このセクションでは、Oracle VM Server for SPARC 3.5 ソフトウェアに関する一般的な問題と固有のバグについて説明します。
このセクションでは、このバージョンのソフトウェアを使用するときに発生する可能性があるバグの概要について説明します。最新のバグを最初に説明します。回避方法および回復手順がある場合は、指定しています。
バグ ID 26435797: 仮想 CPU または CPU コアの削除操作が失敗した場合に、ldmd デーモンがコアダンプすることがあります。この障害は、ターゲットドメインのすべての CPU がバインドされているか、または負荷が大きい場合に発生する可能性があります。
この障害が発生した場合、ldm remove-core コマンドは、次のいずれかのエラーメッセージを発行する可能性があります。
Invalid response Failed to receive version negotiation response from logical domain manager: Connection reset by peer
仮想 CPU の削除を実行するには、ターゲットドメインからいくつかの CPU をバインド解除するか、またはワークロードを小さくする必要があります。この問題は、バインドされているか、またはバインドされていないドメインでの仮想 CPU の削除操作には影響しないことに注意してください。
バグ ID 26184111: 反射型リレーモードを有効にするために、仮想スイッチに vsw-relay-mode プロパティーが設定されています。このモードは、サービスドメインのリブート後に保持されないため、状態が local のデフォルト値に戻ります。
回避方法: リブート後に、仮想スイッチで次のコマンドを実行して、vsw-relay-mode プロパティーを有効にします。
primary# ldm set-vsw vsw-relay-mode=remote primary-vsw0
バグ ID 26047815: 特定の CPU 間移行シナリオで、次のエラーで移行が失敗することがあります。
API group 0x20b v1.0 is not supported in the version of the firmware running on the target machine. API group 0x214 v1.0 is not supported in the version of the firmware running on the target machine.
次のすべての条件が存在する場合にこの問題が発生します。
ドメインに generic または migration-class1 に設定されている cpu-arch プロパティーがある。
ドメインに global 値を含む perf-counter プロパティー設定がある
ドメインが少なくとも SPARC M7 シリーズサーバーまたは SPARC T7 シリーズサーバーでブートされた
ターゲットマシンが SPARC M7 シリーズサーバーまたは SPARC T7 シリーズサーバーより前にリリースされたプラットフォームである
この問題は、perf-counter プロパティー設定に global 値が含まれている SPARC M7 シリーズサーバーまたは SPARC T7 シリーズサーバー以上でブートされたドメインが、古いプラットフォームに存在していないプラットフォーム固有のパフォーマンスカウンタ Hypervisor インタフェースを登録するために発生します。移行の一部として、ドメインによって使用されるすべてのインタフェースがターゲットマシンに存在していることを確認するチェックが実行されます。これらの SPARC M7 シリーズサーバーまたは SPARC T7 シリーズサーバー固有のインタフェースが検出された場合、移行が中止されます。
回避方法: cpu-arch が native でなく、SPARC M7 シリーズサーバーおよび SPARC T7 シリーズサーバー以上が移行プールに含まれている場合に、perf-counter=global を設定しないでください。
バグ ID 25865708: Oracle Solaris OS によって、セカンダリ機能として認識される SES デバイスは vhba でサポートできない SES デバイスタイプです。vhba は、INQUIRY ペイロードの inq_dtype フィールドに指定されているように、デバイスタイプが 0xd の値を持つ SES デバイスをサポートできます。
ゲストドメインで vhba バイナリがいくつかの SCSI エンクロージャーサービス (SES) デバイスを初期化しようとすると、vhba によって scsi が次の警告メッセージを発行します。
... scsi: WARNING: scsi_enumeration_failed: vhba2 probe@w50080e51bfd32004,0,d enumeration failed during tran_tgt_init
,d 部分列は、SES デバイスの SCSI 業界標準コードの 0xd 16 進数を表します。,d 文字列は、この警告メッセージがサポートされていない SES デバイスのタイプの結果であることを示します。
vhba は、INQUIRY ペイロードの inq_dtype フィールドに指定された 0xd のデバイスタイプを持つ SES デバイスをサポートできます。
# mdb -k > ::vsan vsan_t( 6400126e08c0 ) cfg-hdl(0) iport-path(/pci@300/pci@1/pci@0/pci@4/SUNW,emlxs@0,11/fp@0,0) vsan_iport_t( 6400125b8710 ) vsan_tport_t( 64001bf89718 ) tport_phys(w216000c0ff8089d5) vsan_lun_t( 640011aa65d0 ) lun(0) vlun-id(1127b) [] > 640011aa65d0::print vsan_lun_t vl_sd |::print struct scsi_device sd_inq |::print struct scsi_inquiry inq_dtype inq_dtype = d
バグ ID 24393532: バグ ID 23591953 の修正は、snmpwalk コマンドを使用した Oracle VM Server for SPARC MIB オブジェクトの一覧表示などの Oracle VM Server for SPARC Oracle VM Server for SPARC MIB モニタリングと、ldomHbaTable テーブルのトラップ生成の両方に無効です。その結果、Oracle VM Server for SPARC MIB ldomHbaTable テーブルの内容が表示されません。
primary# snmpwalk -v1 -c public localhost SUN-LDOM-MIB::ldomHbaTable primary#
回避方法: ldm list-hba コマンドを使用して、HBA 情報を表示します。
バグ ID 23206413: まれに、成功したドメイン移行で次のエラーが報告されます。
Unable to send suspend request to domain domain-name
この問題は、ドメインの一時停止中に Logical Domains Manager がエラーを検出したときに発生しますが、Logical Domains Manager は回復し、移行を完了できます。コマンドの終了ステータスは 0 になり、移行の成功を表します。
