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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理
12c (12.2.1.3.0)
E90348-04
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2 サーバーの起動と停止

WebLogic Serverインスタンスを起動および停止できる様々な方法があります。WebLogic Server管理コンソール、コマンド・ウィンドウ、スクリプトまたはノード・マネージャを使用できます。どの方法でサーバーを起動しても、最終的に一連の構成オプションを渡してJava仮想マシン(JVM)が初期化されます。サーバー・インスタンスはJVM内で動作し、JVMでは1つのサーバー・インスタンスのみホストできます。

サーバーの起動と停止の簡潔な説明については、「サーバーの起動と停止:クイック・リファレンス」を参照してください。

ノート:

WebLogic Server管理コンソールでの手順については、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプサーバーの起動と停止に関する項、およびクラスタに関する項にある様々な起動や停止の手順を参照してください。障害が発生したサーバー・インスタンスおよびクラスタの再起動については、第4項「サーバー障害の回避とサーバー障害からの回復」を参照してください。

サーバーの起動:始める前に

サーバー・インスタンスを起動する前に、サーバー環境を設定するための前提となるステップを実行する必要があります。

選択するサーバーの起動管理方法や実行済みのセット・アップ・タスクに応じて、サーバー・インスタンスを起動する前に以下の手順の実行が必要になる場合があります。

ドメインのバージョン要件

同一の管理ドメイン内のWebLogic Serverインスタンスはすべて、メジャーおよびマイナー・バージョンが同じである必要があります。1つのドメイン内でサーバーのバージョンを混在させることはできません。

ドメイン内のサーバー・インスタンスは、管理サーバーと管理対象サーバーのパッチ・セット・レベルが管理対象サーバーより高い場合、様々なパッチ・セット・レベルにできます。たとえば、管理対象サーバーがバージョン10.3.0である場合、管理サーバーにはバージョン10.3.0、10.3.1以降を使用できます。ただし、管理対象サーバーが10.3.1の場合、管理サーバーは10.3.1以降である必要があります。また、クラスタ内のすべてのサーバー・インスタンスは同じパッチ・セット・レベルにある必要があります。

起動スクリプトによる管理サーバーの起動

startWebLogicコマンドを使用して管理サーバーを起動します。これは環境変数を設定し、Java仮想マシン(JVM)を起動してWebLogic Serverインスタンスを実行します。

管理サーバーは、ドメインの構成データを管理するWebLogic Serverインスタンスです。通常、開発環境では、管理サーバーを起動し、アプリケーションをすぐにその管理サーバーにデプロイすれば十分です。本番環境では、アプリケーションを実行する管理対象サーバーを作成します。『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』WebLogic Serverドメインの理解に関する項を参照してください。

管理サーバーは、デフォルトの起動スクリプトを使用して起動することも、独自の起動スクリプトを作成して起動することもできます。管理サーバーをWebLogic Server付属の起動スクリプトを使用して起動するには:

  1. ドメインをまだ作成していない場合は、構成ウィザードまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して作成します。

    『WebLogic Scripting Toolの理解』の構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成に関する項またはWLSTオフラインを使用したドメインの作成に関する項を参照してください。

  2. ドメインを作成したコンピュータでシェル(コマンド・プロンプト)をオープンします。

  3. ドメインを配置したディレクトリに移動します。

    デフォルトでは、このディレクトリはORACLE_HOME\user_projects\domains\DOMAIN_NAMEです(DOMAIN_NAMEはドメインのルート・ディレクトリです)。(このディレクトリの名前はドメインの名前です。)

  4. 以下のいずれかのスクリプトを実行します。

    • bin/startWebLogic.cmd (Windows)

    • bin\startWebLogic.sh (UNIXおよびWindows。Windowsの場合、このスクリプトはMKSおよびCygnus BASH UNIXシェル・エミュレータをサポート)

ノート:

WebLogic Serverが提供する構成ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン・ディレクトリにstartWebLogicという名前の起動スクリプトが作成されます。別のソースから提供されたドメイン・テンプレートを使用する場合、ウィザードで起動スクリプトが作成されないか、または別の名前のスクリプトが作成される可能性があります。ウィザードで起動スクリプトを作成するかどうか、および別のスクリプト名を付けるかどうかは、テンプレートの設計者の判断によって異なります。

startWebLogic.cmdを使用してWebLogic Serverを起動するときに、次のエラーが発生します。

Enter username to boot WebLogic server:weblogic
<Error> <Security> <BEA-090782> <Server is Running in Production Mode and Native Library(terminalio)
 to read the password securely from commandline is not found>
<Notice> <WebLogicServer> <BEA-000388> <JVM called WLS shutdown hook. The server will force shutdown now>
<Alert> <WebLogicServer> <BEA-000396> <Server shutdown has been requested by <WLS Kernel>>
<Notice> <WebLogicServer> <BEA-000365> <Server state changed to FORCE_SHUTTING_DOWN>
This error is caused by installing a 32-bit JDK on a 64-bit OS. To avoid this error, install a 64-bit JDK on a 64-bit OS.

startWebLogicスクリプトは、次のことを行います。

  1. DOMAIN_NAME\bin\setDomainEnv.cmd (UNIXではsetDomainEnv.sh)を呼び出して、環境変数を設定します。DOMAIN_NAMEは、ORACLE_HOME\user_projects\domains\DOMAIN_NAMEなどのドメインを配置したディレクトリです。ORACLE_HOMEは、Oracle WebLogic Serverをインストールした際にOracleホームとして指定したディレクトリです。

    ノート:

    setDomainEnvは、startWebLogicスクリプトなどの他のスクリプトがソースとなるように指定されます。setDomainEnvは、インタラクティブ・シェル内から直接呼び出さないでください。そうすることにより、使用するドメインで予期できない問題が発生する可能性があります。

  2. java weblogic.Serverコマンドを実行して、WebLogic Serverインスタンスを実行するよう構成されたJVMを起動します。

    サーバーの起動プロセスが正常に完了すると、次のメッセージが標準出力(デフォルトではコマンド・ウィンドウ)に書き込まれます。

    <Notice> <WebLogicServer> <BEA-000360> <Server started in RUNNING mode> 

java weblogic.Serverコマンドによる管理サーバーの起動

コマンド行から管理サーバーを起動するには、java weblogic.Serverコマンドを使用します。

weblogic.Serverクラスは、WebLogic Serverインスタンスのメイン・クラスです。Javaコマンドでweblogic.Serverを直接呼び出すことで、サーバー・インスタンスを起動します。

