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Oracle Application Server インストレーション・ガイド
10gリリース2(10.1.2)for Solaris Operating System(SPARC)
B15826-04
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高可用性環境へのインストール: OracleAS Cold Failover Cluster

この章では、Oracle Application ServerをOracleAS Cold Failover Cluster構成にインストールする方法について説明します。

11.1 OracleAS Cold Failover Cluster: 概要

OracleAS Cold Failover Cluster構成では、アクティブおよびパッシブ・ノードがあり、いずれのノードでもアクセスできる共有記憶域があります。

正常動作時は、アクティブ・ノードでOracle Application Serverプロセスが実行され、クライアントからのリクエストが処理されます。アクティブ・ノードに障害が発生すると、フェイルオーバー・イベントが発生します。パッシブ・ノードが引き継ぎ、アクティブ・ノードになります。これによって、共有記憶域がマウントされ、プロセスが実行されます。

構成

OracleAS Cold Failover Clusterは、次の構成でインストールできます。

11.2 OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順

Oracle Application ServerをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールする前に、次の手順を実行します。

11.2.1 仮想ホスト名と仮想IPアドレスのマップ

OracleAS Cold Failover Cluster構成内の各ノードは、独自の物理IPアドレスに関連付けられます。また、クラスタ内のアクティブ・ノードは、仮想ホスト名と仮想IPアドレスに関連付けられています。これによって、クライアントは仮想ホスト名を使用してOracleAS Cold Failover Clusterにアクセスできます。

仮想ホスト名と仮想IPアドレスは、ハードウェア・クラスタを含むサブネットのコンテキスト内で有効な任意のホスト名およびIPアドレスです。


注意

仮想ホスト名と仮想IPアドレスは、アクティブ・ノードのみにマップします。仮想ホスト名とIPアドレスを同時にアクティブ・ノードとセカンダリ・ノードの両方にマップしないでください。フェイルオーバーしたときにのみ、アクティブ・ノードになったセカンダリ・ノードに仮想ホスト名とIPアドレスをマップします。 


次の例では、vhost.mydomain.comという仮想ホスト名を138.1.12.191の仮想IPを使用して構成します。

  1. rootユーザーになります。

    prompt> su
    Password: root_password
    
    
  2. パブリック・ネットワーク・インタフェースを確認します。

    # ifconfig -a
    lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
            inet 127.0.0.1 netmask ff000000
    lo0:1: flags=1008849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 8232 index 1
            inet 172.16.193.1 netmask ffffffff
    ge0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
            inet 138.1.13.146 netmask fffffc00 broadcast 138.1.15.255
            ether 8:0:20:fd:1:23
    hme0: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 3
            inet 172.16.1.1 netmask ffffff80 broadcast 172.16.1.127
            ether 8:0:20:fd:1:23
    hme0:2: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 3
            inet 172.16.194.6 netmask fffffffc broadcast 172.16.194.7
    ge1: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 4
            inet 172.16.0.129 netmask ffffff80 broadcast 172.16.0.255
            ether 8:0:20:fd:1:23
    
    

    出力では、ge0がパブリック・ネットワーク・インタフェースです。これはループバック・インタフェースでも、プライベート・インタフェースでもありません。

  3. 仮想IPをge0ネットワーク・インタフェースに追加します。

    # ifconfig ge0 addif 138.1.12.191 up
    
    

    「ge0」およびIPアドレスは、この例に限った値です。ご使用のクラスタに応じた値に置き換えます。

  4. 新しいインタフェースが追加されたことを確認します。

    # ifconfig -a
    lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
            inet 127.0.0.1 netmask ff000000
    lo0:1: flags=1008849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 8232 index 1
            inet 172.16.193.1 netmask ffffffff
    ge0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
            inet 138.1.13.146 netmask fffffc00 broadcast 138.1.15.255
            ether 8:0:20:fd:1:23
    ge0:1: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
            inet 138.1.12.191 netmask ffff0000 broadcast 138.1.255.255
    hme0: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 3
            inet 172.16.1.1 netmask ffffff80 broadcast 172.16.1.127
            ether 8:0:20:fd:1:23
    hme0:2: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 3
            inet 172.16.194.6 netmask fffffffc broadcast 172.16.194.7
    ge1: flags=1008843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 4
            inet 172.16.0.129 netmask ffffff80 broadcast 172.16.0.255
            ether 8:0:20:fd:1:23
    
    

    仮想IPがge0:1エントリに表示されます。インストール時に「仮想ホストの指定」画面に仮想ホスト名として「vhost.mydomain.com」を入力すると、インストーラによって「vhost.mydomain.com」が有効なインタフェースであるかどうかがチェックされます。

フェイルオーバー

アクティブ・ノードに障害が発生すると、セカンダリ・ノードが引き継ぎます。障害が発生したノードからセカンダリ・ノードへ仮想IPをマップするクラスタウェア・エージェントがない場合は、手動で行う必要があります。次の手順を実行して、障害が発生したノードから仮想IPマッピングを削除し、セカンダリ・ノードにマップする必要があります。

  1. 障害が発生したノードで、スーパーユーザーになり仮想IPを削除します。

    障害が発生したノードが完全に停止した(つまり、起動しない)場合は、この手順を省略して手順2に進みます。ノードでの障害が部分的(ディスクやメモリーの問題など)で、そのノードがまだping可能な場合、この手順は実行します。

    prompt> su
    Password: root_password
    # ifconfig ge0 removeif 138.1.12.191
    
    

    「ge0」およびIPアドレスは、この例に限った値です。ご使用のクラスタに応じた値に置き換えます。

  2. セカンダリ・ノードで、仮想IPをge0ネットワーク・インタフェースに追加します。

    # ifconfig ge0 addif 138.1.12.191 up
    
    

    「ge0」およびIPアドレスは、この例に限った値です。ご使用のクラスタに応じた値に置き換えます。

  3. セカンダリ・ノードで、新しいインタフェースが追加されたことを確認します。

    # ifconfig -a
    ...
    ge0:1: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
            inet 138.1.12.191 netmask ffff0000 broadcast 138.1.255.255
    ...
    

11.2.2 両方のノードからマウント可能なファイル・システムの設定

ハードウェア・クラスタには共有記憶域がありますが、OracleAS Cold Failover Clusterの両方のノードがこのファイル・システムをマウントできるようにこの共有記憶域にファイル・システムを作成する必要があります。次のディレクトリでは、このファイル・システムを使用します。

ディスク領域の要件については、第4.2項「システム要件」を参照してください。

クラスタ上でボリューム・マネージャを実行して共有記憶域を管理する場合のボリュームを作成する手順については、ボリューム・マネージャのドキュメントを参照してください。ボリュームを作成すると、そのボリューム上にファイル・システムを作成できます。

ボリューム・マネージャがない場合は、共有ディスク上に直接ファイル・システムを作成できます。ハードウェアのベンダーがこの機能をサポートしていること、OracleAS Cold Failover Clusterのいずれかのノードからファイル・システムがマウントできること、およびノードに障害が発生した場合にいずれかのノードからファイル・システムが修復できることを確認します。

ファイル・システムをいずれかのノードからマウントできることを確認するには、次の手順を行います。

  1. ノード1からファイル・システムを設定して、マウントします。

  2. ノード1からファイル・システムをアンマウントします。

  3. 手順1で使用したマウント・ポイントと同じものを使用してノード2からファイル・システムをマウントします。

  4. ノード1からインストーラを実行するため、ノード2からアンマウントし、ノード1にマウントします。


    注意

    どの時点でも、OracleAS Cold Failover Clusterのノードのうち1つのみでファイル・システムをマウントする必要があります。クラスタのすべてのノードのファイル・システム構成ファイルには、ノードの再起動時またはグローバル・マウント・コマンドの実行時にファイル・システムの自動マウントを行うエントリを含めないでください。たとえば、UNIXプラットフォームでは、/etc/fstabファイルにこのファイル・システムのエントリを含めないでください。 


11.2.3 自動ストレージ管理(ASM)の推奨事項

OracleAS Metadata RepositoryデータベースにASMインスタンスを使用する場合は、次の推奨事項を考慮します。

11.2.4 クラスタウェアの実行の確認(自動フェイルオーバーのみ)

OracleAS Cold Failover Clusterでフェイルオーバーを自動化することを予定している場合は、クラスタ内の各ノードがハードウェア・ベンダのクラスタウェアを実行している必要があります。

クラスタウェアが実行されているかどうかを確認するには、ご使用のクラスタウェアに応じたコマンドを使用します。

11.3 OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール

図11-1に、OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を示します。

図11-1    OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成


画像の説明

この図では、次のことが示されています。

正常動作時には、1つのノード(ノード1)がアクティブ・ノードとして機能します。このノードは、共有記憶域をマウントしてOracleAS Infrastructureファイルにアクセスし、OracleAS Infrastructureプロセスを実行して、すべてのリクエストを処理します。

なんらかの理由でアクティブ・ノードが停止すると、クラスタウェアはOracleAS Infrastructureプロセスを他のノード(「ノード2」)にフェイルオーバーし、このノードがアクティブ・ノードになります。このノードは、共有記憶域をマウントしてプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理します。

これらのノードは、仮想アドレスを使用することによって、クライアントからは1つのコンピュータとして認識されます。中間層コンポーネント、アプリケーションなどのクライアントは、OracleAS Infrastructureにアクセスするために、クラスタに関連付けられた仮想アドレスを使用します。仮想アドレスは、アクティブ・ノード(正常動作時にはノード1、ノード1が停止した場合はノード2)に関連付けられます。どちらのノード(ノード1またはノード2)がリクエストを処理しているかをクライアントが認識する必要はありません。

