9 リカバリ・アプライアンス・ソフトウェアのインストール

この章では、リカバリ・アプライアンス・ソフトウェアをインストールする手順について説明します。内容は次のとおりです。

ノート:

リカバリ・アプライアンス・ソフトウェアは、Recovery Applianceハードウェアにインストールされている場合にのみサポートされます。ソフトウェアのライセンスについては、「Zero Data Loss Recovery Applianceライセンス情報ユーザー・マニュアル」を参照してください。

インストレーション・ソフトウェアについて

次のユーティリティを使用してリカバリ・アプライアンス・ソフトウェアをインストールします。

  • ra_preinstall.pl: 初期チェックを実行し、新規インストールおよびアップグレードのためにリカバリ・アプライアンスの準備をします。このスクリプトはZero Data Loss Recovery Applianceソフトウェア更新12.1.1.1.7で導入されました。詳細は、Zero Data Loss Recovery Applianceのアップグレードおよびパッチ適用(ドキュメントID 2028931.1)を参照してください。

  • install.sh: Oracle Exadata Deployment Assistantで生成されたファイルを使用して、ネットワーク、Oracle Databaseおよびその他のソフトウェア・コンポーネントを構成します。

    「Deployment Assistantの使用」で使用するためのOracle Exadata Deployment Assistantが含まれるOneCommand ZIPファイルにも、このスクリプトが含まれます。このスクリプトは、リカバリ・アプライアンスと同じネットワーク上のどのシステムからも実行できます。一部のプラットフォームではinstall.cmdが使用されます。

  • racli: リカバリ・アプライアンス・ソフトウェアをインストールします。racliは、リカバリ・アプライアンス計算サーバーへのログイン中に実行する必要があり、同じネットワーク上の別のサーバーからは実行できません。

ノート:

再インポートやXMLの再生成など、デプロイメント構成ファイルが変更されるたびに、install.shを実行する前にra_preinstall.plを再度実行します。

ソフトウェアをインストールするための前提条件

ソフトウェアのインストールを開始する前に、次の手順が完了していることを確認してください。

  • Oracle Exadata Deployment Assistantを使用して構成ファイルを生成しました。「Deployment Assistantの使用」を参照してください。

  • インストール・ファイルをOneCommandインストール・ディレクトリ配下のWorkDirディレクトリ内に集約しました。(OneCommandインストール・ディレクトリとは、linux-x64など、OneCommand ZIPファイルを展開するディレクトリです。)OneCommandのインストール・ディレクトリの詳細は、unresolvable-reference.htmlを参照してください。インストール・ファイルのリストについては、My Oracle Support Doc ID 1927416.1を参照してください。

  • checkipスクリプトが、エラーを残すことなく正常に実行されました。unresolvable-reference.htmlを参照してください。

  • マルチラック設置のすべてのラックが配線されています。「複数の ラックを使用したリカバリ・アプライアンスの拡張」を参照してください。

  • すべての新規ラックのすべてのコンポーネントが構成されています。「リカバリ・アプライアンス・ラックの構成」を参照してください。

  • Oracle Management Serverがリカバリ・アプライアンスと同じネットワーク上で動作しています。

  • すべての計算サーバーでディスク領域を再利用します。「計算サーバーでのディスク領域の再利用」を参照してください。

  • Oracleテープ・ライブラリがインストールされ、稼働しています。テープ・ライブラリはリカバリ・アプライアンスのオプション・コンポーネントです。

ラックの既存ラックへの追加について

新しいリカバリ・アプライアンス・ラックを旧ラックに追加する際、ファクトリ・インストール・イメージは一般的に異なります。旧ラックを新しいイメージに更新するか、旧バージョンを保持して、それに合うように新規ラックを再イメージ化することができます。どちらの場合でも、すべてのサーバーとすべてのSun Datacenter InfiniBand Switch 36スイッチは同じパッチ・レベルである必要があります。

新規ストレージ・サーバーの既存ラックへの追加について

パッチ適用の追加の考慮事項には、グリッド・インフラストラクチャ、データベース・ホーム・リリースおよびバンドル・パッチ更新が含まれます。ソフトウェアのインストールで新しいパッチが適用される場合は、拡張手順の一部として新しいサーバーがリリースを継承するように、既存のサーバーを変更することをお薦めします。この方法では、パッチを必要とするサーバーの数は少なくなります。拡張作業のスケジュール設定時に既存のサーバーが目的のレベルになり、それにより拡張に必要な作業量が減少するように、パッチを既存のサーバーに事前に適用してください。