ノート:

以下の理由から、java weblogic.Serverは主に初期の開発時に使用し、本番システムを起動する標準のメカニズムとしては使用しないことをお薦めします。

  • Oracle Middlewareホーム・ディレクトリの外部にある製品ディレクトリを選択した場合、java weblogic.Serverは機能しません。

  • java weblogic.Serverを実行した場合、WebLogic Serverの実行時にパッチが認識されません。

『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』「weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス」およびweblogic.Serverコマンド・ラインを使用したサーバー・インスタンスの起動に関する項を参照してください。

WLSTとノード・マネージャを使用した管理サーバーの起動

ノード・マネージャは、WebLogic Serverインスタンスのリモート制御用ユーティリティです。WLSTのnmStartコマンドを使用して管理サーバーを起動します。

WLSTがノード・マネージャに接続された状態でnmStartコマンドを使用すると、ノード・マネージャで管理サーバーのモニター、停止、および再起動がサポートされます。

WLSTとノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動する方法の詳細は、『WebLogic Scripting Toolの理解』WLSTとノード・マネージャを使用したサーバー管理に関する項を参照してください。ノード・マネージャがこのプロセスを実行する仕組みについては、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』ノード・マネージャが管理サーバーを起動する仕組みに関する項を参照してください。

システムの障害や再起動の際にノード・マネージャが自動的に再起動されるように、オペレーティング・システムのサービスとしてノード・マネージャを実行し、ノード・マネージャを使用して管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動や再起動を行うことをお薦めします。

『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』の起動サービスとしてのノード・マネージャの実行に関する項を参照してください。

ノード・マネージャを使用しないWLSTによる管理サーバーの起動

WLSTのstartServerコマンドを使用して、ノード・マネージャを使用せずに管理サーバーを起動します。

WLST startServerコマンドは、ノード・マネージャを使用せずに管理サーバーを起動します。サーバーはWLSTとは別個のプロセスで実行されます。WLSTを終了しても、サーバーは停止されません。『WebLogic Scripting Toolの理解』ノード・マネージャを使用しない管理サーバーの起動に関する項を参照してください。

起動スクリプトによる管理対象サーバーの起動

startManagedWebLogicスクリプトを使用して管理対象サーバーを起動します。このスクリプトは、Javaコマンドを使用して環境変数を設定し、WebLogic Serverインスタンスを実行するJava仮想マシン(JVM)を起動します。

管理対象サーバーは、ビジネス・アプリケーション、コンポーネント、Webサービスおよびそれらに関連付けられたリソースをホストします。管理対象サーバーは、デプロイされたアプリケーションを実行するWebLogic Serverインスタンスです。管理対象サーバーは、そのすべての構成およびデプロイメント情報について管理サーバーを参照します。通常、本番環境では管理対象サーバーを使用してアプリケーションを実行します。

『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』WebLogic Serverドメインの理解に関する項を参照してください。

WebLogic Serverに付属している構成ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン・ディレクトリにstartManagedWebLogicという起動スクリプトが作成されます。このスクリプトで管理対象サーバーを起動できます。このスクリプトを使用して、クラスタ内のすべての管理対象サーバーを起動できます。

Oracle WebLogic Server ドメイン構成の理解ドメイン構成ファイルを参照してください。

このスクリプトは、サーバーの起動と管理にノード・マネージャを使用しません。かわりに、Javaコマンドを使用して、WebLogic Serverインスタンスのメイン・クラスのweblogic.Serverクラスを呼び出します。Javaコマンドでのweblogic.Serverの呼び出しの詳細は、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』「weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス」を参照してください。

WebLogic Serverスクリプトで管理対象サーバーを起動するには:

  1. 前提となる作業については、「サーバーの起動:始める前に」を参照してください。

  2. 管理対象サーバーをまだ作成していない場合は作成します。

    『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』またはOracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプ管理対象サーバーの作成に関する項を参照してください。

  3. まだ起動していない場合は、ドメインの管理サーバーを起動します。

  4. 管理対象サーバーをホストしているコンピュータのシェル(コマンド・プロンプト)で、startManagedWebLogicスクリプトが格納されたディレクトリに移動します。

    • DOMAIN_NAME\bin\startManagedWebLogic.cmd (Windows)

    • DOMAIN_NAME/bin/startManagedWebLogic.sh (UNIX)

    DOMAIN_NAMEは、ドメインを配置したディレクトリです。デフォルトでは、このディレクトリはORACLE_HOME\user_projects\domains\DOMAIN_NAMEです。

  5. 以下のいずれかのコマンドを入力します。

    • startManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url (Windows)

    • startManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url (UNIX)

    managed_server_nameには管理対象サーバー名、admin_urlにはドメインの管理サーバーのリスニング・アドレス(ホスト名、IPアドレスまたはDNS名)およびポート番号を指定します。

    たとえば次のコマンドでは、startManagedWebLogic.cmdを使用してmyManagedServerという管理対象サーバーが起動されます。ドメインの管理サーバーのリスニング・アドレスはAdminHost:7001です。

    c:\Oracle\Middleware\user_projects\domains\mydomain\bin\startManagedWebLogic.cmd myManagedServer http://AdminHost:7001
    
  6. 起動する管理対象サーバーごとに、別のコマンド・シェルを開き、ステップ4と5を行います。別のマシン上の管理対象サーバーを起動する場合は、そのマシンにリモートまたはローカルでログインしてからステップ4と5を行います。

リモートのWebLogic Serverホストでの管理対象サーバーの実行の詳細は、『PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』「リモート・マシンでの管理対象サーバーの作成および起動」を参照してください。

「管理対象サーバーの管理サーバーへの接続の構成」を参照してください。

startManagedWebLogicスクリプトは、次のことを行います。

  1. startWebLogicスクリプトを呼び出します。このスクリプトは、ORACLE_HOME\user_projects\domains\DOMAIN_NAME\bin\setDomainEnv.cmd (UNIXではsetDomainEnv.sh)を呼び出して環境変数を設定します。ORACLE_HOMEは、Oracle WebLogic Serverをインストールした際にOracleホームとして指定したディレクトリです。

    ノート:

    setDomainEnvは、startWebLogicスクリプトなどの他のスクリプトがソースとなるように設計されています。setDomainEnvは、インタラクティブ・シェル内から直接呼び出さないでください。そうすることにより、使用するドメインで予期できない問題が発生する可能性があります。

