管理ガイド

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Oracle TSAM エージェント

ここでは、以下の内容について説明します。

 


前提条件

Oracle TSAM エージェントを正確かつ効果的に使用するには、以下の前提条件に従います。

 


モニタ方針の管理

Oracle TSAM は、柔軟かつ包括的なモニタ機能を提供します。Oracle TSAM では、次の機能が提供されます。

概念

モニタの起動前に、監視する Tuxedo システム コンポーネントとアプリケーション、ならびにそれぞれのモニタ方針を設定してそれらを監視する方法を指定する必要があります。モニタ方針は、監視される Tuxedo コンポーネント、モニタ カテゴリおよびモニタ プロパティを定義します。

Tuxedo コンポーネントのモニタ

監視する Tuxedo コンポーネントには、マシン、グループ、およびサーバを指定することができます。マシン レベルでは、すべての Tuxedo アプリケーションの処理に影響があります。グループのレベルでは、グループ内の実行中のすべてのサーバに影響があります。特定のサーバの場合、サーバのインスタンスにのみ影響があります。

注意 : モニタ方針の以前の設定は、新たに行われた設定で上書きされます。例えば、サーバに対して「サービス」モニタを有効に設定しており、サーバが属する最後のグループを「呼び出しパス」モニタに設定している場合、既存の「サービス」モニタの設定は「呼び出しパス」の属性で上書きされます。

カテゴリのモニタ

Oracle TSAM エージェントには、次の 4 のモニタ エリアがあります。

呼び出しパスのモニタ

呼び出しパス モニタを有効にすると、開始側の呼び出し元によって、応答が受信されるまで (tpcall または tpacall を使用して) Oracle TSAM フレームワークで要求呼び出しがトラッキングされます。すべてのバック エンド サービスで、呼び出しパス ツリーのノードをトラッキングして構成します。エッジに接続するサービス ノードで転送情報を伝達します。

呼び出しパス モニタは、クライアント、サーバまたは WSH/JSH から開始することができます。開始側の呼び出し元から応答を受信すると、その呼び出しに対するモニタ アクティビティは終了します。

キー ワード :「app」

プロセスに対して「app」を指定すると、そのプロセスが「モニタ イニシエータ」になります。このプロセスからの呼び出しは、応答を受信するまで Tuxedo システムを通じてトラッキングすることができます。Oracle TSAM コンソールは、リアルタイムで呼び出しパス ツリーをトラッキングします。モニタ イニシエータ処理は、次の処理に制限されています。

サービスのモニタ

呼び出しパスのモニタと異なり (特定の呼び出しにより、開始されるメッセージの相関に焦点を当てる)、サービス モニタは、純粋なサービスの実行に焦点を当てます。サービス モニタでは、サービス実行状態のほか、要求待ち時間、サービス ルーチンの実行時間、実行状態、およびバッファ サイズが記録されます。

キー ワード :「svc」

サービス モニタを有効にします。これは、通常の Tuxedo アプリケーション サービスおよび GWTDOMAIN によってインポートされるサービスに適用されます。

システム サーバのモニタ

Tuxedo フレームワークには、BRIDGE と GWTDOMAIN という 2 つの主なサーバがあり、分散コンピューティング環境内のマシンとドメインを接続しています。Oracle TSAM は、それらのサーバ上のアクティビティも監視します。システム サーバ モニタは渡されたサービスや呼び出しを区別せず、すべてのネットワーク接続のデータをトラッキングします。

キー ワード :「sys」

現在の処理のシステム サーバ モニタを有効にします。これは、Tuxedo の BRIDGE および GWTDOMAIN サーバにのみ適用されます。sys を設定すると、Oracle TSAM は、接続したネットワーク リンク上のデータを定期的に報告します。

トランザクションのモニタ

Tuxedo の主な機能は、トランザクションのモニタです (XA 仕様に従う)。グローバル トランザクションには、複数のリソース管理者が含まれる可能性があります。ベンダが XA インタフェースを実装するので、Tuxedo のユーザが XA の呼び出しにかかる時間を測定するのは困難です。Oracle TSAM は、トランザクション モニタ機能を提供します。

