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このリリースでの『Oracle Database管理者ガイド』の変更点

このドキュメントは、Oracle Databaseの最新リリース用に変更されています。

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.7での変更点

Oracle Databaseリリース19c、バージョン19.7での『Oracle Database管理者ガイド』の変更点は次のとおりです。

新機能

  • Standard Edition高可用性

    Standard Edition高可用性機能により、Oracle Clusterwareを使用するStandard Edition 2データベースにクラスタ・ベースのフェイルオーバーが提供されます。

    Oracle DatabaseのStandard Edition高可用性の管理を参照してください。

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.1での変更点

Oracle Databaseリリース19c、バージョン19.1での『Oracle Database管理者ガイド』の変更点は次のとおりです。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。

  • Oracle Databaseで提供されるユーザー・アカウントは、スキーマ専用アカウントになりました。

    Oracle Databaseで提供されるユーザー・アカウントのほとんどは、SYSおよびサンプル・スキーマを除き、スキーマ専用アカウント(つまり、これらのアカウントはパスワードなしで作成される)です。これにより、悪質なユーザーがこれらのアカウントにログインできなくなります。これらのアカウントには、認証する必要が生じたらいつでもパスワードを割り当てることができます。アカウントのステータスを確認するには、DBA_USERSデータ・ディクショナリ・ビューのACCOUNT_STATUS列を問い合せます。アカウントがスキーマ専用の場合、ステータスはNONEです。

    「事前定義のユーザー・アカウント」を参照してください。

  • 自動索引作成

    自動索引作成機能では、アプリケーション・ワークロードの変化に基づいてOracleデータベース内の索引の作成、再作成、削除などの索引管理タスクが自動化されます。この機能では、Oracleデータベース内で索引を自動的に管理することで、データベースのパフォーマンスが向上します。

    「自動索引の管理」を参照してください。

  • 過剰なシステム・リソースを使用するSQL文の実行計画の隔離

    CPUやI/Oなどのシステム・リソースの過剰消費が原因でリソース・マネージャによって終了されたSQL文の実行計画に対して、隔離を構成できるようになりました。SQL文の隔離された実行計画は再実行できなくなるため、データベースのパフォーマンスの低下を防ぐことができます。

    「過剰なシステム・リソースを使用するSQL文の実行計画の隔離」を参照してください。

  • Memoptimized Rowstore – 高速インジェスト

    Memoptimized Rowstoreの高速インジェスト機能では、IoT (モノのインターネット)アプリケーションなど、アプリケーションからの頻度の高い単一行データ挿入の処理が最適化されます。

    Memoptimized Rowstoreを使用する高パフォーマンス・データ・ストリーミングの有効化を参照してください。

  • ハイブリッド・パーティション表

    Oracle Databaseでは、ハイブリッド・パーティション表がサポートされるようになりました。ハイブリッド・パーティション表は、一部のパーティションがデータベース内にあり一部のパーティションがデータベース外部の外部ファイル(オペレーティング・システム・ファイルやHadoop Distributed File System (HDFS)ファイルなど)内にあるパーティション表です。

    『Oracle Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド』を参照してください。

    「作成する表のタイプの指定」も参照してください。

  • DBCAサイレント・モードの新機能

    次に、DBCAのサイレント・モードの新機能を示します。

    • リモートPDBのクローニングによってPDBを作成する機能

      DBCAコマンドcreatePluggableDatabasecreateFromRemotePDBパラメータを使用すると、リモートPDBをクローニングしてPDBを作成できます。

      「createPluggableDatabase」を参照してください。

    • 別のCDBにPDBを再配置する機能

      DBCAコマンドrelocatePDBを使用すると、PDBを別のCDBに再配置できます。

      「relocatePDB」を参照してください。

    • Oracleデータベースの複製を作成する機能

      DBCAコマンドcreateDuplicateDBを使用すると、Oracleデータベースの複製を作成できます。

      「createDuplicateDB」を参照してください。

  • SQL文診断可能性に関連する新機能

    SQLテスト・ケース・ビルダーやSQL修復アドバイザなどのSQL診断および修復ツールは、問題のあるSQL文を管理するための診断機能と修復機能を向上させるために拡張されました。

