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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Content: Desktopの使用
12c (12.2.1)
E70073-01
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5 Microsoft Office統合

この項の項目は次のとおりです。

5.1 Microsoft Office統合について

Desktopクライアント・ソフトウェアを使用すると、Microsoft Word、ExcelおよびPowerPointから直接コンテンツ・サーバーおよびコンテンツ・サーバー上のファイルを操作できます。コンテンツ・サーバーからMicrosoft Officeドキュメントを開く(チェックアウト)、サーバーへのドキュメントの保存(チェックイン)、サーバー上のドキュメントの検索、サーバー上のドキュメント・リビジョンの比較、サーバー上のファイルの現在のドキュメントへの挿入、サーバー上のファイルへのリンクの現在のドキュメントへの挿入などの、数多くのコンテンツ管理タスクを実行できます。

注意:

すべてのMicrosoft Officeアプリケーションで、すべてのコンテンツ・サーバーに対してこれらすべての機能を使用できるわけではありません(サーバー・タイプとバージョンに依存します)。

5.1.1 Microsoft Officeへの統合

Desktopクライアント・ソフトウェアは、次の方法でOracle WebCenter ContentをMicrosoft Officeアプリケーションに統合します。

  • 「WebCenter Content」という名前のリボンをMicrosoft Officeアプリケーション・インタフェースに追加します。

  • 「ファイル」タブを含むMicrosoft Officeバージョンには、Desktopによって次のOracle WebCenter Contentオプションが追加されます。

    • Microsoft Office 2010では、Desktopによって、WebCenter Contentオプションが「ファイル」タブに直接追加されます。

    • Microsoft Office 2013では、Desktopによって、Oracle WebCenter Contentオプションが「開く」ページ、「名前を付けて保存」ページおよび新しい「WebCenter Content」ページに追加されます。これらのページは「ファイル」タブで選択できます。

5.1.2 「WebCenter Content」リボン

図5-1 Microsoft Word 2007の「WebCenter Content」リボン

「図5-1 Microsoft Word 2007の「WebCenter Content」リボン」の説明が続きます
「図5-1 Microsoft Word 2007の「WebCenter Content」リボン」の説明

「WebCenter Content」リボンには次のグループとオプションが含まれます(オプションは「WebCenter Contentのオプション」で説明します)。

  • 開く:

    • 開く

    • 最近のコンテンツ・アイテム

    • リビジョン

  • 管理:

    • チェックアウト

    • リフレッシュ

    • 管理解除

  • チェックイン:

    • チェックイン

    • メタデータによるチェックイン

  • 新規として保存:

    • 新規として保存

  • 比較: (Microsoft Wordのみ)

    • リビジョン

    • コンテンツ・アイテム

  • 挿入:

    • 挿入

  • WebCenter:

    • オプション:

      • サーバー・リストの編集

    • ヘルプ・コンテンツ

    • バージョン情報

5.1.3 「ファイル」タブのオプション

「ファイル」タブを含むMicrosoft Officeバージョンには、Desktopによって次のWebCenter Contentオプションがタブに直接またはタブからアクセスできるページに追加されます。オプションは「WebCenter Contentのオプション」で説明します。

Microsoft Office 2010

次のオプションが「ファイル」タブに追加されます。

  • WebCenter: 新規として保存

  • WebCenter: 開く

  • WebCenter Content:

    • WebCenter Content: 開く

    • WebCenter Content: チェックアウト

    • WebCenter Content: 新規ファイルとして保存

    • WebCenter Content: チェックイン

    • メタデータによるチェックイン

Microsoft Office 2013

次のオプションが「ファイル」タブからアクセスできるページに追加されます。

  • 「開く」ページ:

    • WebCenter Content - WebCenter Content: 開く

  • 「名前を付けて保存」ページ:

    • WebCenter Content - WebCenter Content: 新規ファイルとして保存

  • 「WebCenter Content」ページ:

    • WebCenter Content: 開く

    • WebCenter Content: チェックアウト

    • WebCenter Content: 新規ファイルとして保存

    • WebCenter Content: チェックイン

    • メタデータによるチェックイン

5.1.4 WebCenter Contentのオプション

Microsoft Officeアプリケーションでは、Desktopクライアント・ソフトウェアによって、次のオプションが「WebCenter Content」メニューまたはリボン、または「ファイル」タブとタブ内のページに追加されます(ご使用環境によって異なります)。

  • 開く: このオプションを選択すると、ダイアログ・ボックスが開き、コンテンツ・サーバー上のファイルを検索して現在のMicrosoft Officeアプリケーションで開くことができます。ファイルはコンテンツ・サーバーからチェックアウトされます。詳細は、「既存のドキュメントを表示および開く」を参照してください。