Oracle TSAM エージェントは、トランザクション呼び出しの時間をトラッキングするほかに、戻りコードとトランザクション ID を報告します。ドメイン間にトランザクションを送信すると、Oracle TSAM は、ローカル トランザクションおよびリモート トランザクション間のマッピングも報告します。

キー ワード :「tran」

トランザクション モニタを有効にします。すべてのトランザクション呼び出しが測定され、実行状態が Oracle TSAM 管理者に送信されます。

4 つのモニタ タイプはすべて、一緒に、または個別に使用することができます。Oracle TSAM コンソールは、定義されたモニタ タイプに基づき、機能ページを構成します。

プロパティのモニタ

Oracle TSAM エージェントには、次の 4 のモニタ プロパティ エリアがあります。

呼び出しパス モニタのプロパティ

呼び出しパス モニタ プロパティには、次のキーワードが使用されます。

appratio

モニタ頻度を有効にします。範囲は、[0 ~ 65535] です。「0」は、モニタが停止していることを示します。指定がない場合、デフォルト値は 1 であり、すべての要求が監視されていることを示します。

appratio は、「モニタ イニシエータ」にのみ提供され、要求モニタ頻度を制御します。例えば、クライアント処理が「appratio=3」に設定され、10 個の tpcalls を発行すると、要求呼び出し 1、4、7 および 10 がトラッキングされます。

appinterval

監視アクションの時間間隔 (秒単位) を開始します。範囲は、[0 ~ 65535] です。指定がない場合、デフォルト値は「0」であり、時間に制限がないことを示します。

appratio と同じく、appinterval も「モニタ イニシエータ」にのみ提供されます。例えば、クライアント処理が「appinterval=10」に設定され、60 秒間継続的に呼び出しを発行すると、0、10、20、30、40、50、60 の時間間隔で呼び出しがトラッキングされます。

注意 : appratio」および「appinterval」は排他的です。これらが指定されない場合は、すべての呼び出しが監視されます。

appnolog

監視する呼び出しパス要求の場合、デフォルトでは呼び出しパス ツリーに参加するすべての処理はモニタ プラグインを呼び出します。一部のインスタンスでは、プラグインをトリガしない方がよい場合もあります。以下に 2 つのシナリオを示します。

appdecode

Tuxedo の BRIDGE 呼び出しパス モニタにのみ使用されます。デフォルトでは、BRIDGE を通じて渡されるメッセージが符号化されます。つまり、Oracle TSAM ではメッセージからモニタ属性を抽出することはできません。BRIDGE をモニタする場合、BRIDGE 処理に対して「appdecode」を設定する必要があります。デフォルト値は「0」で、BRIDGE ではメッセージが符号化されず、呼び出しパス ツリー上に表示されないことを示します。「appdecode」に「1」を設定すると、BRIDGE を使用して「監視済みメッセージ」を符号化し、呼び出しパス ツリー上にトランスポート情報を構成することができます。

注意 : 「BRIDGE」に「appdecode=1」を設定すると、監視されていないメッセージは復号化されません。
サービス モニタのプロパティ

svcratio

サービス実行モニタの頻度を制御します。appratio と同様です。

svcinterval

サービス時間間隔のモニタを制御します。appinterval と同様です。

注意 : svcratio および svcinterval は、排他的です。両方とも指定されない場合、すべてのサービスが監視されます。
システム サーバ モニタのプロパティ

sysinterval

監視された BRIDGE または GWTDOMAIN のプラグイン呼び出し間隔を制御します。範囲は、[30 ~ 65535] (秒単位) です。デフォルト値は 300 です。

トランザクション モニタのプロパティ

tranratio

トランザクション 呼び出しモニタの処理レベル頻度を制御します。範囲は、[0 ~ 65535] です。デフォルト値は 1 です。A 0 値を指定すると、トランザクションのモニタが停止されます。

注意 : デフォルト以外の値を使用すると、トランザクションのモニタ データが失われる可能性があるので、デフォルト値を使用することをお勧めします。

 