インフラストラクチャにアクセスするURLに仮想ホスト名を使用します。たとえば、vhost.mydomain.comが仮想ホスト名である場合は、Oracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。

次のもののURL  URLの例 

Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ 

http://vhost.mydomain.com:7777 

Oracle HTTP Server、セキュア・モード 

https://vhost.mydomain.com:4443 

Application Server Control 

http://vhost.mydomain.com:1156 

Oracle Application Server 中間層

他のノード(OracleAS Infrastructureを実行していないノード)に中間層をインストールして実行できます。インストール時に、共有記憶デバイスにインストールしたOracleAS Infrastructureからのサービスを使用するように中間層を設定します。

中間層用のOracleAS Cold Failover Cluster構成を使用せずにクラスタ・ノードに中間層をインストールして実行することもできます。その場合には、通常のインストール・プロセスを使用して中間層をインストールします。これを行う場合は、フェイルオーバーが発生したときに中間層のポートがOracleAS Infrastructureのポートと競合しないことを確認してください。

OracleAS Infrastructureを実行している同じクラスタにOracleAS Cold Failover Cluster構成で中間層をインストールして実行する場合は、第11.10項「同じノードへのOracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)およびOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)のインストール」を参照してください。

11.3.1 OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure): インストール手順の概要

OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を設定するには、次の手順を実行します。

表11-1    OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)のインストール手順の概要 
  手順  説明 

1. 

インストール前の手順の実行 

インストール前の作業の詳細は、第11.2項を参照してください。内容は次のとおりです。

 

2. 

OracleAS Infrastructureのインストール 

共有記憶域にOracleAS Infrastructureをインストールします。 

3. 

インストール後の手順の実行 

このインストール後の手順ではCSSデーモンを構成します。この手順は、OracleデータベースのASM(自動ストレージ管理)機能を使用していて、既存のOracleデータベースがない場合にのみ必要です。 

11.3.2 OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure): インストール手順の詳細

この項では、OracleAS InfrastructureをOracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成でインストールするための手順を示します。

手順1    インストール前の手順の実行

第11.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。

手順2    OracleAS Infrastructureのインストール

OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)では、「インストール・タイプの選択」画面で「Identity Management and OracleAS Metadata Repository」を選択して、OracleAS Metadata RepositoryとOracle Identity Managementの両方を同じOracleホームにインストールします。このオプションにより、OracleAS Metadata Repository用の新規のデータベースと新規のOracle Internet Directoryが作成されます。

注意:

インストーラの画面

インストーラを実行し、表11-2に示す一連の画面に従います。

表11-2    OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)へのOracleAS Infrastructureのインストール 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、第6.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

  • 「インストール・タイプの選択」画面で、「Identity Management and Metadata Repository」を選択します。

 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。

Oracle Application Server Delegated Administration Service」を選択します。

Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」を選択します。

認証局が必要な場合は、「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択します。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

コンポーネントにデフォルトのポートを使用する場合は、「自動」を選択します。

staticports.iniファイルをすでに作成していて、デフォルトのポートを使用しない場合は、「手動」を選択し、指定されたフィールドでstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。

次へ」をクリックします。 

4. 

高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 

仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 

5. 

Internet Directoryのネームスペースの指定 

推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。

推奨されるネームスペース:」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース:」に必要な値を入力します。詳細は、第6.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

6. 

仮想ホストの指定 

注意: これは、インフラストラクチャをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールするときに重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。

  • 「高可用性またはレプリケーション・オプションの選択」画面に戻り、「仮想ホスト」を選択していることを確認します。

  • 「構成オプションの選択」画面に戻り、「高可用性およびレプリケーション」を選択していることを確認します。

仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。

例: vhost.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

7. 

OCAの画面 

「構成オプションの選択」画面で「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択した場合は、OCAを構成するための画面が表示されます。詳細は、第6.30項「インストールの一部: OCAの画面」を参照してください。 

8. 

データベース構成オプションの指定 

グローバル・データベース名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースの名前を入力します。ドメイン名をデータベース名に追加します。グローバル・データベース名でのこのドメイン名は、ご使用のネットワーク・ドメイン名とは異なる名前にすることができます。

グローバル・データベース名のドメイン名の部分には、次のネーミング制限があります。

  • 英数字、アンダースコア(_)、マイナス(-)およびシャープ(#)文字のみを使用できます。

  • 最大128文字です。

グローバル・データベース名のデータベース名の部分には、次のネーミング制限があります。

  • 英数字のみを使用できます。

  • 最大8文字です。

  • PORTまたはHOSTを大文字で使用することはできません。「host」または「port」を含む名前にする場合は、小文字を使用します。

例: orcl.mydomain.com

注意: 2つ以上のピリオドを一緒に入力しないでください(例: orcl.mydomain.com)。これに関してインストーラはチェックを行わないので、後で、これがインストール・プロセス中のエラーの原因になります。

SID: OracleAS Metadata Repositoryデータベースのシステム識別子を入力します。通常、これはグローバル・データベース名と同じですが、ドメイン名は含まれません。SIDは、すべてのデータベースで一意である必要があります。

SIDには、次のネーミング制限があります。

  • 英数字のみを使用できます。

  • 最大8文字です。

  • PORTまたはHOSTを大文字で使用することはできません。「host」または「port」を含む名前にする場合は、小文字を使用します。

例: orcl

データベース・キャラクタ・セット: 使用するキャラクタ・セットを選択します。(第6.15項「NE8ISO8859P10およびCEL8ISO8859P14キャラクタ・セットのサポート」を参照。)

データベース・ファイルの場所: データ・ファイル・ディレクトリの親ディレクトリへのフルパスを入力します。この親ディレクトリはすでに存在している必要があり、このディレクトリへの書込み権限を所有している必要があります。

インストーラによって、この親ディレクトリにサブディレクトリが作成されます。サブディレクトリはSIDと同じ名前になります。データ・ファイルは、このサブディレクトリに配置されます。

たとえば、/u02/oradataと入力し、SIDがorclである場合、データ・ファイルは/u02/oradata/orclに配置されます。

次へ」をクリックします。 

9. 

データベース・スキーマのパスワードの指定 

権限付きデータベース・スキーマ(SYS、SYSTEM、SYSMANおよびDBSNMP)のパスワードを設定します。各スキーマに対して異なるパスワードを設定することも、すべてのスキーマに同じパスワードを設定することもできます。

これらのアカウントのパスワードの設定規則については、第6.14項「SYS、SYSTEM、SYSMAN、およびDBSNMPユーザー用のパスワードの制限」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

10. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、第5.8項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: infra

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを入力して、確認します。これはこのインフラストラクチャ・インスタンスの管理ユーザーです。

パスワードの要件については、第5.9項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

11. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、第6.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

手順3    インストール後の手順の実行

この手順は、次の両方の要件を満たしている場合にのみ必要です。

これらの要件を満たしている場合は、他のノードでCluster Synchronization Services(CSS)デーモンを構成する必要があります。CSSデーモンによって、ASMインスタンスと、データベース・ファイル記憶域にASMインスタンスを使用するデータベース・インスタンスが同期化されます。

CSSデーモンを構成するには、次の手順を実行します。

  1. OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)ホームのすべてのプロセスを停止します。

  2. CSSデーモンを停止します。これを行うには、rootとして次のコマンドを実行します。

    # /etc/init.d/init.cssd stop
    
    
  3. IPおよびディスクを他のノードにフェイルオーバーします。

  4. 他のノードで、rootとして次のコマンドを実行します。

    # $ORACLE_HOME/root.sh
    
    

    ORACLE_HOMEは、OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)をインストールした場所です。

11.4 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール

図11-2に、分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を示します。

この構成は、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントをアクティブ-アクティブ構成で別のノードに個別にインストールすること以外、第11.3項「OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール」に示す構成と同様です。

図11-2    分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成


画像の説明

分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成では、OracleAS Metadata Repository、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningをアクティブ-パッシブ構成で実行します。

ただし、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントは、アクティブ-アクティブ構成で実行します。これらのコンポーネントを実行しているノードにリクエストを送るためのロード・バランサがあります。

11.4.1 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure): インストール手順の概要

分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成を設定するには、次の手順を実行します。

表11-3    分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)のインストール手順の概要 
  手順  説明 

1. 

インストール前の手順の実行 

インストール前の作業の詳細は、第11.2項を参照してください。内容は次のとおりです。

 

2. 

OracleAS Infrastructureのインストール 

この手順では、共有記憶域にOracleAS Infrastructureをインストールします。OracleAS Single Sign-On、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOCA以外のすべてのコンポーネントをインストールします。 

3. 

インストール後の手順の実行 

このインストール後の手順ではCSSデーモンを構成します。この手順は、OracleデータベースのASM(自動ストレージ管理)機能を使用していて、既存のOracleデータベースがない場合にのみ必要です。 

4. 

