9 リカバリ・アプライアンス・ソフトウェアのインストール
この章では、リカバリ・アプライアンス・ソフトウェアをインストールする手順について説明します。内容は次のとおりです。
ノート:
リカバリ・アプライアンス・ソフトウェアは、Recovery Applianceハードウェアにインストールされている場合にのみサポートされます。ソフトウェアのライセンスについては、「Zero Data Loss Recovery Applianceライセンス情報ユーザー・マニュアル」を参照してください。
インストレーション・ソフトウェアについて
次のユーティリティを使用してリカバリ・アプライアンス・ソフトウェアをインストールします。
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ra_preinstall.pl
: 初期チェックを実行し、新規インストールおよびアップグレードのためにリカバリ・アプライアンスの準備をします。このスクリプトはZero Data Loss Recovery Applianceソフトウェア更新12.1.1.1.7で導入されました。詳細は、Zero Data Loss Recovery Applianceのアップグレードおよびパッチ適用(ドキュメントID 2028931.1)を参照してください。 -
install.sh
: Oracle Exadata Deployment Assistantで生成されたファイルを使用して、ネットワーク、Oracle Databaseおよびその他のソフトウェア・コンポーネントを構成します。「Deployment Assistantの使用」で使用するためのOracle Exadata Deployment Assistantが含まれるOneCommand ZIPファイルにも、このスクリプトが含まれます。このスクリプトは、リカバリ・アプライアンスと同じネットワーク上のどのシステムからも実行できます。一部のプラットフォームでは
install.cmd
が使用されます。 -
racli
: リカバリ・アプライアンス・ソフトウェアをインストールします。racli
は、リカバリ・アプライアンス計算サーバーへのログイン中に実行する必要があり、同じネットワーク上の別のサーバーからは実行できません。
ノート:
再インポートやXMLの再生成など、デプロイメント構成ファイルが変更されるたびに、install.sh
を実行する前にra_preinstall.pl
を再度実行します。
ソフトウェアをインストールするための前提条件
ソフトウェアのインストールを開始する前に、次の手順が完了していることを確認してください。
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Oracle Exadata Deployment Assistantを使用して構成ファイルを生成しました。「Deployment Assistantの使用」を参照してください。
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インストール・ファイルをOneCommandインストール・ディレクトリ配下の
WorkDir
ディレクトリ内に集約しました。(OneCommandインストール・ディレクトリとは、linux-x64
など、OneCommand ZIPファイルを展開するディレクトリです。)OneCommandのインストール・ディレクトリの詳細は、unresolvable-reference.htmlを参照してください。インストール・ファイルのリストについては、My Oracle Support Doc ID 1927416.1を参照してください。 -
checkip
スクリプトが、エラーを残すことなく正常に実行されました。unresolvable-reference.htmlを参照してください。 -
マルチラック設置のすべてのラックが配線されています。「複数の ラックを使用したリカバリ・アプライアンスの拡張」を参照してください。
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すべての新規ラックのすべてのコンポーネントが構成されています。「リカバリ・アプライアンス・ラックの構成」を参照してください。
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すべての計算サーバーでディスク領域を再利用します。「計算サーバーでのディスク領域の再利用」を参照してください。
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Oracleテープ・ライブラリがインストールされ、稼働しています。テープ・ライブラリはリカバリ・アプライアンスのオプション・コンポーネントです。
ラックの既存ラックへの追加について
新しいリカバリ・アプライアンス・ラックを旧ラックに追加する際、ファクトリ・インストール・イメージは一般的に異なります。旧ラックを新しいイメージに更新するか、旧バージョンを保持して、それに合うように新規ラックを再イメージ化することができます。どちらの場合でも、すべてのサーバーとすべてのSun Datacenter InfiniBand Switch 36スイッチは同じパッチ・レベルである必要があります。
計算サーバーでのディスク領域の再利用
リカバリ・アプライアンス・ソフトウェアをインストールする前に、各計算サーバーでreclaimdisks
スクリプトを実行する必要があります。このスクリプトは、ボリューム構成をチェックし、リカバリ・アプライアンスの容量をすべて正しく再割当てします。ディスク領域を再利用すると、ディスク・コントローラ・レベルのRAID-5構成の4枚のディスクにLinuxシステムが変換されます。
計算サーバーでディスクを構成するには、次のステップを実行します。
インストール・ユーティリティの構文
インストール・ユーティリティのパラメータ
インストール・ユーティリティの構文を使用すると、1つまたは複数のステップを実行したり、エラーが発生した1つ以上のステップを元に戻すことができます。エラーを引き起こした問題を修正したら、ステップを再度実行できます。
表9-1では、各オプションについて説明します。
表9-1 インストール・ユーティリティのオプション
オプション | 説明 |
---|---|
|
XML構成ファイルを識別します。必須。 |
|
スクリプト・オプションを記述します。 |
|
XMLファイルに記述された構成に対して、ソフトウェアをインストールおよび構成するために必要なステップをリストします。 |