モニタ方針の設定

Oracle TSAM は、4 つの方針モニタ設定インタフェースを提供します。

方針モニタ情報には、以下の形式を使用する必要があります。

モニタ カテゴリ : モニタ プロパティ : 必須フィールド

表 2-1 は、該当するキーワードのリストです。

表 2-1 Oracle TSAM モニタ文字列仕様のキーワード
モニタ カテゴリのキーワード
モニタ プロパティのキーワード
app
appratio、appinterval、appnolog、appdecode
svc
svcratio、svcinterval
sys
sysinterval
tran
tranratio

TMMONITOR 環境変数

TMMONITOR 環境変数を使用すると、必要な処理を監視することができます。環境変数は、UBBCONFIG ファイルの *MACHINES 節の ENVFILE パラメータ、または Tuxedo アプリケーションの開始スクリプトに定義することができます。通常、Tuxedo クライアント プログラムでは、環境変数を使用して動作が制御されます。

注意 : Oracle TSAM では、TMMONITOR を使用せずに処理を起動すると、元の処理のモニタ設定が復元されません。

コード リスト 2-1 は、4 つのモニタ エリアを有効に設定したときの TMMONITOR の例を示します。方針には、デフォルト値が使用されます。

コード リスト 2-1 TMMONITOR 環境変数 : Example1
TMMONITOR=app,svc,tran,sys::

コード リスト 2-2 は、呼び出しパスとサービス モニタを有効に設定したときの TMMONITOR の例を示します。「appratio」には 10、「svcinterval」には 30 が設定されます。

コード リスト 2-2 TMMONITOR 環境変数 : Example2 pro
TMMONITOR=app,svc:appratio=10,svcinterval=30:

changemonitor コマンド

tmadmin changemonitor コマンドを使用すると、モニタの設定を動的に変更することができます。コード リスト 2-3 は、changemonitor の使用例を示します。

コード リスト 2-3 changemonitor の使用例
> help chmo
changemonitor (chmo)[-m machine] | [-g groupname] | [-g groupname -i srvid] newspec

コード リスト 2-4 は、マシン SITE1 で実行中の処理すべてのサービス モニタを有効にする changemonitor の例を示します。

コード リスト 2-4 changemonitor: 例 1
tmadmin
chmo -m SITE1 svc::

コード リスト 2-5 は、すべての GROUP1 サーバのサービスとトランザクション モニタを有効にする changemonitor の例を示します。svcinterval は 30 秒に設定されます。

コード リスト 2-5 changemonitor: 例 2
tmadmin
chmo -g GROUP1 svc,tran:svcinterval=30:

コード リスト 2-6 は、「sysinterval」が 30 秒が設定されている状態で GWTDOMAIN システム モニタを有効にする changemonitor の例を示します。GWTDOMAIN は、グループ GWGRPのサーバ ID 10 にあります。

コード リスト 2-6 changemonitor: 例 3
tmadmin
chmo -g GWGRP -i 10 sys:sysinterval=30:

MIB インタフェース

Oracle TSAM フレームワークは、開発者用の Tuxedo MIB インタフェースも開きます。以下の MIB(5) クラスに設定される TA_TMMONITOR 属性を使用して Oracle TSAM モニタを制御することができます。TA_TMMONITOR は、コマンド ラインおよび環境変数に使用された文字列と同じ形式を受け付けます。

詳細については、『ファイル形式とデータ記述方法』の「MIB(5)」を参照してください。

注意 : TA_TMMONITOR は、ローカル MIB 属性です。したがって、設定オペレーションで MIB を使用する場合、MIB_LOCAL フィールドを設定する必要があります。現在使用しているリリースでは、MIB の「get」オペレーションがサポートされていません。

Oracle TSAM コンソール

Oracle TSAM コンソール方針の管理ページを使用して、モニタ方針を設定できます。Oracle TSAM コンソール方針の管理ページにより、以下の作業を行うことができます。

注意 : モニタの一貫性と正確さに影響がでるおそれがあるので、Tuxedo 側の制御メカニズムと Oracle TSAM コンソール側の方針管理を同時に使用しないことをお勧めします。
注意 : 例えば、Oracle TSAM コンソールを使用してモニタ方針を作成し、Tuxedo コンポーネントに適用した後、Tuxedo 側のコマンド ライン設定を使用してこのモニタ方針が変更されたとします。Oracle TSAM は、Tuxedo 側の変更を認識していないので、元の設定を表示することになります。