  • 最近のコンテンツ・アイテム: このオプションを選択すると、メニューが開き、Microsoft Officeで最近開いたOracle WebCenter Contentサーバー・インスタンス上のコンテンツ・アイテムが数多くリストされます。リストから目的のアイテムを選択することで、ドキュメントを簡単に再度開くことができます。詳細は、「最近開いたドキュメントを再度開く」を参照してください。

  • リビジョン: このオプションを選択すると、ダイアログ・ボックスが開き、現在のOfficeアプリケーションで開く管理対象ファイルの特定のリビジョンを選択できます。詳細は、「ドキュメントの異なるリビジョンを開く」を参照してください。

  • チェックアウト: このオプションを選択すると、現在開いている読取り専用のOfficeドキュメントをコンテンツ・サーバーからチェックアウトして、変更を加えた後に新規リビジョンとしてサーバーに再度チェックインできます。詳細は、「読取り専用(表示)モードでのドキュメントのチェックアウト」を参照してください。

  • リフレッシュ: このオプションを選択すると、現在開いている管理対象OfficeドキュメントがOracle WebCenter Contentサーバー上の最新リビジョンに更新されます。詳細は、「ドキュメントのリフレッシュ」を参照してください。

  • アンマネージ: このオプションを選択すると、現在のOfficeドキュメントの管理対象ステータスが削除されて管理対象外ドキュメントに変更されるため、既存のドキュメントのリビジョンとしてコンテンツ・サーバーにチェックインできなくなります。詳細は、「管理対象Microsoft Officeドキュメントの管理対象外ドキュメントへの変更」を参照してください。

  • チェックイン: このオプションを選択すると、現在のOfficeドキュメントが既存のメタデータを使用して新しいリビジョンとしてコンテンツ・サーバーに再度チェックインされます。(このオプションは、現在のドキュメントがコンテンツ・サーバーによってすでに管理されている場合にのみ使用できます。)

  • メタデータによるチェックイン: このオプションを選択すると、ダイアログ・ボックスが開き、現在のOfficeドキュメントのメタデータをコンテンツ・サーバーに新しいリビジョンとしてチェックインする前に変更できます。(このオプションは、現在のドキュメントがコンテンツ・サーバーによってすでに管理されている場合にのみ使用できます。)

  • 新規ファイルとして保存: このオプションを選択すると、ダイアログ・ボックスが開き、現在のOfficeドキュメントを新しいコンテンツ・アイテムとしてコンテンツ・サーバーにチェックインできます。詳細は、「ドキュメントの新規作成およびチェックイン」を参照してください。

  • 比較: リビジョン: 現在のWordドキュメントをコンテンツ・サーバー上にある同じドキュメントの異なるリビジョンと比較できます。このオプションを選択すると、ダイアログ・ボックスが開き、現在のWordドキュメントと比較するドキュメント・リビジョンを選択できます。このオプションは、現在のWordドキュメントが管理対象のコンテンツ・アイテムである場合にのみ使用できます。ドキュメント比較機能の詳細は、「Wordドキュメントの異なるリビジョンとの比較」を参照してください。

  • 比較: コンテンツ・アイテム: 現在のWordドキュメントをコンテンツ・サーバー上にある別のドキュメントと比較できます。このオプションを選択すると、ダイアログ・ボックスが開き、Microsoft Wordで現在開いているドキュメントと比較するコンテンツ・サーバー上のファイルを検索できます。ドキュメント比較機能の詳細は、「Wordドキュメントの異なるリビジョンとの比較」を参照してください。

  • 挿入: このオプションを選択すると、ダイアログ・ボックスが開き、現在のMicrosoft Word、ExcelまたはPowerPointドキュメントの現在のカーソル位置に挿入するOracle WebCenter Contentサーバー・インスタンス上の1つ以上のファイルを選択できます。サーバー上のファイルへのリンク、ファイルのコンテンツまたはイメージを挿入できます。詳細は、「リンク、ファイルおよびイメージのMicrosoft Officeドキュメントへの挿入」を参照してください。

  • サーバー・リストの編集: このオプションを選択すると、ダイアログ・ボックスが開き、サーバー接続を追加、表示および削除できます。詳細は、コンテンツ・サーバー接続に関する作業を参照してください。