計算サーバーでのディスク領域の再利用

リカバリ・アプライアンス・ソフトウェアをインストールする前に、各計算サーバーでreclaimdisksスクリプトを実行する必要があります。このスクリプトは、ボリューム構成をチェックし、リカバリ・アプライアンスの容量をすべて正しく再割当てします。ディスク領域を再利用すると、ディスク・コントローラ・レベルのRAID-5構成の4枚のディスクにLinuxシステムが変換されます。

計算サーバーでディスクを構成するには、次のステップを実行します。

  1. rootユーザーとして、計算サーバーにログインします。
  2. /opt/oracle.SupportToolsディレクトリに変更します。
  3. ディスク再利用プロセスを開始します。
    # ./reclaimdisks.sh -free -reclaim
    

    このコマンドによって、事前構成されたディスクが解放され、次回のブートでのLinuxに対するすべての空きディスクの再利用がスケジュールされ、リカバリ・アプライアンスが再起動されます。プロセスが完了するまでに2時間かかる場合があります。

    注意:

    リカバリ・アプライアンスの再起動や、再利用プロセスの中断はしないでください。

  4. Linux構成を検証します。
    ./reclaimdisks.sh -check
    

    出力結果の最後の行は、次のようになります。

    [INFO]  Valid single boot configuration found for Linux: RAID5 from 4 disks
     with no global and dedicated hot spare disks
    Valid. Booted: Linux. Layout: Linux.
    
  5. 他の計算サーバーで、このステップを繰り返します。

リカバリ・アプライアンスでのソフトウェアのインストール

事前作業が完了し、必要なファイルの集約を終えると、ソフトウェアをインストールする準備が整います。

新規リカバリ・アプライアンス・ラックでソフトウェアをインストールするには、次のようにします。

  1. 1台目の計算サーバーにrootとしてログインします。
  2. u01ディレクトリに移動します。
    # cd /u01
    
  3. u01の下に、ra_installという名前のディレクトリを作成します。
    # mkdir ra_install
    
  4. デフォルトのディレクトリ名linux-x64を使用して、Linux版の最新バージョンのOneCommand ZIPファイルを/u01/ra_install/に抽出します。(ZIPファイルは、My Oracle Support Doc ID 1927416.1からダウンロードできます。)
  5. Oracle Exadata Deployment Assistantで生成されたXML構成ファイルを、/u01/ra_install/linux-x64の下にあるExadataConfigurationsサブディレクトリにコピーします。構成ファイルの詳細は、unresolvable-reference.htmlを参照してください。
  6. リカバリ・アプライアンスのインストール前のスクリプトを実行します。
    1. My Oracle Support Doc ID 1927416.1から最新のリカバリ・アプライアンス・パッチ・ファイルを取得し、/u01/ra_install/linux-x64/WorkDirに展開します。
    2. WorkDirディレクトリに移動します。
      # cd /u01/ra_install/linux-x64/WorkDir

      ノート:

      • インストール前のスクリプトはZero Data Loss Recovery Applianceソフトウェア更新12.1.1.1.7以降で使用できます。最新のパッチ・ファイルの詳細は、Zero Data Loss Recovery Applianceのアップグレードおよびパッチ適用(ドキュメントID 2028931.1)を参照してください

      • WorkDirに展開したファイルには、次に進む前に確認する必要のある重要な情報が記載されているreadmeファイル(README.txt)が含まれています。

    3. XML構成ファイルのパスおよびOracle Exadata Deployment Assistantディレクトリを使用してスクリプトを実行します。
      # /usr/bin/perl ra_preinstall.pl --config_xml=/u01/ra_install/linux-x64/ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml 
      --oeda_dir=/u01/ra_install/linux-x64

      ノート:

      install.shがすべてのステップを完了する前に、検証問題またはその他の問題の修正によってOEDA XML構成ファイルを再生成する必要がある場合は、前述の生成されたXMLでra_preinstall.plを実行して、install.shを最初から再起動します。

  7. linux-x64ディレクトリに移動します。
    # cd /u01/ra_install/linux-x64
    
  8. 実行する必要があるステップをリストします。

    この例ではExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xmlというXMLファイルを使用して、installスクリプトがLinuxシステムから実行されます。