モニタのキャンセル

TMMONITOR、changemonitor コマンドまたは MIB を使用すると、モニタの開始と同様にモニタのキャンセルが開始されます。文字列仕様に「::」を設定すると、影響がある処理のモニタがキャンセルされます。Oracle TSAM コンソールでは、GUI インタフェースを使用してモニタをキャンセルすることができます。

 


tpcallinfo API

tpgetcallinfo を使用して、ユーザ アプリケーションもモニタ属性を利用できます。tpgetcallinfo は、呼び出しパスのモニタ用に設計されています。tpgetcallinfo を使用すると、アプリケーションはそのパフォーマンス メトリクスに基づいた動的な決定ができます。

詳細については、『Oracle TSAM リファレンス ガイド』の「tpgetcallinfo()」を参照してください。

 


ローカル モニタ サーバ (LMS)

ローカル モニタ サーバ (LMS) は、Oracle TSAM エージェントのコンポーネントです。ローカル モニタ サーバ (LMS) を使って次の処理が実行されます。

詳細については、『Oracle TSAM リファレンス ガイド』の「LMS」を参照してください。

 


プラグイン レベルのイベント

概要

Oracle TSAM を使用してイベント モニタを定義および生成することができます。Oracle TSAM エージェントがイベント モニタ データを収集し、Oracle TSAM マネージャに送信します。この処理により、システムのオーバーヘッドが増加する可能性があります。

Oracle TSAM イベント プラグインを使用すると、システムのオーバーヘッドを最小にすることができます。これは、プラグイン レベルであらかじめ定義された規則に対して、モニタ データをチェックします。指定した規則を満たすと、イベントが Tuxedo イベント ブローカや Oracle TSAM マネージャ (規則の定義で指定) に送信されます。

Tuxedo イベント ブローカ プラグインが生成するイベントは、アプリケーションによってサブスクライブされます。イベントのデータ部分は FML32 型付きバッファで、これには生成されたイベントの情報およびモニタ データが含まれます。Oracle TSAM コンソールの [TSAM|Alerts|Events] メニュー (プラグイン内容に基づく) を使用すると、Oracle TSAM マネージャに生成されたイベントを照会することができます。

管理タスク

Oracle TSAM イベント プラグインを有効にするには、以下の管理タスクを行う必要があります。

  1. UBBCONFIG ファイルの設定
  2. プラグイン規則ファイルの構成
  3. 規則ファイルのアクティブ化

UBBCONFIG ファイルの設定

Oracle TSAM イベント プラグインを UBBCONFIG ファイルに設定するには、次の 2 つの手順に従います。

  1. プラグイン イベント規則を格納するために掲示板スペースを予約する場合、*RESOURCE 節に MAXSPDATA を定義します。
  2. 規則ファイルのサイズが 8192 バイトより大きい場合は、プラグイン イベント規則を BB に格納するために、MAXSPDATA を設定してスペースを予約する必要があります。

    注意 : もっと正確に言えば、ファイルのサイズは規則ファイルのものではなく、有効サイズでなければなりません。有効サイズは、(ファイルのサイズ) - (コメントのサイズ) + (無視された任意の項目のサイズ) とほぼ等しく、すべてバイト単位で表されます。

    MAXSPDATA 値は、MAXQUEUES*514+32+max{8192、<規則ファイルのサイズ>} を下回らないようにしてください。

    規則ファイルが存在しており (tsamrules は規則ファイル名)、正確にフォーマットされている場合、tmadmin の ctsamverify コマンドを使用して MAXSPDATA の最小値を取得することができます。

    > ctsamverify tsamrules

    注意 : 規則ファイル <tsamrules> には MAXSPDATA に少なくとも <41120> を設定する必要があります。
  3. Tuxedo イベント ブローカや LMS を *SERVER 節に追加します。
  4. Oracle TSAM イベント プラグインを有効にするには、Tuxedo イベント ブローカや LMS を *SERVERS 節に設定する必要があります。コード リスト 2-7 には、LMS の設定が表示されています。UBBCONFIG の抜粋を以下に示します。