  • ヘルプ・コンテンツ: このオプションを使用すると、標準のWebブラウザにDesktopのオンライン・ヘルプが表示されます。

  • バージョン情報: このオプションを選択すると、ダイアログが開き、Desktopクライアント・ソフトウェアに関するバージョン情報が表示されます。

5.2 既存のドキュメントを表示および開く

Microsoft Officeアプリケーションの標準のファイルを開く機能を使用して管理対象ドキュメントを開いたり表示することはできません。かわりに、特別な「WebCenter Content: 開く」オプションを使用します。

  1. Microsoft Officeアプリケーション(Microsoft Word、PowerPointまたはExcel)で、「WebCenter Content」メニューまたはリボンを開いて「開く」を選択するか、「ファイル」タブまたは「開く」ページで「WebCenter Content: 開く」を選択します(ご使用環境によって異なります)。
  2. 「コンテンツの選択」ダイアログで、ドキュメントで必要な編集モードに応じて「編集」または「表示」オプションを選択します。

    編集: ドキュメントがサーバーからチェックアウトされ、完全編集モードで開きます。ドキュメントには必要に応じて変更を加えることができ、ドキュメントを保存する場合は、既存のコンテンツ・アイテムの新しいリビジョンとしてそのドキュメントをサーバーに再度チェックインできます。チェックアウトしているドキュメントはコンテンツ・サーバー上でロックされ、再度チェックインするか、そのチェックアウト・ステータスを取り消す(チェックアウトを元に戻す)まで、他のユーザーはファイルをチェックアウトできません。

    表示: ドキュメントはサーバーからチェックアウトされず、読取り専用モードで開きます。ドキュメントは変更できますが、新しいファイルとして(新しいファイル名で)保存し、新しいコンテンツ・アイテムとしてサーバーにチェックインする必要があります。ドキュメントが表示モードで開かれた場合、アプリケーションのタイトル・バーには、ファイル名の後に「(読取り専用)」と表示されます。

  3. 開くMicrosoft Officeドキュメントをサーバー上で参照または検索して選択し、「OK」をクリックします。

ヒント

  • 現在のMicrosoft Officeアプリケーションと互換性があるファイルを選択してください(たとえば、Microsoft Wordを使用している場合は、ワード・プロセッサのドキュメントを選択します)。

  • (典型的には、ドキュメントを以前にチェックアウトして編集したが、サーバーに再度チェックインしていないために)ドキュメントがローカル・キャッシュにすでに存在している場合は、ローカル・キャッシュからドキュメントが開き、それ以外の場合は、コンテンツ・サーバー上にある最新リリースのリビジョンが開きます。

  • 管理対象Microsoft Officeドキュメントを開いたり表示したりするには、コンテキスト・メニューまたはWindowsエクスプローラの「ファイル」メニューも使用できます。

5.3 最近開いたドキュメントを再度開く

以前に作業した管理対象Microsoft Officeドキュメントを再度開くには、最近使用したリストを開き、目的のファイルを選択します。

最近使用したアイテムのリストは、WebCenterリボンの「最近のコンテンツ・アイテム」ドロップダウン・メニューにあります。

ヒント

  • ドキュメントを最後に開いたときに読取り専用モード(表示)であった場合は、再度読取り専用モードで開くか、または完全な編集モード(開く)で開くかの選択が求められます。

  • マウス・カーソルをリスト・アイテム上に移動すると、ファイルのコンテンツIDおよびファイルが保存されているサーバーが表示されます(Office 2007 - 2013)。

  • 管理対象ドキュメントは、Windowsの「スタート」メニューの「ドキュメント」リストには表示されません。

5.4 読取り専用(表示)モードでのドキュメントのチェックアウト

Microsoft Officeアプリケーション内から管理対象ドキュメントをチェックアウトするには、WebCenter Contentメニューまたはリボンの「チェックアウト」オプションを使用します。または、「ファイル」タブまたは「WebCenter Content」ページの「WebCenter Content: チェックアウト」オプションを使用します(ご使用環境によって異なります)。

動作は、現在Microsoft Officeアプリケーションで開いている管理対象ドキュメントの状態によって異なります。

  • 現在開いているドキュメントが、サーバー上の最新リビジョンであり、まだチェックアウトされていない場合

    ドキュメントがサーバーからチェックアウトされ、読取り専用ステータスが取り消されます。その結果、このドキュメントを必要に応じて編集し、既存のコンテンツ・アイテムの新しいリビジョンとしてサーバーに再度チェックインできるようになります。