    $ ./install.sh -cf ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml -l
    
  9. 最後のステップ(マシンの再保護)以外の各ステップを番号順に実行し、次のステップに進む前にそれぞれのステップが正常に完了していることを確認します。最後のステップでマシンを再保護します。

    この例ではExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xmlというXMLファイルを使用して、ステップ1がLinuxシステムから実行されます。

    $ ./install.sh -cf ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml -s 1
    

    「インストール・ユーティリティのステップについて」を参照してください。

  10. リカバリ・アプライアンスのbinディレクトリに移動します。
    # cd /opt/oracle.RecoveryAppliance/bin
    
  11. racliユーティリティを実行してリカバリ・アプライアンス・ソフトウェアをインストールします。

    このコマンドでは、ソフトウェアのインストールに必要なステップのすべてが、システムおよび構成の設定に基づいて実行されます。

    # ./racli install appliance
    
    あるいは、このコマンドによって、ステップのオプションを使用して各ステップを個別に実行することもできます。ただし、必要なすべてのステップを順番に実行し、各ステップが正常に完了してから次のステップを実行するようにします。次の例では、最初のインストール・ステップのみが実行されます。
    # ./racli install appliance --step=1
    
    各ステップの詳細は、「racli install appliance」を参照してください。

    ノート:

    install applianceコマンドの実行中に問題が発生した場合、Oracleサポート・サービス(http://support.oracle.com)に連絡してください。

  12. linux-x64ディレクトリに戻ります。
    # cd /u01/ra_install/linux-x64
    
  13. install.shユーティリティを使用して最後のステップ(マシンの再保護)を実行し、リカバリ・アプライアンスを保護します。
  14. リカバリ・アプライアンスのインストールを完了するには:
    1. リカバリ・アプライアンス・データベース・ユーザー(rasys)およびのOSBテープ・バックアップ・ユーザー(該当する場合)のデフォルトのパスワードを変更します。

    2. Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用して、エージェントをデプロイし、リカバリ・アプライアンス・ターゲットを検出します。これで、Cloud Controlを使用してリカバリ・アプライアンス環境をモニターおよび管理できます。

      「リカバリ・アプライアンスを管理するためのEnterprise Managerの設定」を参照してください。

    3. VLANタグ付けをリカバリ・アプライアンス収集ネットワークに使用する場合は、VLANタグ付けを構成してテストします。

      手順は、『Enabling 8021.Q VLAN Tagging in Zero Data Loss Recovery Appliance over ingest networks』(ドキュメントID 2047411.1)を参照してください。

    4. Oracleデータベースを登録して、リカバリ・アプライアンスを使用できるようにします。

      Zero Data Loss Recovery Appliance保護データベース構成ガイドを参照してください。

インストール・ユーティリティの構文

installユーティリティには、次の構文があります。

./install.sh -cf config_filename.xml option1 option2...

インストール・ユーティリティのパラメータ

インストール・ユーティリティの構文を使用すると、1つまたは複数のステップを実行したり、エラーが発生した1つ以上のステップを元に戻すことができます。エラーを引き起こした問題を修正したら、ステップを再度実行できます。

表9-1では、各オプションについて説明します。

表9-1 インストール・ユーティリティのオプション

オプション 説明

-cf config_filename.xml

XML構成ファイルを識別します。必須。

-h

スクリプト・オプションを記述します。

-l

XMLファイルに記述された構成に対して、ソフトウェアをインストールおよび構成するために必要なステップをリストします。

-r {n-N | n}

ステップnからN、またはステップnを実行します。

-s n

ステップnを実行します。

-u {n-N | n}

ステップnからN、またはステップnを元に戻します。

インストール・ユーティリティの構文例

次の例では、構文例とサンプル出力を示します。XML構成ファイルはExample_Inc-ra01.xml (linux-x64/ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml)と名付けられます。

このコマンドではユーティリティのヘルプが表示されます。

$ ./install.sh -cf ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml -h
  install.sh -cf <config.xml> -l [options]
  install.sh -cf <config.xml> -s <step #> | -r <num-num>
  install.sh
  ARGUMENTS:
   -l                 List all the steps that exist
   -cf                config file name [Full path please]
   -s <step #>        Run the step # at a time
   -r <num-num>       Run the steps one after the other as long as no errors
                      are encountered
   -u <num-num> | <step#> Undo a range of steps or a particular step
   -h                 Usage
  Version : 14.254.04:00