    コード リスト 2-7 UBBCONFIG ファイルに設定された LMS

    *SERVERS

    TMSYSEVT SRVGRP=SYSGRP SRVID=1 CLOPT="-A --"

    TMUSREVT SRVGRP=SYSGRP SRVID=2 CLOPT="-A --"

    LMS SRVGRP=SYSGRP SRVID=3

    CLOPT="-A -- -l <tsam-hostname>:8080/tsam/dataserver -t 60"

プラグイン規則ファイルの構成

規則ファイルはテキストファイルであり、Oracle TSAM イベント プラグイン規則の定義が含まれます。詳細については、「設定リファレンス」を参照してください。コード リスト 2-8 は、規則ファイルの例を示します。

コード リスト 2-8 イベント プラグイン規則ファイルの例 (tsamrules)
*GENERAL_RULES
SVCCHECKALL=N
CALLCHECKALL=Y

*SVC_TRIGGER
SVCTRIGGER=TA_SVCRNAM[?]=='TOLOWER':TA_MONERRNO!=0:event(name=TSAM_svcerr,severity=Warn,destination=tsammanager+eventbroker)

*CALL_TRIGGER
CALLTRIGGER=TA_SERVERNAME=='simpserv':TA_MONELAPSETIME>=5000:event(name=TSAM_longcall,severity=Warn,destination=eventbroker+tsammanager)

*BBL_TRIGGER
BBLTRIGGER=TA_SVCRNAM[?]=='TESTCALL':TA_MONEXECTIME>=30000:event(name=TSAM_hang,severity=Warn,destination=tsammanager+eventbroker)

*REPORT_POLICY
SVCSENDTOLMS=Y
CALLSENDTOLMS=Y

規則ファイルのアクティブ化

MASTER ノード内の TSAMPLUGINRULES (コード リスト 2-9) 環境変数を使用してファイルの名前を指定すると、プラグイン規則ファイルが開始時にロードされます。ロードされた規則が掲示板に保存され、MP モードのすべてのマシンへ自動的に送信されます。

プラグイン規則ファイルは、MASTER ノードの tmadmin を使用して、実行時にロードまたは再ロードできます。(コード リスト 2-10)。configtsam および ctsamverify の 2 つの tmadmin コマンドを使用すると、プラグイン規則ファイルの操作を実行時間にサポートすることができます。詳細については、『Oracle Tuxedo コマンド リファレンス』の「tmadmin(1)」を参照してください。

注意 : 規則ファイルを再ロードすると、以前の設定がすべて失われる点に注意してください。

規則ファイルを正常にロードできない場合、BBL (または MP モードの DBBL) がメッセージの LIBTUX_CAT:6775 または LIBTUX_CAT:6776 を ULOG に記録します。規則ファイルが正常にロードされなかったため、LIBTUX_CAT:6775 メッセージがログに記録されても、新しい規則は適用されません。

LIBTUX_CAT:6775:ERROR: Failed to load TSAM Event Trigger rules from file <%s>.Reason:<%s>
LIBTUX_CT:6776:INFO: Load TSAM Event Trigger rules from file <%s>.Rules size <%d>
コード リスト 2-9 開始時の規則ファイルのロード例
TSAMPLUGINRULES=$APPDIR/tsamrules; export TSAMPLUGINRULES
tmboot -y\
コード リスト 2-10 実行時の規則ファイルのロード例
tmadmin
> configtsam load tsamrules
INFO: TSAM Event Trigger successfully loaded.

Oracle TSAM コンソールを使用してプラグインで生成されたイベントのチェック

Oracle TSAM コンソールの [TSAM|Alerts|Events] ページから、Oracle TSAM マネージャのプラグインが生成されたイベントを照会することができます。これらのイベントは、Oracle TSAM Manager 警告定義 (Alert というカタログに属する) より生成されたイベントとは区別され、「Plugin」という名前の独立したイベント カタログに属しています。

プラグイン生成イベントのサブスクライブ

Tuxedo イベント ブローカ プラグインが生成するイベントは、アプリケーションによってサブスクライブされます。イベントのデータ部分は、FML32 型付きバッファであり、生成されたイベントの情報およびモニタ データが含まれます。