回避方法: 移行は正常に完了しているため、エラーメッセージは無視できます。
バグ ID 23180427: 多数の仮想デバイスを持つバインドされたドメインをコールド移行するときに、操作が失敗し、SMF ログに次のメッセージが表示されることがあります。
warning: Timer expired: Failed to read feasibility response type (9) from target LDoms Manager
この障害は、ソースマシン上で実行されている Logical Domains Manager がタイムアウトして、ターゲットマシンでドメインがバインドされるまで待機していることを示します。移行しているドメイン内の仮想デバイスの数が増えると、この問題の発生率が上がります。
この障害のタイミングにより、ソースマシンとターゲットマシンの両方でドメインのバインドされたコピーが発生します。このドメインの両方のコピーを起動しないでください。この操作により、両方のドメインが同じ仮想ディスクバックエンドを参照するため、データの破損が発生する場合があります。
回復方法: ターゲットマシンで移行されたドメインのコピーが適切であることを確認したら、ソースマシンでドメインのコピーを手動でバインド解除し、破棄します。
バグ ID 23031413: ドメインの移行中にターゲットマシンの制御ドメインで LDC が不足すると、説明なしで移行が失敗し、次のメッセージが SMF ログに書き込まれます。
warning: Failed to read feasibility response type (5) from target LDoms Manager
このエラーは、ターゲットマシンで移行しているドメインのバインドに失敗したときに発行されます。同様に、ターゲットマシン上でほかの理由でバインド操作が失敗することがあります。
回避方法: 移行を成功させるには、移行されるドメインまたはターゲットマシンの制御ドメインで、LDC の数を減らす必要があります。ドメインによって処理または提供されている仮想デバイスの数を減らすことによって、LDC の数を減らすことができます。LDC の管理の詳細については、Oracle VM Server for SPARC 3.5 管理ガイド の Using Logical Domain Channelsを参照してください。
バグ ID 23024583: ovmtlibrary コマンドは、ディスクイメージファイル名を 50 文字に制限します。ovmtlibrary は、.ovf ファイルをチェックし、<ovf:References> セクションの情報と圧縮解除されたディスクの実際のファイル名とを比較します。
ファイルが異なる場合、またはディスクイメージのファイル名が 50 文字より長い場合は、エラーが発行されます。例:
# ovmtlibrary -c store -d "example" -q -o file:/template.ova -l /export/user1/ovmtlibrary_example event id is 3 ERROR: The actual disk image file name(s) or the actual number of disk image(s) is different from OVF file: template.ovf exit code: 1
次の XML 例は、50 文字を超えるディスクイメージファイル名を示しています。
<ovf:References> <ovf:File ovf:compression="gzip" ovf:href="disk_image.ldoms3.5_build_s11_u3_sru15_01_kz_42G.img.gz" ovf:id="ldoms3" ovf:size="6687633773"/> </ovf:References>
回避方法: ディスクイメージファイル名の長さを 50 文字より短くします。
バグ ID 22842188: linkprop=phys-state を仮想ネットワークデバイスでサポートするには、Logical Domains Manager は、仮想ネットワークデバイスが接続されている仮想スイッチに仮想スイッチを補助する物理 NIC があるか検証できる必要があります。
仮想スイッチを問い合わせできるように、Oracle VM Server for SPARC netsvc エージェントはゲストドメイン上で実行されている必要があります。
ゲストドメインがアクティブではなく、仮想ネットワークデバイスの仮想スイッチを持つドメイン内のエージェントと通信できない場合は、仮想ネットワークデバイスで linkprop=phys-state が設定されていません。
回避方法: ドメインがアクティブなときに linkprop=phys-state のみを設定します。
バグ ID 22828100: 仮想スイッチが linkprop=phys-state である仮想ネットワークデバイスを接続した場合、接続されている仮想スイッチは、net-dev プロパティーによって指定されている有効な補助 NIC デバイスを持つ必要があります。net-dev プロパティー値は、有効なネットワークデバイスの名前である必要があります。
net-dev= を使用してこのアクションが実行される場合、net-dev プロパティー値が有効な NIC デバイスではない場合でも、仮想スイッチは引き続き linkprop=phys-state を示します。
回避方法: まず、仮想スイッチに接続されているすべての仮想ネットワークデバイスを削除してから、仮想スイッチを削除します。次に、有効な net-dev 補助デバイスで仮想スイッチを再作成してから、すべての仮想ネットワークデバイスを再作成します。
バグ ID 21616429: Oracle VM Server for SPARC 3.3 ソフトウェアでは、Fujitsu M12 サーバーおよび Fujitsu M10 サーバーのみに対するソケットのサポートが導入されました。
Oracle SPARC サーバーおよび Oracle VM Server for SPARC 3.3 より前のバージョンで実行されているソフトウェアは、ソケット制約のあるドメインを XML ファイルから再作成できません。
古いバージョンの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアまたは Oracle SPARC サーバーでソケット制約のあるドメインを XML ファイルから再作成しようとすると、次のメッセージが表示されて失敗します。
primary# ldm add-domain -i ovm3.3_socket_ovm11.xml socket not a known resource
Oracle VM Server for SPARC 3.2 が Fujitsu M12 サーバーまたは Fujitsu M10 サーバー上で実行されているときに、ソケット制約のあるドメインを XML ファイルから再作成しようとすると、次のようなさまざまなエラーメッセージが表示されてコマンドが失敗します。
primary# ldm add-domain -i ovm3.3_socket_ovm11.xml Unknown property: vcpus primary# ldm add-domain -i ovm3.3_socket_ovm11.xml perf-counters property not supported, platform does not have performance register access capability, ignoring constraint setting.