  • 現在開いているドキュメントがサーバー上の最新リビジョンではない場合

    この場合は、次の2つの選択肢があります。(1) コンテンツ・サーバーから最新リビジョンをダウンロード、チェックアウトおよび編集します。または、(2) ローカル・コンピュータで現在の古いコピーの編集を続行します。この状況は、たとえば、電子メールで送信された管理対象Wordドキュメントのチェックインの準備が整う前に、他のユーザーがそのドキュメントの新しいリビジョンをコンテンツ・サーバーにチェックインした場合に発生します。このドキュメントを必要に応じて編集し、既存のコンテンツ・アイテムの新しいリビジョンとしてサーバーに再度チェックインできます。

  • 現在のドキュメントが最新のリビジョンではなく、ローカル・キャッシュのドキュメントから変更されたバージョンの場合

    この場合は、次の2つの選択肢があります。(1) 現在のドキュメントを閉じて、かわりに、ローカル・キャッシュにある以前に変更されたコピーを編集します。または、(2) 現在のコピーを編集し、(ローカルにキャッシュされたコピーに保存されている)以前の変更内容をすべて破棄します。この状況は、たとえば、チェックアウトしたドキュメントに変更を加えて保存し、チェックインせずに閉じた後、そのドキュメントの任意のリビジョンをサーバーから表示した場合に発生します。

ヒント

  • ドキュメントをチェックアウトしない場合、変更を加えることができますが、そのドキュメントを既存のコンテンツ・アイテムの新しいリビジョンとしてサーバーに再度チェックインすることはできません。かわりに、「新規ファイルとして保存」オプションを使用すると、ドキュメントを新しいコンテンツ・アイテムとしてチェックインできます。

  • 次の状況では、Microsoft Officeアプリケーションで開いている管理対象ドキュメントが、コンテンツ・サーバーからチェックアウトされていないことがあります。

    • コンテンツ・フォルダから表示モードで開いた場合。この操作では、管理対象ドキュメントのコピーがサーバーからローカル・キャッシュにダウンロードされますが、チェックアウトされません。

    • ローカル・ファイル・システムから開いた場合(たとえば、電子メールの添付ファイルとして保存されたドキュメント)。Desktopでは管理対象ドキュメントとして検出されますが、チェックアウトされません。

  • 読取り専用ドキュメントをチェックアウトすると、アプリケーションのタイトル・バーにある「(読取り専用)」インジケータが表示されなくなります。さらに、ドキュメントの新しい状態を反映するように情報バーが変更されます。

  • 読取り専用ドキュメントがMicrosoft Officeの組込みプロパティをサポートしないファイル・フォーマット(RTF、XML、プレーン・テキストなど)である場合は、そのドキュメントをチェックアウトできません。

  • 「チェックアウト」オプションが選択できないのは、現在の読取り専用ドキュメントをチェックアウトできない場合です。

5.5 ドキュメントの異なるリビジョンを開く

複数のリビジョンがある管理対象Microsoft Officeドキュメントを開くときに、最新のリビジョンとは異なるドキュメント・リビジョンを開くことを選択できます。

異なるリビジョンを開くには、管理対象ドキュメントを開き、「WebCenter Contentリボンの「リビジョン」を選択し、開くドキュメント・リビジョンを選択して「OK」をクリックします。

現在開いているドキュメントが、選択したドキュメント・リビジョン(読取り専用モード)で置換されます。

ヒント

  • 異なるリビジョンを開く機能は、たとえば以前に添付ファイルとして電子メールで受信し、その後で新しいリビジョンをチェックインしたため、サーバーにより新しいリビジョンがあるドキュメントを開いた場合に役立つことがあります。Microsoft Officeアプリケーションで開いたリビジョンよりも古いドキュメント・リビジョンを開く必要がある場合もあります。

  • このドキュメントを編集し、サーバーの既存のコンテンツ・アイテムの新しいリビジョンとして保存する場合は、「WebCenter Content」メニューまたはリボンの「チェックアウト」オプションを選択して、最初にドキュメントをチェックアウトする必要があります。チェックアウトしない場合は、新しいコンテンツ・アイテムとしてのみチェックインできます。

  • ファイル自体ではなくコンテンツ・アイテムへのリンクを電子メールで送信することで、古いドキュメントが添付される状況を回避できます。この方法を使用できるのは、ファイルの受信者に、添付ファイルが格納されているコンテンツ・サーバーに対するアクセス権がある場合のみです。

5.6 ドキュメントのリフレッシュ

管理対象ドキュメントを開いたとき、ドキュメントをリフレッシュすると、コンテンツ・サーバーの最新リビジョンを表示できます。

管理対象ドキュメントをリフレッシュするには、「WebCenter Content」メニューまたはリボンを開いて「リフレッシュ」を選択します。

これにより、現在の管理対象ドキュメントの最新リビジョンがサーバーからダウンロードされ、Microsoft Officeアプリケーションで開きます(古いリビジョンが置換されます)。その結果、このドキュメントを必要に応じて編集し、既存のコンテンツ・アイテムの新しいリビジョンとしてコンテンツ・サーバーに再度チェックインできるようになります。