規則ファイルには、次の 3 つのトリガ タイプが定義されています。

表 2-2 は、全イベントに共通の FML 32 データ フィールドのリストです。表 2-3表 2-4 および 表 2-5 は、その他の利用可能なデータ フィールドを示します。

表 2-2 プラグイン イベントの共通 FML32 フィールド
名前
説明
TA_MONEVENTNAME
イベントのアクションに指定されるイベント名を示します。
TA_MONSEVERITY
イベントのアクションに指定されるイベントの重要度を示します。
TA_GRPNO
グループ番号を示します。
TA_SRVGRP
グループ名を示します。
TA_SRVID
サーバ ID を示します。
TA_MONLOCATION
次の形式で、モニタ データの収集場所を示します。
<DOMAINID>:<マスター マシン名>:<IPCKEY> <論理マシン ID> <グループ名> <プロセス名> <プロセスがサーバの場合、SRVID> <プロセス ID>。
TA_MONLOGTIMESEC
イベントがポストされた時間 (秒単位) を示します。
TA_MONLOGTIMEUSEC
イベントがポストされた時間 (マイクロ秒単位) を示します。

表 2-3 SVC_TRIGGER FML32 フィールド
名前
説明
TA_MONSVCNAME
サービス名を示します。
TA_MONMSGQUEUED
このサービスを提供するサーバの IPC キューに登録されるメッセージ数を示します。
TA_MONERRNO
サービスの戻りコードを示します。
TA_MONURCODE
サービスのユーザ戻りコードを示します。
TA_MONEXECTIME
サービスの応答時間を示します。

表 2-4 CALL_TRIGGER FML32 フィールド
名前
説明
TA_MONSVCNAME
サービス名を示します。
TA_MONELAPSETIME
呼び出しがモニタ イニシエータから開始されてからの経過時間をミリ秒単位で示します。
TA_MONDEPTH
呼び出しツリーの深さを示し、カウントは 0 (イニシエータ) から始まります。
TA_MONCORRID
この監視済み呼び出しの相関識別子を示します。
TA_MONERRNO
サービスの戻りコードを示します。
TA_MONURCODE
サービスのユーザ戻りコードを示します。

表 2-5 BBL_TRIGGER FML32 フィールド
名前
説明
TA_MONSVCNAME
サービス名を示します。
TA_MONEXECTIME
サービスの実行が開始されてからの経過時間をミリ秒単位で示します。

設定リファレンス

Oracle TSAM 規則ファイルは、複数の指定セクションで構成されます。セクションは、アスタリスク (*) が先頭に付いた行から始まります。アスタリスク (*) の直後にはセクション名が表示されます。使用可能なセクション名は次のとおりです。

パラメータは通常、KEYWORD = value という形式で指定します。等号 (=) の前後には空白またはタブ文字を使用できます。この形式により、KEYWORD に value が設定されます。有効なキーワードについては、以下の各セクションで説明します。

規則ファイルには、「#」(シャープ) で始まるコメントを使用することができます。「newline」でコメントを終了します。空白行とコメントは無視されます。

これらの節は、次の 3 つの独立したグループに分類できます。

GENERAL_RULES

この節は、グローバル イベント プラグインの設定を指定します。GENERAL_RULES 節の行の形式は、KEYWORD=value です。KEYWORD はパラメータ名で、value は関連する値です。有効な KEYWORD は以下のとおりです。

SVCCHECKALL={ Y | N }

SVC_TRIGGER 節に定義されているすべてのトリガを評価する必要があるかどうかを指定します。SVCCHECKALL を指定しない場合、デフォルト値は Y です。
SVCCHECKALLN に設定されている場合、規則が true と評価されると評価が停止します。つまり、この場合は、最大 1 つのイベントが生成されます。規則は、規則ファイルにおける記載順と同じ順序で評価されます。

CALLCHECKALL={ Y | N }

CALL_TRIGGER 節に定義されているすべてのトリガを評価する必要があるかどうかを指定します。CALLCHECKALL を指定しない場合、デフォルト値は Y です。
CALLCHECKALLN を設定すると、規則が true と評価されると評価が停止します。つまり、この場合は、最大 1 つのイベントが生成されます。規則は、規則ファイルにおける記載順と同じ順序で評価されます。