回避方法: XML ファイルを編集して、socket リソースタイプを参照しているセクションをすべて削除します。
バグ ID 21289174: SPARC サーバーで、Oracle VM Server for SPARC ドメイン内で実行中のカーネルゾーンによってゲストドメインのライブ移行がブロックされます。次のエラーメッセージが表示されます。
Guest suspension failed because Kernel Zones are active. Stop Kernel Zones and retry.
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
カーネルゾーンの実行を停止します。
# zoneadm -z zonename shutdown
カーネルゾーンを中断します。
# zoneadm -z zonename suspend
ゲストドメインを移行する前に、カーネルゾーンの別のシステムへのライブ移行を実行します。
Creating and Using Oracle Solaris Kernel Zones の 第 3 章, Migrating an Oracle Solaris Kernel Zoneを参照してください。
バグ ID 20425271: factory-default に戻したあとで復旧をトリガーしているときに、システムが以前のアクティブな構成でブートしたデバイスとは異なるデバイスからブートすると、復旧モードが失敗します。この障害は、アクティブな構成が factory-default ブートデバイス以外のブートデバイスを使用する場合に発生することがあります。
回避方法: 新しい構成を SP に保存するときに、次の手順を実行します。
primary ドメインのブートデバイスへのフル PCI パスを特定します。
手順 4 の ldm set-var コマンドでこのパスを使用します。
現在設定されている boot-device プロパティーを primary ドメインから削除します。
この手順は、boot-device プロパティーに値が設定されている場合のみ実行する必要があります。プロパティーに値が設定されていない場合は、boot-device プロパティーを削除しようとすると boot-device not found というメッセージが表示されます。
primary# ldm rm-var boot-device primary
現在の構成を SP に保存します。
primary# ldm add-spconfig config-name
primary ドメインに boot-device プロパティーを明示的に設定します。
primary# ldm set-var boot-device=value primary
説明されているとおりに構成を SP に保存したあとで boot-device プロパティーを設定した場合は、復旧モードがトリガーされたときに、指定したブートデバイスがブートされます。
回復方法: 説明されているとおりに復旧モードがすでに失敗している場合は、次の手順を実行します。
ブートデバイスを、最後に実行する構成で使用されるデバイスに明示的に設定します。
primary# ldm set-var boot-device=value primary
primary ドメインをリブートします。
primary# reboot
リブートにより復旧を続行できます。
バグ ID 19932842: 次のコマンドのいずれかが完了する前に eeprom または OBP コマンドを使用した場合、ゲストドメインから OBP 変数を設定しようとすると失敗することがあります。
ldm add-spconfig
ldm remove-spconfig
ldm set-spconfig
ldm bind
この問題は、これらのコマンドの完了に 15 秒を超える時間がかかる場合に発生する可能性があります。
# /usr/sbin/eeprom boot-file\=-k promif_ldom_setprop: promif_ldom_setprop: ds response timeout eeprom: OPROMSETOPT: Invalid argument boot-file: invalid property
回復方法: ldm 操作の完了後に eeprom または OBP コマンドを再試行してください。
回避方法: 影響を受けるゲストドメインで eeprom または OBP コマンドを再試行してください。この問題は primary ドメインで ldm set-var コマンドを使用することで回避できる場合があります。
バグ ID 19449221: 1 つのドメインは 999 未満の仮想ネットワークデバイス (vnet) で構成できます。
回避方法: ドメイン上の vnet の数を 999 に制限してください。
バグ ID 18001028: ルートドメインで、ファイバチャネル仮想機能の Oracle Solaris デバイスパスが正しくありません。
たとえば、パス名が pci@380/pci@1/pci@0/pci@6/SUNW,emlxs@0,2 であるべきところを、間違って pci@380/pci@1/pci@0/pci@6/fibre-channel@0,2 になっています。
ldm list-io -l 出力には、ファイバチャネル仮想機能の正しいデバイスパスが表示されます。
回避方法: ありません。
バグ ID 17036795: Oracle Solaris 11.3 SRU 12 OS で、SPARC プラットフォーム上のファイバチャネルデバイスに対して ssd および sd ドライバ機能がマージされています。
この変更は物理デバイスパスのデバイスノード名に影響を与えます。デバイスノード名が ssd@ から disk@ に変更されます。また、この変更は ssd から sd へのデバイスドライバのバインディングにも影響を与えます。
この変更は、Oracle Solaris 11.3 システムではデフォルトで有効にされていません。
仮想 HBA およびファイバチャネルデバイスを使用するドメインのライブ移行を実行するには、この変更を有効にする必要があります。
