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Oracle® Fusion Middleware SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアップグレード
12c (12.2.1)
E72522-01
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1 Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアップグレードの概要

アップグレード手順では、既存の本番バージョンのSOA Suite 11gドメインと、そのドメイン内のOracle Fusion Middlewareコンポーネントの構成を、SOA SuiteおよびBusiness Process Management 12c (12.2.1)にアップグレードする方法について説明します。

以前の12cリリースからアップグレードする場合、「以前の12cリリースからのOracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアップグレード」を参照してください

1.1 Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementの12cへのアップグレードの理解

SOA Suite 11g環境をSOA SuiteおよびBusiness Process Management 12c (12.2.1)にアップグレードする場合、アップグレードがアップグレード前の環境にどのような影響を与えるかを理解する必要があります。たとえば、アップグレード時に既存の11gファイルを更新するスキーマおよびドメイン・ディレクトリのアップグレードは、「インプレース」で実行されます。12c (12.2.1)のOracleホーム・バイナリは新しいディレクトリにインストールされるため、「アウトオブプレース」でアップグレードされます。

12c (12.2.1)へのアップグレードには、中間層およびスキーマが含まれます。中間層のみ、またスキーマのみのアップグレードはできません。

次のリストで、InfrastructureおよびSOA Suiteコンポーネントに、どのようにアップグレードが実行されるかについて説明します。

  • Oracle WebLogic Server、JRFおよびSOA Oracleホーム・バイナリ - アウトオブプレース・アップグレード

    Oracle Infrastructure 12c (12.2.1) (WebLogic ServerとJRFを含む)と、SOA SuiteおよびBusiness Process Management 12c (12.2.1)のディストリビューション・バイナリを、新しいOracleホームにインストールします。11gバイナリは上書きされないため、バイナリのアップグレードは「アウトオブプレース」と考えられます。

  • スキーマ - インプレースでアップグレード

    11gスキーマは12c「インプレース」でアップグレードされるため、Upgrade Assistantはアップグレード処理時にスキーマを更新および上書きします。この処理の間は、サーバーを停止する必要があります。

  • インスタンス - スキーマのアップグレード中に移行

    アクティブ・インスタンスおよびクローズされたインスタンスの11gから12cへのアップグレードは、スキーマのアップグレードの一環として自動的に実行されます。管理スクリプトを使用してアップグレードを管理できます。

  • ドメイン・ディレクトリ再構成 - インプレースでアップグレード

    既存のSOAドメインは「インプレース」でアップグレードされます。アップグレード時に、11g SOAドメインの場所を指定し、11gドメインは新しいSOA 12c (12.2.1)のホーム・ディレクトリを指すように再構成されます。

  • ドメイン・コンポーネント構成 - インプレースでアップグレード

    11g SOAドメインを再構成した後、アップグレード・アシスタントを再度使用して、新しいSOA 12c (12.2.1)ホーム・ディレクトリ内で、アップグレードが必要な残りのドメイン・コンポーネント構成をアップグレードします。

注意:

ドメインのアップグレードはインプレースで実行することをお薦めします。ただし、アウトオブプレース・ドメイン・アップグレードが必要な場合は、「アウトオブプレース・ドメイン・ディレクトリ・アップグレードの実行」を参照してください。

1.2 SOA Suite 12c (12.2.1)アップグレードの開始点の理解

次の本番11g開始ポイントから、Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Management 12c (12.2.1)にアップグレードできます。

  • SOA SuiteおよびBusiness Process Management 12c (12.1.3)

  • SOA Suite 11g (11.1.1.9.0)

  • SOA Suite 11g (11.1.1.7)

  • SOA Suite 11g (11.1.1.6)

  • SOA Suite 11g (11.1.1.5)以前 - サポート対象外

    SOA 11g (11.1.1.5)以前を実行している場合は、まず、SOA 11g (11.1.1.6または11.1.1.7)にアップグレードしておかないと、アップグレードできません。詳細は、Oracle Fusion Middleware 11g (11.1.1.7)アップグレード・ドキュメント・ライブラリのOracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite、WebCenter PortalおよびADFのアップグレード・ガイドを参照してください。

1.3 アップグレード前の相互運用性および互換性の制約の理解

SOA SuiteおよびBPM 11gから12cへのアップグレード・プロセスを開始する前に、アップグレードが11gドメインのすべてのコンポーネントにどのような影響を与えるかを理解する必要があります。相互運用性および互換性の理解には、同時にアップグレードできるコンポーネントと、アップグレードできないコンポーネントについての詳細なマトリックスが掲載されています。通常、Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1)ではまだ使用できないコンポーネントを含むドメインはアップグレードできません。12c (12.2.1)にアップグレードできるコンポーネントには、別の制約もあります。これについての情報は、アップグレードを実行する前に慎重に確認する必要があります。