  2. java weblogic.Serverコマンドを実行して、WebLogic Serverインスタンスを実行するよう構成されたJVMを起動します。

    サーバーの起動プロセスが正常に完了すると、次のメッセージが標準出力(デフォルトではコマンド・ウィンドウ)に書き込まれます。

    <Notice> <WebLogicServer> <000360> <Server started in RUNNING mode>

管理コンソールからの管理対象サーバーの起動

WebLogic Server管理コンソールを使用して管理サーバーとその管理対象サーバーを起動します。

『Oracle WebLogic Server Administration Console オンラインヘルプ』管理コンソールからの管理対象サーバーの起動に関する項を参照してください。

WLSTとノード・マネージャを使用した管理対象サーバーおよびクラスタの起動

WLSTおよびノード・マネージャを使用して、WebLogicクラスタ内の管理対象サーバー・インスタンスを起動します。

WLSTとノード・マネージャを使用して管理対象サーバーおよびクラスタを起動する場合は、『WebLogic Scripting Toolの理解』ノード・マネージャを使用したドメインまたはクラスタの管理対象サーバーの起動に関する項を参照してください。『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』WebLogicクラスタの設定に関する項を参照してください。

java weblogic.Serverコマンドによる管理対象サーバーの起動

java weblogic.Serverコマンドを使用して管理対象サーバーを起動します。

weblogic.Serverクラスは、WebLogic Serverインスタンスのメイン・クラスです。Javaコマンドでweblogic.Serverを直接呼び出すことで、サーバー・インスタンスを起動します。『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』「weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス」およびweblogic.Serverコマンド・ラインを使用したサーバー・インスタンスの起動に関する項を参照してください。

管理サーバーにアクセスできない場合の管理対象サーバーの起動

起動中に管理対象サーバーが管理サーバーに接続できない場合、管理対象サーバー独立(MSI)モードで管理対象サーバーを起動できます。

管理対象サーバーは起動時に管理サーバーにアクセスしてその構成情報を取得します。起動時に管理サーバーにアクセスできない場合、管理対象サーバーはローカルにキャッシュされた構成データをconfigディレクトリから読み込むことで構成を取得できます。

ノート:

管理対象サーバー・インスタンスを初めて起動するときには、管理サーバーにアクセスできなくてはなりません。それ以後は、管理サーバーが使用できない場合でも管理対象サーバー・インスタンスを起動できます。

「管理サーバーにアクセスできない場合の管理対象サーバーの起動」を参照してください。

サーバーの起動と停止を行うためのユーザー資格証明の指定

WebLogic Serverインスタンスを起動および停止するには、ドメインのサーバーの起動および停止を許可されているユーザーの資格証明を指定する必要があります。

『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』ユーザー、グループおよびセキュリティ・ロールに関する項を参照してください。

表2-1に、WebLogic Serverインスタンスの起動時にユーザー資格証明を指定する方法を示します。

表2-1 ユーザー資格証明の指定

これを指定した場合... サーバー・インスタンスはこれを行います...

コマンド行でユーザー名とパスワード。

それらを使用し、いずれの資格証明も要求しません。

boot.properties内にユーザー名とパスワード。

それらを使用し、いずれの資格証明も要求しません。

コマンド行でユーザー名もパスワードもなし。

  • ユーザー名の入力を要求します。

  • パスワード入力を2回要求します。

コマンド行でユーザー名(パスワードなし)。

  • コマンド行からのユーザー名を使用します。

  • パスワード入力を2回要求します。

コマンド行でパスワード(ユーザー名なし)。

  • ユーザー名の入力を要求します。

  • コマンド行からのパスワードを無視し、パスワード入力を2回要求します。

次の項では、次に示すタスクについて説明します。

ドメインの初期管理ユーザーの指定

ドメインを作成するときには、構成ウィザードによって、初期管理ユーザーのユーザー名とパスワードの指定が要求されます。構成ウィザードは、この情報を基に次の処理を行います。

  1. ユーザーをAdministratorsセキュリティ・グループに割り当てます。

    Administratorsグループには、WebLogic Serverの起動と管理について最高レベルの権限が付与されます。『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』ユーザー、グループおよびセキュリティ・ロールに関する項を参照してください。

  2. ユーザーをmyrealmセキュリティ・レルムに追加します。

    セキュリティ・レルムは、ユーザー名を認証したり、ユーザーがアクセスできるリソースの種類を指定したり、WebLogicリソースの他のセキュリティ関連サービスを提供したりするコンポーネント(プロバイダ)の集合です。WebLogic Serverはmyrealmセキュリティ・レルムをインストールして、それをデフォルトで使用します。

    管理コンソールでは、ユーザーをセキュリティ・レルムに追加できます。WebLogic Serverのインストールしたもの以外の認証プロバイダを使用する場合は、そのプロバイダの管理ツールを使用して管理者権限を持つユーザーを少なくとも1つ作成する必要があります。

  3. 開発モードでドメインを作成すると、ウィザードによって、管理サーバーのルート・ディレクトリにあるsecurityディレクトリに起動IDファイルが作成されます。起動IDファイルには、ユーザー名とパスワードの暗号化バージョンが格納されています。これにより、以後サーバーをインスタンス化するときにはログイン・プロンプトが回避されます。「起動IDファイル」を参照してください。

    本番モードのドメインでは、サーバーの起動時にコマンド行でユーザー資格証明を入力するように求められます。

起動IDファイル

起動IDファイルは、WebLogic Serverのインスタンスの起動および停止に関するユーザーの資格証明を格納するテキスト・ファイルです。管理サーバーは、ユーザーに資格証明の提示を求めずに、このファイルを参照してユーザーの資格証明情報を取得できます。起動IDファイルでは資格証明が暗号化されているので、起動スクリプトまたは停止スクリプトに暗号化されていない資格証明を格納するより、起動IDファイルを使用した方が安全性は確保されます。起動IDファイルがない場合は、サーバーの起動時にユーザー名とパスワードの入力を要求します。

java weblogic.Serverコマンドを呼び出すスクリプトで管理対象サーバーを起動する場合や、直接java weblogic.Serverコマンドを呼び出す場合、管理対象サーバーからでも起動IDファイルを参照することができます。管理対象サーバーと管理サーバーが同じルート・ディレクトリを使用する場合、管理対象サーバーから管理サーバーのboot.propertiesファイルを参照できます。管理対象サーバーのsecurityディレクトリに有効なboot.propertiesファイルがある場合は、その起動プロセスでデフォルトでこのファイルが使用されます。boot.propertiesファイルは、ドメイン内のサーバー・インスタンスごとに異なったものにできます。

ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動すると、サーバーの起動に使用された資格証明がノード・マネージャによって暗号化され、自動再起動に使用するサーバー固有のboot.propertiesファイルに保存されます。このファイルは、DOMAIN_NAME/servers/SERVER_NAME/data/nodemanagerにあります。DOMAIN_NAMEはドメインを配置したディレクトリの名前であり、SERVER_NAMEはサーバーの名前です。『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』ノード・マネージャの構成ファイルとログ・ファイルに関する項を参照してください。

次の項では、起動IDファイルの使い方について説明します。

管理サーバーの起動IDファイルの作成

構成ウィザードを使用して開発モードでドメインを作成すると、暗号化された起動IDファイルが管理サーバーのルート・ディレクトリにあるsecurityディレクトリに作成されます。『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』ドメイン・ディレクトリの内容に関する項を参照してください。

管理サーバーの起動IDファイルが未作成の場合や、ユーザー名とパスワードのプロンプトを回避する場合は、次の手順で起動IDファイルを作成します。

  1. 管理サーバーを少なくとも1回起動し、コマンド行でユーザーの資格証明を指定します。

    管理サーバーの初回の起動プロセスでは、サーバーが起動IDファイルを使用できるよう事前に用意されていなければならないセキュリティ・ファイルが生成されます。

  2. 以下の2行をテキスト・ファイルに挿入します。
    username=username
    password=password
    

    ユーザー名とパスワードの値はデフォルト・セキュリティ・レルムの認可プロバイダの既存のユーザー・アカウントと一致し、サーバーを起動および停止する許可を持つロールに属している必要があります。『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』ユーザー、グループおよびセキュリティ・ロールに関する項を参照してください。

  3. ファイルを保存します。

    ファイルをboot.propertiesとしてサーバーのルート・ディレクトリにあるsecurityディレクトリに保存すると、サーバーはそれ以降の起動サイクルで自動的にこのファイルを使用します。「サーバー起動時に起動IDファイルが使用される仕組み」を参照してください。

    このファイルを使用して初めてサーバーを起動すると、サーバーはファイルを読み込み、ユーザー名とパスワードの暗号化バージョンでこのファイルを上書きします。

java weblogic.Serverコマンドを使用した管理サーバーの起動IDファイルの作成

ノート:

この手法を使用するのは、コマンド行からjava weblogic.Serverコマンドを呼び出す場合のみとしてください。管理サーバーの起動にスクリプトを使用する場合は、次の理由により、この項で説明する手法を使用しないことをお薦めします。

  • 起動スクリプト内に暗号化されていないパスワードを格納することが必要となります。

  • スクリプトを実行するたびに、サーバーは指定されたユーザーの資格証明で起動し、その後新しい起動IDファイルを作成します。

前の項「管理サーバーの起動IDファイルの作成」のステップを実行する代わりに、コマンド・ラインで直接weblogic.Serverクラスを呼び出し、Javaコマンドに次のオプションを含めることで起動IDファイルを作成できます。

-Dweblogic.management.username=username
-Dweblogic.management.password=password
-Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true

これらのオプションにより、サーバー・インスタンスは指定されたユーザーの資格証明で起動し、その後それらはboot.propertiesという名前のファイルに格納されます。

たとえば、次のコマンドはmyAdminServerという名前の管理サーバーを起動して、起動IDファイルを作成します。

java -Dweblogic.management.username=weblogic
-Dweblogic.management.password=password
-Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true
-Dweblogic.Name=myAdminServer weblogic.Server

コマンド行から直接weblogic.Serverクラスを呼び出すには、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』「weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス」を参照してください。

管理対象サーバーの起動IDファイルの作成

管理対象サーバーが管理サーバーと同じルート・ディレクトリを使用する場合、管理サーバーと同じboot propertiesファイルを使用できます。ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動する場合は、起動IDファイルを作成する必要はありません。『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』ノード・マネージャの構成ファイルとログ・ファイルに関する項を参照してください。

管理対象サーバー・インスタンスの起動IDファイルを作成するには:

  1. ドメインの管理サーバーを起動して、必要なセキュリティ・ファイルが管理サーバーのドメイン・ディレクトリおよびルート・ディレクトリのsecurityディレクトリにあることを確認します。ファイルがない場合は、管理サーバーによって生成されます。

    Oracle WebLogic Server ドメイン構成の理解ドメイン構成ファイルを参照してください。

  2. 以下の2行をテキスト・ファイルに挿入します。
    username=username 
    password=password
    

    ユーザー名とパスワードの値はデフォルト・セキュリティ・レルムの認可プロバイダの既存のユーザー・アカウントと一致し、サーバーを起動する許可を持つロールに属している必要があります。『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』ユーザー、グループおよびセキュリティ・ロールに関する項を参照してください。

  3. ファイルを保存します。

    ファイルをboot.propertiesとしてサーバーのルート・ディレクトリにあるsecurityディレクトリに保存すると、サーバーはそれ以降の起動サイクルで自動的にこのファイルを使用します。「サーバー起動時に起動IDファイルが使用される仕組み」を参照してください。

  4. 起動IDファイルを作成する、ドメイン内の管理対象サーバーごとに、ステップ2と3を繰り返します。

    このファイルを使用して初めてサーバーを起動すると、サーバーはファイルを読み込み、ユーザー名とパスワードの暗号化バージョンでこのファイルを上書きします。

サーバー起動時に起動IDファイルが使用される仕組み

サーバー・インスタンスは、その起動プロセスで次のように起動IDファイルを使用します。

  • サーバーのsecurityディレクトリに有効なboot.propertiesファイルがある場合、その起動プロセスでこのファイルがデフォルトで使用されます。『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』サーバーのルート・ディレクトリに関する項を参照してください。

  • 別のファイルを指定する場合は(またはサーバーのsecurityディレクトリに起動IDファイルを格納しない場合は)、サーバーのweblogic.Server起動コマンドで次の引数を指定できます。

    -Dweblogic.system.BootIdentityFile=filename 
    

    filenameは、有効な起動IDファイルの完全修飾パス名。

    startWebLogicスクリプトでこの引数を指定するには、-Dweblogic.system.BootIdentityFileJAVA_OPTIONS変数の値として追加します。たとえば:

    set JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.system.BootIdentityFile=C:\Oracle\user_domains\mydomain\myidentity.prop 
    