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール 

この手順では、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesをインストールします。 

11.4.2 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure): インストール手順の詳細

手順1    インストール前の手順の実行

第11.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。

手順2    OracleAS Infrastructureのインストール

分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成では、「インストール・タイプの選択」画面でIdentity Management and OracleAS Metadata Repositoryを選択して、OracleAS Metadata RepositoryとOracle Identity Managementコンポーネントの両方(OracleAS Single Sign-On、Oracle Delegated Administration Services、およびOCAを除く)を同じOracleホームにインストールします。このオプションにより、OracleAS Metadata Repository用の新規のデータベースと新規のOracle Internet Directoryが作成されます。

手順は、「構成オプションの選択」画面で「OracleAS Single Sign-On」、「Oracle Application Server Delegated Administration Services」および「OracleAS Certificate Authority (OCA)」を選択しないこと以外は、手順2「OracleAS Infrastructureのインストール」と同じです。

手順3    インストール後の手順の実行

この手順は、次の両方の要件を満たしている場合にのみ必要です。

これらの要件を満たしている場合は、他のノードでCSSデーモンを構成する必要があります。CSSデーモンによって、ASMインスタンスと、データベース・ファイル記憶域にASMインスタンスを使用するデータベース・インスタンスが同期化されます。

CSSデーモンを構成するには、次の手順を実行します。

  1. OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)ホームのすべてのプロセスを停止します。

  2. CSSデーモンを停止します。これを行うには、rootとして次のコマンドを実行します。

    # /etc/init.d/init.cssd stop
    
    
  3. IPおよびディスクを他のノードにフェイルオーバーします。

  4. 他のノードで、rootとして次のコマンドを実行します。

    # $ORACLE_HOME/root.sh
    
    

    ORACLE_HOMEは、OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)をインストールした場所です。

手順4    OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを各ノードのローカル・ディスクにインストールします。これらのインストールは、個別に行います。

インストール前の手順

このインストールは、実際にはOracleAS Cluster(Identity Management)インストールです。このため、第12章「高可用性環境へのインストール: OracleAS Cluster(Identity Management)」に示すOracleAS Cluster(Identity Management)の設定手順を実行します。

インストール手順

手順は、第12.6.5項「各ノードへのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール」に示すものと同じです。

11.5 OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成のインストール

図11-3に、OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を示します。

この構成は、別の高可用性環境にOracleAS Metadata Repositoryデータベースがあり、Oracle Identity Managementコンポーネント用にアクティブ-パッシブ構成を使用する場合に適しています。OracleAS Metadata Repositoryデータベースが格納されている共有ディスクとは異なる共有ディスクにOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

構成内容は次のとおりです。

正常動作時には、プライマリ・ノードであるノード1がアクティブ・ノードです。これは、両方の共有ディスクをマウントしてOracle Identity Managementおよびデータベース・ファイルにアクセスし、Oracle Identity Managementおよびデータベース・プロセスを実行して、すべてのリクエストを処理します。

なんらかの理由でノード1が停止すると、クラスタウェアはOracle Identity Managementおよびデータベース・プロセスをノード2にフェイルオーバーします。ノード2がアクティブ・ノードとなり、共有ディスクをマウントしてプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理します。

OracleAS Cold Failover Cluster内のアクティブ・ノードにアクセスするには、中間層コンポーネント、アプリケーションなどのクライアントは、OracleAS Cold Failover Clusterに関連付けられた仮想ホスト名を使用します。仮想ホスト名は、アクティブ・ノード(正常動作時にはノード1、ノード1が停止した場合はノード2)に関連付けられます。どちらのノード(プライマリまたはセカンダリ)がリクエストを処理しているかを、クライアントが知る必要はありません。

インフラストラクチャにアクセスするURLに仮想ホスト名を使用することもできます。たとえば、vhost.mydomain.comが仮想ホストの名前である場合は、Oracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。

次のもののURL  URLの例 

Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ 

http://vhost.mydomain.com:7777 

Oracle HTTP Server、セキュア・モード 

https://vhost.mydomain.com:4443 

Application Server Control 

http://vhost.mydomain.com:1156 

図11-3    OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成


画像の説明

11.5.1 OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management): インストール手順の概要

Cold Failover ClusterデータベースにOracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を作成するには、次の手順を実行します。

表11-4    OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成のインストール手順の概要 
  手順  説明 

1. 

インストール前の手順の実行 

インストール前の作業の詳細は、第11.2項を参照してください。内容は次のとおりです。

 

2. 

OracleAS Metadata Repositoryのインストール 

既存のCold Failover ClusterデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールします。 

3. 

Oracle Identity Managementコンポーネントのインストール 

Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。 

11.5.2 OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management): インストール手順の詳細

次の手順を実行して、Oracle Application ServerをOracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成にインストールします。

手順1    インストール前の手順の実行

第11.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。

手順2    OracleAS Metadata Repositoryのインストール

OracleAS Metadata Repository Creation Assistantを使用して、OracleAS Metadata Repositoryを既存のデータベースにインストールします。詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。

既存のデータベースがない場合は、インストーラを使用して作成できます。仮想ホスト名を使用してデータベースを作成する必要があることに注意してください。データベースは通常はハードウェア・クラスタ上で、アクティブ-パッシブ構成で実行する必要があります。詳細は、第11.8項「OracleAS Cold Failover Cluster環境へのOracleAS Metadata Repositoryのみのインストール」を参照してください。

手順3    Oracle Identity Managementコンポーネントのインストール

Oracle Identity Managementは、他の共有ディスクにインストールします。表11-5に示すインストール手順に従います。

注意:

インストーラの画面

表11-5    Oracle Identity Managementコンポーネントのインストール 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、第6.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Oracle Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。

Oracle Application Server Delegated Administration Service」を選択します。

Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」を選択します。

認証局が必要な場合は、「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択します。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

コンポーネントにデフォルトのポートを使用する場合は、「自動」を選択します。

staticports.iniファイルをすでに作成していて、デフォルトのポートを使用しない場合は、「手動」を選択し、指定されたフィールドでstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。

次へ」をクリックします。 

4. 

リポジトリの指定 

ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。

パスワード: ユーザーのパスワードを入力します。

ホスト名とポート: データベースが稼働しているコンピュータの名前を入力し、そのコンピュータによってリスニングが行われているポートのポート番号を入力します。書式には、host:portを使用します。

サービス名 :データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。

例: orcl.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

5. 

高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 

仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 

6. 

Internet Directoryのネームスペースの指定 

推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。

推奨されるネームスペース:」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース:」に必要な値を入力します。詳細は、第6.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

7. 

仮想ホストの指定 

注意: これは、インフラストラクチャをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールするときに重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。

  • 「高可用性またはレプリケーション・オプションの選択」画面に戻り、「仮想ホスト」を選択していることを確認します。

  • 「構成オプションの選択」画面に戻り、「高可用性およびレプリケーション」を選択していることを確認します。

仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。

例: vhost.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

8. 

OCAの画面 

「構成オプションの選択」画面で「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」を選択した場合は、OCAを構成するための画面が表示されます。詳細は、第6.30項「インストールの一部: OCAの画面」を参照してください。 

9. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、第5.8項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: id_mgmt

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、第5.9項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

10. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、第6.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

11.6 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成のインストール

この構成は、次のような場合に適しています。

図11-4に、分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を示します。

この構成内容は次のとおりです。

Oracle Internet Directory、Oracle Directory Integration and Provisioningおよびデータベースが実行されている層

この層では、正常動作時は、アクティブ・ノードが共有ディスクをマウントしてOracle Identity Managementおよびデータベースにアクセスし、Oracle Internet Directory、Oracle Directory Integration and Provisioningおよびデータベース・プロセスを実行して、すべてのリクエストを処理します。

なんらかの理由でアクティブ・ノードが停止すると、クラスタウェアはプロセスをセカンダリ・ノード(ノード2)にフェイルオーバーします。ノード2が新しいアクティブ・ノードになり、共有ディスクをマウントしてプロセスを実行し、すべてのリクエストを処理します。

中間層コンポーネントおよびアプリケーションが格納されているアクティブ・ノードやクライアントにアクセスするには、仮想ホスト名を使用します。仮想ホスト名は、アクティブ・ノード(正常動作時はプライマリ・ノード、フェイルオーバー時はセカンダリ・ノード)に関連付けられています。どちらのノード(プライマリまたはセカンダリ)がリクエストを処理しているかを、クライアントが知る必要はありません。

アクティブ・ノードにアクセスするには、URLに仮想ホスト名を使用する必要があります。たとえば、vhost.mydomain.comが仮想ホスト名である場合、この層でのOracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。

次のもののURL  URLの例 

Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ 

http://vhost.mydomain.com:7777 

Oracle HTTP Server、セキュア・モード 

https://vhost.mydomain.com:4443 

Application Server Control 

http://vhost.mydomain.com:1156 

Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-On
が実行されている層

この層のノードはクラスタ化されないことに注意してください。両方のノードは同時にアクティブであり、ファイルは各ノードでローカルにインストールします。これらのノードにアクセスするために、クライアントはロード・バランサを介します。たとえば、ロード・バランサの名前がloadbalance1.mydomain.comである場合、この層でのOracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。

次のもののURL  URLの例 

Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ 

http://vhost.mydomain.com:7777 

Oracle HTTP Server、セキュア・モード 

https://vhost.mydomain.com:4443 

Application Server Control 

http://vhost.mydomain.com:1156 

図11-4    分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成


画像の説明

11.6.1 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management): インストール手順の概要

Cold Failover Clusterデータベースに分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成を作成するには、次の手順を実行します。

表11-6    分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management)構成のインストール手順の概要 
  手順  説明 

1. 

インストール前の手順の実行 

インストール前の作業の詳細は、第11.2項を参照してください。内容は次のとおりです。

 

2. 

OracleAS Metadata Repositoryのインストール 

既存のCold Failover ClusterデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールします。 

3. 

Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningのインストール 

Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningコンポーネントをインストールします。 

4. 