  • データ・ディクショナリを作成するための新しいSQLスクリプトcatpcat.sql

    CREATE DATABASE文を使用してデータベースを作成した後、データ・ディクショナリを作成するために、スクリプトcatalog.sqlおよびcatproc.sqlを実行するかわりに、新しいスクリプトcatpcat.sqlを使用してcatctl.plを実行できます。スクリプトcatpcat.sqlは、パラレル・プロセスでスクリプトcatalog.sqlおよびcatproc.sqlを実行し、それによってデータ・ディクショナリの手動作成のパフォーマンスを向上させます。

    「ステップ11: スクリプトの実行によるデータ・ディクショナリ・ビューの作成」を参照してください。

  • 新しいALTER SYSTEM文のFLUSH PASSWORDFILE_METADATA_CACHE

    データベース・パスワード・ファイルの名前または場所を変更した場合は、変更内容を有効にするために、FLUSH PASSWORDFILE_METADATA_CACHE句を指定してALTER SYSTEM文を実行する必要があります。

    「ORAPWDを使用したデータベース・パスワード・ファイルの作成」を参照してください。

    『Oracle Database SQL言語リファレンス』も参照してください。

  • Oracle Database In-Memoryに対して自動的に有効になっているOracle Database Resource Manager

    INMEMORY_SIZE初期化パラメータを0より大きい値に設定することでOracle Database In-Memoryが有効になっている場合は、リソース・マネージャは自動的に有効になります。

    「Oracle Database Resource Managerの有効化とプランの切替え」を参照してください。

  • 新しいビューDBA_REGISTRY_BACKPORTS

    新しいビューDBA_REGISTRY_BACKPORTSには、データベースに適用したパッチによって修正された不具合が示されます。データ・ディクショナリを変更した不具合修正のみがこのビューに示されます。

    『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

サポート対象外となった機能

次の機能は、このリリースではサポートされなくなりました。

  • Oracle Multimedia

    Oracle Database 19c以降では、Oracle Multimediaはサポートされなくなりました。SecureFiles LOBにマルチメディア・コンテンツを格納し、イメージの処理および変換にサード・パーティ製品を使用することをお薦めします。

  • Oracle Streams

    Oracle Database 19c以降では、Oracle Streams機能はサポートされなくなりました。Oracle GoldenGateを使用して、Oracle Streamsのすべてのレプリケーション機能を置き換えます。

Oracle Databaseリリース18c、バージョン18.1における変更

Oracle Databaseリリース18c、バージョン18.1での『Oracle Database管理者ガイド』の変更点は次のとおりです。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。

  • シャドウ消失書込み保護

    シャドウ消失書込み保護は、消失書込みを高速に検出して即座に応答します。シャドウ消失書込み保護を使用すれば、データ消失を最小限に抑え、データベース修復に必要な時間を短縮できます。Oracle Data Guardスタンバイ・データベースを必要とせずに、データベース、表領域またはデータファイルのシャドウ消失書込み保護を有効化できます。

    「シャドウ表領域を使用した消失書込み保護の管理」を参照してください。

  • Oracle Databaseパスワード・ファイルの新しいデフォルトの場所

    Oracle Databaseのパスワード・ファイルのデフォルトの場所は、ORACLE_HOMEディレクトリではなく、ORACLE_BASEディレクトリです。この変更により、読取り専用Oracleホームがサポートされます。

    「ORAPWD構文およびコマンドライン引数の説明」を参照してください。

    「読取り専用モードのOracleホームの構成について」を参照してください。

  • プライベート一時表

    プライベート一時表はメモリーに格納され、その表を作成したセッションでのみ参照できます。

    「一時表の作成」を参照してください。

  • インライン外部表

    インライン外部表により、SQL文の一部として外部表の実行時定義が可能になり、データ・ディクショナリに永続オブジェクトとして外部表を作成する必要がなくなります。

    「インライン外部表の使用」を参照してください。

  • パラレル・キューのタイムアウト

    タイムアウトになったパラレルSQL文に対する処理は、PQ_TIMEOUT_ACTIONリソース・マネージャ・ディレクティブを設定することで指定できます。

    「パラレル・キューのタイムアウト」を参照してください。

  • セッション内のSQL文の取消し

    セッション内のSQL文は、ALTER SYSTEM CANCEL SQL文を使用して取消しできます。

    「セッション内のSQL文の取消し」を参照してください。

  • スケーラブルな順序

    スケーラブルな順序は、Oracle RACデータベースでデータのロード操作のパフォーマンスを向上するために使用できます。

    「順序をスケーラブルにする方法」を参照してください。

  • 順序のリセット

    新しいRESTART句は、順序の採番をリセットするために、ALTER SEQUENCE文で使用できます。

    「順序の変更」を参照してください。

  • Memoptimized Rowstore

    Memoptimized Rowstoreにより、主に主キー列に基づいて問合せが実行される表のデータの高速参照が可能になります。この機能は、IoT (モノのインターネット)のようなアプリケーションで特に役立ちます。

