この章では、Oracle HTML DBの使用方法の概要を説明します。インストール処理が完了していることを前提としています。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle HTML DB開発環境では、ユーザーは作業領域という作業用の共有領域にログインします。ユーザーは、次の3つの主なロールに分類されます。
開発者
作業領域管理者
Oracle HTML DB管理者
開発者は、アプリケーションを作成および編集できます。作業領域管理者は、作業領域固有の管理タスクを実行します。Oracle HTML DB管理者は、Oracle HTML DB開発環境インスタンス全体を管理します。
Oracle HTML DBへログインするときは、作業領域にログインします。作業領域は、Oracle HTML DB開発環境内の領域で、複数の開発者がアプリケーションを作成できます。
このセクションの内容は次のとおりです。
注意: ユーザーが作業領域をリクエストしたり、パスワードを変更するには、Oracle HTML DB管理者がOracle HTML DBの環境設定項目を構成する必要があります。 |
注意: このセクションは、Oracle HTML DB管理者が、作業領域のリクエストをサポートするためにOracle HTML DBを構成済である場合にのみ適用されます。 |
Oracle HTML DBへログインする前に、管理者によって作業領域へのアクセス権を付与される必要があります。各作業領域には、一意のIDと名前があります。適切な資格証明を持つ管理者のみが新しい作業領域を作成できます。
既存の作業領域を使用するか、新しい作業領域をリクエストするかは、開発目標によって異なります。次に、一般的な基準を示します。
既存の作業領域: データベースにすでに存在するデータに対してアプリケーションを構築する場合は、既存の作業領域を使用します。
新しい作業領域: データベースに存在していないデータ(スプレッドシートやデスクトップのデータベースからのデータなど)に対してアプリケーションを構築する場合は、新しい作業領域をリクエストします。
作業領域をリクエストするには、次の手順を実行します。
Webブラウザで、Oracle HTML DBのログイン・ページにナビゲートします。デフォルトでは、Oracle HTML DBは次の場所にインストールされます。
http://hostname:port/pls/htmldb/htmldb
各要素の意味は次のとおりです。
hostname
は、Oracle HTTP Serverがインストールされるシステムの名前です。
port
は、Oracle HTTP Serverに割り当てられたポート番号です。デフォルトのインストールでは、この番号は7777です。次のいずれかのファイルで、ご使用のOracle HTTP Serverのインストールに割り当てられたポート番号に関する情報を確認できます。
ORACLE_BASE
\
ORACLE_HOME
\install\portlist.ini
ORACLE_BASE
\
ORACLE_HOME
\Apache\Apache\conf\httpd.conf
htmldb
は、mod_plsql構成ファイルに定義されたデータベース・アクセス記述子(DAD)です。
ログイン・ページが表示されます。
「タスク」で、「作業領域をリクエスト」をクリックします。
「サービスをリクエスト」ウィザードが表示されます。
「続行」をクリックし、画面に表示される手順に従います。
作業領域のリクエストが承認されると、Oracle HTML DB管理者から作業領域名、ユーザー名およびパスワードが提供されます。
Oracle HTML DBにログインするには、次の手順を実行します。
Webブラウザで、Oracle HTML DBのログイン・ページにナビゲートします。デフォルトでは、Oracle HTML DBは次の場所にインストールされます。
http://hostname:port/pls/htmldb/htmldb
ログイン・ページが表示されます。
「ログイン」で、次のように入力します。
「作業領域」で、作業領域名を入力します。
「ユーザー名」で、ユーザー名を入力します。
「パスワード」で、パスワードを大/小文字を区別して入力します。
「ログイン」をクリックします。
Oracle HTML DBのホームページにある「パスワードを変更」リンクをクリックすると、パスワードを再設定できます。
パスワードを再設定するには、次の手順を実行します。
Oracle HTML DBにログインします。(「Oracle HTML DBへのログイン」を参照。)