この変更を有効にする前に、stmsboot -D fp -e コマンドを実行して、MPxIO がすでに有効になっていることを確認します。
MPxIO が有効になっているかどうかを判断するには、format コマンドを実行します。有効になっている場合は、デバイス名に vhci と表示されます。または、mpathadm -list lu の出力が空の場合、MPxIO デバイスが列挙されません。
beadm コマンドを使用して、新しいブート環境 (BE) を作成します。BE を使用すると、予期しない問題が発生した場合に、以前のブート環境に簡単にロールバックできます。
BE をマウントし、/etc/devices/inception_points ファイルを /etc/devices/inception_points.vhba ファイルに置き換えます。.vhba ファイルには、この変更を有効にするいくつかの機能フラグが含まれています。
最後に、新しい BE をアクティブにしたあとでリブートします。
# beadm create BE-name # beadm mount BE-name /mnt # cp /mnt/etc/devices/inception_points.vhba /mnt/etc/devices/inception_points # beadm umount BE-name # beadm activate BE-name # reboot
リブート後に、prtconf -D | grep driver | grep sd コマンドを使用して、変更を確認します。
いずれかのディスクで、ssd ドライバが使われている場合は、構成に問題があります。
仮想 HBA およびファイバチャネル仮想機能の両方が同じ LUN を参照するように構成されている場合、mpathadm list lu コマンドを使用して、同じディスクへの複数のパスを表示することもできます。
バグ ID 16979993: InfiniBand デバイスで動的 SR-IOV 削除操作を使用しようとすると、紛らわしい不適切なエラーメッセージが表示されます。
動的 SR-IOV 削除操作は、InfiniBand デバイスではサポートされていません。
回避方法: 次のいずれかの手順を実行して、InfiniBand 仮想機能を削除します。
バグ ID 16864417: SPARC T5、SPARC M5、または SPARC M6 サーバーと UltraSPARC T2 または SPARC T3 サーバー間の移行の試行中は、ldm migrate -n コマンドは障害を報告しません。
回避方法: ありません。
バグ ID 16691046: 仮想機能がルートドメインから割り当てられた場合、次のホットプラグの状況では、I/O ドメインが回復性の提供に失敗することがあります。
ルートドメインにルートコンプレックス (PCIe バス) を動的に追加したあと、仮想機能を作成し、それを I/O ドメインに割り当てます。
ルートコンプレックスを所有するルートドメインに SR-IOV カードをホット追加したあと、仮想機能を作成し、それを I/O ドメインに割り当てます。
いずれかの PCIe カードを (ホットプラグを使用して、またはルートドメインのダウン中に) 交換するか、またはルートドメインによって所有されているルートコンプレックス上の空きスロットに追加します。このルートドメインは、仮想機能をルートコンプレックスから I/O ドメインに提供します。
回避方法: 次のいずれかの手順を実行します。
ルートコンプレックスが仮想機能を I/O ドメインにすでに提供しているときに、そのルートコンプレックス上のいずれかの PCIe カードを (ホットプラグを使用して、またはルートドメインのダウン中に) 追加、取り外し、または交換する場合は、ルートドメインと I/O ドメインの両方をリブートする必要があります。
ルートコンプレックスが仮想機能をまだ I/O ドメインに割り当てていないときに、SR-IOV カードまたはほかのいずれかの PCIe カードをルートコンプレックスに追加する場合は、PCIe カードを追加するためにルートドメインを停止する必要があります。ルートドメインがリブートしたら、仮想機能をそのルートコンプレックスから I/O ドメインに割り当てることができます。
新しい PCIe バスをルートドメインに追加したあと、仮想機能を作成してそのバスから I/O ドメインに割り当てる場合は、次のいずれかの手順を実行してから、ルートドメインをリブートします。
遅延再構成中にバスを追加する
バスを動的に追加する
バグ ID 16659506: primary ドメインのリブート後にゲストドメインが移行状態 (t) になります。この問題は、システム上に多数の仮想機能が構成されている場合に発生します。
回避方法: この問題を回避するには、OBP のディスクブートコマンドを数回再試行して、ネットワークからブートしないようにします。
各ドメインで次の手順を実行します。
ドメインのコンソールにアクセスします。
primary# telnet localhost 5000
boot-device プロパティーを設定します。
ok> setenv boot-device disk disk disk disk disk disk disk disk disk disk net
boot-device プロパティーの値として指定する disk エントリの数は、システム上に構成されている仮想機能の数によって異なります。小規模なシステムでは、プロパティー値に含める disk インスタンスを少なくできる可能性があります。
printenv を使用して boot-device プロパティーが正しく設定されていることを確認します。
ok> printenv
primary ドメインのコンソールに戻ります。
システム上のドメインごとに、手順 1-4 を繰り返します。
primary ドメインをリブートします。
primary# shutdown -i6 -g0 -y
バグ ID 16284767: Oracle Solaris コンソール上のこの警告は、I/O デバイスドライバの接続中に、供給された割り込み数が使い果たされたことを示しています。