  • サーバー・インスタンスの起動サイクルで起動IDファイルを使用しない場合は、サーバーのweblogic.Server起動コマンドで以下のオプションを指定します。

    -Dweblogic.management.username=username
    -Dweblogic.management.password=password
    

    これらのオプションにより、サーバー・インスタンスは、起動IDファイルをすべて無視し、起動サイクルで起動IDファイルをサーバーで使用するようにする、その他の起動オプションをオーバーライドします。

    ノート:

    サーバー・インスタンスの起動にスクリプトを使用する場合は、起動スクリプト内に暗号化されていないパスワードを格納することが必要となるため、この手法を使用しないことをお薦めします。コマンド行から直接weblogic.Serverクラスを呼び出す場合のみ、この手法を使用します。『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』weblogic.Serverコマンドライン・リファレンスに関する項を参照してください。

  • 起動サイクルでサーバーの起動IDファイルにアクセスできない場合、サーバーはコマンド・シェルでユーザー名とパスワードのプロンプトを表示し、メッセージをログ・ファイルに書き込みます。

特定のサーバー・インスタンスでは、そのインスタンスが作成した起動IDファイルのみを使用します。WebLogic Serverでは、サーバー・ルート・ディレクトリ間での起動IDファイルのコピーはサポートされていません。

たとえば、ServerAを使用して起動IDファイルを生成した場合、その起動IDファイルはServerAでのみ使用します。ServerAの起動IDファイルをServerBsecurityディレクトリにコピーしないでください。かわりに、「管理サーバーの起動IDファイルの作成」または「管理対象サーバーの起動IDファイルの作成」で説明したようにServerBの起動IDファイルを作成します

起動後の起動IDファイルの削除

サーバーの起動後に起動IDファイルを削除する場合は、サーバーのweblogic.Server起動コマンドで次の引数を指定できます。

-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true 

この引数は、サーバーが起動に使用したファイルのみ削除します。たとえば、-Dweblogic.system.BootIdentityFile=c:\secure\boot.MyServerを指定した場合は、サーバーのルート・ディレクトリにboot.propertiesというファイルがあっても、boot.MyServerのみが削除されます。別のコマンド・シェルを開き、各管理対象サーバーのweblogic.Server起動コマンドで-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true引数を指定して、起動IDファイルを削除します。

startWebLogicスクリプトでこの引数を指定するには、-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=trueJAVA_OPTIONS変数の値として追加します。たとえば:

set JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true 

ユーザーweblogicに関する制限事項

WebLogic Serverサンプル・コンポーネントをインストールした場合、デフォルトのユーザーweblogicが作成されます。このユーザーにはWebLogic Serverを起動および停止する許可があります。ユーザーweblogicのパスワードを設定する場合、WebLogic Serverではboot.propertiesファイル内にあるこのパスワードが自動的に更新されることはありません。このファイルは、DOMAIN_NAME/servers/AdminServer/securityディレクトリにあります。

ユーザーweblogicのパスワードを更新すると、ユーザー名とその新しいパスワードを使用してWebLogic Serverインスタンスの起動を続行できるように、次のいずれかの回避策が使用できます。

  • boot.propertiesファイルを削除します。以後、WebLogic Serverを起動するたびに、ユーザー名とパスワードの入力を要求します。受け入れられるのは、ユーザーweblogicの変更後のパスワードです。

  • 既存のboot.propertiesファイルを変更します。ユーザー名とパスワードを次のように変更します。

    username=weblogic
    password=password
    

    以後、サーバーの起動プロセスでは、boot.propertiesファイルが再び暗号化されます。

    ノート:

    本番マシンには、WebLogic Server Examplesをインストールしないでください。本番マシンにサンプル・ソフトウェアやその他の開発ツールを格納しないようにすると、それらを利用する侵入者がWebLogic Serverの本番マシンへの部分的なアクセス権を持つおそれを減らせます。

ノード・マネージャを使用してサーバーを起動するときのユーザー資格証明の指定

ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動する場合は、WebLogic Server管理コンソールにある「構成」「サーバーの起動」ページでユーザーの資格証明を指定する必要があります。これらの資格証明を指定しないと、ノード・マネージャはサーバーを起動しようとした時に例外をスローします。

WebLogic Server管理コンソールまたは構成ウィザードを使用して管理対象サーバーを作成する場合、WebLogic Serverはサーバーの「構成」「サーバーの起動」ページにユーザー資格証明を追加します。他のWebLogic Serverユーザー・アカウントでサーバー・インスタンスを実行する場合は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプ管理対象サーバーの起動引数の構成に関する項を参照してください。

サーバーの起動に使用する資格証明の変更

ユーザーがドメインのWebLogic Serverインスタンスを起動および停止できるようにするために用意しているユーザー資格証明を変更する方法は次のとおりです。
  1. WebLogic認証プロバイダ(DefaultAuthenticatorとも言います)を使用している場合、管理コンソールまたはWLSTを使用してユーザー・パスワードを変更します。

    WebLogic認証プロバイダを使用していない場合、外部認証ストアがユーザー・パスワードを変更するのに適切なツールを使用します。

  2. boot.propertiesファイルを使用している場合、「起動IDファイル」で説明しているように、ファイルを編集して新しいパスワードを編集します。
  3. サーバー・インスタンスの起動にノード・マネージャを使用していて、ユーザー名およびパスワードがサーバー起動エレメント(ServerStartMBean)に設定されている場合、管理コンソールまたはWLSTを使用してサーバー起動パスワードを更新します。
サーバー・インスタンスの起動にノード・マネージャを使用していて、ユーザー名とパスワードがサーバー起動エレメントに設定されていない場合、管理対象サーバーの起動を試行する前に管理サーバーを再起動します。

他の起動タスク

その他のWebLogic Server起動タスクを検討します。

Javaクラス・ファイルをグローバルに使用可能にする方法

$DOMAIN_DIR/lib環境変数または-Dweblogic.ext.dirs起動オプションを使用してJavaクラス・ファイルをドメイン内のすべてのサーバーに対してグローバルに使用できるようにします。