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール 

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesコンポーネントをインストールします。 

11.6.2 分散OracleAS Cold Failover Cluster(Identity Management): インストール手順の詳細

手順1    インストール前の手順の実行

第11.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。

手順2    OracleAS Metadata Repositoryのインストール

OracleAS Metadata Repository Creation Assistantを使用して、OracleAS Metadata Repositoryを既存のデータベースにインストールします。詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。

既存のデータベースがない場合は、インストーラを使用して作成できます。仮想ホスト名を使用してデータベースを作成する必要があることに注意してください。詳細は、第11.8項「OracleAS Cold Failover Cluster環境へのOracleAS Metadata Repositoryのみのインストール」を参照してください。

手順3    Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningのインストール

Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningコンポーネントは、他の共有ディスクにインストールします。表11-7に示すインストール手順に従います。

注意:

インストーラの画面

表11-7    Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration and Provisioningのインストール 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、第6.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」は選択しないでください。

Oracle Application Server Delegated Administration Service」は選択しないでください。

Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」を選択します。

Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」は選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

コンポーネントにデフォルトのポートを使用する場合は、「自動」を選択します。

staticports.iniファイルをすでに作成していて、デフォルトのポートを使用しない場合は、「手動」を選択し、指定されたフィールドでstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。

次へ」をクリックします。 

4. 

リポジトリの指定 

ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。

パスワード: ユーザーのパスワードを入力します。

ホスト名とポート: データベースが稼働しているコンピュータの名前を入力し、そのコンピュータによってリスニングが行われているポートのポート番号を入力します。書式には、host:portを使用します。

サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。

例: orcl.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

5. 

高可用性またはレプリケーション・オプションの選択 

仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 

6. 

Internet Directoryのネームスペースの指定 

推奨されるネームスペースを選択するか、またはデフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所のカスタム・ネームスペースを入力します。

推奨されるネームスペース:」に表示された値が配置要件を満たしていることを確認します。要件を満たさない場合は、「カスタム・ネームスペース:」に必要な値を入力します。詳細は、第6.16項「「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面での入力」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

7. 

仮想ホストの指定 

注意: これは、インフラストラクチャをOracleAS Cold Failover Clusterにインストールするときに重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。

  • 「高可用性またはレプリケーション・オプションの選択」画面に戻り、「仮想ホスト」を選択していることを確認します。

  • 「構成オプションの選択」画面に戻り、「高可用性およびレプリケーション」を選択していることを確認します。

仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。

例: vhost.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

8. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、第5.8項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: oid_dip

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、第5.9項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

9. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、第6.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

手順4    OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール

これらのコンポーネントをOracleAS Cluster(Identity Management)構成でインストールします。この構成では、各ノードのローカル・ディスクにインストールします。これらのインストールは、個別に行います。

インストール前の手順: このインストールは、実際はOracleAS Cluster(Identity Management)のインストールであるため、第12章「高可用性環境へのインストール: OracleAS Cluster(Identity Management)」に示すOracleAS Cluster(Identity Management)の設定手順に従うことができます。

インストール手順: インストール手順は、第12.6.5項「各ノードへのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール」を参照してください。

11.7 OracleAS Cold Failover ClusterへのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール

この項で説明する構成は、第11.4項「分散OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール」で説明した構成に類似しています。相違点は、この項で説明する構成で、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration ServicesがOracleAS Cold Failover Cluster構成で実行される点です。

2セットのクラスタ・ノードが必要です。詳細は、図11-5を参照してください。1つのセットでOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryを実行し、もう1つのセットでOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onを実行します。

各セットには、共有記憶域および仮想ホスト名が必要です。Oracle Application Serverの様々なコンポーネントのOracleホームを共有記憶域にインストールします。

図11-5    Cold Failover ClusterのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-On


画像の説明

11.7.1 OracleAS Cold Failover ClusterのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-On: インストール手順の概要

表11-8    OracleAS Cold Failover ClusterへのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール手順の概要 
  手順  説明 

1. 

インストール前の手順の実行 

インストール前の作業の詳細は、第11.2項を参照してください。内容は次のとおりです。

 

2. 

(オプション)staticports.iniファイルの作成 

必要に応じて、2つのstaticports.iniファイルを作成します。ノードの各セットで1つずつです。 

3. 

OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryのインストール 

ノード1から共有ディスクにOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryをインストールします。

手順は、「構成オプションの選択」画面で「OracleAS Single Sign-On」および「Oracle Application Server Delegated Administration Service」を選択しないこと以外は、手順2「OracleAS Infrastructureのインストール」と同じです。 

4. 

ノード3からのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール 

ノード3から共有ディスクにOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onをインストールします。 

5. 

ノード1でのOracleAS Infrastructure のプロセスの停止 

ノード1からOracleAS Infrastructureプロセスを停止します。 

6. 

ノード3でのOracleAS Infrastructure のプロセスの停止 

ノード3からOracleAS Infrastructureプロセスを停止します。 

7. 

インストール後の手順の実行 

このインストール後の手順ではCSSデーモンを構成します。この手順は、OracleデータベースのASM(自動ストレージ管理)機能を使用していて、既存のOracleデータベースがない場合にのみ必要です。 

11.7.2 OracleAS Cold Failover ClusterのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-On: インストール手順の詳細

手順1    インストール前の手順の実行

第11.2項「OracleAS Cold Failover Clusterのインストール前の手順」に示すインストール前の手順を実行します。

手順2    (オプション)staticports.iniファイルの作成

必要に応じて、2つのstaticports.iniファイルを設定します。ノードの各セットで1つずつです。 staticports.iniについては、第4.6.3項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。

手順3    OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryのインストール

「インストール・タイプの選択」画面でIdentity Management and OracleAS Metadata Repositoryを選択して、OracleAS Metadata RepositoryとOracle Internet Directoryを同じOracleホームにインストールします。このオプションにより、OracleAS Metadata Repository用の新規のデータベースと新規のOracle Internet Directoryが作成されます。

この手順は、次に示す相違点以外は、手順2「OracleAS Infrastructureのインストール」と同じです。

手順4    ノード3からのOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール

表11-9の手順に従い、ノード3から共有ディスクにOracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onをインストールします。

注意:

表11-9    Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-Onのインストール 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、第6.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Oracle Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」は選択しないでください。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。

Oracle Application Server Delegated Administration Service」を選択します。

Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」は選択しないでください。

Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」は選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

手動」を選択し、表示されたフィールドにstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。staticports.iniファイルは、手順2「(オプション)staticports.iniファイルの作成」で作成しました。

次へ」をクリックします。 

4. 

高可用性オプションの選択 

仮想ホスト」を選択し、「次へ」をクリックします。 

5. 

Oracle Internet Directoryへの登録 

以前にインストールしたOracle Internet Directoryの接続情報を入力します。

ホスト名: Oracle Internet Directoryのホストにアクセスする仮想ホスト名を入力します。

ポート: Oracle Internet Directoryがリスニングしているポートのポート番号を入力します。ポート番号がわからない場合は、第6.17項「コンポーネントが使用するポート番号の確認方法」を参照してください。

Oracle Internet DirectoryにはSSL接続のみ使用: Oracle Internet Directoryへの接続にSSLのみを使用するようにする場合は、このオプションを選択します。

次へ」をクリックします。 

6. 

Oracle Internet Directoryに対するログインの指定 

ユーザー名: Oracle Internet Directoryにログインするためのユーザー名を入力します。

パスワード: ユーザー名のパスワードを入力します。

レルム: ユーザー名の妥当性を検証するレルムを入力します。このフィールドは、Oracle Internet Directoryに複数のレルムがある場合にのみ表示されます。

次へ」をクリックします。 

7. 

仮想ホストの指定 

注意: これは、OracleAS Cold Failover Clusterにインストールする際の重要な画面です。この画面が表示されない場合は、次の項目を確認してください。

  • 「高可用性またはレプリケーション・オプションの選択」画面に戻り、「仮想ホスト」を選択していることを確認します。

  • 「構成オプションの選択」画面に戻り、「高可用性およびレプリケーション」を選択していることを確認します。

仮想ホスト名: OracleAS Cold Failover Cluster構成の仮想ホスト名を入力します。

例: vhost_2.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

8. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、第5.8項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: sso_das

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、第5.9項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

9. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、第6.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

手順5    ノード1でのOracleAS Infrastructure のプロセスの停止

OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet DirectoryをインストールしたOracleホームで実行しているプロセスを停止します。

  1. Application Server Controlを停止します。

    prompt> ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
    
    
  2. コンポーネントを停止します。

    prompt> ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
    
    
  3. OracleAS Metadata Repositoryを停止します。

    1. 環境変数ORACLE_HOMEにOracleAS Infrastructureのホームを設定します。

    2. 環境変数ORACLE_SIDにOracleAS Metadata RepositoryのSIDを設定します(orclなど)。

    3. OracleAS Metadata Repositoryインスタンスを停止します。

      prompt> ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog
      SQL> connect SYS as SYSDBA
      SQL> shutdown
      SQL> quit
      
      
    4. リスナーを停止します。

      prompt> ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop
      
      
    5. Oracle Enterprise Manager 10g Database Controlを停止します。

      prompt> ORACLE_HOME/bin/emctl stop dbconsole
      
      

手順6    ノード3でのOracleAS Infrastructure のプロセスの停止

Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracleAS Single Sign-OnをインストールしたOracleホームで実行しているプロセスを停止します。

  1. Application Server Controlを停止します。

    prompt> ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
    
    
  2. コンポーネントを停止します。

    prompt> ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
    
    

