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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server動的クラスタの拡張度の構成
12c (12.2.1.3.0)
E90326-03
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3 拡張度を構成するための要件

動的クラスタの拡張度を構成するには、実行できる動的サーバー・インスタンスの初期数、最小数、最大数などのスケーラビリティに関する一連のキー属性を指定する、動的クラスタが必要です。さらに、スケーラビリティのニーズに応じて、マシンのプロビジョニング、データベース・リソースの構成、特定条件の発生時にスケーリング操作を自動化するポリシーの作成などの追加のタスクが必要になる場合があります。

この章の内容は次のとおりです。

動的クラスタの構成

拡張度は、動的クラスタの場合のみ使用できます。エラスティック・スケーリングを構成する前に、動的クラスタを作成および構成する必要があります。 『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』の動的クラスタの作成と構成に関する項を参照してください。

表3-1では、動的クラスタに拡張度を構成するために使用するDynamicServersMBean属性について説明しています。

表3-1 動的クラスタで拡張度を構成するための属性

属性 説明

DynamicClusterCooloffPeriodSeconds

スケーリング操作時に使用される、秒単位のクールオフ期間。スケーリング操作の実行後、スケーリング操作に対する後続のリクエストは、このクールオフ期間の間、無視されます。デフォルト値は900、最小値は0です。

DynamicClusterShutdownTimeoutSeconds

タイムアウト周期(単位は秒)、動的サーバーのインスタンスを正常に停止する間に使用します。動的サーバーのインスタンスが指定されたタイムアウト期間の経過前に停止しなかった場合、強制的に停止されます。デフォルト値は、0です。

DynamicClusterSize

動的クラスタでプロビジョニングされる動的サーバー・インスタンスの初期数。この属性の最小値は0で、最大値は800です。

IgnoreSessionsDuringShutDown

動的サーバー・インスタンスを停止する際、スケール・ダウン操作中に、拡張度フレームワークが処理中のHTTPリクエストを無視するかどうかを指定します。

MaxDynamicClusterSize

スケーリング操作で使用できる動的サーバー・インスタンスの最大数。MaxDynamicClusterSizeのデフォルト値は8です。最小値は0、最大値は800です。

スケール・アップ操作でMaxDynamicClusterSizeで設定された制限を超えようとすると、操作は失敗しませんが、WebLogic Serverはこの制限に達するまで、実行中の動的サーバー・インスタンスを追加するのみです。

MinDynamicClusterSize

拡張度フレームワークがスケーリング操作時に動的クラスタで維持しようとする実行中の動的サーバー・インスタンスの最小数。デフォルト値は1です。最小値は0、最大値は800です。

スケール・ダウン操作時に、MinDynamicClusterSizeで設定された制限より低くスケール・ダウンすることはできない点に注意してください。WebLogic Serverでは、この制限までのみスケール・ダウンできます。

WaitForAllSessionsDuringShutdown

スケーリング操作の際、動的サーバー・インスタンスの停止中に、処理中のすべてのHTTPセッション(永続および非永続)を拡張度フレームワークが待機するかどうかを指定します。

これらの属性の設定や動的クラスタでの拡張度の構成には、WebLogic Server管理コンソール、Enterprise Manager (EM)のFusion Middleware ControlコンポーネントまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用できます。WebLogic Server管理コンソールの使用の詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプ動的クラスタの拡張度の構成を参照してください。Fusion Middleware Controlの使用の詳細は、Fusion Middleware ControlによるOracle WebLogic Serverの管理のクラスタの構成を参照してください。

例3-1に、WLSTを使用して、既存の動的クラスタで拡張度に関する動的クラスタ属性を定義する方法を示します。

例3-2に、動的クラスタを作成し、拡張度を構成する方法を示します。この動的クラスタは、「ポリシーベースのスケーリング例」の、ポリシーベースのスケーリングのデモで使用します。

例3-1 動的クラスタの拡張度の構成

startEdit()
cmo.setDynamicClusterSize(4)
cmo.setMaxDynamicClusterSize(8)
cmo.setMinDynamicClusterSize(2)
cmo.setDynamicClusterCooloffPeriodSeconds(120)
save()
activate()

例3-2 動的クラスタの作成と構成

edit()
startEdit()

dynCluster=cmo.createCluster(DynamicCluster)
  
  dynServers=dynCluster.getDynamicServers()
  dynServers.setServerTemplate(dynamicServerTemplate)
  dynServers.setMinDynamicClusterSize(2)
  dynServers.setMaxDynamicClusterSize(8)
  dynServers.setDynamicClusterSize(4)
  dynServers.setDynamicClusterCooloffPeriodSeconds(120)
  dynServers.setCalculatedListenPorts(true)
  dynServers.setCalculatedMachineNames(true)
  #
  # Dynamic server names will be dynamic-server-1, dynamic-server-2, ...,
  # dynamic-server-10.
  #
  dynServers.setServerNamePrefix(dynamic-server-)

save()
activate()

ポリシーとアクションの構成

ポリシーベースのスケーリングでは、ポリシーは、スケーリング操作が発生する条件を設定します。これらの条件が満たされると、エラスティック・アクションがスケーリング操作を実行します。 動的クラスタのポリシーベースのスケーリングを構成するには、1つ以上のポリシーを含む診断システム・モジュールを作成して、それらの各ポリシーにエラスティック・アクション(スケール・アップまたはスケール・ダウン)を割り当てます。WLDFのポリシーおよびアクション・コンポーネントについては、Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用のポリシーとアクションの構成を参照してください。

WebLogic Server管理コンソールを使用して診断システム・モジュールでポリシーとアクションを作成および構成する方法は、『Oracle WebLogic Server Administration Consoleオンラインヘルプ』ポリシーとアクションの構成に関する項を参照してください。Fusion Middleware Controlを使用するには、Fusion Middleware ControlによるOracle WebLogic Serverの管理のポリシーおよびアクションの作成と構成を参照してください。

診断システム・モジュールのターゲット指定

診断システム・モジュールでポリシーとエラスティック・スケーリング・アクションを定義した後、その診断システム・モジュールを管理サーバーにターゲット指定する必要があります。

拡張度のために使用されるスマート・ルールおよびスケーリング・アクションのいくつかは、動的クラスタ全体で可視性を確保できるように、管理サーバーから実行する必要があります。このため、動的クラスタのエラスティック・スケーリングに使用される診断システム・モジュールは、管理サーバーにターゲット指定される必要があります。このようなモジュールがクラスタ自体または管理対象サーバーにターゲット指定されると、エラーが生成され、その結果、ポリシーおよびアクションはWLDFによって無視されます。

マシンのプロビジョニング

ポリシーベースのエラスティック・スケーリングを構成するには、必要な最大スケール・アップ容量に合せてマシンを適切にプロビジョニングする必要があります。