関連項目:SOAドメイン・アップグレードの制限の理解

SOAスキーマ・アップグレードの制約の理解

1.4 標準SOAアップグレード・トポロジの理解

このアップグレード・ドキュメントでは、2つの一般的なSOA Suite構成をアップグレードするための詳細な手順が説明されています。これらのトポロジを、Oracle Fusion Middleware 12cの標準アップグレード・トポロジと呼びます。具体的には、標準的なインストール・トポロジは、このガイドの目的に合わせて、1つの管理サーバーと1つのクラスタ(2つの管理対象サーバーが含まれている)を含む1つのWebLogic Serverドメイン、または1つのスタンドアロン・ドメインで構成されています。

スタンドアロン・ドメインは、Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントのコンテナです。Oracle WebLogic Serverドメインに似たディレクトリ構造を持っていますが、管理サーバーや管理対象サーバーは含んでいません。スタンドアロン・ドメインには、同一タイプのシステム・コンポーネント(Oracle HTTP Serverなど)、またはタイプの混在したシステム・コンポーネントの1つ以上のインスタンスが含まれます。スタンドアロン・トポロジの詳細は、スタンドアロン・ドメインに関する項を参照してください。

実際のトポロジは異なる場合がありますが、このガイドで説明するトポロジは、同様のSOA Suiteコンポーネント・トポロジをアップグレードする際の参考として使用できるサンプルを示しています。標準トポロジとエンタープライズ・デプロイメントの構築の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』を参照してください。

12c SOA Suiteトポロジの設定の詳細は、次を参照してください。

  • Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのインストールおよび構成

  • Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド

1.5 SOAドメイン・アップグレードの制限の理解

既知の制限および以前のFusion Middlewareリリースからの構造の変更により、12c (12.2.1)にアップグレードできないドメインもあります。次の項目を確認し、ドメインがこれらの制約の影響を受けないことを確認します。これらの制約の影響を受けるドメインはアップグレードできません。

サポートされていないドメインはアップグレードしないでください

次のリストは、SOAドメイン・アップグレードの既知の制約事項の説明です。
  • SOAコア拡張機能を含むドメインは12.2.1にインプレース・アップグレードできません。

    アップグレード前環境にSOAコア拡張機能が含まれる場合、このリリースのOracle Fusion Middlewareにはアップグレードできません。SOAコア拡張機能のアップグレードは、12c (12.2.1)ではサポートされていません。12.2.1ドメインにSOAコア拡張機能を含めるには、ファイルを手動で移行する必要があります。詳細は、Oracleサポートに連絡してください。

  • クラウド・アダプタ・パックを含むドメインを12.2.1にアップグレードしないでください。

    12.1.3ドメインにクラウド・アダプタ・パックが含まれる場合、12.2.1にはアップグレードできません。

  • Oracle Enterprise Repositoryを含むドメインは12.2.1にアップグレードできません

    12.1.3ドメインにOracle Enterprise Repository (OER)が含まれる場合、12.2.1にはアップグレードできません。

1.6 SOAスキーマ・アップグレードの制約の理解

スキーマ表の構成の中には、このガイドで説明する標準のアップグレード手順を使用してアップグレードできないものがあります。スキーマをアップグレードする前に、次の制約を確認してください。

パーティション化されたスキーマ表のアップグレード(未サポート)

SOAスキーマ表がパーティション化されている場合に、12c (12.2.1)へアップグレードするときは、Oracleサポートに手順について問い合せてください。

パーティション化されたスキーマ表は、このガイドで説明する標準のアップグレード手順ではアップグレードできません。

1.7 SOA SuiteおよびBPMのアップグレード・プロセス・フローの理解

この項では、Oracle Fusion Middleware SOA Suiteをアップグレードする手順の概要について説明します。

1.8 SOA SuiteおよびBPMのアップグレード手順の理解

表1-1 Oracle SOA Suiteのアップグレード・タスクの説明

説明 詳細

アップグレードを開始する前に、Oracle Fusion Middleware 12cコンセプト・ガイドとアップグレードのプランニング・ガイドを確認します。

これらのガイドには、Fusion Middleware12cへのアップグレードに関する重要な情報が記載されています。12cで新しく変更された用語と、新しい要件を理解する必要があります。

