BEA Logo BEA Tuxedo Release 8.0

  BEA ホーム  |  イベント  |  ソリューション  |  パートナ  |  製品  |  サービス  |  ダウンロード  |  ディベロッパ・センタ  |  WebSUPPORT

 

   Tuxedo ホーム   |   ファイル形式、データ記述方法、MIB、およびシステム・プロセスのリファレンス   |   先頭へ   |   前へ   |   次へ   |   目次

 


WSL(5)

名前

WSL-ワークステーション・リスナ・サーバ

形式

WSL SRVGRP="identifier" 
SRVID="number"
CLOPT="[-A] [servopts options] -- -n netaddr [-d device]
[-w WSHname] [-t timeout-factor] [-T Client-timeout]
[-m minh] [-M maxh] [-x mpx-factor]
[-p minwshport] [-P maxwshport] [-I init-timeout]
[-c compression-threshold] [-k compression-threshold]
[-K {client|handler|both|none}]
[-z bits] [-Z bits] [-H external-netaddr][-N network-timeout]"

機能説明

ワークステーション・リスナは、ワークステーション・クライアントによるネイティブ・サービスへのアクセスを可能にする、システム提供のサーバです。アプリケーション管理者は、SERVERS セクションにおいて、ワークステーション・リスナ・サーバをアプリケーション・サーバとして指定することにより、ワークステーションからのアプリケーションへの結合を許可します。ワークステーション・リスナおよびワークステーション・ハンドラの処理を指定するときは、コマンド行のオプションを使用します。

サーバ関連のパラメータすなわち、位置、サーバ・グループ、サーバ ID 等のパラメータは、既に定義されたサーバ関連のコンフィギュレーション・ファイルを利用して、ワークステーション・リスナと関連付けられます。ワークステーション・リスナ専用のコマンド行のオプションを使用して、カスタマイズすることもできます。

アプリケーションの一部として WSL がブートされる度に、ある一つの周知のネットワーク・アドレスから、ワークステーション上で作業するユーザのための代替クライアントとして機能する一群のワークステーション・ハンドラ (WSH) へアクセスすることを認めることにより、多数のワークステーション・クライアントが、アプリケーションにアクセスすることが可能になります。WSH は、WSL によって、アプリケーション・ワークステーションからのワークロードに対応するために、必要に応じて動的に始動・停止されます。アプリケーション管理者に対する利点としては、少数のネイティブ・サイト・プロセス (WSH) によって、多数のクライアントをサポートすることができるため、ネイティブ・サイトでのプロセス数を減らすことができるという点、また、ネイティブ・サイトが、ワークステーション・サイトにある掲示板上の情報を維持するためのオーバーヘッドを負う必要がなくなるという点が挙げられます。

下記の WSL 専用コマンド行のオプションを使用することが可能です。これらのコマンド行のオプションは、パラメータ CLOPT の二重ダッシュ (--) の後で指定することができます。

-n netaddr

WSL プロセスがそのリスニング・アドレスとして使用する完全なネットワーク・アドレスを指定します。必須パラメータはこれだけです。

WSL 用のリスニング・アドレスを使って、アプリケーションに参加しているワークステーション・クライアント・プロセスがWSLプロセスにコンタクトします。netaddr (1 〜 78 文字まで含めることができる) の形式が 0xhex-digits または ¥¥xhex-digits の場合には、有効な偶数桁の 16 進数を含める必要があります。これらの形式は、TCP/IP アドレスを含む文字配列に内部変換されます。また、アドレスは、以下のいずれかの形式で表されます。

//host.name:port_number
//#.#.#.#:port_number

文字列 #.#.#.# はドットで区切った 10 進数の形式です。各 # は 0 から 255 までの 10 進数を表します。port_number は 0 から 65,535 の範囲の 10 進数です。

注記 一部のポート番号は、お使いのシステムで使用される基本トランスポート・プロトコル (TCP/IP など) のために予約されている場合があります。予約されているポート番号を確認するには、トランスポート・プロトコルのマニュアルを調べてください。

[-d device]

ワークステーション・リスナおよびワークステーション・ハンドラによるネットワークへのアクセスの際に使用されるデバイス・ファイル名です。このパラメータは、指定しても、指定しなくとも構いません。なぜなら、sockets 等のネットワーク・プロバイダはデバイス名を必要としないからです。

[-w WSHname]

ワークステーション・リスナに対してワークステーション・ハンドラ・サービスを供給する実行可能ファイルの名称です。これに対するデフォルト値は、システム提供のワークステーション・ハンドラに相当するWSHです。ワークステーション・ハンドラは、buildwsh() コマンドを使用してカスタマイズすることができます。詳細については、buildwsh(1) のマニュアル・ページを参照して下さい。