    Memoptimized Rowstoreを使用する高パフォーマンス・データ・ストリーミングの有効化を参照してください。

  • 読取り専用Oracleホーム

    読取り専用モードでOracleホームを構成すると、Oracleホーム・ディレクトリORACLE_HOME内でのファイルの作成や変更を防止できます。読取り専用Oracleホームは、複数のデータベース・サーバー間で共有可能なソフトウェア・イメージとして使用できます。複数のデータベース・サーバーにパッチを配布する際に更新する必要のあるOracleホーム・イメージは1つのみになるため、パッチ適用と一括ロールアウトが簡単になります。

    「読取り専用モードのOracleホームの構成について」を参照してください。

  • Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)によるマルチテナント・プラガブル・データベース(PDB)のクローニング

    Oracle ASMは、PDBのクローンの作成に使用できます。

    『Oracle Multitenant管理者ガイド』を参照してください。

  • プロキシ常駐接続プーリング

    プロキシ常駐接続プーリングにより、データベース・クライアントの高可用性、セキュリティおよびパフォーマンスが向上します。プロキシ常駐接続プーリングには、Traffic DirectorモードのOracle Connection Managerを使用して構成できるプロキシ常駐接続プールを使用します。

    「プロキシ常駐接続プーリングについて」を参照してください。

  • Oracle DatabaseとMicrosoft Active Directoryサービスの統合

    Oracle Databaseは、Microsoft Active Directoryに直接接続して、ユーザーを認証および認可できます。これにより、Oracle Enterprise User Security (EUS)とOracle Directory Serviceのフル機能の統合よりも簡単で単純なオプションが提供されます。

    「ユーザーと権限の集中管理について」を参照してください。

  • Active Data Guardの新しいnologging句

    データベースのnologgingは、REDOログの生成量が大幅に増加しないようにして、Active Data Guard環境で使用する際のサポートを向上するために拡張されています。次の2つの新しいnologgingモードは、既存のnologgingモードNOLOGGINGの代替として導入されました。

    STANDBY NOLOGGING FOR DATA AVAILABILITY
    STANDBY NOLOGGING FOR LOAD PERFORMANCE

    「FORCE LOGGINGモードのパフォーマンスに関する考慮点」を参照してください。

  • DBCAサイレント・モードの新機能

    • マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)のコピーの作成

      CDBのコピーは、-createDuplicateDBコマンドを使用することで作成できます。

      「createDuplicateDB」を参照してください。

    • Oracle RACデータベースのコピーの作成

      Oracle RACデータベースのコピーは、-createDuplicateDBコマンドのオプション-databaseConfigTypeに値RACまたはRACONENODEを使用することで作成できます。

      「createDuplicateDB」を参照してください。

    • 既存のデータベースからのスタンバイ・データベースの作成

      スタンバイ・データベースは、-createDuplicateDBコマンドのオプション-createAsStandbyを使用することで、既存のデータベースから作成できます。

      「createDuplicateDB」を参照してください。

    • データベースの作成前のハードウェア前提条件とソフトウェア前提条件の検証

      データベースを作成する際のハードウェア前提条件とソフトウェア前提条件は、データベースを作成する必要のあるシステムで-executePrereqsコマンドを実行することで検証できます。

      「executePrereqs」を参照してください。

    • データベース・テンプレートのコピーの作成

      データベース・テンプレートのコピーは、-createTemplateFromTemplateコマンドを使用することで作成できます。

      「createTemplateFromTemplate」を参照してください。

  • プラガブル・データベース(PDB)のコピーの作成

    PDBのコピーは、-createPluggableDatabaseコマンドのオプション-createPDBFromに値PDBを使用することで作成できます。

    「createPluggableDatabase」を参照してください。

その他の変更

このリリースでの追加変更は次のとおりです。

  • 新しいOracle Multitenantのマニュアル

    Oracle Multitenantのすべてのトピックは、『Oracle Database管理者ガイド』から新しいマニュアルの『Oracle Multitenant管理者ガイド』に移動されました。