このコマンドではステップがリストされます。

$ ./install.sh -cf ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml -l
 
1. Validate Configuration File
2. Setup Required Files
3. Create Users
4. Setup Cell Connectivity
5. Verify Infiniband
6. Calibrate Cells
7. Create Cell Disks
8. Create Grid Disks
9. Configure Alerting
10. Install Cluster Software
11. Initialize Cluster Software
12. Install Database Software
13. Relink Database with RDS
14. Create ASM Diskgroups
15. Create Databases
16. Apply Security Fixes
17. Install Exachk
18. Setup ASR Alerting
19. Create Installation Summary
20. Resecure Machine

次の例ではステップ7が実行されます。

./install.sh -cf ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml -s 7
 
 Executing Create Cell Disks
 Check physical disks for errors before creating celldisks..............
 Restarting cell services..................
 Initializing cells..............
 Cleaning cells....................
 Restarting cell services...................
 Creating cell disks.........................
 Creating flashlog on cells..........
 Creating flashcache on cells........
 Successfully completed execution of step Create Cell Disks
]

このコマンドではステップ15が元に戻されます。

$ ./install.sh -cf ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml -u 15
 
 Undoing Create Databases
 Deleting databases...
 Deleting database zdlra
     .
     .
     .

インストール・ユーティリティのステップについて

次の説明では、ソフトウェアのインストールが完了するまでの各ステップについて示します。インストール・スクリプトではサブステップがその実行に従ってリストされます。

ステップ1 構成ファイルの検証

一連のチェックを実行して、現在のネットワーク上の指定クラスタに適した設定が構成ファイルに含まれていることを確認します。

  • ホスト名およびIPアドレスを検証します

  • オペレーティング・システムを検証します

  • クラスタ・ネットワークおよびネットワーク接続を検証します

  • ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)設定を検証します

  • ストレージ・サーバーの物理ディスクを検証します

  • データベース準備用の計算サーバーを検証します

ステップ2 必須ファイルの設定

必須ファイルがアクセス可能なことを確認し、そのファイルを2番目の計算サーバーにコピーして、必要に応じて解凍してから、シンボリック・リンクを作成します。

このステップが失敗した場合は「ソフトウェアをインストールするための前提条件」を参照してください。

ステップ3 ユーザーの作成

クラスタに必要なユーザーおよびグループを作成し、/etc/hostsを更新して、セキュア・シェル(SSH)を設定します。

ステップ4 セル接続の設定

必要に応じてcellip.oracellinit.oraおよびcellaffinityなどの、他のステップで使用される様々なファイルを生成します。

ステップ5 InfiniBandの検証

InfiniBandファブリックで一連のチェックを実行して、計算サーバー、ストレージ・サーバーおよびInfiniBandスイッチが正しく配線されていることを確認します。

エラーが発生すると、診断ZIPファイルが生成されます。このステップの出力にはこのファイルの場所が含まれています。

ステップ6 セルの測定

Oracle DatabaseのI/O測定機能を使用して、ストレージ・サブシステムのI/O機能を評価します。

ステップ7 セル・ディスクの作成

セル・ディスクを作成してから、各セルでフラッシュ・ログおよびフラッシュ・キャッシュを作成することが含まれる、一連のステップをストレージ・サーバー・ディスクで実行します。

ステップ8 グリッド・ディスクの作成

クラスタのグリッド・ディスクを作成します。

このリリースでは、追加的な手作業でこのステップに従う必要があります。

ステップ9 アラートの構成

問題発生時にアラートを送信できるように、ストレージ・サーバーで電子メールを構成します。

ステップ10 クラスタ・ソフトウェアのインストール

Oracle Databaseユーティリティを使用してグリッド・ディスク識別子を取得してから、クラスタウェア・インストーラを実行します。必要に応じて、ソフトウェアにパッチが適用されます。

ステップ11 クラスタ・ソフトウェアの初期化

レプリケーション・ネットワークが構成中の場合、このステップではそのシングル・クライアント・アクセス名(SCAN)および仮想IP (VIP)が作成されます。次に、クラスタが初期化されます。

ステップ12 データベース・ソフトウェアのインストール

両方の計算サーバーで、Oracle Databaseソフトウェアをインストールして、Oracle Databaseホーム・ディレクトリを作成します。必要に応じて、ソフトウェアにパッチも適用されます。