WARNING: ddi_intr_alloc: cannot fit into interrupt pool
この制限は、SPARC M7 シリーズサーバーおよび SPARC T7 シリーズサーバーより前のサポートされる SPARC システムのみに適用されます。
ハードウェアが提供する割り込み数には限りがあるため、Oracle Solaris では各デバイスで使用できる数を制限しています。デフォルトの制限は一般的なシステム構成のニーズに合うように考案されていますが、特定のシステム構成ではこの制限に調整が必要になることがあります。
特に、システムが複数の論理ドメインにパーティション化されている場合や、任意のゲストドメインに割り当てられる I/O デバイスの数が多すぎる場合は、この制限に調整が必要になることがあります。Oracle VM Server for SPARC では、全割り込み数を小さいセットに分けて、ゲストドメインに提供します。1 つのゲストドメインに割り当てられる I/O デバイスの数があまりにも多い場合は、その供給量が少なすぎて、各デバイスにデフォルトの割り込み制限を提供できないことがあります。そのため、すべてのドライバを完全に接続する前にその供給量が使い果たされてしまいます。
ドライバの中には、その割り込み数を Oracle Solaris で自動的に調整できるようにするオプションのコールバックルーチンを提供するものもあります。このようなドライバにはデフォルトの制限が適用されません。
回避方法: ::irmpools および ::irmreqs MDB マクロを使用して、使用される割り込みを調べます。::irmpools マクロは、プールに分けられた割り込みの総供給量を表示します。::irmreqs マクロは、各プールにマップされているデバイスを表示します。デバイスごとに、::irmreqs は、オプションのコールバックルーチンによってデフォルトの制限が強制されるかどうか、各ドライバがリクエストした割り込みの数、および各ドライバに提供される割り込みの数を表示します。
これらのマクロでは、接続に失敗したドライバに関する情報は表示されません。ただし、表示される情報は、デフォルトの制限をどの程度まで調整できるかを予測するのに役立ちます。コールバックルーチンを提供せずに複数の割り込みを使用するデバイスは、デフォルトの制限を調整して、使用する割り込み数を少なくせざるをえない場合があります。そのようなデバイスで使用される量を下回ってデフォルトの制限を減らすと、ほかのデバイスで使用できるように割り込みが解放されます。
デフォルトの制限を調整するには、/etc/system ファイル内の ddi_msix_alloc_limit プロパティーを 1-8 の値に設定します。次に、その変更が反映されるようにシステムをリブートします。
パフォーマンスを最大にするには、開始時に大きな値を割り当て、システムが警告なしで正常にブートするまで、それらの値を少しずつ減らします。::irmpools および ::irmreqs マクロを使用して、接続されているすべてのドライバに対する調整の影響を評価します。
たとえば、ゲストドメインで Oracle Solaris OS のブート中に次の警告が出されるとします。
WARNING: emlxs3: interrupt pool too full. WARNING: ddi_intr_alloc: cannot fit into interrupt pool
::irmpools および ::irmreqs マクロは次の情報を表示します。
# echo "::irmpools" | mdb -k ADDR OWNER TYPE SIZE REQUESTED RESERVED 00000400016be970 px#0 MSI/X 36 36 36 # echo "00000400016be970::irmreqs" | mdb -k ADDR OWNER TYPE CALLBACK NINTRS NREQ NAVAIL 00001000143acaa8 emlxs#0 MSI-X No 32 8 8 00001000170199f8 emlxs#1 MSI-X No 32 8 8 000010001400ca28 emlxs#2 MSI-X No 32 8 8 0000100016151328 igb#3 MSI-X No 10 3 3 0000100019549d30 igb#2 MSI-X No 10 3 3 0000040000e0f878 igb#1 MSI-X No 10 3 3 000010001955a5c8 igb#0 MSI-X No 10 3 3
この例に示されるデフォルトの制限は 1 デバイスにつき 8 回の割り込みですが、これはシステムへの最後の emlxs3 デバイスの接続を受け入れるのに十分な割り込み数ではありません。emlxs のすべてのインスタンスが同じように動作すると考えれば、emlxs3 はおそらく 8 回の割り込みをリクエストしています。
36 回の割り込みの総プールサイズから、すべての igb デバイスで使用された 12 回の割り込みを引くことにより、24 回の割り込みを emlxs デバイスに使用できます。24 回の割り込みを 4 で割ると、1 デバイスにつき 6 回の割り込みによって、すべての emlxs デバイスが同じパフォーマンスで接続できることになります。そのため、次の調整が /etc/system ファイルに追加されます。
set ddi_msix_alloc_limit = 6
システムが警告なしで正常にブートすると、::irmpools および ::irmreqs マクロは次の更新された情報を表示します。