  • 新しいOracle Shardingのマニュアル

    Oracle Shardingのすべてのトピックは、『Oracle Database管理者ガイド』から新しいマニュアルの『Oracle Database Oracle Shardingの使用』に移動されました。

Oracle Database 12cリリース2 (12.2)での変更点

Oracle Database 12cリリース2 (12.2)での『Oracle Database管理者ガイド』の変更点は次のとおりです。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。

  • 表のオンライン再定義の改善:

    • 以前のリリースでは、BFILE列を含む表は、オンラインで再定義できませんでした。Oracle Database 12cリリース2 (12.2)では、BFILE列を含む表をオンラインで再定義できます。

    • 表の形状を変更していない表のオンライン再定義の場合は、表のロールバックを有効して、元の定義に表を戻し、表に対して行われたDMLの変更を保存できます。

      「表のオンライン再定義のロールバック」を参照してください。

    • 表のオンライン再定義中に、高速リフレッシュ可能な依存マテリアライズド・ビューをリフレッシュするには、REDEF_TABLEプロシージャまたはSTART_REDEF_TABLEプロシージャで、refresh_dep_mviewsパラメータをYに設定します。

      「表のオンライン再定義中に依存マテリアライズド・ビューをリフレッシュする方法」を参照してください。

    • DBMS_REDEFINITIONパッケージのEXECUTE_UPDATEプロシージャにより、表の一括更新のパフォーマンスを最適化します。REDOログに更新が記録されないため、パフォーマンスが最適化されます。

      「バルク更新のパフォーマンス最適化」を参照してください。

    • V$ONLINE_REDEFビューを問い合せて、表のオンライン再定義操作の進行状況を監視できます。

      「表のオンライン再定義の進行状況の監視」を参照してください。

    • 表のオンライン再定義が失敗したときは、多くの場合、失敗の原因となった問題を修正し、最後に停止したところからオンライン再定義プロセスを再開できます。

      「失敗後の表のオンライン再定義の再開」を参照してください。

  • リソース・マネージャによるPGA使用量の制限

    リソース・マネージャは、特定のコンシューマ・グループの各セッションに割当て可能なPGAメモリー量を制限できます。

    「プログラム・グローバル領域(PGA)」を参照してください。

  • 索引圧縮の改善

    以前のリリースで使用可能な低レベルに加えて、高レベルの拡張索引圧縮を指定できます。高レベルの拡張索引圧縮は、低レベルよりも多くの領域を節約します。

    「拡張索引圧縮を使用した索引の作成」を参照してください。

  • 配列の挿入のために使用可能なハイブリッド列圧縮

    配列の挿入によって挿入された行を、ハイブリッド列圧縮を使用して圧縮できます。以前のリリースでは、ダイレクト・パスINSERTにより挿入された行のみをハイブリッド列圧縮を使用して圧縮できました。

    「表圧縮について」を参照してください。

  • 表の移動操作の改善

    ALTER TABLE MOVE文にONLINEキーワードが含まれている場合、移動操作中にデータ操作言語(DML)の操作がサポートされます。また、ONLINEキーワードおよびUPDATE INDEXES句が含まれている場合は、移動操作中に索引を使用できます。

    「新規セグメントまたは表領域への表の移動」を参照してください。

  • 業務の分離のための新しいSYSRAC管理権限

    Oracle Databaseでは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)の操作に関連するタスクのための新しい管理権限を提供するようになりました。

    「管理権限」を参照してください。

  • 実行時間の長いトランザクションのための新しいデータベース常駐接続プール・パラメータ

    MAX_THINK_TIMEパラメータに指定された制限によって、実行時間の長いトランザクションがロールバックされるのを防ぐために、DBMS_CONNECTION_POOLパッケージ内のサブプログラムのための新しいMAX_TXN_THINK_TIMEパラメータは、進行中のトランザクションを持つ任意のセッションの最大時間(秒単位)を指定します。