手順7    インストール後の手順の実行

この手順は、次の両方の要件を満たしている場合にのみ必要です。

これらの要件を満たしている場合は、他のノードでCSSデーモンを構成する必要があります。CSSデーモンによって、ASMインスタンスと、データベース・ファイル記憶域にASMインスタンスを使用するデータベース・インスタンスが同期化されます。

CSSデーモンを構成するには、次の手順を実行します。

  1. OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)ホームのすべてのプロセスを停止します。

  2. CSSデーモンを停止します。これを行うには、rootとして次のコマンドを実行します。

    # /etc/init.d/init.cssd stop
    
    
  3. IPおよびディスクを他のノードにフェイルオーバーします。

  4. 他のノードで、rootとして次のコマンドを実行します。

    # $ORACLE_HOME/root.sh
    
    

    ORACLE_HOMEは、OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)をインストールした場所です。

11.8 OracleAS Cold Failover Cluster環境へのOracleAS Metadata Repositoryのみのインストール

この項では、OracleAS Metadata Repositoryを新しいデータベースにインストールする(インストーラによって、新しいデータベースが作成され、OracleAS Metadata Repositoryが移入される)方法について説明します。このデータベースは、OracleAS Cold Failover Cluster環境で使用できます。

前提条件:

表11-10    OracleAS Metadata Repositoryのみのインストール 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、第6.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

  • 「インストール・タイプの選択」画面で、「Oracle Identity Management and Metadata Repository」を選択します。

    注意: Metadata Repositoryオプションは選択しないでください。このオプションにより、OracleAS Metadata Repositoryを使用する新しいデータベースが作成されますが、このデータベースはOracleAS Cold Failover Cluster用には構成されません。

 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」は選択しないでください。

Oracle Application Server Single Sign-On」は選択しないでください。

Oracle Application Server Delegated Administration Service」は選択しないでください。

Oracle Application Server Directory Integration and Provisioning」は選択しないでください。

Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」は選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

自動」を選択します。

次へ」をクリックします。 

4. 

高可用性オプションの選択 

仮想ホスト」を選択します。

次へ」をクリックします。 

5. 

Oracle Application Server Metadata Repositoryの登録 

Oracle Internet Directoryがすでにあり、その接続情報がわかっている場合は、「はい」を選択し、Oracle Internet Directoryが実行されているコンピュータの名前とポート番号を入力します。ポート番号がわからない場合は、第6.17項「コンポーネントが使用するポート番号の確認方法」を参照してください。

Oracle Internet DirectoryにはSSL接続のみ使用: Oracle Application ServerコンポーネントがOracle Internet Directoryへの接続にSSLのみを使用するようにする場合は、このオプションを選択します。

Oracle Internet Directoryがない場合、またはその接続情報がわからない場合は、「いいえ」を選択します。

次へ」をクリックします。 

6. 

Oracle Internet Directoryに対するログインの指定 

この画面は、前の画面で「はい」を選択した場合にのみ表示されます。

ユーザー名: Oracle Internet Directoryへログインするためのユーザー名を入力します。ユーザーは、Oracle Internet DirectoryのiAS Adminsグループに属している必要があります。

パスワード: パスワードを入力します。

レルム: このフィールドは、Oracle Internet Directoryに複数のレルムがある場合にのみ表示されます。ユーザーの認証に使用するレルムの名前を入力します。

次へ」をクリックします。 

7. 

仮想ホストの指定 

仮想ホスト名: 仮想ホストの名前を入力します。

次へ」をクリックします。 

8. 

Oracle Databaseの画面 

OracleAS Metadata Repositoryデータベースの情報を入力します。詳細は、第6.29項「インストールの一部: Databaseの画面」を参照してください。 

9. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: このインスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、第5.8項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: infra

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、第5.9項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

10. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、第6.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

11.9 OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)のインストール

各ノードのローカル記憶域に個別のOracleホームを持つ(図11-6を参照)か、共有ディスクに1つのOracleホームを持つ(図11-7を参照)OracleAS Cold Failover Cluster構成でOracle Application Server中間層をインストールすることもできます。

OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)構成には、アクティブなノードとパッシブなノードがあります。OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)とは異なり、OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)は共有ディスクにインストールすることも、クラスタの各ノードに対応している個別のOracleホームにインストールすることもできます。OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)の各インストール・オプションには、次のような異なる利点があります。

1つのOracleホームのインストールは、OracleAS Wirelessを含むインストールに対してはサポートされていないことに注意してください。

次の項では、OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)のインストール手順について説明します。

また、既存のインストールを拡張する手順は次の項で説明されています。

仮想ホスト名

クライアントは、仮想ホスト名(図11-6および図11-7vhost_mt.mydomain.com)を使用して、アクティブ・ノード(ノード1など)にアクセスします。ノード1に障害が発生すると、仮想ホスト名はノード2を指し、ノード2がアクティブ・ノードになります。

図11-6    個別のOracleホームを使用したOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)の構成


画像の説明

図11-7    1つのOracleホームを使用したOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)の構成


画像の説明

11.9.1 個別のOracleホームへのインストール

OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)を個別のOracleホームにインストールするには、次の手順を実行します。

11.9.1.1 インストール前の手順

中間層をインストールする前に、この章の前半に説明したインストール前の一般的な手順を実行します。

また、次の手順も実行する必要があります。

11.9.1.1.1 staticports.iniファイルの設定

両方のインストールで、同じポートを使用する必要があります。これを行うには、中間層のインストール時に使用するstaticports.iniファイルを設定します。staticports.iniファイルの作成の詳細は、第4.6.3項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。


注意

中間層で使用するポートは、同じクラスタにインストールしたOracleAS Infrastructureで使用するものとは異なっている必要があります。また同じノード上の他のOracleホームで使用するポートとも異なっている必要があります。Oracleホームのコンポーネントに割り当てられたポートを確認するには、Application Server Controlコンソールのポート関連のページを参照してください。 


11.9.1.1.2 ホスト名の別名の作成

Oracle Application ServerにOracleAS Web Cacheインスタンスをインクルードする場合は、ホスト名の別名を作成する必要があります。

これを行うには、各ノードで/etc/hostsファイルに行を追加します。

hostsファイルの行の書式は次のとおりです。1つ以上の別名を指定できます。

ip_address   official_hostname   aliases...

たとえば、node1およびnode2というノードがあり、別名をcfcwebcacheとする場合は、次の行をhostsファイルに追加します。

11.9.1.2 中間層のインストール

中間層を各ノードのローカル記憶域にインストールします。

ヒント

時間を節約するために、中間層を両方のノードに別々にインストールするかわりに、同時にインストールできます。 

インストールを実行する際には、次のことに注意してください。

J2EE and Web Cache中間層をインストールするには、第7.9項「Database-Based Farm RepositoryへのJ2EE and Web Cacheのインストール(Oracle Identity Management Accessを使用する場合)」を参照してください。

Portal and WirelessまたはBusiness Intelligence and Forms中間層をインストールするには、第7.13項「Portal and WirelessまたはBusiness Intelligence and Formsのインストール」を参照してください。

11.9.1.3 インストール後の手順

中間層をCold Failover Clusterモードで実行する前に、次のインストール後の手順を実行します。

最後の項第11.9.1.3.8項「既知の状態へのファイルのリストア」では、回復不能なエラーが変換中に発生した場合に既知の状態に戻す方法について説明します。

11.9.1.3.1 (オプション)SSLを使用する中間層インスタンスの構成

中間層インスタンスでSSLを使用する場合は、『Oracle Application Server管理者ガイド』の手順に従います。OracleAS Cold Failover Cluster用に中間層を構成する前に、このSSL構成を実行する必要があります。

11.9.1.3.2 インストール(中間層およびOracleAS Infrastructure)のバックアップ

chgtocfmtスクリプト(第11.9.1.3.5項「ノード1のコンポーネント構成の更新」)を実行する前に、両方のノードの中間層と、OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Identity Managementコンポーネントを含むOracleAS Infrastructureをバックアップする必要があります。『Oracle Application Server管理者ガイド』で説明されているように、これはOracleAS Backup and Recovery Toolを使用して行うことができます。バックアップ・ファイルがあれば、変換中にエラーが発生した場合に、リストア操作を実行することができます。

11.9.1.3.3 アクティブ・ノードでのOracleAS Cold Failover Cluster(中間層) の仮想IPの有効化

node1でrootとしてログインし、次のコマンドを実行します。

# ifconfig interface_name addif virtual_IP up

詳細は、第11.2.1項「仮想ホスト名と仮想IPアドレスのマップ」を参照してください。

11.9.1.3.4 (オプション)共有ディスクでのOracleAS JMSのファイルベースの永続性用のファイル・システムの作成

ファイルベースの永続性があるOracleAS JMSを使用する場合は、共有ディスクでOracleAS JMSキュー用のファイル・システムを作成し、このファイル・システムをnode1からマウントします。

11.9.1.3.5 ノード1のコンポーネント構成の更新

次の手順を実行して、ノード1にインストールした中間層のOracleホームで一部のコンポーネント構成を更新します。

  1. 変換コマンドchgtocfmtをノード1で実行します。


    注意

    インストール後に、コンポーネントのポート番号を変更した場合は、この手順を実行する前に、ORACLE_HOME/install/portlist.iniにあるファイルを手動で更新する必要があります。 


    prompt> $ORACLE_HOME/bin/chgtocfmt -v vhost_mt.mydomain.com -p password -n [-s] 
    [-b] [-e] [-w cfcwebcache.mydomain.com]
    
    