SVC_TRIGGER

この節は、サービス モニタ データに基づき、サービス イベント プラグイン トリガを指定します。サービスの実行後、チェックが行われます。

SVC_TRIGGER 節の行の形式は、KEYWORD=value です。KEYWORD はパラメータ名で、value は関連する値です。有効な KEYWORD は以下のとおりです。

SVCTRIGGER=components filter:metrics filter:actions

プラグインで actions を実行するために必要な Tuxedo サーバ (components filter、省略可能) および条件 (metrics filter) を指定します。フィルタとアクションの構文については、「プラグイン イベント トリガの形式」を参照してください。

この節には、複数の SVCTRIGGER を定義することができます。1 行に対して 1 つの SVCTRIGGER が使用されます。

CALL_TRIGGER

この節は、呼び出しパス モニタ データに基づき、プラグイン イベントの呼び出しパス トリガを指定します。呼び出しパスの各段階でチェックが行われます。

CALL_TRIGGER 節の行の形式は、KEYWORD=value です。KEYWORD はパラメータ名で、value は関連する値です。有効な KEYWORD は以下のとおりです。

CALLTRIGGER=components filter:metrics filter:actions

プラグインで actions を実行するために必要な Tuxedo サーバ (components filter、省略可能) および条件 (metrics filter) を指定します。フィルタとアクションの構文については、「プラグイン イベント トリガの形式」を参照してください。

この節には、複数の CALLTRIGGER を定義することができます。1 行に対して 1 つの CALLTRIGGER が使用されます。

BBL_TRIGGER

この節は、サービスの実行時間が定義された値より長い場合、イベントをポストするために BBL で使用されるトリガ規則を提供します。BBL は、各 SCANUNIT で実行しているサービスをチェックします。サービスがハングする場合、イベントのみがポストされます。

これにより、Tuxedo では、サービスを実行するサーバに影響を与えずにサービスの「ハング」問題が検出されます。逆に、サービスのタイムアウト機能を使うと、サーバが終了します。

BBL_TRIGGER 節の行の形式は、KEYWORD=value です。KEYWORD はパラメータ名で、value は関連する値です。有効な KEYWORD は以下のとおりです。

BBLTRIGGER=components filter:metrics filter:actions

BBL で actions を実行するために必要な Tuxedo サーバ (components filter、省略可能) および条件 (metrics filter) を指定します。フィルタとアクションの構文については、「プラグイン イベント トリガの形式」を参照してください。

この節には、複数の BBLTRIGGER を定義することができます。1 行に対して 1 つの BBLTRIGGER が使用されます。

REPORT_POLICY

この節は、デフォルトのプラグインを使用すると、収集されたサービスおよび呼び出しパス モニタ データを Oracle TSAM マネージャに報告する必要があるかどうかを指定します。REPORT_POLICY 節の行の形式は、KEYWORD=value です。KEYWORD はパラメータ名、value は関連する値です。有効な KEYWORD は以下のとおりです。

SVCSENDTOLMS={ Y | N }

デフォルトのプラグインを使用して、サービス モニタ データを Oracle TSAM マネージャに報告する必要があるかどうかを指定します。デフォルト値は、「Y」です。

CALLSENDTOLMS={ Y | N }

デフォルトのプラグインを使用して、呼び出しパス モニタ データを Oracle TSAM マネージャに報告する必要があるかどうかを指定します。デフォルト値は、「Y」です。

プラグイン イベント トリガの形式

プラグイン イベント トリガには、「:」(コロン) で区切った components filtermetrics filter および actions の 3 つの抜粋部分が含まれています。

フィルタ抜粋部分は、Tuxedo インフラストラクチャによって提供される FML32 フィールドに基づく論理式です。詳細については、「フィールド操作言語」章の「FML を使用した Oracle Tuxedo ATMI アプリケーションのプログラミング」の「フィールド化バッファの論理式」を参照してください。