ヒント

  • ドキュメントをリフレッシュする機能は、たとえば以前に添付ファイルとして電子メールで受信し、その後で新しいリビジョンをチェックインしたため、サーバーにより新しいリビジョンがあるドキュメントを開いた場合に役立つことがあります。

  • ファイル自体ではなくコンテンツ・アイテムへのリンクを電子メールで送信することで、古いドキュメントが添付される状況を回避できます。この方法を使用できるのは、ファイルの受信者に、添付ファイルが格納されているコンテンツ・サーバーに対するアクセス権がある場合のみです。

5.7 ドキュメントの新規作成およびチェックイン

Microsoft Officeアプリケーションで新しいドキュメントを作成した場合、そのドキュメントをコンテンツ・サーバーにチェックインできます。これにより、ファイルはサーバーにアップロードおよび送信され、サーバー上の他のユーザーが各自に割り当てられているアクセス権限に従ってそのファイルを使用できるようになります。

新規作成したドキュメントをチェックインするには、「WebCenter Content」リボンで「新規ファイルとして保存」を選択するか、「ファイル」タブまたは「名前を付けて保存」ページで「WebCenter Content: 新規ファイルとして保存」オプションを使用します(ご使用環境によって異なります)。これによって「保存」ダイアログが開き、そこでドキュメントをチェックインできます。チェックイン・フォームを使用するか、ドキュメントの保存先サーバーでフォルダを選択します。

ヒント

  • チェックインするドキュメントに指定するファイル名はコンテンツ・アイテムのタイトルにもなります(ファイル拡張子はなし)。

  • デフォルトでは、ファイルはコンテンツ・サーバーにチェックインされた後に、Microsoft Officeアプリケーションで閉じられます。チェックイン後にドキュメントを自動的に再度開く場合は、「チェックイン後に再度開く」チェック・ボックスを選択します。(ファイルが再び開くだけではなくコンテンツ・サーバーからチェックアウトされます。)これは、チェックイン後もドキュメントで作業を続ける場合に便利です。

5.8 編集中の管理対象ドキュメントのチェックイン

編集中の任意の時点で管理対象ドキュメントをチェックインするには、「WebCenter Content」メニューまたはリボンの「チェックイン」を選択するか、「ファイル」メニューまたは「WebCenter Content」ページで「WebCenter Content: チェックイン」を選択します(ご使用環境によって異なります)。「チェックイン・コメント」ダイアログにコメントの入力を求められる場合があります。ドキュメントに未保存の変更がある場合は、チェックインする前に変更内容が保存されます。

WebCenter Content 11gサーバーでは、「チェックイン」機能を使用すると自動的にドキュメントがコンテンツ・サーバーにアップロードされ、コンテンツ・アイテムの新リビジョンが作成されます。

Oracle Content DatabaseサーバーおよびWebDAVサーバーの場合、「チェックイン」機能を使用するとドキュメントが自動的にコンテンツ・サーバーにアップロードされ既存のファイルが上書きされます。

読取り専用管理対象ドキュメントは新しいコンテンツ・アイテムとしてチェックインする必要があるため(「新規ファイルとして保存」)、これらのドキュメントには「チェックイン」オプションを使用できません。

ヒント

  • ドキュメントをチェックインした後で編集を続ける場合は、「チェックイン・コメント」ダイアログで「チェックイン後に再度開く」オプションを選択する必要があります。

  • ドキュメントを保存する(たとえば、[Ctrl]+[S]を押す)と、コンピュータのDesktopキャッシュ内のドキュメントが更新されますが、チェックインは行われません。

  • 新しいリビジョンは、前のリビジョンのメタデータをすべて継承します。管理対象ドキュメントをサーバーにチェックインする前にコンテンツ・アイテムのメタデータを変更する必要がある場合は、「メタデータによるチェックイン」(「WebCenter Content」メニューまたはリボン、あるいは「ファイル」タブまたは「WebCenter Content」ページ)を選択してチェックイン・ダイアログを開きます。チェックイン後に、ドキュメントは自動的に閉じます。