このリリースでは、追加的な手作業でこのステップに従う必要があります。

ステップ13 データベースのRDSとの再リンク

Oracle Databaseを高信頼性データグラム・ソケット(RDS)と再リンクします。

ステップ14 ASMディスク・グループの作成

グリッド・ディスク識別子を取得して、自動ストレージ管理(ASM)ディスク・グループを作成します。

ステップ15 データベースの作成

両方の計算サーバーで、リカバリ・アプライアンス・カタログを作成します。

ステップ16 セキュリティ修正の適用

クラスタ・ソフトウェアを再起動してセキュリティ・パラメータを設定し、必要に応じてturboモードを有効にします。

ステップ17 Exachkのインストール

リカバリ・アプライアンスにexachkユーティリティをインストールします。ユーティリティの詳細は、My Oracle SupportドキュメントID 1070954.1を参照してください。

ステップ18 ASRアラートの設定

自動サービス・リクエスト(ASR)をインストールして構成します。オプションです。

このステップでは次の作業が行われます。

  • 必要なソフトウェア・パッケージをインストールします

  • トラップ送信先を構成します

  • モニタリング・デーモンを開始します

ステップ19 インストレーション・サマリーの作成

システム詳細を取得し、ストレージ・サーバーを測定して、サマリーXMLレポートを生成します。このステップの出力にはこのファイルの場所が含まれています。

ステップ20 マシンのレスキュー

デフォルト・パスワードをカスタム・パスワードに置き換えます。

リカバリ・アプライアンスを管理するためのEnterprise Managerの設定

Enterprise ManagerでRecovery Applianceを管理できるようにするには、管理エージェントを各計算サーバーにデプロイし、リカバリ・アプライアンスのターゲットを検出する必要があります。ターゲットには、クラスタ、データベース、リスナー、自動ストレージ管理(ASM)およびアプライアンス自体が含まれます。

Oracleサポート・エンジニアと連携して、この項のタスクを実行してください。

ノート:

Zero Data Loss Recovery Applianceの管理、モニタリング、および保護されたデータベースの管理に必要なプラグインとパッチの詳細は、ドキュメントID 1929507.1を参照してください。

Enterprise Managerエージェントのデプロイ

次のステップを実行し、リカバリ・アプライアンス計算サーバーごとに管理エージェントをデプロイします。

  1. 各計算サーバーで、エージェントのインストール先としてoracle:oinstallが所有するディレクトリを作成します。
  2. リカバリ・アプライアンス・ターゲットを検出および管理する権限を持つユーザーとしてOracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)にログインします。
  3. 「設定」メニューで、「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」「ホスト・ターゲットの追加」の順に選択し、「ホストの追加...」をクリックします。

    「ホスト・ターゲットの追加: ホストとプラットフォーム」ページが表示されます。

  4. 「プラットフォーム」リストから、「すべてのホストで同一」を選択します。
  5. 計算サーバーごとに、「追加」をクリックし、完全修飾されたホスト名を入力し、「プラットフォーム」リストで「Linux x86-64」を選択します。「次へ」をクリックします。

    「ホスト・ターゲットの追加: インストールの詳細」ページが表示されます。

  6. ステップ1で作成したエージェントのインストール・ディレクトリ、エージェントのインストールを所有するユーザーの「名前付き資格証明」およびその他の必要なプロパティを指定し、「次へ」をクリックします。

    「ホスト・ターゲットの追加: 確認」ページが表示されます。

  7. 「エージェントのデプロイ」をクリックし、すべてのリカバリ・アプライアンス計算サーバーへのエージェントのデプロイを開始します。

    「ホストの追加」ページが表示され、「エージェント・デプロイメント・サマリー」セクションのリモート前提条件チェックに関する警告が表示されます。「リモートの前提条件チェックの詳細」セクションには、権限が十分でないためにroot.shスクリプトを実行できなかったことが示されます。これは、後続のステップで修正します。

  8. デプロイメントを再開するには、「続行」をクリックし、「すべてのホスト」を選択します。

    「ホストの追加」ページには、デプロイメントが成功したことを示すメッセージが表示されます。

  9. 画面に表示される手順に従い、計算サーバーごとにroot.shを手動で実行します。
  10. 「ホストの追加」ページに戻り、「終了」をクリックします。

クラスタの検出

次のステップを実行し、リカバリ・アプライアンス・クラスタを検出します。

  1. Cloud Controlの「設定」メニューから、「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」の順に選択します。

    「ターゲットの手動追加」ページが表示されます。

  2. 「ガイド付きプロセスを使用してターゲットを追加」を選択します。
  3. 「ターゲット・タイプ」ドロップダウン・リストで、「Oracleクラスタおよび高可用性サービス」を選択してから「ガイド付きプロセスを使用した追加...」をクリックします。

