Oracle Databaseの互換性の概要
アップグレードする前に、アップグレード計画の一環として以前のリリースのOracle Databaseと新しいOracle Databaseリリースの互換性を確認してください。
- Oracle Databaseの互換性の理解
新しい機能に以前のリリースとの互換性がない場合、データベースの互換性を更新すると問題が発生する可能性があります。 - Oracle DatabaseでのCOMPATIBLE初期化パラメータ設定のタイミング
COMPATIBLEパラメータの増加は、アップグレードしたデータベースのテストが完了した後にのみ行うことをお薦めします。 - Oracle DatabaseのCOMPATIBLE初期化パラメータ
参照して非CDBおよびマルチテナント・アーキテクチャ・コンテナのCOMPATIBLE初期化パラメータの設定方法を理解してください。 - Oracle DatabaseのCOMPATIBLE初期化パラメータの値
Oracle Database 19cのCOMPATIBLE初期化パラメータのデフォルト値、最小値および最大値を確認してください。 - Oracle Databaseのアップグレードでのダウングレードおよび互換性について
Oracle Database 19cにアップグレードする前に、COMPATIBLE初期化パラメータを11.2.0以上に設定する必要があります。 - Oracle DatabaseでのCOMPATIBLE初期化パラメータの動作
COMPATIBLE初期化パラメータによって、リリースの互換性に基づいてOracle Database機能を有効化または無効化できます - Oracle Databaseの互換性レベルの確認
このSQL問合せを使用して、データベースに設定されているCOMPATIBLE初期化パラメータの値を確認します。 
Oracle Databaseの互換性の理解
新しい機能に以前のリリースとの互換性がない場合、データベースの互換性を更新すると問題が発生する可能性があります。
異なるリリースのOracle Databaseソフトウェアで同じ機能がサポートされており、その機能が同様に動作する場合は、リリースが異なってもデータベースには互換性があります。新しいリリースのOracle Databaseへアップグレードする場合、一部の新機能が原因で以前のリリースとの互換性が失われることがあります。
アップグレードしたデータベースで以前のリリースとの互換性が失われるのは、次の場合です。
- 新機能によってディスクに格納されるデータ(データ・ディクショナリの変更を含む)が、以前のリリースでは処理できない場合。
 - 既存の機能の動作が、以前の環境と新しい環境とで異なる場合。
 
親トピック: Oracle Databaseの互換性の概要
Oracle DatabaseでのCOMPATIBLE初期化パラメータ設定のタイミング
COMPATIBLEパラメータの増加は、アップグレードしたデータベースのテストが完了した後にのみ行うことをお薦めします。
                  
アップグレードが完了したら、COMPATIBLE初期化パラメータの設定をOracle Databaseの新リリース用に最大レベルに増やすことができます。ただし、COMPATIBLEパラメータを増やすと、後でデータベースをダウングレードできません。
                  
親トピック: Oracle Databaseの互換性の概要
Oracle DatabaseのCOMPATIBLE初期化パラメータ
非CDBおよびマルチテナント・アーキテクチャ・コンテナのCOMPATIBLE初期化パラメータの設定方法を確認してください。
Oracle Databaseでは、COMPATIBLE初期化パラメータを使用して、データベースの互換性を制御できます。
COMPATIBLE初期化パラメータの理解
Oracle Database 19cでは、COMPATIBLE初期化パラメータがパラメータ・ファイルで設定されていない場合、COMPATIBLEパラメータ値はデフォルトの19.0.0になります。COMPATIBLE初期化パラメータを19.0.0に設定しない場合、アップグレードしたデータベースがOracle Database 19c機能にとって必要なCOMPATIBILITY設定で実行されていないため、Oracle Database 19cの新機能を使用することはできません。
                     
内部SQL識別子およびスキーマ・オブジェクト名の制限における変更により、COMPATIBLEパラメータ設定を増やすと、データベースがデータベース・サーバーで直接または間接的にJavaストアド・プロシージャを実行するプロセスに対して初期遅延が発生する可能性があります。Oracle DatabaseのCOMPATIBLEパラメータを12.2.0より前のCOMPATIBLE設定から12.2.0以降に増やし、データベースがJavaストアド・プロシージャを実行すると、データベースは"名前変換"操作を実行します。この操作は、完了するまでに数分間かかることがあります。互換性パラメータを増やした後に、データベースが初めてJavaストアド・プロシージャを実行するときは、この遅延を予期しておく必要があります。データベースによる名前変換の実行において、この遅延は最初のJavaプロセス・コール時にのみ発生します。
                     
ノート:
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Oracle Database 19cにアップグレードする前に、
COMPATIBLE初期化パラメータをOracle Database 19cの最小設定である11.2.0以上に設定する必要があります。 - 
                              
COMPATIBLEパラメータは、ピリオドで区切られた3つ以上の10進数である必要があります。たとえば:
SQL> ALTER SYSTEM SET COMPATIBLE = '19.0.0' SCOPE=SPFILE; - 
                              