[-t timeout-factor]

このオプションは、-I オプションによって置き換えられ、BEA Tuxedo リリース 6.0 での上位互換性のためにサポートされていますが、今後のリリースでは削除されることもあります。WSL によってタイムアウトとされる前に、WSH を通じて初期化処理を完了するためにワークステーション・クライアントに対して認められるべき秒単位の時間を、SCANUNIT の値と乗算することによって指定するためのパラメータです。このパラメータの省略時の値は、セキュリティなしのアプリケーションでは 3 秒、セキュリティありのアプリケーションでは 6 秒です。有効な範囲は、1 から 255 です。

[-T client-timeout]

Client-timeout は、クライアントがアイドル状態を保持できる時間を分単位で表したものです。クライアントがこの時間内に要求を行わなかった場合、WSH はクライアント接続を切断します。このオプションは、安定性の低いクライアントのプラットフォームでの使用に適しています (たとえば、ユーザが tpterm() の呼び出しを行わずにコンピュータの電源を切る可能性がある場合など)。また、クライアントが任意通知型メッセージの通知を受信しても再試行しない場合にも効果があります。-T を指定しない場合は、タイムアウトはありません。

[-m minh]

任意の時間に、この WSL と共に使用可能になる必要があるハンドラの最小数。WSL は、起動されるとすぐにこれと同数の WSH を始動し、管理者が WSL をシャットダウンするまで WSH の数がこの最小数を下回らないように維持します。このパラメータのデフォルト値は 0 です。有効な範囲は、0 から 255 です。

[-M maxh]

WSL と関連して常時使用可能とされるべきハンドラの最大数。システムにアクセスしようとしているワークステーション・クライアントの要求を満たすために、必要に応じてハンドラが起動されます。このパラメータの省略時の値は、論理マシン上の MAXWSCLIENTS の設定値を WSL に対する多重化係数 (下記 -x オプションを参照) で除してから切り上げた値と等しくなります。このパラメータの有効な値の範囲は、1 から 4096 です。また、この値は、minh 以上でなければなりません。

[-x mpx-factor]

各ワークステーション・ハンドラの範囲内で必要となる多重化の程度を制御するために使用するパラメータです。このパラメータの値は、各ワークステーション・ハンドラによって同時にサポートされ得るワークステーション・クライアントの数を示しています。ワークステーション・リスナにより、新たなワークステーション・クライアントを処理する必要性に応じて、新たなハンドラが始動されることが確実となります。この値は、1 以上 4096 以下でなければなりません。このパラメータの省略時の値は 10 です。

[-p minwshport]
[-P maxwshport]

この対のコマンド行オプションを使用して、このリスナ・サーバに対応する WSH が利用できるポート番号の範囲を指定できます。ポート番号は、0 から 65535 までの数字でなければなりません。デフォルト値は、minwshport が 2048、maxwshport が 65535 です。

注記 一部のポート番号は、お使いのシステムで使用される基本トランスポート・プロトコル (TCP/IP など) のために予約されている場合があります。予約されているポート番号を確認するには、トランスポート・プロトコルのマニュアルを調べてください。

[-I init-timeout]

WSL によるタイムアウトが発生する前にワークステーション・クライアントが WSH を通じて初期化プロセスを終了するために認められている時間 (単位は秒) を指定します。このパラメータのディフォルト値は 60 です。有効な設定範囲は、1から32,767です。

[-c compression-threshold]

このオプションは、ワークステーション・クライアントとハンドラが使用する圧縮しきい値を決定します。ワークステーション・クライアントとハンドラの間で送信されるバッファは、指定値よりも大きいときにはすべて圧縮されます。このパラメータのデフォルト値は 2,147,483,647 であり、許容範囲が 0 から 2,147,483,647 なので圧縮されないということを意味します。

[-k compression-threshold]

これは、USL France または ITI のクライアントの BEA Tuxedo リリース 6.2 より前のバージョン向けの特別な圧縮オプションです。この条件が適用される場合は、-c オプションで圧縮しきい値を部分的にコントロールし、他は -k オプションでコントロールします。複数の WSL/WSH の組を容認します。-k オプションは、-c オプションと同じように機能します。

[-K {client | handler | both | none}]

-K オプションは、clienthandler、または both に対してネットワーク keep-alive 機能をオンにできます。none を指定すれば、クライアントとハンドラの両方に対してこのオプションをオフにできます。

