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Oracle® R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド
リリース1.5
E67080-02
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1 Oracle R Enterpriseのインストールの概要

この章ではOracle R Enterpriseのインストール・プロセスについて説明します。この章には、次の項目が含まれます。

1.1 Oracle R Enterpriseのアーキテクチャ

Oracle R Enterpriseは、Oracle DatabaseおよびOracle Clientに基づくクライアント/サーバー型アーキテクチャを採用しています。Rエンジンは、サーバー・コンピュータおよび各クライアント・コンピュータ上で動作します。

  • SQLの透過性

    Oracle R Enterpriseのクライアント・パッケージではSQLの透過性がサポートされており、Oracle表がネイティブRオブジェクトであるかのように「透過的に」表示されます。SQLの透過性によって、SQLを理解できなくても、データ分析でRを使用したデータの検索、クレンジング、変換が行えます。

  • 埋込みRの実行

    サーバー上のOracle R Enterpriseのパッケージ、ライブラリとRおよびSQLのAPIでは、SQL問合せおよびPL/SQL文内でのRコマンドの実行がサポートされています。埋込みRは、パラレルに実行できる、生成されたRエンジンで実行されます。埋込みRを使用すると、大規模データセットでRアルゴリズムを実行でき、DBMS_SCHEDULERなどのデータベース機能を使用してLights-Out処理用のユーザー定義のR関数の実行をスケジュールできます。

図1-1は、Oracle R Enterpriseのクライアント/サーバー型アーキテクチャを示しています。

図1-1 Oracle R Enterpriseのクライアント/サーバー型アーキテクチャ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle R Enterpriseのクライアント/サーバー型アーキテクチャ」の説明

1.2 Oracle R Enterpriseのクライアントおよびサーバー・コンポーネント

  • Oracle R Enterpriseのクライアント・コンポーネント:

    • Oracle Database Client

    • Oracle R EnterpriseパッケージおよびSupporting Packages

  • Oracle R Enterpriseのサーバー・コンポーネント:

    • Oracle R Enterprise Clientをサポートするスキーマ・オブジェクトおよび共有ライブラリを備えたOracle Database

    • Oracle R EnterpriseパッケージおよびSupporting Packages

1.3 Oracle R Enterpriseのインストール手順

図1-2に、Oracle R Enterprise ClientおよびServerのインストール手順を示します。

図1-2 Oracle R Enterprise ClientおよびServerのインストール手順

図1-2の説明が続きます
「図1-2 Oracle R Enterprise ClientおよびServerのインストール手順」の説明

Oracle R Enterprise Serverインストール・スクリプトを使用すると、Oracle R Enterprise Serverがインストールされると同時に、Supporting Packagesがインストールされ、データベース・ユーザーが作成されます。詳細は、「Oracle R Enterprise Serverのインストール」を参照してください。

注意:

Oracle DatabaseをホストするコンピュータでOracle R Enterpriseのクライアントとサーバーの両方のコンポーネントを使用する場合は、クライアント・インストールを個別に実行する必要はありません。Oracle Database Clientのローカル・インストールは、自動的にOracle Databaseのインストールに組み込まれます。

1.4 Oracle R Enterpriseのシステム要件

Oracle R Enterpriseは、64ビットのプラットフォームでのみ動作します。

クライアントおよびサーバー・コンポーネントの両方が、このトピックに示されている各プラットフォームでサポートされています。


表1-1 Oracle R Enterpriseのプラットフォーム要件

オペレーティング・システム ハードウェア・プラットフォーム 説明

Linux x86-64

IntelおよびAMD

  • 64ビットOracle Linuxリリース6および7

  • 64ビットRed Hat Enterprise Linuxリリース6および7

Oracle LinuxはOracle Exadata Database Machine上で稼働している場合があります。

Oracle Solaris on x86-64(64-Bit)

Oracle Solaris on SPARC-64 (64ビット)

IntelおよびSPARC

  • 64ビット版Oracle Solaris 10 Update 10からOracle Solaris 11(SPARCとx86-64 (Intel)の両プラットフォーム)

  • Oracle SPARC SuperCluster

  • Oracle Solaris Studio (旧Sun Studio) 12u3以上

Oracle SolarisはOracle Exadata Database Machine上で稼働している場合があります。

IBM AIX on POWER Systems (64ビット)

IBM

64ビット版IBM AIX 5.3以上

Microsoft Windows x64 (64ビット)

Intel

64ビットMicrosoft Windows

「Microsoft Windowsでの64ビット・アーキテクチャの確認」を参照してください。


次の表では、Oracle R Enterpriseサーバー・コンポーネントの、サポートされている構成を示します。Oracle R Enterpriseは、Oracleの無償版ディストリビューションであるOracle R Distributionと組み合せて使用することをお薦めします。Oracle R Enterpriseをインストールする前に、Oracle R Distributionをインストールする必要があります。


表1-2 Oracle R Enterprise Serverのサポート・マトリクス

Oracle R Enterprise オープン・ソースRまたはOracle R Distribution Oracle Database (注意を参照)

1.5

3.2.x

11.2.0.4, 12.1.0.1, 12.1.0.2

1.4.1

3.0.1, 3.1.1

11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1.0.1, 12.1.0.2

1.4

3.0.1, 3.1.1

11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1.0.1

1.3.1

2.15.1, 2.15.2, 2.15.3

11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1.0.1

1.3

2.15.1

11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1.0.1

1.2

2.15.1

11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1.0.1

1.1

2.13.2

11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1.0.1

1.0

2.13.2

11.2.0.3, 11.2.0.4, 12.1.0.1


注意:

Oracle Database Release 12.1.0.2では、一部の埋込みRの操作を成功させるには、Oracle R Enterpriseリリース1.4.1および1.5の両方で、データベース・パッチ(20173897 EXTPROCによって返された表からのグループ化の結果が間違っています(パッチ))が必要です。

関連項目:

  • 「Oracle R DistributionおよびOracle R Enterprise」

  • 最新のプラットフォーム要件およびOracle R Enterpriseでサポートされている最新バージョンのRの詳細は、『Oracle R Enterpriseリリース・ノート』を参照してください。

1.4.1 Microsoft Windowsでの64ビット・アーキテクチャの確認

Oracle R Enterpriseは、64ビットのオペレーティング・システムでのみ実行されます。ご使用のWindowsシステムが64ビットかどうかを判断するには、次の手順を実行します。

  • Windows 7またはWindows Vista:

    1. Windowsの「コントロール・パネル」で「システム」を選択します。

    2. 「システムの種類」「64 ビット オペレーティング システム」であることを確認します。

  • Windows XP:

    1. 「スタート」メニューで、「マイ コンピュータ」を選択します。

    2. 「プロパティ」をクリックします。

    3. 「システム」タブで、システムが「x64 Edition」であることを確認します。