23 WebLogic Serverドメイン・パーティション
ドメイン・パーティションを使用することで、アプリケーション・インスタンスおよび関連リソースがドメイン、WebLogic Serverそのもの、Java仮想マシン、およびオペレーティング・システムを共有することが可能となり、テナント固有のアプリケーション・データ、構成および実行時トラフィックを分離しながら、より密度の高い実装を実現できます。各ドメイン・パーティションには、独自のアプリケーションおよびリソースのランタイム・コピーが含まれます。WebLogic Serverによるクラス・ロードの処理方法の変更により、アプリケーションの分離と効率性の両方が実現します。マルチテナント環境にデプロイする場合は、アプリケーションを変更する必要はありません。たとえば、アプリケーションを変更せずに、異なるドメイン・パーティションにある給与計算アプリケーションの複数のインスタンスを実行できます。
WebLogic Serverのドメイン・パーティションの詳細は、『WebLogic Server MTの使用』を参照してください。
ノート:
ドメイン・パーティションにログインしている場合は、「ドメイン・パーティション」メニューからナビゲートします。WebLogic Server Multitenantドメイン・パーティション、リソース・グループ、リソース・グループ・テンプレートおよび仮想ターゲットは、WebLogic Server 12.2.1.4.0で非推奨になっており、次のリリースで削除されることに注意してください。
この章の内容は次のとおりです。
ドメイン・パーティションの作成: 前提条件
ドメイン・パーティションを作成するには、次の前提条件を満たしている必要があります。
-
使用する予定のドメインをまだ作成していない場合は作成します。
Oracle Enterprise Manager - Restricted JRFテンプレートを使用してドメインを作成します。このテンプレートによって、他の必要なテンプレートの多くが自動的に含められます。
ベスト・プラクティスは、新しいドメインを作成することです。
既存のドメインをアップグレードすることを計画している場合も、新しいセキュリティ・レルムを作成する必要があります。
-
OTDのロード・バランシングを使用する場合は、OTDランタイム構成を構成します。ステップの詳細は、WebLogic Server MTの使用のOracle Traffic Directorの構成を参照してください。
-
1つ以上の仮想ターゲットをまだ作成していない場合は作成します。ステップの詳細は、「WebLogic Server仮想ターゲット」を参照してください。
-
このドメイン・パーティションでリソース・グループ・テンプレートを使用する場合、先にリソース・グループ・テンプレートを作成します。ステップの詳細は、「WebLogic Serverリソース・グループ・テンプレート」を参照してください。
-
ドメイン・パーティションのセキュリティ・レルムをまだ作成していない場合は作成します。各ドメイン・パーティションに1つのセキュリティ・レルムが必要です。セキュリティ・レルムは、このドメイン・パーティションに対して一意とすることも、複数のドメイン・パーティションで共有することもできます。ステップの詳細は、「WebLogic Serverセキュリティ」を参照してください。
ドメイン・パーティションの構成
この項では、ドメイン・パーティションを構成する方法を説明します。この項では、ドメイン・パーティション自体に対して実行する管理タスクに重点を置いており、関連付けられたリソース・グループについては詳しく説明しません。
次の項目について説明します。
ドメイン・パーティションの仮想ターゲットの構成
このドメイン・パーティションで使用する仮想ターゲットを選択するには:
- 「ドメイン・パーティション」メニューから、「管理」、「使用可能なターゲット」の順に選択します。
- 「使用可能なターゲット」ページで、このドメイン・パーティションで使用可能な仮想ターゲットを選択できます。仮想ターゲットを使用できるのは1つのドメイン・パーティションのみで、使用可能な仮想ターゲットのみがリストされます。
- 「デフォルトとして設定」を選択すると、このドメイン・パーティションを、明示的に仮想ターゲットを設定せずにリソース・グループで使用します。
- 「保存」をクリックします。
「構成オプション」を参照してください。
ロード・バランサ構成の構成
ドメイン・パーティションで使用する前に、まず、OTDランタイム構成を構成する必要があります。ステップの詳細は、WebLogic Server MTの使用のOracle Traffic Directorの構成を参照してください。
ロード・バランサ構成を構成するには:
- 「ドメイン・パーティション」メニューから、「管理」、「ロード・バランシング構成」の順に選択します。
- 「ロード・バランシングにOTDを使用します」をクリックします。