    「データベース常駐接続プーリングの構成パラメータ」を参照してください。

  • データベース常駐接続プールの各接続の状態に関する追加情報の提供

    V$CPOOL_CONN_INFOビューに追加された新しい列は、接続プール内の各接続の現在の状態に関する詳細を提供します。

    「接続プールの接続の状態の調査」を参照してください。

  • データベース・リンクの監視の向上

    新しいビューおよび提供されたPL/SQLファンクションにより、送信データベース・リンクのホスト名の判別、受信データベース・リンクの詳細の表示、および高いシステム変更番号(SCN)のアクティビティ・ソースの判別が可能になります。

    「送信データベース・リンクのホストの判断」「受信データベース・リンクの情報の判断」および「受信データベース・リンクの高SCNアクティビティ・ソースの判断」を参照してください。

  • オブジェクトの隔離

    オブジェクトの隔離は、エラーが発生したオブジェクトを隔離し、システムへの影響についてオブジェクトを監視します。

    「隔離されたオブジェクトの監視」を参照してください。

  • インスタンスの中断の遅延

    INSTANCE_ABORT_DELAY_TIME初期化パラメータは、エラーが発生してインスタンスが中断されるときの遅延時間を指定します。

    「インスタンス中断の遅延」を参照してください。

  • 事前作成されたプロセス

    Oracle Databaseでは、プロセスを事前に作成してクライアント接続パフォーマンスを向上できます。

    「事前作成されたプロセスの管理」を参照してください。

  • パーティション化された外部表

    大量のデータがある場合は、外部表をパーティション化して、問合せのパフォーマンスを高速化し、データのメンテナンスを強化できます。

    外部表のパーティション化を参照してください。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)での変更点

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)での『Oracle Database管理者ガイド』の変更を次に示します。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。

  • インメモリー列ストア

    インメモリー列ストア(IM列ストア)は、SGAのオプション領域で、表全体、表パーティション、個々の列およびマテリアライズド・ビューが圧縮列形式で格納されます。データベースでは、特殊な技法を使用して列データを超高速でスキャンします。IM列ストアはデータベースバッファ・キャッシュに代わるものではなく、補完するものです。

    「Oracle Database In-Memoryによる問合せパフォーマンスの向上」を参照してください。

  • データ・ポンプによるインメモリー列ストアのサポート

    データ・ポンプを使用すると、インポートされるデータベース・オブジェクトについてインメモリー句を維持、上書き、削除できます。

    Oracle Database In-Memoryガイドを参照してください。

  • 強制全データベース・キャッシュ・モード

    パフォーマンスを改善するために、強制的にインスタンスでデータベースをバッファ・キャッシュに格納させることができます。

    「強制フル・データベース・キャッシュ・モードの使用方法」を参照してください。

  • 大規模表キャッシュ

    自動大規模表キャッシュ機能を使用すると、パラレル問合せでバッファ・キャッシュを使用できるようになります。

    「メモリー・アーキテクチャの概要」を参照してください。

  • 属性クラスタ表

    属性クラスタリングは、ディスク上に近接近でデータを格納するヒープ構成表のディレクティブを指定し、パフォーマンスおよびデータ・ストレージを向上させます。このディレクティブは、一括挿入や移動操作と同様、ダイレクト・パス操作に対してのみ適用できます。

    「属性クラスタ表の使用」を参照してください。

  • ゾーン・マップ

    ゾーンとは、ディスク上の連続したデータ・ブロックのセットです。ゾーン・マップでは、個々のゾーンすべてについて、指定された列の最小値および最大値を追跡管理します。ゾーン・マップの最大の利点は、表スキャンに関するI/Oを削減することにあります。

    「ゾーン・マップの使用」を参照してください。

  • 拡張索引圧縮

    拡張索引圧縮により、圧縮率が非常に高くなりますが、索引には依然として効率的にアクセスできます。拡張索引圧縮は、ブロック・レベルに作用し、各ブロックを最適に圧縮できます。つまり、ユーザーはデータの特性を認識する必要がありません。拡張索引圧縮がブロックごとに適した圧縮を自動的に選択します。

    「拡張索引圧縮を使用した索引の作成」を参照してください。

  • Oracle Clusterwareによる診断フレームワークのサポート

    Oracle Clusterwareでは、診断トレース・データおよびClusterwareアラート・ログの記録に診断フレームワークおよびADRを使用します。

    「Oracle Clusterware環境でのADR」を参照してください。

  • READオブジェクト権限およびREAD ANY TABLEシステム権限

    オブジェクトに対するREAD権限により、他の権限を付与しなくても、ユーザーはオブジェクトから選択できるようになります。

    詳細は、「外部表のシステム権限およびオブジェクト権限」および『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)での変更点

Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)での『Oracle Database管理者ガイド』の変更を次に示します。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。

  • フル・トランスポータブル・エクスポート/インポート

    フル・トランスポータブル・エクスポート/インポートでは、データベースを、あるデータベース・インスタンスから別のデータベース・インスタンスに移動できます。データベースのトランスポートは、全データベースのエクスポート/インポートなどの、データベースを移動する他の方法よりはるかに高速です。また、フル・トランスポータブル・エクスポート/インポートを使用して、非CDB (またはOracle Database 11g リリース2 (11.2.0.3)データベース)をCDBに含まれるPDBに移動できます。

    「データのトランスポート」を参照してください。

  • 業務の分離のための新しい管理権限

    Oracle DatabaseはOracle Recovery Manager (Oracle RMAN)、Oracle Data Guardおよび透過的データ暗号化に関連するタスクの管理権限を提供するようになりました。それぞれの新しい管理権限によって、管理の各領域におけるタスクを完了するのに必要な最小限の権限が付与されます。新しい管理権限を使用すると、数多くの一般的なタスクに対してSYSDBA管理権限を付与することを回避できます。

    「管理権限」を参照してください

  • 複数のフラッシュ・デバイスのためのDatabase Smart Flash Cacheのサポート

    データベース・インスタンスは、ボリューム・マネージャを必要とすることなく、Database Smart Flash Cache用の複数のフラッシュ・デバイスにアクセスし、組み合せることができます。

    「Database Smart Flash Cacheの初期化パラメータ」を参照してください。

  • 一時UNDO

    一時オブジェクトに対するUNDOは、UNDO表領域ではなく、一時表領域に格納されます。一時UNDOを使用すると、UNDO表領域に格納されるUNDOの量およびREDOログのサイズが減少します。また、Oracle Active Data Guardオプションを使用するフィジカル・スタンバイ・データベースの一時表で、データ操作言語(DML)を操作することもできます。

    「一時UNDOの管理」を参照してください。また、Oracle Data Guard環境での一時UNDOの利点の詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

  • オンラインでのデータファイルの移動

    オンラインの、アクセスされているデータファイルを移動できます。この機能により、異なる記憶デバイスへのデータの移動などのメンテナンス操作が容易になります。

    「オンライン・データファイルの名前変更と再配置」を参照してください。

  • 同じ列セットに対する複数の索引

    既存の索引を削除して異なる属性を使用して再作成することなく、アプリケーションの移行を実行するために、同じ列セットに対して複数の索引を作成できます。

    「同じ列セットに対する複数の索引の作成について」を参照してください。

  • オンラインのパーティションまたはサブパーティションの移動

    表のオンライン再定義を使用せずに、移動されているパーティションまたはサブパーティションでDML操作を中断することなく実行し続けることができます。

    「新規セグメントまたは表領域への表の移動」を参照してください。

  • 1つのステップでの表のオンライン再定義

    DBMS_REDEFINITIONパッケージのREDEF_TABLEプロシージャを使用して、プロシージャへの単一コールで表の記憶域プロパティのオンライン再定義を実行できます。

    「REDEF_TABLEプロシージャを使用したオンライン再定義の実行」を参照してください。

  • 複数のパーティションを含む表のオンライン再定義

    表の複数のパーティションを再定義するときに停止時間を最小限に抑えるために、それらのパーティションを、オンラインの単一のセッションで再定義できます。

    「1つ以上のパーティションのオンライン再定義」を参照してください。

  • 仮想プライベート・データベース(VPD)ポリシーを含む表のオンライン再定義

    停止時間を最小限に抑えるために、VPDポリシーを含む表をオンラインで再定義できます。

    「オンライン再定義時の仮想プライベート・データベース(VPD)ポリシーの処理」を参照してください。

  • FINISH_REDEF_TABLEプロシージャの新しいtime limitパラメータ

    DBMS_REDEFINITIONパッケージのFINISH_REDEF_TABLEプロシージャのdml_lock_timeoutパラメータで、保留中のDMLのコミットをプロシージャが待機する時間を指定できます。