[-z [0 | 40 | 56 | 128]]

このオプションは、ワークステーション・クライアントとワークステーション・ハンドラ間でネットワーク・リンクを確立する際に必要な暗号化の最小レベルを指定します。0 は暗号化を行わないことを示します。4056、および 128 は暗号化キーの長さをビット単位で指定します。ここで指定する最小レベルの暗号化が満たされない場合、リンクの確立は失敗します。デフォルト値は "0" です。このオプションは、国際版または米国/カナダ版の BEA Tuxedo セキュリティ・アド・オン・パッケージがインストールされている場合にのみ使用できます。

注記 リンク・レベル暗号化の値の 40 ビットは、後方互換性を維持するために提供されています。

[-Z [0 | 40 | 56 | 128]]

このオプションは、ワークステーション・クライアントとワークステーション・ハンドラ間でネットワーク・リンクを確立する際に許可される暗号化の最大レベルを指定します。0 は暗号化を行わないことを示します。4056、および 128 は暗号化キーの長さをビット単位で指定します。デフォルト値は "128" です。このオプションは、国際版または米国/カナダ版の BEA Tuxedo セキュリティ・アド・オン・パッケージがインストールされている場合にのみ使用できます。

注記 リンク・レベル暗号化の値の 40 ビットは、下位互換性を維持するために提供されています。

[-H external-netaddr]

WSH プロセスの周知のアドレス・テンプレートとして使用される完全ネットワーク・アドレスを指定します。このアドレスは、ワークステーション・クライアントが WSH プロセスに接続するのに使用する周知のネットワーク・アドレスを生成するために、WHS ネットワーク・アドレスと組み合わされます。このパラメータの形式は、ほぼ -n オプションと同じです。異なる点は、組み合わされたネットワーク・アドレスの位置がWSH ネットワーク・アドレスからコピーされることを示すために、ポート番号を同じ長さの文字 M で置き換えている点です。たとえば、アドレス・テンプレートが 0x0002MMMMdddddddd で WSH ネットワーク・アドレスが 0x00021111ffffffff のときは、周知のネットワーク・アドレスは 0x00021111dddddddd です。アドレス・テンプレートが "//" で始まるときは、ネットワーク・アドレス・タイプは IP 対応であり、WSH ネットワーク・アドレスの TCP/IP ポート番号は、ネットワーク・アドレスを組み合わせるためにアドレス・テンプレートへとコピーされます。この機能は、ワークステーション・クライアントがネットワーク・アドレス変換を実行するルータを通じて WSH に接続したいときに役立ちます。

[-N network-timeout]

ネットワーク・タイムアウト・オプションでは、ワークステーション・クライアントがネットワークからデータを受信する際に Tuxedo 操作を待機状態にできる期間を秒単位で設定できます。この期間を超えると、操作は失敗してクライアントはアプリケーションから切断されます。0 (ゼロ) は、タイムアウトがないことを示します。これが省略時の設定です。注意:この設定値が低すぎると、切断が発生しすぎる可能性があります。

たとえば、MAXWSCLIENTS の値がゼロの場合など、WSL がワークステーション・クライアントをサポートするのを妨げるどんなコンフィギュレーションも、ブート時に WSL を異常終了させます。

移植性

WSL は、サポートされているすべてのサーバ・プラットフォーム上で動作する、BEA Tuxedo システム提供のサーバとしてサポートされています。

相互運用性

WSL は、相互運用性があるアプリケーションで実行できますが、BEA Tuxedo リリース 4.2 以降のノード上で実行する必要があります。

使用例

*SERVERS 
WSL SRVGRP="WSLGRP" SRVID=1000 RESTART=Y GRACE=0
CLOPT="-A -- -n 0x0002ffffaaaaaaaa -d /dev/tcp"
WSL SRVGRP="WSLGRP" SRVID=1001 RESTART=Y GRACE=0
CLOPT="-A -- -n 0x0002aaaaffffffff -d /dev/tcp -H 0x0002MMMMdddddddd"
WSL SRVGRP="WSLGRP" SRVID=1002 RESTART=Y GRACE=0
CLOPT="-A -- -n //hostname:aaaa -d /dev/tcp -H //external_hostname:MMMM"

関連項目

buildwsh(1)servopts(5)UBBCONFIG(5)

『BEA Tuxedo アプリケーションの設定』

『BEA Tuxedo アプリケーション実行時の管理』

『C 言語を使用した BEA Tuxedo アプリケーションのプログラミング』

 

先頭へ戻る 前のトピックへ