- 「OTDランタイム」ドロップダウンから、OTDランタイム構成を選択します。
- 「保存」をクリックします。
「構成オプション」を参照してください。
ドメイン・パーティションのノートの作成
ドメイン・パーティション構成のノートを作成するには:
- 「ドメイン・パーティション」メニューから、「管理」、「ノート」の順に選択します。
- 「ノート」ページで、ノートを入力します。
- 「保存」をクリックします。
「構成オプション」を参照してください。
ドメイン・パーティションのモニター
この項では、次のタスクを取り上げます:
ドメイン・パーティションのJMSリソースおよびモジュールのモニター
この項では、次のトピックを取り上げます:
ドメイン・パーティションのJMSリソースのモニター
現在のドメイン・パーティションで作成されたすべてのJMSシステム・モジュールのすべてのリソースを表示できます。リソースのシステム・モジュール、JNDI名、ターゲット指定されたサブデプロイメント・リソース、およびリソースのターゲットとして指定されたリソース・グループのモニタリング情報も表示できます。
特定のリソースの場合、詳細統計情報のモニターまたは制御操作の実行ができます。
このドメイン・パーティション内のすべてのJMSシステム・リソースをモニターするには:
ドメイン・パーティションの制御
この項では、次のタスクを取り上げます
ドメイン・パーティションの起動と停止
ドメイン・パーティションを起動および停止するには:
-
「WebLogicドメイン」メニューから、「環境」、「ドメイン・パーティション」の順に選択します。
「ドメイン・パーティション」表には、このドメインにデプロイされているドメイン・パーティションに関する情報が表示されます。
-
「ドメイン・パーティションのサマリー」表で、制御するドメイン・パーティションを選択します。
-
パーティションを起動するには、「制御」メニューから、「起動」を選択します。
すべてのリソース・グループ(およびこれらのリソース・グループにデプロイされたすべてのアプリケーション)が起動します。
-
実行中のパーティションを中断するには、「制御」メニューから「中断」を選択し、パーティションを正常に中断する(「作業完了時」)か、強制的に停止する(「ただちに強制中断」)かを選択します。
一時停止操作によって、パーティションが
RUNNING
状態からADMIN
状態に遷移します。 -
中断しているパーティションを再開するには、「制御」メニューから、「再開」を選択します。
再開操作によって、パーティションが
ADMIN
状態からRUNNING
状態に遷移します。 -
パーティションを停止するには:
「制御」メニューから「停止」を選択し、パーティションを正常に停止する(「作業完了時」)か、強制的に停止する(「ただちに強制停止」)かを選択します。
オプションで、「制御」メニューから、「中止」を選択します。パーティションが
HALTED
状態である場合、パーティションのすべてのリソース・グループは停止されており、パーティションはすべてのターゲット上で完全に停止されています。
-
『WebLogic Server MTの使用』のパーティション・ライフサイクルの状態と遷移についてに関する項を参照してください。
ドメイン・パーティションのエクスポート
ドメイン・パーティションをエクスポートすると、パーティション・バックアップが作成されてアーカイブ形式で格納されます。アーカイブ・パーティションは、パーティションにデプロイされたアプリケーションも含め、ドメイン間で簡単に移動できます。
始める前に:
ドメイン・パーティションをエクスポートする前に、最初に1つを作成またはインポートする必要があります。詳細は、「ドメイン・パーティションの作成」および「ドメイン・パーティションのインポート」を参照してください。
ドメイン・パーティションをエクスポートするには:
ドメイン・パーティションのインポート
パーティション・アーカイブをインポート中に、ドメイン(ターゲットおよびセキュリティ・レルムなど)での依存性を更新する必要がある場合があり、オプションでパーティション構成の他の属性を更新して有効にすることもできます。『WebLogic Server MTの使用』の「パーティションのエクスポートおよびインポート」を参照してください。
始める前に:
ドメイン・パーティションをインポートする前に:
-
先にドメイン・パーティション(ソース・ドメイン)をパーティション・アーカイブ・ファイルにエクスポートしておく必要があります。詳細は、「ドメイン・パーティションのエクスポート」を参照してください。
-
サーバー・インスタンスにはドメイン(ターゲット・ドメイン)が構成されている必要があります。
ドメイン・パーティションをインポートするには:
ドメイン・パーティションのJMSリソースおよびモジュールの制御
この項では、次のトピックを取り上げます:
ドメイン・パーティションのJMSリソースの制御