JavaクラスをWebLogic Serverでグローバルに使用可能にするには、2つの方法があります。

  • $DOMAIN_DIR/lib環境変数を設定します。

  • -Dweblogic.ext.dirs起動オプションを指定します。

いずれかまたは両方の方法を指定できます。両方とも指定する場合は、起動オプションで定義されたクラスの方が優先されます。

いずれの場合も、クラスは.jarファイルにパッケージ化されている必要があります。

管理対象サーバーの管理サーバーへの接続の構成

管理対象サーバーの接続を構成するには、protocol://]Admin-host:port形式を使用して管理サーバーのリスニング・アドレスを指定します。

java weblogic.Serverコマンドを呼び出すスクリプトから管理対象サーバーを起動する場合や、java weblogic.Serverコマンドを直接呼び出す場合は、管理サーバーの適切なリスニング・アドレスが指定されていることを確認する必要があります。管理対象サーバーは、このアドレスを使用して管理サーバーから構成情報を取得します。

次の形式でリスニング・アドレスを指定します。

protocol://]Admin-host:port 
  1. protocolには、以下のいずれかを指定します。

    • t3

    • t3s

    • http

    • https

      ドメイン全体の管理ポートを使用する場合は、T3SまたはHTTPSプロトコルを指定する必要があります。値を指定しない場合は、T3が使用されます。

      ノート:

      使用するプロトコルに関係なく、管理対象サーバーの構成の最初のダウンロードはHTTPまたはHTTPSで行われます。RMIサブシステムが初期化されると、サーバー・インスタンスでT3またはT3Sプロトコルを使用できるようになります。

  2. Admin-hostには、以下のいずれかを指定します。

    • localhost

      管理サーバーと同じコンピュータで管理対象サーバーを起動する場合のみ有効です。

    • 管理サーバーをホストしているコンピュータのDNS名

      複数のIPアドレスにマップする管理サーバーのDNS名の構成は、異なるIPアドレスで再起動した上の管理サーバーに再接続しようとする管理対象サーバーに対して特に役立ちます。詳細は、管理対象サーバーおよび再起動された管理サーバーを参照してください

      マルチサーバー・ドメインのデモ用証明書を使用する場合は、完全修飾DNS名を指定すると管理対象サーバー・インスタンスの起動が失敗します。この制限および推奨される回避策の詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』のCertGenの使用に関する制限に関する項を参照してください。

    • 管理サーバーをホストしているコンピュータのIPアドレス

      次のセキュリティ上の問題があるため、本番環境ではAdmin-hostにIPアドレスを使用しないことをお薦めします。

      SSLポートを通じて管理サーバーに接続するために、管理対象サーバーは管理サーバーのホスト名がURLで指定されたホスト名と一致することを検証します。ホスト名の検証が有効になっている場合で、IPアドレスを指定すると、数値の並びであるIPアドレスが文字の並びであるホスト名と一致しないため接続は失敗します。

      セキュリティがそれほど重要でない開発環境では、IPアドレスを指定するSSL接続が成功するように管理対象サーバーでホスト名検証を無効にできます。『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』ホスト名検証の使い方に関する項を参照してください。

      管理サーバーが他のリスニング・アドレスを使用するように構成されている場合は、その構成されているリスニング・アドレスを指定する必要があります。

  3. portには、以下のいずれかを指定します。

    • ドメイン全体の管理ポート

      構成された管理ポートは、ドメインの各管理対象サーバーで、ドメインの管理サーバーとの通信用に排他的に使用されます。Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプドメイン全体の管理ポートの構成に関する項を参照してください。

      ドメイン全体の管理ポートが有効になっている場合は、このポートを指定する必要があります。このポートを使用するには、T3SまたはHTTPSプロトコルを指定する必要があります。

    • 管理サーバーのデフォルト・ネットワーク構成の非SSLリスニング・ポート(デフォルトは7001)

      管理サーバーでこのリスニング・ポートが無効になっている場合は、このリストで説明されている他のリスニング・ポートのいずれかを使用する必要があります。このポートを使用するには、T3またはHTTPプロトコルを指定する必要があります。

    • 管理サーバーのデフォルト・ネットワーク構成のSSLリスニング・ポート(デフォルトは7002)。

      管理サーバーでこのリスニング・ポートが無効になっている場合は、このリストで説明されている他のリスニング・ポートのいずれかを使用する必要があります。このポートを使用するには、T3SまたはHTTPSプロトコルを指定する必要があります。

    • 任意指定のカスタム・ネットワーク・チャネルと関連付けられたポート番号

      ポートがSSLでセキュリティ設定されている場合は、T3SまたはHTTPSプロトコルを指定する必要があります。

  4. 管理サーバーのホストIPアドレス、ホスト名、およびデフォルト・リスニング・ポートを確認するには、シェル(コマンド・プロンプト)で管理サーバーを起動します。サーバーの起動サイクルが正常に終了すると、次のようなメッセージが他のメッセージと一緒に標準出力に出力されます。

    <Nov 5, 2004 12:16:04 PM EST> <Notice> <Server> <BEA-002613> <Channel "DefaultSecure[2]" is now
    listening on 127.0.0.1:7012 for protocols iiops, t3s, ldaps, https.>
    ...
    <Nov 5, 2004 12:16:04 PM EST> <Notice> <WebLogicServer> <BEA-000331> <Started WebLogic Admin Server
    "MedRecServer" for domain "medrec" running in Development Mode>
    

SSLの有効化については、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプSSLの設定に関する項を参照してください。『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』ネットワーク・チャネルの理解に関する項を参照してください。

WebLogic ServerインスタンスのJavaオプションの指定

WebLogic Serverインスタンスを実行するJVMの動作パラメータを構成し、一時的にサーバー構成をオーバーライドするには、Javaオプションを使用します。

Javaオプションは、サーバーの現在のインスタンスのみに適用されます。これらはドメインのconfig.xmlファイルには保存されず、WebLogic Server管理コンソールにも表示されません。たとえば、サーバーがポート7201でリスニングするよう構成されている場合に、Javaオプションを使用してポート7555でリスニングするようにサーバーを起動できます。その場合も、WebLogic Server管理コンソールではサーバーがポート7201でリスニングするよう構成されていることが示されます。サーバーを次に起動するときにJavaオプションを使用しないと、そのサーバーはポート7201でリスニングします。

WebLogic Serverスクリプトを使用してサーバーを起動する場合、次の手順に従います。ノード・マネージャを使用してサーバーを起動する場合、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプノード・マネージャによって起動されたサーバーのJavaオプションの設定に関する項を参照してください。

  1. WebLogic Server起動スクリプトのバックアップ・コピーを作成します。
    • 管理サーバーを起動するスクリプトの場合は、DOMAIN_NAME\bin\startWebLogic.cmd (UNIXの場合はstartWebLogic.sh)をバックアップします。

