリモデルの場合は無視できます。

    手順については、StorageTek Virtual Tape VTL Plus 2.0 (Update 2) ライブラリソフトウェアの構成ガイドを参照してください。

  2. VTL ライブラリを ACSLS に割り当てます。

    手順については、StorageTek Virtual Tape VTL (Plus 2.0 Update 2) ライブラリソフトウェアの構成ガイドを参照してください。

  3. SCSI mchanger デバイスドライバを作成します。

    ACSLS は、StorageTek VTL ライブラリを自動的に検出して、対応する /dev/mchanger エントリを作成できます。この検出は、インストール中に install_scsi_sol.sh スクリプトを実行しているときに行われます。

    ライブラリハードウェアへの接続のインストールを参照してください。

  4. ACSLS に対して VTL を構成します。

    • VTL コンポーネントが動作するようになったあとで、ACSLS に対して VTL を構成します。

    • 次のコマンドを使用します。

      acsss_config

    詳細は、 CSI チューニング変数の設定または config acs new (新しい ACS の追加を参照) を参照してください。

  5. ライブラリを監査します。

    ACSLS に対して StorageTek VTL ライブラリを構成したあと、仮想テープボリュームを検出し、アクセス不可のセル (パネルには部分的にのみアクセスできることがあります) を特定するために、audit を実行する必要があります。

  6. display lsm * -f type serial_num コマンドを使用して、VTL 構成を表示します。