# echo "::irmpools" | mdb -k ADDR OWNER TYPE SIZE REQUESTED RESERVED 00000400018ca868 px#0 MSI/X 36 36 36 # echo "00000400018ca868::irmreqs" | mdb -k ADDR OWNER TYPE CALLBACK NINTRS NREQ NAVAIL 0000100016143218 emlxs#0 MSI-X No 32 8 6 0000100014269920 emlxs#1 MSI-X No 32 8 6 000010001540be30 emlxs#2 MSI-X No 32 8 6 00001000140cbe10 emlxs#3 MSI-X No 32 8 6 00001000141210c0 igb#3 MSI-X No 10 3 3 0000100017549d38 igb#2 MSI-X No 10 3 3 0000040001ceac40 igb#1 MSI-X No 10 3 3 000010001acc3480 igb#0 MSI-X No 10 3 3
バグ ID 16068376: 約 128 個のドメインを含む SPARC T5-8 サーバーで、ldm list などの一部の ldm コマンドに、すべてのドメインの稼働時間として 0 秒が表示されることがあります。
回避方法: ドメインにログインし、uptime コマンドを使用してドメインの稼働時間を調べます。
バグ ID 15819714: ldm list -o status コマンドを制御ドメイン上の移行のステータスの監視に使用しているときに、不正確な完了率を報告することがまれにあります。
この問題は、移行中のドメインや、ソースまたはターゲット制御ドメイン上の ldmd デーモンには影響を及ぼしません。
回避方法: 移行に関連するその他の制御ドメインで ldm list -o status コマンドを実行して、進行状況を監視します。
バグ ID 15783031: ldm init-system コマンドを使用して、直接 I/O または SR-IOV 操作を使用したドメイン構成を復元すると、問題が発生することがあります。
問題が発生するのは、復元される構成で次の操作が 1 つ以上実行された場合です。
primary ドメインによってまだ所有されているバスからスロットが取り外されました。
primary ドメインによって所有されている物理機能から仮想機能が作成されました。
仮想機能が primary ドメインまたはほかのゲストドメイン、あるいはその両方に割り当てられました。
ルートコンプレックスが primary ドメインから削除され、ゲストドメインに割り当てられました。そのルートコンプレックスは、このあとの I/O 仮想化操作の基礎として使用されます。
つまり、primary 以外のルートドメインを作成し、以前の操作をすべて実行しました。
前述のいずれかのアクションを実行した場合は、Oracle VM Server for SPARC PCIe 直接 I/O および SR-IOV 機能に関するドキュメント (ドキュメント ID 1325454.1) (https://support.oracle.com/epmos/faces/SearchDocDisplay?amp;_adf.ctrl-state=10c69raljg_77&_afrLoop=506200315473090) に示す回避方法を実行します。
バグ ID 15776123: ゲストドメインを SPARC T4 サーバーに移行中にそのドメインで cputrack コマンドが実行されている場合、移行が完了したあと、ターゲットマシン上のゲストドメインでパニックが発生することがあります。
回避方法: SPARC T4 サーバーへのゲストドメインの移行中に cputrack コマンドを実行しないでください。
バグ ID 15775637: I/O ドメインには、ルートコンプレックスあたりに使用できる割り込みリソースの数に関する制限があります。
SPARC T3 および SPARC T4 サーバーでは、この制限は約 63 MSI/X ベクトルです。各 igb 仮想機能は、3 つの割り込みを使用します。ixgbe 仮想機能は、2 つの割り込みを使用します。
あるドメインに多数の仮想機能を割り当てると、そのドメインの、これらのデバイスをサポートするためのシステムリソースが不足します。次のようなメッセージが表示されることがあります。
WARNING: ixgbevf32: interrupt pool too full. WARNING: ddi_intr_alloc: cannot fit into interrupt pool
バグ ID 15771384: ドメインのゲストコンソールが、そのバインド前やバインド中にそのコンソールへの接続が繰り返し試みられた場合に休止することがあります。たとえば、ドメインがそのマシン上に移行されているときに、自動スクリプトを使用してそのコンソールをグラブする場合にこれが発生する可能性があります。
回避方法: コンソールの休止を解除するには、ドメインのコンソール端末集配信装置をホストするドメイン (通常は制御ドメイン) で次のコマンドを実行します。
primary# svcadm disable vntsd primary# svcadm enable vntsd
バグ ID 15761509: このサポートドキュメント (https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&doctype=REFERENCE&id=1325454.1)に記載された、直接 I/O (DIO) 機能をサポートする PCIe カードのみを使用してください。
回避方法: ldm add-io コマンドを使用して primary ドメインにカードをふたたび追加します。
バグ ID 15701865: ターゲットマシン上の非アクティブなドメインに依存するドメインのライブ移行を試みると、ldmd デーモンで障害が発生してセグメント例外が生成され、クラッシュします。ldmd デーモンが自動的に再起動されますが、移行は中止されます。
回避方法: ライブ移行を試みる前に、次のいずれかのアクションを実行してください。
移行するドメインからゲスト依存関係を削除します。
ターゲットマシン上のマスタードメインを起動します。
バグ ID 15701853: CPU の数が大幅に削減されたあとにロードされたドメインの DRM ポリシーの期限が切れると、Oracle VM Server for SPARC ログに No response メッセージが表示されることがあります。ldm list 出力には、psrinfo 出力に示されている数よりも多くの CPU リソースがドメインに割り当てられていることが示されています。
