2 インストールの準備

この章では、VM Client インストールパッケージおよびそのインストール準備要件について説明します。ここでは、次のトピックについて説明します。

IBM VMSES/E

VM Client は、IBM VM/ESA に付属している IBM の VMSES/E (Virtual Machine Serviceability Enhancements Staged/Enhanced) を使用してインストールします。

VMSES/E の操作については、IBM のドキュメント VMSES/E の概要とリファレンスを参照してください。

VM Client インストールパッケージ

VM Client インストールパッケージには、VM Client ソフトウェアを含む VM Client インストール用の ZIP ファイルまたは CD-ROM (SERVLINK エンベロープ) が含まれています。

インストールの一環として、最新の VM Client の累積保守 (PTF および HOLDDATA) を入手してインストールする必要があります。

注:

PTF および HOLDDATA は ELS リリース時に存在しない可能性がありますが、しばらくすると、毎月 MOS にリリースされます。

My Oracle Support (MOS) サイトから累積保守をダウンロードします。

http://www.myoraclesupport.com

HOLDDATA および PTF 更新についてこのサイトに頻繁にアクセスし、定期的に累積保守更新をインストールします。PTF は、毎月 MOS にリリースされます。

ELS 累積保守のインストールについては、第4章 VM Client 保守のインストールを参照してください。

VM Client インストールの内容

表2-1 には、VM Client インストール用の ZIP ファイルまたは CD-ROM に含まれているファイルまたは SERVLINK グループを一覧表示します。

表2-1 VM Client インストールメディアの内容

CD-ROM SERVLINK グループ 説明

1

ヘッダー

2

ヘッダー

3

VSMC730A (製品 ID ファイル)

4

VSMC730A MEMO (ユーザー向けメモ)

5

サービス適用リスト (AXLIST)

6

PARTLIST

7

サービス (DELTA)

8

サービス (APPLY)

9

ベースコード (BASE)

10

ヘルプファイル (HELP)


ソフトウェアおよびハードウェアの要件

VM Client のソフトウェアおよびハードウェアの要件は次のとおりです。

ソフトウェア要件

オペレーティングシステム: IBM でサポートされる任意のバージョンの IBM z/VM

独立系ソフトウェアベンダーの製品 (オプション):

ハードウェア要件

VM Client には、IBM z/VM を実行できる IBM または IBM と互換性のあるプロセッサ (IBM でサポートされる任意のバージョン) が必要です。

MVS の要件

VM Client は、MVS 上で実行されている StorageTek TapePlex サーバーと通信します。このサーバーは、SMC、HSC、およびオプションの VTCS を含む Oracle の StorageTek ELS ソフトウェアによって管理されます。

VM Client では、すべての ELS ソフトウェアがリリース 7.1 以降である必要があります。

ELS のハードウェアとソフトウェアの要件については、ドキュメント『ELS のインストール』を参照してください。

アプリケーションプログラムインタフェースの検証

テープ管理システムとして VM:Tape を使用する場合は、VM:Tape リリース 1.8 以降がインストールされていることを確認してください。

また、VM Client AUTHorize コマンドを使用して、VM:Tape を VM Client の承認済みオペレータリストに追加する必要があります。AUTHorizeを参照してください。

現在ほかのテープ管理システムがインストールされている場合は、VM Client と通信するために特別なルーチンを作成する必要がある場合があります。推奨される割り当てやメッセージの処理、コマンドや応答、データ領域、割り込み処理など、TapePlex との通信に必要なテープ管理システムへのインタフェースの詳細は、第9章 VM Client テープ管理インタフェースを参照してください。

DASD ストレージおよびユーザー ID の要件

VM Client では、VM Client インストールユーザー ID と VM Client サービスマシンユーザー ID の両方を VM ディレクトリに追加する必要があります。これらのユーザー ID の要件は、VM Client のインストールプロセス中にさらに定義されます。

デフォルトの VM Client インストールユーザー ID は VSMC730A です。VM Client のインストールと保守には、このデフォルトユーザー ID を使用することをお勧めします。

VM Client のインストールユーザー ID 名を変更することにした場合は、Product Parameter Override (PPF) を作成する必要があります。詳細は、PPF オーバーライドファイルの作成を参照してください。

表2-2 では、VSMC730A ミニディスクのレイアウトについて説明します。

表2-2 VSMC730A ミニディスクのレイアウト

所有者 (ユーザー ID) デフォルトのアドレス
サイズ (3390 Cyl) ディスクの名前と説明

VSMC30A

2B2

20

BASE

すべての VM Client ベースコードが含まれています

VSMC30A

2C2

5

LOCALSAM

カスタマイズファイルが含まれています。

VSMC30A

2D2

20

DELTA

サービスファイルが含まれています。

VSMC30A

2A6

10

APPLY TEST

VM Client のテストサービスレベルを表す AUX ファイルとソフトウェアインベントリテーブルが含まれています。

VSMC30A

2A2

10

APPLY PRODUCTION

VM Client の本番サービスレベルを表す AUX ファイルとソフトウェアインベントリテーブルが含まれています。

VSMC30A

29D

10

BUILD4

HELP ファイルが含まれています。

VSMC30A

201

20

BUILD1

VM Client のテストビルドディスク。ロードライブラリとモジュールが含まれています。

VSMC30A

202

20

BUILD2

VM Client の本番ビルドディスク。ロードライブラリとモジュールが含まれています。

VSMC30A

191

10

INST191

インストールユーザー ID 191 ミニディスク

VSMC30A

191

10

VMSMC191

VM Client サービスマシン 191 ミニディスク

VSMC30A

200

20

VMSMCRUN

VM Client サービスマシン実行ディスク