現在のドメイン・パーティションで作成されたすべてのJMSシステム・モジュールのすべてのリソースを表示できます。リソースのシステム・モジュール、JNDI名、ターゲット指定されたサブデプロイメント・リソース、およびリソースのターゲットとして指定されたリソース・グループのモニタリング情報も表示できます。
特定のリソースの場合、詳細統計情報のモニターまたは制御操作の実行ができます。
このドメイン・パーティション内のすべてのJMSシステム・リソースを制御するには:
ドメイン・パーティションのアプリケーション・デプロイメントの制御
このドメイン・パーティション内のリソース・グループにデプロイされているアプリケーションの起動、停止、デプロイ、再デプロイおよびアンデプロイができます。また、デプロイメント・プランをフェッチし、リソース・グループ・テンプレートで定義されているアプリケーション構成をオーバーライドできます。
この項では、次のタスクを取り上げます:
パーティション内のアプリケーションの起動
アプリケーションを起動すると、WebLogic Serverクライアントでアプリケーションが使用できるようになります。アプリケーションを起動する前に、まずアプリケーションをデプロイする必要があります。詳細は、「パーティション・リソース・グループへのアプリケーションのデプロイ」を参照してください。
パーティション・リソース・グループのアプリケーションを起動するには:
パーティション内のアプリケーションの停止
実行中のアプリケーションを停止すると、WebLogic Serverクライアントでそのアプリケーションが使用できなくなります。
パーティション・リソース・グループのアプリケーションを停止するには:
パーティション・リソース・グループへのアプリケーションのデプロイ
アプリケーションをデプロイすると、物理ファイルまたはディレクトリがWebLogic Serverで認識されます。アプリケーションをデプロイした後で、アプリケーションを起動すると、ユーザーがアプリケーションの使用を開始できます。詳細は、「パーティション内のアプリケーションの起動」を参照してください。
パーティション・リソース・グループへアプリケーションをデプロイするには:
パーティション・リソース・グループへのアプリケーションの再デプロイ
アプリケーションを再デプロイすると、アーカイブ・ファイルまたは展開済ディレクトリが再デプロイされます。アプリケーションを変更し、その変更がWebLogic Serverクライアントで使用されるようにする場合に、アプリケーションを再デプロイします。
パーティション・リソース・グループへアプリケーションまたはモジュールを再デプロイするには:
パーティション・リソース・グループからのアプリケーションのアンデプロイ
アプリケーションをアンデプロイすると、アプリケーションがデプロイされているドメインの各ターゲットからアプリケーションが削除されます。アプリケーションをドメインからアンデプロイした場合、WebLogic Serverクライアントでアプリケーションを使用できるようにするには、再度アプリケーションをデプロイする必要があります。WebLogic Serverクライアントでアプリケーションを一時的に使用できないようにするには、アプリケーションをアンデプロイするのではなく、停止します。
始める前に
アプリケーションをアンデプロイする前に、必ずアプリケーションを停止してクライアント・アプリケーションが処理中でないことを確認します。詳細は、「パーティション内のアプリケーションの停止」を参照してください。
パーティション・リソース・グループからアプリケーションをアンデプロイするには:
アプリケーション構成のオーバーライド
リソース・グループがリソース・グループのテンプレートを参照するときに、別のデプロイメント・プランを指定してリソース・グループ・テンプレートに定義されているアプリケーションおよびモジュールのデフォルト・アプリケーション構成をオーバーライドできます。アプリケーションまたはモジュールは、アプリケーション構成用の新しいデプロイメント・プランを使用して再デプロイされます。
アプリケーションまたはモジュールの構成をオーバーライドするには:
JNDIツリーの表示
JNDIブラウザは、すべてのWebLogic ServerリソースのJNDI名が見つかる中心的な場所です。通常はWLSクライアント・プログラムを記述する際にJNDIブラウザでJNDI名を検索します。JNDIブラウザには、ドメイン、サーバー、またはパーティション内のリソースのツリーが表示されます。ツリーでノードまたはオブジェクトを選択すると、バインディング名、オブジェクト・クラス、オブジェクト・ハッシュ・コード、オブジェクトから文字列への変換結果のエントリなどの、JNDI情報が表示されます。
ドメイン・パーティションのJNDIツリーでオブジェクトを表示するには:
JNDIの詳細は、Oracle WebLogic Server JNDIアプリケーションの開発のWebLogic JNDIの理解を参照してください。