回避方法: ldm set-vcpu コマンドを使用して、ドメイン上の CPU の数を psrinfo 出力に示されている数にリセットします。
バグ ID 15696986: 2 つの ldm migrate コマンドを 2 つの同じシステム間で「反対方向」に同時にすると、その 2 つのコマンドがハングアップして完了できなくなることがあります。反対方向の状況は、マシン A からマシン B への移行と、マシン B からマシン A への移行を同時に開始した場合に発生します。
ハングアップは、移行プロセスが –n を使用して予行演習として開始された場合でも発生します。この問題が発生した場合は、ほかの ldm コマンドもすべてハングアップする可能性があります。
回復方法: ソースマシンとターゲットマシンの両方で Logical Domains Manager を再起動します。
primary# svcadm restart ldmd
回避方法: ありません。
バグ ID 15668368: SPARC T3-1 サーバーには、デュアルポートディスクをインストールできます。このディスクには、2 つの異なる直接 I/O デバイスからアクセスできます。この 2 つの直接 I/O デバイスをそれぞれ異なるドメインに割り当てると、ディスクが両方のドメインで使用されることになり、ディスクの実際の使用状態によっては他方のドメインに影響を及ぼすことがあります。
回避方法: 同じディスクセットにアクセスする複数の直接 I/O デバイスを、それぞれ異なる I/O ドメインに割り当てないでください。SPARC T3-1 サーバーにデュアルポートディスクがあるかどうかを調べるには、次のコマンドを SP で実行します。
-> show /SYS/SASBP
出力の fru_description の値が次のとおりならば、対応するシステムにデュアルポートディスクがあります。
fru_description = BD,SAS2,16DSK,LOUISE
システムにデュアルディスクが存在している場合は、次に示す直接 I/O デバイスが両方とも同じドメインに割り当てられていることを確認します。
pci@400/pci@1/pci@0/pci@4 /SYS/MB/SASHBA0 pci@400/pci@2/pci@0/pci@4 /SYS/MB/SASHBA1
バグ ID 15664666: リセット依存関係が作成されているときに、ldm stop -a コマンドを実行すると、リセット依存関係にあるドメインが単に停止するのではなく、再起動されることがあります。
回避方法: まず、ldm stop コマンドをマスタードメインに発行します。次に、ldm stop コマンドをスレーブドメインに発行します。スレーブドメインの初回の停止に失敗した場合は、ldm stop -f コマンドをスレーブドメインに対して実行します。
バグ ID 15600969: 動作中のドメインからすべてのハードウェア暗号化装置を動的に削除すると、暗号化フレームワークがソフトウェア暗号化プロバイダへのシームレスな切り替えに失敗し、すべての ssh 接続が強制終了します。
この問題は、UltraSPARC T2、UltraSPARC T2 Plus、および SPARC T3 サーバーのみに該当します。
回復方法: ドメインからすべての暗号化装置を削除したあと、ssh 接続を再確立します。
回避方法: サーバー側の /etc/ssh/sshd_config ファイルに UseOpenSSLEngine=no を設定し、svcadm restart ssh コマンドを実行します。
ssh 接続にはハードウェア暗号化装置が使用されなくなるので、パフォーマンスの向上というメリットはなくなりますが、暗号化装置が削除されても ssh 接続は切断されません。
バグ ID 15518409: マシンにネットワークが構成されていない場合にネットワーク情報サービス (Network Information Service、NIS) クライアントが実行されていると、Logical Domains Manager が起動しません。
回避方法: ネットワークに接続されていないマシン上の NIS クライアントを無効にします。
# svcadm disable nis/client
バグ ID 15513998: ドメインの移行後、そのドメインのコンソールに接続できない場合があります。
移行されたドメインが Oracle Solaris 11.3 より古い OS バージョンを実行しているときに、この問題が発生します。
回避方法: コンソールに接続できるようにするには、vntsd SMF サービスを再起動します。
# svcadm restart vntsd
バグ ID 15453968: 共通のコンソールグループを持つシステムで、複数のゲストドメインのネットインストールを同時に実行すると失敗します。
回避方法: それぞれ固有のコンソールグループを持つゲストドメインでのみネットインストールを実行してください。この障害は、ネットインストールを行う複数のドメイン間で共有される、共通のコンソールグループを使用するドメインでのみ発生します。
バグ ID 15368170: ldm stop-domain コマンドの動作がわかりにくい場合があります。
# ldm stop-domain -f domain-name
ドメインにカーネルモジュールデバッガ kmdb(1) のプロンプトが表示されている場合、ldm stop-domain コマンドが失敗し、次のエラーメッセージが表示されます。
LDom <domain-name> stop notification failed
このセクションでは、発見が遅れたために Oracle VM Server for SPARC 3.5 リリースでは解決できなかったドキュメントの問題やエラーを示します。
これらの変更は、Oracle VM Server for SPARC 3.5 ソフトウェア製品に付属のマニュアルページまたは OTN 上のOracle VM Server for SPARC 3.5 ???????????の日本語バージョンには反映されません。
ldmd(1M) のマニュアルページで ldmd/migration_adi_legacy_compat SMF プロパティーの次の説明が欠落しています。