    「DBMS_REDEFINITIONの複数のプロシージャを使用したオンライン再定義の実行」のステップ8を参照してください。

  • 非表示の列

    表の個々の列を不可視にできます。表の一般的なアクセスでは、表の不可視の列は表示されません。

    「不可視の列の理解」を参照してください。

  • NULL値可能列のデフォルト値で最適化されたALTER TABLE...ADD COLUMN

    NULL値可能列は、NOT NULL制約を使用せずに作成された列です。特定のタイプの表では、デフォルト値を持つNULL値可能列を追加するときに、データベースは操作のリソース使用率および記憶域要件を最適化できます。このことは、既存のすべてのレコードの値を格納する必要がないように、新しい列のデフォルト値を表メタデータとして格納することによって行われます。

    「表の列の追加」を参照してください。

  • CloneDBを使用したデータベースのcopy-on-writeクローニング

    CloneDBを使用してデータベースをクローニングする場合、Oracle Databaseはcopy-on-writeテクノロジに基づいてCloneDBデータベースにファイルを作成できるため、ディスク上に追加の記憶域が必要になるのは、CloneDBデータベースで変更されたブロックに対してのみになります。

    「CloneDBを使用したデータベースのクローニング」を参照してください。

  • DDLログ

    DDL文のロギングが有効な場合、DDL文はアラート・ログではなく別のDDLログに記録されます。

    「DDLログ」を参照してください。

  • デバッグ・ログ

    問題のデバッグに使用できる情報は、アラート・ログではなく別のデバッグ・ログに記録されます。

    「デバッグ・ログ」を参照してください。

  • サーバー制御(SRVCTL)ユーティリティの完全単語オプション

    ユーザビリティを向上させるため、SRVCTLユーティリティの各オプションが、単一文字ではなく完全な単語になりました。

    「Oracle RestartのSRVCTLコマンド・リファレンス」を参照してください。

  • トランザクション・ガードおよびアプリケーション・コンティニュイティ

    アプリケーションを重複するトランザクションの発行および関連する論理エラーから保護するため、トランザクション・ガードによってトランザクションの最大1回実行が保証されます。トランザクション・ガードにより、リカバリ可能な通信エラーの後にトランザクションをリプレイして処理を続行する機能であるアプリケーション・コンティニュイティが使用可能になります。

    「トランザクション・ガードおよびアプリケーション・コンティニュイティ」を参照してください。

  • 文のキューイングの拡張

    重要な文はパラレル文のキューを無視できます。優先度の高いコンシューマ・グループに対してリソース・プラン・ディレクティブPARALLEL_STMT_CRITICALBYPASS_QUEUEに設定し、そのコンシューマ・グループのパラレル・ステートメントがパラレル・ステートメント・キューを無視するように設定できます。

    「リソース・プラン・ディレクティブの作成」を参照してください。

  • 新しいジョブ・タイプ

    SQL*Plus、RMANインタプリタまたはコンピュータ・プラットフォームのコマンド・シェルを使用してカスタム・ユーザー・スクリプトの実行を許可する複数の新しいスクリプト・ジョブが追加されました。

    「スクリプト・ジョブ」を参照してください。

非推奨となった機能

次の機能は、今回のリリースで非推奨であり、将来のリリースでサポートされなくなる可能性があります。

  • ORAPWDのIGNORECASE引数

    厳密認証をサポートするために、IGNORECASEnに設定するか、IGNORECASEを省略することをお薦めします。このオプションのORAPWD引数のデフォルト値はnです。

    詳細は、「ORAPWDを使用したデータベース・パスワード・ファイルの作成」を参照してください。

  • サーバー制御(SRVCTL)ユーティリティ・コマンドを使用した単一文字オプション

    すべてのSRVCTLコマンドは、単一文字オプションのかわりに完全単語オプションを受け入れるように拡張されました。このリリースで追加されたすべての新規SRVCTLコマンド・オプションは完全単語オプションのみをサポートしており、等価の単一文字はありません。SRVCTLコマンドでの単一文字オプションの使用は、将来のリリースではサポートされなくなる可能性があります。

    詳細は、「Oracle RestartのSRVCTLコマンド・リファレンス」を参照してください。

  • FILE_MAPPING初期化パラメータ

    FILE_MAPPING初期化パラメータは非推奨です。これは、下位互換性を保つためにのみサポートされています。

    FILE_MAPPING初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

  • *_SCHEDULER_CREDENTIALS

    このビューは、下位互換性のために引き続き使用可能です。

    詳細は、「スケジューラ・ジョブ資格証明の指定」を参照してください。