Oracle Fusion Middlewareの理解を参照

『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』を参照

相互運用性および互換性の理解を参照

完全なバックアップの作成、ファイル・ベースのセキュリティ・ストアの再関連付け、システム要件の確認など、Oracle Fusion Middleware環境で該当するすべてのアップグレード前タスクを実行します。

Oracle Fusion Middleware 12cアップグレード前のチェックリスト

アップグレードするコンポーネントについて、必要なアップグレード前タスクをすべて実行します。

必要なすべてのアップグレード前タスクについては、「Oracle Fusion Middleaware 12cアップグレード前のチェックリスト」を参照してください。

SOA固有のアップグレード前タスクについては、「SOA固有のアップグレード前タスクの実行」を参照してください

Oracle BAMを含むSOAドメインについては、「Oracle BAMのアップグレード前タスクの実行」を参照してください

Oracle Service Busをアップグレードする場合(Oracle SOAを含む場合も含まない場合も)、「Oracle Service Bus (OSB)のアップグレード前タスクの実行」を参照してください

アップグレードを開始する前に、11g本番デプロイメントと同じホスト上の新しいOracleホームに、Fusion Middleware Infrastructure 12c (12.2.1)をインストールする必要があります。

12cでは、11g Middlewareホームを表現するために、Oracleホームを使用します。

『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』を参照してください。

注意: 構成ウィザードをインストールしますが、ドメインの構成には使用しないでください。アップグレード時には、再構成ウィザードを使用します。

SOA SuiteおよびBusiness Process Management 12c (12.2.1)と、統合されたSOA統合ディストリビューション(Oracle HTTP Server、Oracle Service Busなど)を、新しく作成したOracleホームにインストールします。

「Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Management 12cのインストール」を参照

注意: Fusion Middleware 12c (12.2.1)ディストリビューションは、アップグレードするSOA統合製品ごとにインストールする必要があります。たとえば、Oracle Service Busを含むSOA 11g環境をアップグレードする場合は、Oracle SOA SuiteおよびBPM 12c (12.2.1)ディストリビューションの他に、Oracle Service Bus 12c (12.2.1)ディストリビューションも入手する必要があります。ディストリビューションの完全なリストは、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』を参照してください。

11g環境を停止します(すべての管理サーバーと管理対象サーバーを停止します)。

「SOAサーバーとプロセスの停止」を参照

12c (12.2.1)リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を起動して、必要な12cスキーマを新しく作成します。

「11gからのアップグレード前の必要なSOAスキーマの作成」を参照

アップグレード・アシスタントを実行して、11gのデータベース・スキーマをアップグレードし、すべてのアクティブ(進行中の)インスタンス・データを12c (12.2.1)にアップグレードします。

「Upgrade Assistantを使用したスキーマのアップグレード」を参照してください

注意: アクティブ・インスタンス・データのアップグレードは、アップグレード・アシスタントの実行中に自動で開始されます。データが正常に新しい12.2.1環境にアップグレードされたら、アップグレード・アシスタントを終了してもかまいません。クローズされたインスタンスのアップグレードは、バックグランド・プロセスで継続されます。

詳細は、「SOAインスタンスのアップグレードの管理と監視」 を参照してください。

進行中のクローズ済インスタンスのアップグレードは、管理SQLスクリプトまたはOracle Fusion Middleware Enterprise Manager Controlを使用して管理できます。

「SOAインスタンスのアップグレードの管理と監視」 を参照

注意: アップグレードする11g SOAドメインにOracle Business Activity Monitoring (BAM)が含まれる場合、再構成ウィザードを実行する前に、BAM固有のアップグレード前タスクをすべて完了する必要があります。これらの手順を再構成ウィザードの実行前に完了していないと、アップグレードに失敗します。

「Oracle Business Activity Monitoring (Oracle BAM)を含むSOAのアップグレード」を参照

注意: 12cのBusiness Activity Monitoring (BAM)は完全に再設計されており、ドメインの再構成前とアップグレードの後に追加の手順が必要になります。

再構成ウィザードを実行して、ドメインとノード・マネージャを再構成します。

「再構成ウィザードを使用したドメインの再構成」を参照

アップグレード・アシスタントを(再度)実行して、ドメイン構成をアップグレードします。

「アップグレード・アシスタントを使用したドメイン・コンポーネント構成のアップグレード」を参照

必要なアップグレード後の構成タスクを実行します(必要な場合)。

「アップグレード後タスクの実行」を参照してください

管理サーバーと管理対象サーバーおよびノード・マネージャを起動します。

「サーバーの起動と停止」を参照

アップグレードしたコンポーネントがすべて期待どおりに動作していることを確認します。

「ドメイン・コンポーネント構成のアップグレードの確認」を参照