「作業領域管理」で、「パスワードを変更」をクリックします。
「パスワードを変更」で、次のように入力します。
「パスワード」フィールドで、新しいパスワードを入力します。
「パスワードを確認」フィールドで、新しいパスワードを再度入力します。
「変更を適用」をクリックします。
注意: すべてのユーザー(開発者および管理者)が、Oracle HTML DBのホームページにある「パスワードを変更」リンクを使用してパスワードを再設定できます。 |
Oracle HTML DBにログインすると、図2-1に示す「作業領域」ホームページが表示されます。
「作業領域」ホームページは、次の5つの主要コンポーネントで構成されています。
Application Builder:Application Builderを使用すると、表やプロシージャなどのデータベース・オブジェクトの外観としてHTMLインタフェース(またはアプリケーション)を構築できます。
SQL Workshop:SQL Workshopを使用すると、データベース・オブジェクトをWebブラウザから表示および管理できます。
Data Workshop:Data Workshopを使用すると、ホスティングされたデータベースとの間でデータをインポートまたはエクスポートできます。
「アプリケーション」リスト: Application Builderでオープンする既存のアプリケーション名を選択します。
作業領域管理: このリストを使用すると、ユーザー・アカウントの管理、作業領域アクティビティの監視、ログ・ファイルの確認、セッション・ステートの管理、レポートの表示および開発サービスの管理を行うことができます。
作業領域スキーマ: このリストを使用すると、現行の作業領域にアクセスできるスキーマの詳細を表示できます。
Application Builder、SQL WorkshopまたはData Workshopにアクセスするには、ページの中央にある大きいアイコンをクリックします。
図2-2に示すように、Oracle HTML DBのすべてのページの上部にブレッドクラム・メニューが表示されます。各メニュー・エントリは、Oracle HTML DB開発環境内の他のページに対するカレント・ページの相対位置を示します。また、特定のエントリをクリックして、即時に前のページにリンクできます。
Oracle HTML DBのほぼすべてのページに、ページ・レベル・ヘルプがあります。ページ右側のテキスト・ボックスに表示されるページ・レベル・ヘルプでは、そのページの機能の簡単な説明が表示されます。Oracle HTML DBには、次の2つの形式のオンライン・ヘルプもあります。
手続き型オンライン・ヘルプ:ウィンドウの右上にある「ヘルプ」アイコンをクリックすると、HTMLベースのオンライン・ヘルプにアクセスできます。
フィールド・レベル・ヘルプ: Oracle HTML DBのほとんどのLOV、選択リスト、チェック・ボックスおよびフィールドには、アイテム・ヘルプがあります。アイテム・ヘルプが使用可能な場合は、カーソルを合わせると、アイテム・ラベルがハイライト表示されます。アイテム・ラベルをクリックすると、別のウィンドウに説明が表示されます。
エンド・ユーザーがOracleデータベースのデータにすばやくアクセスできるようにするための簡単な方法は、「アプリケーションを作成」ウィザードを使用することです。このウィザードでは、表に基づいて基本的なアプリケーションを作成します。このウィザードには次のページが含まれています。
標準レポート
挿入フォーム
更新フォーム
成功フォーム(レコードが正常に挿入された時期を示す)
分析メニュー・ページ
分析レポート
分析チャート
ログイン・ページ
「アプリケーションを作成」ウィザードでは、レポートの作成、およびデータの更新、挿入対象となる、単一の表が存在することを想定しています。生成したアプリケーションは、Application Builderを使用して変更できます。
既存の表に基づいてアプリケーションを作成するには、次の手順を実行します。
Oracle HTML DBにログインします。(「Oracle HTML DBへのログイン」を参照。)
「作業領域」ホームページが表示されたら、「アプリケーションを作成」ボタンをクリックします。
「作成方法を選択」で、「既存の表に基づく」を選択します。
「表/ビューの所有者を指定」で、アプリケーションの基になる表またはビューの所有者を選択し、「次へ」をクリックします。
各アプリケーションは、特定のデータベース・スキーマが所有する表またはビューに基づきます。
「表/ビューの名前を指定」で、アプリケーションの基になる表またはビューを選択し、「次へ」をクリックします。