    「ターゲットの追加: クラスタおよびOracle高可用性サービス」ページが表示されます。

  4. リカバリ・アプライアンス上の計算サーバーのホスト名の1つを入力し、「検索」アイコンをクリックします。

    「ターゲットの選択」ダイアログが表示されます。

  5. ターゲット・ホストを選択して、「選択」をクリックします。
  6. 「ターゲットの検出」をクリックします。
  7. クラスタおよびOracle高可用性サービス・ページで自動的に検出されたクラスタ情報を確認します。リカバリ・アプライアンス・クラスタ上のすべての計算サーバーがクラスタ・ホストのリストに含まれること、および「スキャン名」と「スキャン・ポート」に収集ネットワークの正しく値が表示されていることを確認し、「保存」をクリックします。

    クラスタ・ターゲットが正常に作成されると、「確認」ウィンドウが表示されます。

  8. 確認ウィンドウを閉じます。

クラスタ・データベース・ターゲットの検出

リカバリ・アプライアンス自体を検出する前に、次のステップを実行し、リカバリ・アプライアンス・クラスタ・データベース、リスナーおよびASMターゲットを検出します。

  1. Cloud Controlの「設定」メニューから、「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」の順に選択します。

    「ターゲットの手動追加」ページが表示されます。

  2. 「ガイド付きプロセスを使用してターゲットを追加」を選択します。
  3. 「ターゲット・タイプ」ドロップダウン・リストで、「Oracleデータベース、リスナーおよび自動ストレージ管理」を選択してから「ガイド付きプロセスを使用した追加...」をクリックします。

    「データベース検出: 検索基準」ページが表示されます。

  4. リカバリ・アプライアンス・クラスタ名または計算サーバーの1つのホスト名を基準として使用して検索を実行し、「次へ」をクリックします。

    「データベース検出: 結果」ページが表示され、リカバリ・アプライアンスのクラスタ・データベースがすべての計算サーバー上のASMインスタンスおよびリスナーとともにリストされます。

  5. クラスタ・データベースを選択して、「構成」をクリックします。
  6. 「リスナー・マシン名」フィールドで完全修飾された名前を使用し、「ポート」フィールドで1521を使用するよう設定を変更し、「保存」をクリックします。
  7. クラスタ・データベースのモニタリング資格証明を指定し、「テスト接続」をクリックします。
  8. クラスタASMを選択し、適切なモニタリング資格証明を構成し、「テスト接続」をクリックします。
  9. 「単一インスタンス・データベース」で管理データベース(-MGMTDB)が選択されていないことを確認します。
  10. 管理リスナー(MGMTLSNR)を除くすべてのリスナーを選択し、「次へ」をクリックします。

    「データベース検出: 確認」ページが表示されます。

  11. 情報を確認し、「保存」をクリックし、ターゲットのモニタリングを開始します。
  12. 確認ウィンドウを閉じます。

リカバリ・アプライアンスの検出

リカバリ・アプライアンス・クラスタおよびクラスタ・データベース・ターゲットを検出した後で、リカバリ・アプライアンス・ターゲット自体を検出できます。すべてのEnterprise Managerリカバリ・アプライアンス・ソフトウェアおよびハードウェア管理機能を含む最上位レベルのリカバリ・アプライアンス・ターゲットの検出の一環として、別のリカバリ・アプライアンス・ハードウェア・ターゲットも検出されます。

次のステップを実行し、リカバリ・アプライアンス・ターゲットを手動で検出します。

  1. Cloud Controlの「設定」メニューから、「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」の順に選択します。

    「ターゲットの手動追加」ページが表示されます。

  2. 「ガイド付きプロセスを使用してターゲットを追加」を選択します。
  3. 「ターゲット・タイプ」ドロップダウン・リストで、「リカバリ・アプライアンス」を選択し、「ガイド付きプロセスを使用した追加...」をクリックします。