    • 管理対象サーバーを起動するスクリプトの場合は、DOMAIN_NAME\bin\startManagedWebLogic.cmd (UNIXの場合はstartManagedWebLogic.sh)をバックアップします。

      DOMAIN_NAMEは、ドメインを配置したディレクトリの名前です。デフォルトでは、このディレクトリはORACLE_HOME\user_projects\domains\DOMAIN_NAMEです。

  2. テキスト・エディタで起動スクリプトをオープンします。
  3. set JAVA_OPTIONSコマンドを編集して、Javaオプションを指定します。複数のオプションを指定する場合は、各オプションをスペースで区切り、オプション全体を引用符で囲みます。たとえば:
    set JAVA_OPTIONS="-Xgc:gencopy -Xns:30" 
    

    次を参照してください。

    • WebLogic Serverインスタンスの実行時の動作を設定するJavaオプションの詳細は、「weblogic.Serverコマンド行リファレンス」

    • JAVA_OPTIONSの組合せ方法や重複する値の処理方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』の起動スクリプトの使用に関する項。

    • 他のJVMがサポートするJavaオプションの情報は、そのJVMベンダーが提供するドキュメント。

  4. 起動スクリプトを保存します。
  5. サーバーを起動します。

サーバーを実行するJVMの変更

WebLogic Serverで様々なJDKを使用するには、コンフィギュレーション・ウィザードのJAVA_HOMEおよびJAVA_VENDOR環境変数の値を変更します。

ドメインを作成するときに、WebLogic Serverをインストールした際に使用したJDKのリストが構成ウィザードに表示されます。デフォルトのJDKはOracle HotSpotですが、インストールの際に別のJDKがインストールされ、それを使用している場合があります。

ドメインを作成した後で、使用するJVMを変更する場合は、次のようにしてスクリプトを変更できます。

  1. JAVA_HOME変数の値を変更します。

    使用するJDKの最上位ディレクトリの絶対パス名を指定します。

    WindowsまたはLinuxプラットフォームでは、Oracle HotSpotを使用してください。

  2. JAVA_VENDOR変数の値を変更します。

    JDKのベンダーを指定します。有効な値は、実行しているプラットフォームによって異なります。Oracle Technology NetworkのOracle Fusion Middlewareでサポートされているシステム構成に関する項を参照してください。

    たとえば:

    • OracleまたはSunは、Oracle HotSpot JDKを使用していることを示します。これは、Oracle HotSpotをサポートするプラットフォームでのみ有効です。

    • HPおよびIBMは、Hewlett PackardまたはIBMが提供するJDKを使用していることを示します。これらの値は、HPまたはIBMのJDKをサポートするプラットフォームでのみ有効です。

  3. 実行中のサーバーをすべて再起動します。

サーバー・レベル起動と停止クラスの構成

アプリケーションに対してカスタムのシステムワイド・サービスを提供するには、Startup and Shutdown (SU/SD) JavaプログラムをWebLogic Serverのクラスパスに追加してサーバーが起動または停止するときにロードおよび実行するように構成します。

各クラスを1つ以上の専用サーバーにデプロイする必要があります。デフォルトでは、起動クラスは、他のすべてのサーバーのサブシステムが初期化され、サーバーがモジュールをデプロイした後にロードされて実行されます。『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の起動クラスの実行およびデプロイメントの順序付けに関する項を参照してください。停止クラスは、サーバーを正常にシャットダウンするときにロードされて実行されます。

WebLogic Server 9.0は、SU/SDクラスに対する新しくシンプルなPOJOベース・アプローチを導入しました。このアプローチでは、SU/SDクラスにはstatic main(String args[])メソッドがあることだけが求められます。このメソッドは、クラスのインスタンスを作成した後にサーバーが呼び出します。SU/SDクラスに構成する引数は、String args []パラメータによって渡されます。

POJOベースのSU/SDクラスは、以前のバージョンと同じデプロイメントおよび構成ステップを実行します。クラスをサーバーのクラスパスで使用可能にする必要があります。SU/SDクラスはWebLogic Server管理コンソールを使用して構成され、最終的にはconfig.xmlにエントリとして保存されます。

例2-1例2-2および『Oracle WebLogic Server Administration Console オンラインヘルプ』カスタム・クラスを使用したサーバーの構成に関する項を参照してください。

例2-1 起動クラス

package sab.demo.utils;
public class StartupMain {
/**
* @param args
*/
public static void main(String[] args) {
 
log(StartupMain.class.getName() + "::main");
log("Arguments::");
for(int i=0;args!=null && i<args.length;i++) {
log("  arg[" + i + "]: " + args[i]);
}
}
 
private static void log(String msg) {
System.out.printf("  --> [SAB]: %s\n", msg);
}
}

例2-2 config.xml

<startup-class>
<name>StartupMain</name>
<target>AdminServer</target>
<deployment-order>1000</deployment-order>
<class-name>sab.demo.utils.StartupMain</class-name>
<arguments>arg1 arg2 arg3</arguments>
<failure-is-fatal>false</failure-is-fatal>
<load-before-app-deployments>false</load-before-app-deployments>
<load-before-app-activation>true</load-before-app-activation>
</startup-class>

ドメイン全体のサーバー・パラメータのカスタマイズ

WebLogic Serverでドメイン・ワイドのサーバー・パラメータをカスタマイズするには、必要なJavaコマンドライン・オプションと環境変数を指定することでsetUserOverrides.cmd (Windows)またはsetUserOverrides.sh (UNIX)ライブラリを構成します。

すべてのドメインには、動的に生成されたドメインおよびsetDomainEnvなどのサーバー起動スクリプトがあります。起動スクリプトに行った変更は、その後のドメインのアップグレード操作中に上書きされるため、これらの起動スクリプトを変更しないでください。

ドメインのすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするには、setUserOverrides.cmdおよびsetUserOverridesLate.cmd (Windows)またはsetUserOverrides.shおよびsetUserOverridesLate.sh (UNIX)という、2つのスクリプトを指定できます。setUserOverridesスクリプトは、いずれかのドメイン拡張テンプレート・プロパティを設定する前にsetDomainEnvスクリプト内で先に実行されます。setUserOverridesLateスクリプトは、ドメイン拡張テンプレートが設定された後で実行されます。これらのスクリプトは、たとえば、WebLogic Serverクラスパスにカスタム・ライブラリを追加し、サーバーを実行するための追加のjavaコマンド行オプションを指定するか、追加の環境変数を指定して構成できます。これらのファイルに追加されたカスタマイズはドメインのアップグレード操作中に保存され、packおよびunpackコマンドを使用する際にリモート・サーバーに継承されます。