「表のユーザー・インタフェースのデフォルト値」で、次の手順を実行します。
「単数形の名前」で、表の名前を単数形で入力します。この名前がフォーム・リージョン・タイトルになります。
「複数形の名前」で、表の名前を複数形で入力します。この名前がレポート・リージョン・タイトルおよびタブ・ラベルになります。
指定した表でのアプリケーションの作成が初回の場合は、手順eに進みます。
「ユーザー・インタフェースのデフォルト値を保存」で、ユーザー・インタフェースのデフォルト値を保存するかどうかを指定します。
「はい」を選択すると、表のプロパティ、列のプロパティ、サマリー列、およびユーザー・インタフェースのデフォルト値に対する選択した列別の集計が保存されます。ユーザー・インタフェースのデフォルト値を使用して、指定したスキーマ内の表、列またはビューにデフォルトのユーザー・インタフェースのプロパティを割り当てることができます。
「列のユーザー・インタフェースのデフォルト値」で、列ラベルを編集します(オプション)。
「次へ」をクリックします。
「列ごとのサマリー」で、詳細なレポートおよびチャートが含まれている列を選択し、「次へ」をクリックします。
「列ごとの集計」で、次の手順を実行します。
「集計する列」で、値が集計される列を選択します。
「使用する集計関数」で、集計メソッド(合計または平均、あるいはその両方)を選択します。
「次へ」をクリックします。
「アプリケーション・オプション」で、次の手順を実行します。
「アプリケーション名」で、アプリケーション名を入力します。
「作成モード」で、「読み書き両用」を選択します。
「読取り専用」を選択すると、基礎となる表のデータを変更できなくなります。「読み書き両用」を選択すると、基礎となるデータを変更(挿入および更新を実行)できるようになります。
「チャート・タイプ」で、チャート・タイプを選択します。
ウィザードによって、前の手順で選択した各サマリー列に対してチャート・ページが作成されます。
「次へ」をクリックします。
「主キーを指定」で、表の主キー列の名前を入力し、「次へ」をクリックします。
「主キーのソース」で、主キー列のソース・タイプを選択します。有効なオプションは次のとおりです。
既存のトリガー: 表にトリガーがすでに定義されている場合はこのオプションを選択します。既存の列の主キー列ソースを定義する必要はありません。既存の列にはすでに主キーが存在しています。
カスタムPL/SQLファンクション: ソースが、キー値を戻すPL/SQLファンクションの場合はこのオプションを選択します。
既存の順序: 表に既存の順序がすでに定義されている場合はこのオプションを選択します。この場合、順序の次の値が使用されます。
「テーマを選択」で、このアプリケーションのテーマを選択し、「次へ」をクリックします。
テーマは、アプリケーションのユーザー・インタフェースの定義に使用する指定されたテンプレートのコレクションです。
選択内容を確認して、「作成」をクリックします。
「確認」ページに、次の2つのアイコンが表示されます。
アプリケーションを実行
アプリケーションを編集
参照:
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「アプリケーションの作成に成功」ページの「アプリケーションを実行」アイコンをクリックすると、アプリケーションを実行できます。
「クイック・アプリケーションの確認」ページからアプリケーションを実行するには、次の手順を実行します。
「アプリケーションを実行」をクリックします。
ログイン・ページが表示されます。
作業領域のユーザー名およびパスワードを入力して、「ログイン」をクリックし、アプリケーションにログインします。
アプリケーションが表示されます。「開発者」ツールバーがページの下部に表示されます(図2-3を参照)。
「開発者」ツールバーを使用すると、カレント・ページの編集、新しいページ、コントロールまたはコンポーネントの作成、セッション・ステートの表示または編集リンクのオン/オフの切替えを簡単に実行できます。
アプリケーションの内容を表示します。
アプリケーションを終了し、Application Builderに戻るには、「開発者」ツールバーの「ページを編集」をクリックします。
図2-4に示すとおり、ページ定義が表示されます。
ページは、アプリケーションの基本的なビルディング・ブロックです。ページ定義を使用すると、ページを定義するコントロールおよびコンポーネントを表示、作成および編集できます。
Application Builderのホームページに戻るには、「Application Builder」タブを選択します。