  • サーバーへのチェックインは、ファイルが自身でチェックアウトしたものである場合、またはサーバーの管理者権限を持っている場合にのみ行うことができます。

5.9 終了時の管理対象ドキュメントのチェックイン

ドキュメントを閉じるとき、またはアプリケーションを終了するとき、通常はドキュメントをチェックインすることができます。このとき、ドキュメントを閉じるための特別なダイアログが表示され、変更の保存、チェックイン、メタデータの編集およびチェックアウトの取消しのオプションが提供されます。(あるいは、この特別なダイアログを表示しないようにコンピュータが構成されていることがあります。その場合、管理対象ドキュメントは管理対象外ドキュメントと同じ方法で閉じます。)

メタデータを編集せずにドキュメントをチェックインするように選択すると、前のリビジョンのメタデータが再利用されます。

保存されたがチェックインされていないドキュメントは、ローカル・コンピュータ上の特別なキャッシュに格納されます。

ドキュメントはサーバーにチェックインされるかローカル・キャッシュに保存された後で、Microsoft Officeアプリケーションで閉じられます。

ドキュメントを保存しても同時にチェックインしない場合、ファイルを再度チェックインするか、またはチェックアウトを取り消すまで、サーバー上のその他のユーザーはそのファイルをチェックアウトできません。

「チェックアウトを元に戻す」オプション(変更しなかった場合、または変更したが保存しないことを選択した場合のみ選択可能)を選択すると、コンテンツ・アイテムのチェックアウト・ステータスが取り消されます。つまり、サーバーの他のユーザーがファイルをチェックアウトできるようになります。

ドキュメントを閉じるための特別なダイアログがコンピュータで使用されていない場合は、未保存の変更を保存するように求められた後でドキュメントが閉じます。未保存の変更がない場合、ドキュメントはすぐに閉じます。どちらの場合も、ドキュメントはローカル・コンピュータの特別なキャッシュに格納され、コンテンツ・サーバーに自動的にチェックインされることはありません。ドキュメントを再度チェックインするか、チェックアウトを元に戻すまで、他のユーザーはそのドキュメントをチェックアウトできません。

ヒント

  • ローカル・キャッシュとは別の場所にファイルを保存する場合(つまり、自分のコンピュータに管理対象外のファイルとして保存する場合)は、アプリケーションに組込みの別名保存機能を使用します。

5.10 管理対象外ドキュメントの管理対象ドキュメントへの変更

ローカル・コンピュータに既存の管理対象外のMicrosoft Officeドキュメントがある場合は、そのドキュメントをコンテンツ・サーバーにチェックインすることにより、そのサーバー上のユーザーが各自に割り当てられているアクセス権限に従ってそのドキュメントを使用できるようになります。

Microsoft Officeアプリケーション内で管理対象外ドキュメントを管理対象ドキュメントに変更するには、「WebCenter Content」リボンを選択してSave As Newを選択するか、「ファイル」タブまたは「名前を付けて保存」ページで「WebCenter Content: 新規ファイルとして保存」を選択します(ご使用環境によって異なります)。これによって「保存」ダイアログが開き、そこでドキュメントをチェックインできます。チェックイン・フォームを使用するか、ドキュメントの保存先サーバーでフォルダを選択します。

ヒント

  • チェックインするドキュメントに指定するファイル名はコンテンツ・アイテムのタイトルにもなります(ファイル拡張子はなし)。

  • デフォルトでは、ファイルはコンテンツ・サーバーにチェックインされた後に、Microsoft Officeアプリケーションで閉じられます。チェックイン後にドキュメントを自動的に再度開く場合は、「チェックイン後に再度開く」チェック・ボックスを選択します。(ファイルが再び開くだけではなくコンテンツ・サーバーからチェックアウトされます。)これは、チェックイン後もドキュメントで作業を続ける場合に便利です。

5.11 管理対象Microsoft Officeドキュメントの管理対象外ドキュメントへの変更

管理対象Microsoft Officeドキュメントを開いた後で、そのドキュメントを管理対象外にすることができます。つまり、そのドキュメントを特定のコンテンツ・サーバーに関連付けるドキュメント・プロパティを削除できます。これにより、ドキュメントが完全に新規の未保存ドキュメントになり、元のドキュメントの新しいリビジョンとしてサーバーにチェックインできなくなります。(「新規ファイルとして保存」オプションを使用して)新しいコンテンツ・アイテムとしてサーバーにチェックインするか、ローカル・ファイルとして保存することもできます。コンテンツ・サーバーの元のコンテンツ・アイテムは引き続き使用できます。

現在の管理対象ドキュメントを新規の管理対象外ドキュメントに変更するには、「WebCenter Content」メニューまたはリボンを開いて「アンマネージ」を選択し、この操作の結果について注意を促すダイアログで「OK」クリックします。