    説明

    • -vは、インストールが変換された完全修飾仮想ホスト名を指定します。仮想ホスト名は現在のホスト上で有効である必要があります。

    • -pは、Oracle Internet Directoryのパスワードを指定します。

    • -nは、インストールが共有ディスクではないことを示します。

    • -sは、SSLが中間層で有効であることを示します。

    • -bは、OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)でインスタンスの変換を実行する前に、現在の構成のバックアップを実行することを示します。このオプションはOracleAS Backup and Recovery Toolを起動して、バックアップを実行します。つまり、このオプションを使用するには、あらかじめOracleAS Backup and Recovery Toolを構成する必要があります。これを行うには、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

      -bオプションはすべての中間層で使用できますが、スタンドアロンの中間層(OracleAS Infrastructureと関連付けられていない中間層)でのみ使用することを強くお薦めします。その理由は、これがバックアップする対象が中間層のみであり、OracleAS Infrastructureをバックアップしないからです。OracleAS Infrastructureを使用する中間層については、OracleAS Backup and Recovery Toolを使用して、中間層とOracleAS Infrastructureの両方をバックアップします。

    • -eは、OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)インストールを拡張することを示します。このオプションを使用するのは、既存のOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)に新しいコンポーネントを追加するか、追加のコンポーネントを構成する場合のみです。

    • -wは、このノードのOracleAS Web Cacheで使用される/etc/hostsにある別名を指定します。

  2. エラーを調べるには、次のログ・ファイルを確認します。

    • chgtocmt.log

    • chgip0.log

    • chgip1.log

    これらのファイルはORACLE_HOME/chgip/logディレクトリにあります。

  3. ノード1の変更を検証します。

    インストールを検証するには、URL上の仮想ホスト名(たとえば、http://vhost_mt.mydomain.com:1156)を使用してApplication Server Controlページにアクセスします。

    デフォルトのポート番号は1156です。ポート番号を確認するには、ORACLE_HOME/install/portlist.iniファイルを参照します。

  4. OracleAS JMSを変更します。

    1. 使用を計画しているOC4Jインスタンスのjms.xmlファイルで、jms-server内のhost属性を仮想ホスト名(vhost_mt.mydomain.comなど)に設定します。

      <jms-server host="vhost_mt.mydomain.com" port="9127">
      ...
      </jms-server>
      
      
    2. キューにファイルベースのメッセージの永続性が使用されている場合、ファイルの場所は共有ディスク上であることが適しています。この場合、共有デイスクは仮想IPとともにフェイルオーバーする必要があります。これを構成するには、queuepersistence-file属性の値を共有ディスク上のファイルにする必要があります。

      <queue name="Demo Queue" location="jms/demoQueue"
         persistence-file="/path/to/shared_file_system/demoQueueFile">
         <description>A dummy queue</description>
      </queue>
      
      
    3. DCMリポジトリを更新して、コンポーネントを再起動します。

      prompt> $ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl updateConfig -ct oc4j
      prompt> $ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
      prompt> $ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      prompt> $ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      prompt> $ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      
  5. 仮想IPをノード2にフェイルオーバーします。

    1. ノード1のすべてのOracle Application Serverプロセスを停止します。

      prompt> $ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
      prompt> $ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      
      
    2. 仮想ホスト名vhost_mt.mydomain.comをノード1からノード2にフェイルオーバーします。

      node1で、rootとして次のコマンドを実行します。

      # ifconfig interface removeif virtual_ip_address
      
      

      node2で、rootとして次のコマンドを実行します。

      # ifconfig interface addif virtual_ip_address up
      
      
11.9.1.3.6 ノード2のコンポーネント構成の更新

ノード2にインストールした中間層のOracleホームで次の手順を実行します。

  1. 変換コマンドchgtocfmtを、第11.9.1.3.5項の手順1と同じようにしてノード2で実行します。

  2. ノード2のログ・ファイルを、第11.9.1.3.5項の手順2と同じようにして確認します。

  3. ノード2の変更を、第11.9.1.3.5項の手順3と同じようにして検証します。

  4. ノード2のOracleAS JMSを、第11.9.1.3.5項の手順4と同じようにして変更します。

11.9.1.3.7 ファイルのバックアップ

中間層がOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)トポロジに正常に変換されたら、ファイルを再びバックアップします。以前のバックアップは、構成を変更したために無効になっています。両方のノードの中間層すべてと、OracleAS Infrastructureをバックアップする必要があります。

OracleAS Backup and Recovery Toolを使用してバックアップを実行できます。手順は『Oracle Application Server管理者ガイド』に記載されています。

11.9.1.3.8 既知の状態へのファイルのリストア

この項では、変換中にエラーが発生した場合に、ファイルを既知の状態にリストアする方法について説明します。

変換中に回復不能なエラーが発生した場合は、第11.9.1.3.2項「インストール(中間層およびOracleAS Infrastructure)のバックアップ」で作成したバックアップ・ファイルを使用して、中間層とOracleAS Infrastructureを既知の状態に戻すことができます。リストア操作の実行には、OracleAS Backup and Recovery Toolを使用します。

chgtocfmtスクリプトを再実行しても、個別のOracleホームのインストールには効果がないことに注意してください。スクリプトの再実行は、中間層用のOracleホームを共有ディスク(「1つのOracleホーム」タイプ)にインストールした場合にのみ機能します。ただし、可能な回避策については、第G.3.19項「chgtocfmtの再実行の失敗」を参照してください。

11.9.2 1つのOracleホームへのインストール

OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)を共有ディスクにインストールするには、次の手順を実行します。


注意

1つのOracleホームのインストールは、OracleAS Wirelessを含むインストールに対してはサポートされていません。 


11.9.2.1 インストール前の手順

中間層をインストールする前に、この章の前半に説明したインストール前の一般的な手順を実行します。

また、次の手順も実行する必要があります。

11.9.2.1.1 ホスト名の別名の作成

Oracle Application ServerにOracleAS Web Cacheインスタンスをインクルードする場合は、ホスト名の別名を作成する必要があります。

これを行うには、各ノードで/etc/hostsファイルに行を追加します。

hostsファイルの行の書式は次のとおりです。1つ以上の別名を指定できます。

ip_address   official_hostname   aliases...

たとえば、node1およびnode2というノードがあり、別名をcfcwebcacheとする場合は、次の行をhostsファイルに追加します。

11.9.2.1.2 (オプション)staticports.iniファイルの設定

必要に応じて、中間層のインストール時に使用するstaticports.iniファイルを設定します。staticports.iniファイルの作成の詳細は、第4.6.3項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。


注意

中間層で使用するポートは、同じクラスタにインストールしたOracleAS Infrastructureで使用するものとは異なっている必要があります。また同じノード上の他のOracleホームで使用するポートとも異なっている必要があります。Oracleホームのコンポーネントに割り当てられたポートを確認するには、Application Server Controlコンソールのポート関連のページを参照してください。 


11.9.2.1.3 アクティブ・ノードでのOracleAS Cold Failover Cluster(中間層) の仮想IPの有効化

node1でrootとしてログインし、次のコマンドを実行します。

# ifconfig interface_name addif virtual_IP up

詳細は、第11.2.1項「仮想ホスト名と仮想IPアドレスのマップ」を参照してください。

11.9.2.2 中間層のインストール

ハードウェア・クラスタのどちらかのノードから、クラスタの共有ディスクに中間層をインストールします。


注意

staticports.iniファイルを第11.9.2.1項「インストール前の手順」で作成した場合は、それをインストール時に指定します。 


J2EE and Web Cache中間層をインストールするには、第7.9項「Database-Based Farm RepositoryへのJ2EE and Web Cacheのインストール(Oracle Identity Management Accessを使用する場合)」を参照してください。

Portal and WirelessまたはBusiness Intelligence and Forms中間層をインストールするには、第7.13項「Portal and WirelessまたはBusiness Intelligence and Formsのインストール」を参照してください。

11.9.2.3 インストール後の手順

中間層をCold Failover Clusterモードで実行する前に、次のインストール後の手順を実行します。

最後の項第11.9.2.3.6項「既知の状態へのファイルのリストア」では、回復不能なエラーが変換中に発生した場合に既知の状態に戻す方法について説明します。

11.9.2.3.1 (オプション)SSLを使用する中間層インスタンスの構成

中間層インスタンスでSSLを使用する場合は、『Oracle Application Server管理者ガイド』の手順に従います。OracleAS Cold Failover Cluster用に中間層を構成する前に、このSSL構成を実行する必要があります。

11.9.2.3.2 インストール(中間層およびOracleAS Infrastructure)のバックアップ

chgtocfmtスクリプト(第11.9.2.3.4項「コンポーネント構成の更新」)を実行する前に、中間層と、OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Identity Managementコンポーネントを含むOracleAS Infrastructureをバックアップする必要があります。『Oracle Application Server管理者ガイド』で説明されているように、これはOracleAS Backup and Recovery Toolを使用して行うことができます。バックアップ・ファイルがあれば、変換中にエラーが発生した場合に、リストア操作を実行することができます。

11.9.2.3.3 (オプション)共有ディスクでのOracleAS JMSのファイルベースの永続性用のファイル・システムの作成

ファイルベースの永続性があるOracleAS JMSを使用する場合は、共有ディスクでOracleAS JMSキュー用のファイル・システムを作成し、このファイル・システムをノード1からマウントします。