COMPATIBLEパラメータの増加は、アップグレードしたデータベースを完全にテストした後にのみ行うことをお薦めします。 - 
                              
COMPATIBLEパラメータを増やした後は、データベースをダウングレードすることも、リストア・ポイントにフラッシュバックすることもできません。 
注意:
Oracle Databaseリリース11.2からアップグレードする場合、COMPATIBLEの値を11.2.0以上に設定する必要があります。これは、アップグレード時に行う必要があります。COMPATIBLE初期化パラメータ値を増加した後に以前の互換性レベルにダウングレードすることはできないため、アップグレードの準備が完了するまで、この変更は行わないでください。
参照:
初期化パラメータの管理の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください
マルチテナント・アーキテクチャでのCOMPATIBLEパラメータ設定のルール
コンテナ・データベース(CDB)のCOMPATIBLEパラメータは、そのコンテナ・データベースに接続されているプラガブル・データベース(PDB)のCOMPATIBLEパラメータ設定に影響します。PDBをCDBに接続したときに発生する次のシナリオを確認してください。
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PDBのCOMPATIBLEが
CDB$ROOTCOMPATIBLEパラメータの設定と同じ。結果: PDB COMPATIBLEパラメータ設定への変更はありません。
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PDB COMPATIBLEが
CDB$ROOTCOMPATIBLEパラメータ設定より低い。結果: PDB COMPATIBLEパラメータは
CDB$ROOTと同じCOMPATIBLEパラメータ設定に、自動的に増やされます。PDBに接続した後では、以前のリリースにPDBをダウングレードできません。 - 
                           
PDB COMPATIBLEが
CDB$ROOTCOMPATIBLEパラメータ設定より高い。結果: PDBを接続できません。
CDB$ROOTと同等以下のCOMPATIBLEパラメータを持つPDBだけが、CDBに接続できます。 
親トピック: Oracle Databaseの互換性の概要
Oracle DatabaseのCOMPATIBLE初期化パラメータの値
Oracle Database 19cのCOMPATIBLE初期化パラメータのデフォルト値、最小値および最大値を確認してください。
COMPATIBLEパラメータのデフォルト値と最小値
CDBまたは非CDBインスタンスの場合、RUまたはRURのCOMPATIBLEパラメータを変更しないでください。次の表に、直接アップグレードがサポートされている以前のリリースと、Oracle Database 19cのCOMPATIBLEパラメータのデフォルト値と最小値を示します。
表1-2 COMPATIBLE初期化パラメータ
| Oracle Databaseのリリース | デフォルト値 | 最小値 | 
|---|---|---|
| Oracle Database 19c | 
                                 
                                  
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                                  Oracle Database 12cリリース2 (12.2)  | 
                              
                                 
                                  
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  | 
                           
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                                  Oracle Database 12c リリース1(12.1)  | 
                              
                                 
                                  
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                                  Oracle Database 11gリリース2(11.2)  | 
                              
                                 
                                  
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親トピック: Oracle Databaseの互換性の概要
Oracle Databaseのアップグレードでのダウングレードおよび互換性について
Oracle Database 19cにアップグレードする前に、COMPATIBLE初期化パラメータを11.2.0以上に設定する必要があります。 
                  
Oracle Database 18cにアップグレード後、COMPATIBLE初期化パラメータを新しいリリースのリリース番号と一致するように設定できます。このように設定すると、新しいリリースのすべての機能を使用できますが、以前のリリースにダウングレードすることはできません。COMPATIBLE初期化パラメータがより小さい値に設定されている場合、Oracle Database 18cの機能のサブセットのみを使用できます。
                  
注意:
COMPATIBLEパラメータを増やすと、データベースをダウングレードできません。
親トピック: Oracle Databaseの互換性の概要
Oracle DatabaseでのCOMPATIBLE初期化パラメータの動作
COMPATIBLE初期化パラメータによって、リリースの互換性に基づいてOracle Database機能を有効化または無効化できます
                  
 COMPATIBLE初期化パラメータは、次のように動作します。
                  
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COMPATIBLE初期化パラメータによって、機能の使用を有効化または無効化することで、既存のアプリケーションによるデータの使用を保護するために役立ちます。COMPATIBLE初期化パラメータを11.2.0に設定してOracle Database 12cデータベースを実行すると、データベース・ソフトウェアによって、Oracle Databaseリリース11gリリース2 (11.2)と互換性のあるデータベース構造がディスクに生成されます。Oracle Databaseのより新しいリリースに含まれる機能の使用を試み、データベースがCOMPATIBLE初期化パラメータとの互換性を失うと、エラーが発生します。ただし、Oracle Databaseリリース11gリリース2と互換性のない変更がディスクに作成されない新機能は、有効化されます。 - 
                        
使用する
COMPATIBLE初期化パラメータ設定との互換性をデータベースが失う変更がデータベースに行われると、データベースは起動せず、初期化はエラーで終了します。この場合、COMPATIBLE初期化パラメータを、データベースに対する適切な値に設定する必要があります。 
参照:
データベース構造の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。
親トピック: Oracle Databaseの互換性の概要
Oracle Databaseの互換性レベルの確認
このSQL問合せを使用して、データベースに設定されているCOMPATIBLE初期化パラメータの値を確認します。
SQL> SELECT name, value FROM v$parameter
         WHERE name = 'compatible';
                     親トピック: Oracle Databaseの互換性の概要