5.12 リンク、ファイルおよびイメージのMicrosoft Officeドキュメントへの挿入

Desktopは、Oracle WebCenter Contentサーバー・インスタンスからWord、ExcelおよびPowerPointドキュメントへのアイテムの挿入を可能にすることによって、Microsoft Officeアプリケーションに組み込まれているオブジェクト挿入機能と統合されています。サーバー上のファイルへのリンク、サーバーのファイルの実際のコンテンツ、またはサーバーのイメージを挿入できます。アイテムは、Microsoft Officeドキュメント内で現在カーソルが置かれている位置に常に挿入されます。管理対象コンテンツまたは管理対象コンテンツへのリンクを挿入するMicrosoft Officeドキュメント自体は、管理対象ドキュメントである必要はありません。

Oracle WebCenter Contentサーバー・インスタンス上のリンク、ファイルおよびイメージを現在のMicrosoft Officeドキュメントに挿入する手順は次のとおりです。

  1. Microsoft Officeドキュメントで、1つ以上のリンクを挿入する位置にカーソルを移動します。
  2. 「WebCenter Content」リボンで、「挿入」グループの「挿入」を選択します。
  3. 「コンテンツ・アイテムの挿入」ダイアログで、挿入のタイプ(リンク、ファイルまたはイメージ)に対応するパネルを開きます。(選択内容は次回の挿入に備えて記憶されますが、変更できます。)
  4. 「参照」をクリックして「コンテンツの選択」ダイアログを開き、このダイアログ・ボックスで、リンク設定または挿入するファイルあるいは挿入するイメージを検索して選択します。

    複数のファイルを同時に選択できます。ファイルを検索した場合は、検索結果リストで含める各アイテムのチェック・ボックスを選択します。コンテンツ・フォルダ内のファイルを参照した場合、連続した選択肢に対しては[Shift]キーを、連続していない選択肢に対しては[Ctrl]キーを押して選択します。完了したら「OK」をクリックします。

    リンク設定または挿入するファイルを選択すると、「コンテンツ・アイテムの挿入」ダイアログの「コンテンツ・アイテム」フィールドには、選択したファイルのコンテンツIDが表示されます。複数のファイルを選択した場合、「コンテンツ・アイテム」フィールドには最初に選択したファイルのコンテンツIDが表示されるため、ドロップダウン・リストを使用して別のファイルを表示できます。

  5. 「コンテンツ・アイテムの挿入」ダイアログの選択したパネルでフィールドを設定します。フィールドの説明はオンライン・ヘルプを参照してください。
  6. 「OK」をクリックして、リンク、ファイルまたはイメージをMicrosoft Officeドキュメントに挿入します。

5.13 Wordドキュメントの異なるリビジョンとの比較

現在の管理対象WordドキュメントがOracle WebCenter Contentサーバー・インスタンスによって管理されており、読取り専用でない場合は、同じドキュメントの異なるリビジョンと比較できます。

管理対象ドキュメントがMicrosoft Wordで開いた状態で、「WebCenter Content」リボンの「比較」「リビジョン」を選択します。異なるリビジョンを選択するためのオプションが表示されない場合は、現在のドキュメントがコンテンツ・サーバーで管理されていないか、または現在読取り専用モードになっています。

「リビジョンの選択」ダイアログで、現在のドキュメントと比較するリビジョンを選択し、「OK」をクリックします。

現在のドキュメントと選択したリビジョンとの比較には、Microsoft Wordに組み込まれている比較機能が使用され、変更内容が新しいドキュメントに表示されます。変更内容の実際の表示形式は、Microsoft Wordアプリケーションのバージョンと構成によって決まりますが、挿入と削除は、通常、識別しやすいように異なる色とフォーマットで表示されます。

ヒント

  • 「リビジョンの選択」ダイアログの上部には、Microsoft Wordで現在開いているリビジョンが、コンテンツ・アイテムに関する情報(タイトル、サーバー、コンテンツID、作成者など)とともに表示されます。ダイアログ・ボックスの下部には、コンテンツ・アイテムの既存のリビジョン・リストが、それぞれのタイトル、作成者、リリース日およびコメントとともに表示されます。特定のリビジョンに関する詳細情報を表示するには、リストでそのリビジョンを選択して「コンテンツ情報...」を選択し、サーバー上の該当するリビジョンのコンテンツ情報ページを開きます。

  • 図5-2に示すように、マウス・カーソルをドキュメント内のマークされた変更の上に移動すると、画面ヒントが表示され、そのファイルに関するコンテンツ管理情報が表示されます。示される情報は、コンテンツID、ファイル・サイズ、現在チェックアウトされているファイルの場合はチェックアウトしたユーザー名です。