カスタマイズによってすべての製品のデフォルトが効果的にオーバーライドされるようにするには、カスタマイズをsetUserOverridesLateスクリプトに追加します。そうでない場合、setUserOverridesを使用すると、製品の拡張機能によってカスタマイズがオーバーライドされることがあります。

ノート:

カスタマイズをsetUserOverridesからsetUserOverridesLateに移動する場合、以前に一部のカスタマイズが有効となっていないことがあるため、ご使用のアプリケーションの機能を再検証することをお薦めします。

サーバーの起動中にこのファイルが存在する場合は、起動順序に含められ、定義されたオーバーライドが有効になります。domain_home/binディレクトリにこのファイルを格納する必要があります。

ノート:

ノード・マネージャはsetUserOverridesを検出しません。ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動すると、setUserOverridesは起動Javaログを作成せず、「サーバー」起動タブで引数-Dweblogic.Stdoutおよび-Dweblogic.Stderrを記述しても、デフォルト・パスを使用します。『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のリモート起動引数の構成に関する項に従う必要があります。

次の例では、カスタム・ライブラリの追加方法および追加のjavaコマンド行オプションの指定方法を示します。

例2-3 setUserOverridesLateまたはsetEnvUserOverridesファイルにおける起動のカスタマイズの例

echo ""
echo "*****************************************************"
echo "** Executing setUserOverridesLate.sh"
echo "*****************************************************"

# add custom libraries to the WebLogic Server system classpath
  if [ "${POST_CLASSPATH}" != "" ] ; then
    POST_CLASSPATH="${POST_CLASSPATH}${CLASSPATHSEP}${HOME}/foo/fooBar.jar"
    export POST_CLASSPATH
  else
    POST_CLASSPATH="${HOME}/foo/fooBar.jar"
    export POST_CLASSPATH
  fi
 
# specify additional java command line options for all servers

EXTRA_JAVA_PROPERTIES="${EXTRA_JAVA_PROPERTIES} -Dcustom.property.key=custom.value"
export EXTRA_JAVA_PROPERTIES


# Specify any server-specific java command line options by server name or partial match
case "${SERVER_NAME} in
   AdminServer)
      echo "** AdminServer Customizations:"
      USER_MEM_ARGS="${USER_MEM_ARGS} -Xms#g -Xmx#g ";
      export USER_MEM_ARGS;
      ;;

   WLS_appA*)
      echo "** Application A Managed Servers Customizations:"
      USER_MEM_ARGS="${USER_MEM_ARGS} -Xms#g -Xmx#g ";
      export USER_MEM_ARGS;
      EXTRA_JAVA_PROPERTIES="${EXTRA_JAVA_PROPERTIES} -Dcustom.property.key=custom.value"
      export EXTRA_JAVA_PROPERTIES
      ;;
   *)
      echo "** WARNING - No server match - VERIFY case condition coding."
      ;;

esac
echo "USER_MEM_ARGS=\"${USER_MEM_ARGS}\""
echo "EXTRA_JAVA_PROPERTIES=\"${EXTRA_JAVA_PROPERTIES}\""
echo ""
echo "*****************************************************"
echo "** End of setUserOverrideLate.sh"
echo "*****************************************************"
echo ""

WebLogic Serverのインスタンスの停止

コンソール内の停止スクリプト、または特定のサーバー・インスタンスのJava仮想マシン(JVM)を削除するオペレーティング・システムのコマンドを使用して、WebLogic Serverのインスタンスを停止します。これらのプロシージャは、セッション・データを失わずに円滑にサーバー・インスタンスを停止するのに役立ちます。

WebLogic Server管理コンソールを使用してWebLogic Serverインスタンスを停止することをお薦めします。Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプサーバー・インスタンスの停止に関する項正常な停止の制御に関する項およびクラスタ内のサーバーの停止に関する項を参照してください。

停止スクリプトによるサーバーの停止

WebLogic Serverが提供する構成ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン・ディレクトリのbinディレクトリに、管理サーバーを停止するためのstopWebLogicという名前の停止スクリプトと、管理対象サーバーを停止するためのstopManagedWebLogicという名前の停止スクリプトが作成されます。これらのスクリプトを使用するには、SERVER_NAMEADMIN_URLUSERID、およびPASSWORDを環境変数として設定するか、またはそれらをコマンド行で指定する必要があります。stopWebLogicスクリプトの使用時にSERVER_NAMEが指定されていない場合、デフォルトでは管理サーバー名が使用されます。

  • 管理サーバーの場合のスクリプトの呼出しは次のとおりです。

    DOMAIN_NAME\bin\stopWeblogic.cmd username password admin_url (Windows)

    DOMAIN_NAME/bin/stopWeblogic.sh username password admin_url (UNIX)

  • 管理対象サーバーの場合のスクリプトの呼出しは次のとおりです。

    DOMAIN_NAME\bin\stopManagedWeblogic.cmd managed_server_name admin_url username password (Windows)

    DOMAIN_NAME/bin/stopManagedWeblogic.sh managed_server_name admin_url username password (UNIX)

ノート:

コマンド行では、上記の順序でパラメータを指定します。ユーザー資格は、stopWebLogic.cmdではADMIN_URLの前に、stopManagedWebLogic.cmdではADMIN_URLの後に指定します。

JVMの強制停止

各WebLogic Serverインスタンスは、それ専用のJVMで動作します。上記の項で説明した方法でサーバー・インスタンスを停止できない場合は、オペレーティング・システム・コマンドを使用してJVMを強制停止できます。

ノート:

JVMを強制停止すると、サーバーはただちにすべての処理を終了します。セッション・データはすべて失われます。サーバーがconfig.xmlファイルへの書込みを行っている間に管理サーバーのJVMを強制停止すると、config.xmlファイルが破損するおそれがあります。

JVMを強制停止する一般的な方法のいくつかを次に示します:

  • サーバーを起動したシェル(コマンド・プロンプト)がまだ開いている場合は、[Ctrl]+[C]を押します。

  • Windowsコンピュータでは、タスク・マネージャを使用してJVMを強制停止できます。

  • UNIXコンピュータでは、psコマンドを使用してすべての実行中のプロセスをリストで表示できます。続いて、killコマンドを使用してJVMを強制停止できます。