    リカバリ・アプライアンス・ハードウェアの検出ページが表示されます。

  4. 「新規リカバリ・アプライアンス・ハードウェア・コンポーネントをターゲットとして検出」を選択して、「ターゲットの検出」をクリックします。

    「リカバリ・アプライアンス・ハードウェアの検出: 検出入力」ページが表示されます。

  5. 構成図ファイル(databasemachine.xml)が存在する計算サーバー上のエージェントのURLを指定します。リカバリ・アプライアンス上の計算サーバーのホスト名を使用して、使用する正しい値を検索できます。

    構成図ファイルに関する情報が表示されます。

  6. ホストの資格証明を設定し、「次へ」をクリックします。

    「リカバリ・アプライアンス・ハードウェアの検出: インフィニバンド検出」ページが表示されます。

  7. リカバリ・アプライアンス・ハードウェアの検出ウィザードのすべての後続ページの詳細な指示に従って、ハードウェア・コンポーネントに必要なすべての資格証明を指定します。「確認」ページで、すべてのハードウェア・コンポーネント詳細を確認し、「送信」をクリックします。リカバリ・アプライアンス・ハードウェアを表すデータベース・マシン・ターゲットが、すべてのハードウェア・コンポーネントのターゲットとともに作成されます。

    「ターゲット作成サマリー」ページが表示され、リカバリ・アプライアンス・ハードウェアを表すデータベース・マシン・ターゲットやすべてのハードウェア・コンポーネントのすべてのメンバー・ターゲットなど、作成されるすべてのハードウェア・ターゲットのサマリーが表示されます。

  8. リカバリ・アプライアンス検出の続行をクリックします。

    「リカバリ・アプライアンスの検出: プロパティ」ページが表示されます。

  9. リカバリ・アプライアンスの「ターゲット名」を選択します。リカバリ・アプライアンス・ハードウェア・ターゲット名にはすでに、前述のステップで検出されたターゲット名が入力されています。

    (リカバリ・アプライアンス検出プロセスを完全には完了せずにリカバリ・アプライアンスのハードウェア検出を完了した場合、1つ以上のリカバリ・アプライアンス・ハードウェア・ターゲットが、関連付けられたリカバリ・アプライアンス・ターゲットのない状態のままになることがあります。この場合は、リカバリ・アプライアンスの検出が「ターゲットの手動追加」ページから再び開始されても、検出プロセスはリカバリ・アプライアンス・ハードウェアの検出ウィザードに自動的には進みません。かわりに、プロセスは、関連付けられていないリカバリ・アプライアンス・ハードウェア・ターゲットの選択を可能にするために、「プロパティ」ページに直接進みます。この場合、ハードウェア・ターゲット名は事前に入力されません。「ターゲットの選択」アイコンをクリックして「ターゲットの検索と選択」ポップアップを起動します。これにより、リカバリ・アプライアンス・ターゲットにまだ関連付けられていないリカバリ・アプライアンス・ハードウェア・ターゲットのリストが表示されます。適切なリカバリ・アプライアンス・ハードウェア・ターゲットを選択します。)

  10. 「リカバリ・アプライアンス管理者資格証明」セクションで、リカバリ・アプライアンス・リカバリ・カタログ所有者のデータベース・ユーザー資格証明を指定します。このユーザーは、リカバリ・アプライアンス管理者でもあります。「名前付き」または「新規」資格証明を使用できます。「詳細」をクリックして、資格証明の詳細情報を表示します。
  11. 「リカバリ・アプライアンス・モニタリング資格証明」セクションで、リカバリ・アプライアンスのモニタリングに使用するデータベース・ユーザー資格証明を指定します。必要に応じて、リカバリ・アプライアンス・データベースのモニタリング情報にアクセスするために必要なロールがユーザーに付与されます。また、「基本カタログ・ユーザー資格証明をモニタリング資格証明として使用します。」を選択し、「ユーザー名」および「パスワード」フィールドを無効にすることができます。
  12. 「次へ」をクリックします。

    「リカバリ・アプライアンスの検出: Oracle Secure Backupドメイン」ページが表示されます。

  13. Oracle Secure Backupがリカバリ・アプライアンスにインストールされている場合、「インストール・ホーム」フィールドに「/usr/local/oracle/backup」を入力し、Oracle Secure Backupドメインのモニタリング資格証明を指定します。それ以外の場合、「Oracle Secure Backupドメイン検出のスキップ」を選択します。
  14. 「次へ」をクリックします。

    「リカバリ・アプライアンスの検出: 確認」ページが表示されます。

  15. ターゲット検出の選択内容を確認し、「送信」をクリックします。

    リカバリ・アプライアンス・ターゲットが作成されます。