図5-2 ファイルの変更に関する情報を示す画面ヒント

マウス・ポインタを置くと、ファイルの変更に関する情報を示す黄色いボックスが表示されます。

5.14 Wordドキュメントの他のドキュメントとの比較

現在のWordドキュメント(管理対象または非管理対象)をコンテンツ・サーバー上の別のドキュメントと比較できます。

ドキュメントがMicrosoft Wordで開いた状態で、「WebCenter Content」リボンの「比較」「コンテンツ・アイテム」を選択します。

「コンテンツの選択」ダイアログを使用してコンテンツ・サーバー上のWordドキュメントを選択し、ダイアログを閉じます。

これにより、Microsoft Wordに組み込まれている比較機能が現在のドキュメントと選択したファイルとの比較に使用されるようになり、変更内容が新しいドキュメントに表示されます。変更内容の実際の表示形式は、Microsoft Wordアプリケーションの構成によって決まりますが、挿入と削除は、通常、識別しやすいように異なる色とフォーマットで表示されます。

ヒント

  • 現在の管理対象Wordドキュメントを(コンテンツ・サーバーに格納されているドキュメントではなく)ローカル・コンピュータ上のドキュメントと比較する場合は、Wordに組み込まれている比較機能を使用してファイルを選択します。

5.15 ワークフロー内のMicrosoft Officeドキュメントの承認または送信

WebCenter Contentユーザー・インタフェースのMicrosoft Office統合により、ドキュメントまたはアプリケーションを閉じるときに表示されるダイアログに、ワークフローの承認または送信のための追加のチェック・ボックスが表示されます。

ワークフローは、ドキュメントの承認時または送信時に電子署名を要求するように設定できます。電子的に署名されたドキュメントは、セキュリティが強化されます。サーバーは、電子的に署名されたドキュメントがその他のバージョンとは異なることを通知できるようになり、ワークフロー・ステップ全体を通じて未認証のバージョンを許可しなくなるためです。次の手順で示すように、ログイン資格証明を入力することで、ドキュメントに電子的な署名を行います。

ドキュメントのチェックインと承認

ドキュメントの編集を許可するようにワークフロー・ステップが設定されている場合は、ドキュメントに変更を加えてから、そのドキュメントを新規リビジョンとしてチェックインすると同時に承認できます。

ドキュメントをMicrosoft Officeアプリケーションで開いた状態で、必要に応じてドキュメントを確認および編集した後で、「WebCenter Content」の「チェックイン」または「メタデータによるチェックイン」を選択します。

選択可能な場合は、「コンテンツのチェックイン」ダイアログで「チェックインと承認」チェック・ボックスを選択します。このチェック・ボックスは、ワークフロー処理に電子署名が必要になるドキュメントの場合は選択できません。その場合は、Windowsエクスプローラでドキュメントを探して、ドキュメントのコンテキスト・メニューで署名と承認を行います。

「コンテンツのチェックイン」ダイアログのその他の領域に必要な入力を行い、「OK」をクリックします。

レビューのためのドキュメントの送信

ワークフロー・ステップで編集が許可されていない場合は、変更を加えることなくMicrosoft Officeドキュメントをレビューしてから、そのドキュメントをレビューのために送信できます。

ドキュメントをMicrosoft Officeアプリケーションで開いた状態で、必要に応じてドキュメントを確認した後で、「WebCenter Content」の「チェックイン」または「メタデータによるチェックイン」を選択します。

選択可能な場合は、「コンテンツのチェックイン」ダイアログでワークフロー・レビューのためにドキュメントを送信チェック・ボックスを選択します。このチェック・ボックスは、ワークフロー処理に電子署名が必要になるドキュメントの場合は選択できません。その場合は、Windowsエクスプローラでドキュメントを探して、ドキュメントのコンテキスト・メニューで署名と承認を行います。

「コンテンツのチェックイン」ダイアログのその他の領域に必要な入力を行い、「OK」をクリックします。

ヒント

  • アプリケーションを終了する場合や、まだチェックインしていないドキュメントを閉じる場合には、「ドキュメントを閉じる」ダイアログを使用してドキュメントのチェックインと承認を実行するか、レビューのためにドキュメントを送信できます。これを行うには、「ドキュメントを閉じる」ダイアログが表示されたときに、「チェックインと承認」チェック・ボックスまたは「ワークフロー・レビューにドキュメントを送信」チェック・ボックスを選択します。