11.9.2.3.4 コンポーネント構成の更新

次の手順を実行して、共有ディスクにインストールした中間層のOracleホームで一部のコンポーネント構成を更新します。

  1. 変換コマンドchgtocfmtをノード1で実行します。


    注意

    インストール後に、コンポーネントのポート番号を変更した場合は、この手順を実行する前に、ORACLE_HOME/install/portlist.iniにあるファイルを手動で更新する必要があります。 


    prompt> $ORACLE_HOME/bin/chgtocfmt -v vhost_mt.mydomain.com -p password [-n] [-s] 
    [-b] [-e] [-w cfcwebcache.mydomain.com]
    
    

    説明

    • -vは、インストールが変換された完全修飾仮想ホスト名を指定します。仮想ホスト名は現在のホスト上で有効である必要があります。

    • -pは、Oracle Internet Directoryのパスワードを指定します。

    • -nは、インストールが共有ディスクではないことを示します。

    • -sは、SSLが中間層で有効であることを示します。

    • -bは、OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)でインスタンスの変換を実行する前に、現在の構成のバックアップを実行することを示します。このオプションはOracleAS Backup and Recovery Toolを起動して、バックアップを実行します。つまり、このオプションを使用するには、あらかじめOracleAS Backup and Recovery Toolを構成する必要があります。これを行うには、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

      -bオプションはすべての中間層で使用できますが、スタンドアロンの中間層(OracleAS Infrastructureと関連付けられていない中間層)でのみ使用することを強くお薦めします。その理由は、これがバックアップする対象が中間層のみであり、OracleAS Infrastructureをバックアップしないからです。OracleAS Infrastructureを使用する中間層については、OracleAS Backup and Recovery Toolを使用して、中間層とOracleAS Infrastructureの両方をバックアップします。

    • -eは、OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)インストールを拡張することを示します。このオプションを使用するのは、既存のOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)に新しいコンポーネントを追加するか、追加のコンポーネントを構成する場合のみです。

    • -wは、このノードのOracleAS Web Cacheで使用される/etc/hostsにある別名を指定します。

  2. エラーを調べるには、次のログ・ファイルを確認します。

    • chgtocmt.log

    • chgip0.log

    • chgip1.log

    これらのファイルはORACLE_HOME/chgip/logディレクトリにあります。

  3. ノード1の変更を検証します。

    インストールを検証するには、URL上の仮想ホスト名(たとえば、http://vhost_mt.mydomain.com:1156)を使用してApplication Server Controlページにアクセスします。

    デフォルトのポート番号は1156です。ポート番号を確認するには、ORACLE_HOME/install/portlist.iniファイルを参照します。

  4. OracleAS JMSを変更します。

    1. 使用を計画しているOC4Jインスタンスのjms.xmlファイルで、jms-server内のhost属性を仮想ホスト名(vhost_mt.mydomain.comなど)に設定します。

      <jms-server host="vhost_mt.mydomain.com" port="9127">
      ...
      </jms-server>
      
      
    2. キューにファイルベースのメッセージの永続性が使用されている場合、ファイルの場所は共有ディスク上であることが適しています。この場合、共有デイスクは仮想IPとともにフェイルオーバーする必要があります。これを構成するには、queuepersistence-file属性の値を共有ディスク上のファイルにする必要があります。

      <queue name="Demo Queue" location="jms/demoQueue"
         persistence-file="/path/to/shared_file_system/demoQueueFile">
         <description>A dummy queue</description>
      </queue>
      
      
    3. DCMリポジトリを更新して、コンポーネントを再起動します。

      prompt> $ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl updateConfig -ct oc4j
      prompt> $ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
      prompt> $ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      prompt> $ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      prompt> $ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      
  5. /var/opt/oracle/oratabおよび/var/opt/oracle/oraInst.locにあるファイルをノード1からノード2にコピーします。

  6. 仮想IPをノード2にフェイルオーバーします。

    1. node1のすべてのOracle Application Serverプロセスを停止します。

      prompt> $ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
      prompt> $ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      
      
    2. 仮想ホスト名vhost_mt.mydomain.comをノード1からノード2にフェイルオーバーします。

      ノード1で、rootとして次のコマンドを実行します。

      # ifconfig interface removeif virtual_ip_address
      
      

      ノード2で、rootとして次のコマンドを実行します。

      # ifconfig interface addif virtual_ip_address up
      
      
    3. Oracleホームをホストしている共有ディスクをフェイルオーバーします。

  7. ノード2のインストールを、手順3のときと同じようにして検証します。

11.9.2.3.5 ファイルのバックアップ

中間層がOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)トポロジに正常に変換されたら、ファイルを再びバックアップしてください。以前のバックアップは、構成を変更したために無効になっています。中間層と、OracleAS Infrastructureをバックアップする必要があります。

OracleAS Backup and Recovery Toolを使用してバックアップを実行できます。手順は『Oracle Application Server管理者ガイド』に記載されています。

11.9.2.3.6 既知の状態へのファイルのリストア

この項では、変換中にエラーが発生した場合に、ファイルを既知の状態にリストアする方法について説明します。

変換中に回復不能なエラーが発生した場合は、第11.9.1.3.2項「インストール(中間層およびOracleAS Infrastructure)のバックアップ」で作成したバックアップ・ファイルを使用して、中間層とOracleAS Infrastructureを既知の状態に戻すことができます。リストア操作の実行には、OracleAS Backup and Recovery Toolを使用します。

バックアップ・ファイルがない場合は、chgtocfmtスクリプトを再度実行し、このスクリプトで行った変更を元に戻すことを試みることができます。ただしこのときには-v-wの両方のオプションにphysical hostnameを使用します。たとえば、次のようになります。

prompt> $ORACLE_HOME/bin/chgtocfmt -v physhost_mt.mydomain.com -p password -n [-s] [-b] 
[-e] [-w physhost_mt.mydomain.com]

スクリプトを再実行してもうまくいかない場合があることに注意してください。仮想ホストベース環境に変換したときにスクリプトでエラーが発生した場合は、スクリプトを再実行して物理的なホストベース環境に戻すときにも同じエラーが発生するおそれがあります。

11.9.3 中間層の拡張

OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)をインストールした後に、中間層にインストールされていないか、構成されていないコンポーネントが必要となることがあります。

コンポーネントをさらに追加する場合のインストール手順については、第7.14項「中間層の拡張」を参照してください。以前に構成されていないコンポーネントを構成する必要がある場合は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。個別のOracleホームにインストールするには、クラスタの両方のノードにある中間層を拡張する必要があります。

OracleAS Wirelessコンポーネントは1つのOracleホームにインストールされているOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)に対してはサポートされていないことに注意してください。

さらにコンポーネントを追加または構成した後は、-eオプションを指定してchgtocfmtコマンドを実行する必要があります。その他すべてのオプションは、最初に実行したときと同じにします。たとえば、最初に実行したのが次のコマンドであるとします。

prompt> $ORACLE_HOME/bin/chgtocfmt -v vhost_mt.mydomain.com -p password -w 
cfcwebcache.mydomain.com

その場合は、中間層を拡張した後に次のコマンドを実行します。

prompt> $ORACLE_HOME/bin/chgtocfmt -v vhost_mt.mydomain.com -p password -w 
cfcwebcache.mydomain.com -e

個別のOracleホームにインストールするには、クラスタの両方のノードでchgtocfmtコマンドを実行する必要があります。

11.10 同じノードへのOracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)およびOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)のインストール

この構成は、第11.3項「OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)構成のインストール」第11.9項「OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)のインストール」を組み合せたものです。この項では、同じノードにこれらの構成をインストールする方法について説明します。

図11-8に、コンポーネントをインストールする場所と、それらを実行するノードを示します。

正常動作時には、OracleAS Infrastructureはノード1で実行され、中間層はノード2で実行されます。通常のCold Failover Cluster構成とは異なり、この場合は両方のノードがアクティブですが、異なるコンポーネント(OracleAS Infrastructureコンポーネントまたは中間層コンポーネントのいずれか)が実行されます。

仮想ホスト名

2つの仮想ホスト名が必要です。1つ目の仮想ホスト名(vhost_infraなど)はOracleAS Infrastructureを実行しているノードを指し、2つ目の仮想ホスト名(vhost_mtなど)は中間層を実行しているノードを指します。

フェイルオーバー

ノード1に障害が発生すると(図11-9)、OracleAS Infrastructureプロセスはノード2にフェイルオーバーされます。ノード1を指していた仮想ホスト名はノード2を指すようになります。

ノード2に障害が発生すると(図11-10)、中間層プロセスはノード1にフェイルオーバーされます。ノード2を指していた仮想ホスト名はノード1を指すようになります。インストール後に、中間層が他のノードにフェイルオーバーされるように構成する必要があることに注意してください。

Oracleホームの場所

OracleAS Infrastructureは共有記憶域にインストールし、中間層は各ノードのローカル記憶域にインストールします。中間層は各ノードに対し1回ずつ、合計2回インストールします。

OracleAS Infrastructureまたは中間層にアクセスするには、クライアントはOracleAS Infrastructureまたは中間層コンポーネントを実行しているノードに関連付けられた仮想ホスト名を使用します。

また、URLでも仮想ホスト名を使用します。たとえば、vhost_infra.mydomain.comがOracleAS Infrastructureの仮想ホスト名である場合、Oracle HTTP ServerおよびApplication Server ControlのURLは次のようになります。

次のもののURL  URLの例 

Oracle HTTP Server、「ようこそ」ページ 

http://vhost.mydomain.com:7777 

Oracle HTTP Server、セキュア・モード 

https://vhost.mydomain.com:4443 

Application Server Control 

http://vhost.mydomain.com:1156 

図11-8    同じノードへのOracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)およびOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)


画像の説明

図11-9    ノード1に障害が発生した場合


画像の説明

図11-10    ノード2に障害が発生した場合


画像の説明

11.10.1 インストール手順

この構成を作成するには、次の手順を実行します。

  1. 環境を設定します。

  2. ホスト名の別名を作成します。

    これを行うには、各ノードで/etc/hostsファイルに行を追加します。

    hostsファイルの行の書式は次のとおりです。1つ以上の別名を指定できます。

    ip_address   official_hostname   aliases...