イベント プラグインは、まず components filter を評価します。このコンポーネント フィルタには、モニタ データ収集プロセスの、収集場所に関する情報が含まれています。評価の出力が false の場合、この規則は無視されます。それ以外の場合は、metrics filter が評価されます。結果が true の場合、プラグインが actions を実行します。

components filter の利用可能な FML32 フィールドは、表 2-6 に示してあります。SVC_TRIGGER、CALL_TRIGGER および BBL_TRIGGER の metrics filter の利用可能な FML32 フィールドは、それぞれ表 2-7表 2-8 および 表 2-9 に示してあります。

すべての action の形式は、name(key1=value1,key2=value2+value3,...) です。name は、アクションの型を示します。アクションの設定可能なパラメータは、() の中に指定され、その後に name が続きます。形式は、KEYWORD=values で、「,」(コンマ) で区切られています。パラメータに複数の値が存在する場合、各値は、「+」(プラス記号) で区切られます。2 つ以上のアクションが定義されている場合、各アクションは「,」(コンマ) で区切られます。

サポートされるのはイベント アクションだけであり、一回のみ定義することができます。components filter および metrics filter がすべて true と評価された場合、イベントはイベント アクションを使用して Tuxedo イベント ブローカや Oracle TSAM 管理者にポストされます。表 2-10 は、イベント パラメータのリストです。

表 2-6 コンポーネント フィルタ FML32 フィールド
名前
説明
TA_LMID
論理マシン識別子。
注意 : BBL_TRIGGER では利用不可
TA_SERVERNAME
サーバ名を示します。
注意 : BBL_TRIGGER では利用不可
TA_SRVGRP
グループ名を示します。
TA_GRPNO
グループ番号を示します。
TA_SRVID
サーバ ID を示します。
TA_SVCRNAM
SVC_TRIGGER および CALL_TRIGGER は、サーバによって提供されるサービス名を示します。
サーバによって複数のサービスが提供される場合は、複数のオカレンスを持ちます。サービスの順は未定義なので、フィルタ内のサービス名をチェックする場合は、TA_SVCRNAM[?] を使用してください。
BBL_TRIGGER の場合は、確認中のサービス名を示します。

表 2-7 SVC_TRIGGER メトリクス フィルタ FML32 フィールド
名前
説明
TA_MONSVCNAME
サービス名を示します。
TA_MONMSGQUEUED
このサービスを提供するサーバの IPC キューに登録されるメッセージ数を示します。
TA_MONERRNO
サービスの戻りコードを示します。
TA_MONURCODE
サービスのユーザ戻りコードを示します。
TA_MONEXECTIME
サービスの応答時間を示します。

表 2-8 CALL_TRIGGER メトリクス フィルタ FML32 フィールド
名前
説明
TA_MONSVCNAME
サービス名を示します。
TA_MONELAPSETIME
呼び出しがモニタ イニシエータから開始されてからの経過時間を、ミリ秒単位で示します。
TA_MONDEPTH
呼び出しツリーの深さを示し、カウントは 0 (イニシエータ) から始まります。
TA_MONCORRID
この監視済み呼び出しの相関識別子を示します。
TA_MONERRNO
現在のサービスの戻りコードを示します。応答の段階にのみ適用されます。
TA_MONURCODE
現在のサービスのユーザ戻りコードを示します。応答の段階にのみ適用されます。

表 2-9 BBL_TRIGGER メトリクス フィルタ FML32 フィールド
名前
説明
TA_MONSVCNAME
サービス名を示します。
TA_MONEXECTIME
サービスの実行が開始されてからの経過時間をミリ秒単位で示します。

表 2-10 イベントのパラメータ
名前
説明
name
イベント名で、最大 31 文字列を指定することができます。有効な文字列は、「0」から「9」、「a」から「z」、「A」から「Z」、および「_」です。
severity
メッセージの重要度レベルを示します。InformationWarnCriticalおよびFatal のいずれかの値を指定することができます。デフォルト値は Information です。
destination
eventbroker (Tuxedo イベント ブローカ) および tsammanager (Oracle TSAM マネージャ) の 2 つの宛先がサポートされています。このパラメータには、「+」で区切った複数の値を指定することができます。
デフォルト値は tsammanager です。


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