いずれかのマシンで、Oracle VM Server for SPARC 3.5 で導入された Application Data Integrity (ADI) バージョン情報の移行をサポートしていない場合でも、シリコンセキュアメモリー (SSM) をサポートするサーバー間でドメイン移行を許可するかどうかを指定します。
ソースマシンとターゲットマシンの両方で、Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの最新のバージョンが実行されている場合は、この SMF プロパティーを使用する必要はありません。
![]() | 注意 - SSM をサポートしているサーバーでドメインの移行を実行しようとしている場合は、それらのサーバーで少なくとも Oracle VM Server for SPARC 3.5 ソフトウェアを実行することをお勧めします。これが不可能な場合は、ldmd/migration_adi_legacy_compat SMF プロパティーを使用するときに細心の注意を払います。このプロパティーの不適切な使用によって、移行対象のドメインで ADI が使用されている場合に、アプリケーションの未定義な動作が発生する可能性があります。 |
デフォルトで、プロパティー値は false であり、これにより、ソースマシンとターゲットマシンの両方が SSM をサポートしていて、Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの必要なバージョンを実行していないかぎり、ドメインの移行が妨げられます。このプロパティーは SSM をサポートしないサーバーには影響を与えません。
値が true の場合、ドメイン移行は、ADI バージョン情報の移行をサポートせずに続行されます。
そのため、ソースマシンまたはターゲットマシンのいずれかで、ADI バージョン情報の移行をサポートしない 3.5 より古い Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアのバージョンを実行している場合は、移行が許可されます。
次の両方の状況が当てはまる場合にのみ、ldmd/migration_adi_legacy_compat SMF プロパティー値を true に設定してください。
ソースマシンとターゲットマシンの両方を、ADI バージョン情報の移行をサポートしている Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアのバージョンにアップグレードできない
移行対象のドメイン内で ADI バージョン管理が使用されていないことが確実にわかっている
このプロパティーを true に設定すると、ADI バージョン情報がターゲットマシンに転送されない移行が許可されます。この状況により、移行対象のドメインで ADI が使用されている場合に、アプリケーションの未定義の動作が発生することがあります。
ldmd/migration_adi_legacy_compat SMF プロパティーは、3.5 より古い Oracle VM Server for SPARC のバージョンでは認識されません。このプロパティーの使用は、少なくとも Oracle VM Server for SPARC 3.5 が実行されているソースマシンまたはターゲットマシンにのみ適用されます。
ldm(1M) マニュアルページには次の更新が含まれます。
最初の段落は次のようになります。
set-domain サブコマンドにより、ドメインの boot-policy、mac-addr、hostid、failure-policy、extended-mapin-space、master、max-cores などのプロパティーを変更できます。このコマンドをリソースを更新するために使用することはできません。
–i の説明は次のようになります。
–i file は、論理ドメインのプロパティーの設定で使用する XML 構成ファイルを指定します。
XML ファイルで指定された ldom_info ノードのみが解析されます。vcpu、mau、memory などのリソースノードは無視されます。
XML ファイル内で hostid プロパティーがすでに使用されている場合、ldm set-domain -i コマンドが次のエラーで失敗します。
Hostid host-ID is already in use
ldm set-domain -i コマンドを再実行する前に、XML ファイルから hostid エントリを削除します。
ldm(1M) のマニュアルページは、ldm list-history コマンドを使用して表示できるコマンド履歴バッファーを誤って参照しています。
コマンド履歴に関するセクションの第 1 および第 2 段落は、次の段落で更新されました。
ldm list-history コマンドを使用すると、Oracle VM Server for SPARC のコマンド履歴ログを表示できます。このログは、ldm コマンドと、XMPP インタフェース経由で発行されるコマンドをキャプチャーします。デフォルトで、ldm list-history コマンドによって示されるコマンドの数は 10 個です。
ldm list-history コマンドによって出力されるコマンドの数を変更するには、ldm set-logctl コマンドを使用して history プロパティー値を設定します。history=0 と設定すると、コマンド履歴の保存が無効になります。history プロパティーをゼロ以外の値に設定すると、この機能を再度有効にできます。
ロギング操作の制御に関するセクション内の history プロパティーの説明が、次のように更新されました。
history=num は、ldm list-history コマンドによって出力されるコマンド数を指定します。値を 0 に設定すると、コマンド履歴の保存が無効になります。
ロギング機能の表示に関するセクションの –a オプションの説明が、次のように更新されました。
–a は、すべてのロギングタイプのロギング機能の値と ldm list-history コマンドによって出力されるコマンド数を表示します。