    たとえば、node1およびnode2というノードがあり、別名をcfcwebcacheとする場合は、次の行をhostsファイルに追加します。

    • node1hostsファイルに、次の行を追加します。

      123.45.67.22  node1.mydomain.com  node1  cfcwebcache.mydomain.com
      
      
    • node2hostsファイルに、次の行を追加します。

      123.45.67.33  node2.mydomain.com  node2  cfcwebcache.mydomain.com
      
      
  3. 共有記憶域にOracleAS Infrastructureをインストールします。詳細は、第11.3.2項「OracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure): インストール手順の詳細」を参照してください。

  4. 中間層用のstaticports.iniファイルを作成します。これによって、中間層が同じポートを使用し、そのポートがOracleAS Infrastructureによって使用されるポートとは異なるようにできます。

    いずれかのノードで障害が発生すると、フェイルオーバー・イベントが発生し、すべてのOracleAS Infrastructureおよび中間層コンポーネントが同じノードで実行されるようになります。コンポーネントの動作を継続するためには、ポートの競合が発生しないようにする必要があります。

  5. 中間層を各ノードのローカル記憶域にインストールします。

    中間層をインストールする際の注意点を次に示します。

11.10.2 インストール後の手順

node1およびnode2に対し、第11.9.2.3項「インストール後の手順」に示すインストール後の手順を実行します。

11.11 OracleAS Cold Failover Clusterのインストール後の手順

11.11.1 ORACLE_HOME/Apache/Apache/htdocs/index.htmlファイルの編集

ORACLE_HOME/Apache/Apache/htdocs/index.htmlファイルで、すべての物理ホスト名(node1など)を仮想ホスト名(vhost)に変更します。ここで、node1はホスト名を示します。

node1がOracle Application Serverインスタンス名の一部として使用されている場合は、変更しないでください。

11.11.2 他のノードへの/var/opt/oracleディレクトリのコピー

OracleAS Infrastructureのインストールが完了した後で、/var/opt/oracleディレクトリを、インストールを実行したノードからOracleAS Cold Failover Cluster内の他のノードにコピーします。これによって、クラスタ内の各ノードからインストーラを実行して、Oracleホームを更新できるようになります。

2つの/var/opt/oracleディレクトリは常に同期している必要があります。インストーラを実行してインフラストラクチャを更新したら、必ずoracleディレクトリを他のノードにコピーする必要があります。

/var/opt/oracleディレクトリは、Oracle Application Serverの実行時には使用されません。このファイルはインストーラのみが使用します。

11.11.3 Cold Failover Clusterデータベースに対するDatabase Consoleの実行

Cold Failover Clusterデータベースに対してDatabase Consoleの起動、停止またはステータス確認を行う前に、ORACLE_HOSTNAME環境変数を仮想ホスト名に設定する必要があります。たとえば図11-1では、仮想ホスト名はvhost.mydomain.comになっています。ORACLE_HOSTNAMEは次のように設定してください。

Cシェル:

$ setenv ORACLE_HOSTNAME vhost.mydomain.com

BourneまたはKornシェル:

% ORACLE_HOSTNAME=vhost.mydomain.com
% export ORACLE_HOSTNAME

変数を設定すると、"emctl action dbconsole"コマンドを実行できるようになります。ここで、actionstartstopまたはstatusのいずれかになります(たとえばemctl start dbconsoleなど)。

11.11.4 自動フェイルオーバー用のクラスタウェア・エージェントの作成

OracleAS Cold Failover Cluster環境では、OracleAS Infrastructureの手動フェイルオーバーのフレームワークが提供されます。自動フェイルオーバーを行うには、クラスタウェアを使用するエージェントを設定する必要があります。自動フェイルオーバーの例には、プライマリ・ノードのハートビートを監視するようにセカンダリ・ノードを設定し、プライマリ・ノードの停止を検出したら、仮想IPアドレス、共有記憶域およびすべてのOracleAS Infrastructureプロセスがセカンダリ・ノードにフェイルオーバーするなどがあります。

11.12 OracleAS Cold Failover Cluster Infrastructureへの中間層のインストール

この項では、OracleAS Cold Failover Cluster InfrastructureにCold Failover Cluster構成ではない中間層をインストールする方法について説明します。

Cold Failover Cluster機能を使用できる中間層をインストールする場合は、第11.9項「OracleAS Cold Failover Cluster(中間層)のインストール」または第11.10項「同じノードへのOracleAS Cold Failover Cluster(Infrastructure)およびOracleAS Cold Failover Cluster(中間層)のインストール」を参照してください。

OracleAS Cold Failover Clusterで非Cold Failover Clusterの中間層がOracleAS Infrastructureとともに動作するためには、クラスタ外のコンピュータまたはクラスタ内のノードに中間層をインストールできます。


注意

非Cold Failover Clusterの中間層をOracleAS Cold Failover Cluster外のノードにインストールして実行することをお薦めします。 


11.12.1 中間層をOracleAS Cold Failover Clusterのノードにインストールする場合

非Cold Failover Clusterの中間層をOracleAS Cold Failover Clusterのノード(プライマリまたはセカンダリ)にインストールする場合は、中間層をインストールする前に次のタスクを実行します。

11.12.1.1 中間層用のstaticports.iniファイルの作成

中間層で使用されるポートが、インフラストラクチャで使用されるポートと同じでないようにします。これは、インフラストラクチャがプライマリ・ノードからセカンダリ・ノード(またはこの逆)にフェイルオーバーすることがあり、いずれのノードでもポートの競合が発生しないようにするためです。両方のノード上のインフラストラクチャに同じポートを確保する必要があります。

中間層をインストールするノードでインフラストラクチャが実行中の場合は、インストーラはどのポートが使用されているかを検出して、中間層に別のポートを選択します。たとえば、インフラストラクチャがプライマリ・ノードで実行されており、中間層をインストールするためにインストーラをプライマリ・ノードで実行する場合は、インストーラによって別のポートが中間層に割り当てられます。

ただし、中間層をインストールするのとは異なるノードでインフラストラクチャが実行されている場合は、インストーラはインフラストラクチャがどのポートを使用しているかを検出できません。たとえば、インフラストラクチャがプライマリ・ノード上で実行されていて、中間層をセカンダリ・ノードにインストールする場合は、インストーラはインフラストラクチャがどのポートを使用しているかを検出できません。この場合、中間層用のポート番号を指定するためにstaticports.iniファイルを設定する必要があります。詳細は、第4.6.3項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。

インフラストラクチャが使用しているポートは、ORACLE_HOME/install/portlist.iniファイルで確認できます。ここで、ORACLE_HOMEは、インフラストラクチャをインストールしたディレクトリです。

11.12.1.2 インフラストラクチャで使用される/var/opt/oracleディレクトリの名前の変更

インフラストラクチャで使用されているものと同じインベントリ・ディレクトリを使用するかわりに、中間層が独自のインベントリ・ディレクトリを持つように環境を設定します。これを行うには、/var/opt/oracleディレクトリの名前を他の名前に変更して、インストーラによって新しいインベントリ・ディレクトリの入力が要求されるようにする必要があります。次の例では、その名前をoracle.infraに変更します。

prompt> su
Password: root_password
# cd /var/opt
# mv oracle oracle.infra

インストーラによりインベントリ・ディレクトリの入力が要求されたら、ローカル記憶域のディレクトリ、またはOracleAS Infrastructureがインストールされたディスク以外のディスクのディレクトリを指定します。

中間層のインストールが完了したら、次のようにして名前を変更します。

prompt> su
Password: root_password
# cd /var/opt
# mv oracle oracle.mt see (1)
# mv oracle.infra oracle see (2)

(1)このコマンドは、インストーラを使用して中間層をインストールした際に作成されたoracleディレクトリの名前を変更します。

(2)このコマンドは、oracle.infraディレクトリの名前をoracleに戻します。

/var/opt/oracleディレクトリは、Oracle Application Serverの実行時には使用されません。これが必要となるのは、インストーラを実行するときのみです(たとえば、インスタンスを削除したり拡張する場合など)。

インストーラを実行する前に、正しいoracleディレクトリが配置されていることを確認します。

11.12.2 OracleAS Cold Failover Clusterのインフラストラクチャへの中間層のインストール手順

OracleAS Cold Failover Cluster内のOracleAS Infrastructureに中間層をインストールするには、第7章「中間層のインストール」に記載された手順に従います。ただし、次の点を除きます。

11.13 OracleAS Cold Failover Clusterノードへの標準の中間層のインストール

Cold Failover Cluster構成にない中間層をOracleAS Cold Failover Clusterインフラストラクチャと同じノードにインストールする場合、中間層に使用するポートは同じクラスタにインストールされているOracleAS Infrastructureに使用されているものとは別にする必要があります。また同じノード上の他のOracleホームで使用するポートとも異なっている必要があります。Oracleホームのコンポーネントに割り当てられたポートを確認するには、Application Server Controlコンソールのポート関連のページを参照してください。

中間層をインストールするときには、staticports.iniファイルを使用する必要があります。詳細は、第4.6.3項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。


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