|
ステップnからN、またはステップnを実行します。 |
|
ステップnを実行します。 |
-u { |
ステップnからN、またはステップnを元に戻します。 |
インストール・ユーティリティの構文例
次の例では、構文例とサンプル出力を示します。XML構成ファイルはExample_Inc-ra01.xml
(linux-x64/ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml
)と名付けられます。
このコマンドではユーティリティのヘルプが表示されます。
$ ./install.sh -cf ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml -h
install.sh -cf <config.xml> -l [options]
install.sh -cf <config.xml> -s <step #> | -r <num-num>
install.sh
ARGUMENTS:
-l List all the steps that exist
-cf config file name [Full path please]
-s <step #> Run the step # at a time
-r <num-num> Run the steps one after the other as long as no errors
are encountered
-u <num-num> | <step#> Undo a range of steps or a particular step
-h Usage
Version : 14.254.04:00
このコマンドではステップがリストされます。
$ ./install.sh -cf ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml -l
1. Validate Configuration File
2. Setup Required Files
3. Create Users
4. Setup Cell Connectivity
5. Verify Infiniband
6. Calibrate Cells
7. Create Cell Disks
8. Create Grid Disks
9. Configure Alerting
10. Install Cluster Software
11. Initialize Cluster Software
12. Install Database Software
13. Relink Database with RDS
14. Create ASM Diskgroups
15. Create Databases
16. Apply Security Fixes
17. Install Exachk
18. Setup ASR Alerting
19. Create Installation Summary
20. Resecure Machine
次の例ではステップ7が実行されます。
./install.sh -cf ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml -s 7
Executing Create Cell Disks
Check physical disks for errors before creating celldisks..............
Restarting cell services..................
Initializing cells..............
Cleaning cells....................
Restarting cell services...................
Creating cell disks.........................
Creating flashlog on cells..........
Creating flashcache on cells........
Successfully completed execution of step Create Cell Disks
]
このコマンドではステップ15が元に戻されます。
$ ./install.sh -cf ExadataConfigurations/Example_Inc-ra01.xml -u 15
Undoing Create Databases
Deleting databases...
Deleting database zdlra
.
.
.
インストール・ユーティリティのステップについて
次の説明では、ソフトウェアのインストールが完了するまでの各ステップについて示します。インストール・スクリプトではサブステップがその実行に従ってリストされます。
ステップ1 構成ファイルの検証
一連のチェックを実行して、現在のネットワーク上の指定クラスタに適した設定が構成ファイルに含まれていることを確認します。
-
ホスト名およびIPアドレスを検証します
-
オペレーティング・システムを検証します
-
クラスタ・ネットワークおよびネットワーク接続を検証します
-
ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)設定を検証します
-
ストレージ・サーバーの物理ディスクを検証します
-
データベース準備用の計算サーバーを検証します
ステップ2 必須ファイルの設定
必須ファイルがアクセス可能なことを確認し、そのファイルを2番目の計算サーバーにコピーして、必要に応じて解凍してから、シンボリック・リンクを作成します。
このステップが失敗した場合は「ソフトウェアをインストールするための前提条件」を参照してください。
ステップ3 ユーザーの作成
クラスタに必要なユーザーおよびグループを作成し、/etc/hosts
を更新して、セキュア・シェル(SSH)を設定します。
ステップ4 セル接続の設定
必要に応じてcellip.ora
、cellinit.ora
およびcellaffinity
などの、他のステップで使用される様々なファイルを生成します。
ステップ5 InfiniBandの検証
InfiniBandファブリックで一連のチェックを実行して、計算サーバー、ストレージ・サーバーおよびInfiniBandスイッチが正しく配線されていることを確認します。
エラーが発生すると、診断ZIPファイルが生成されます。このステップの出力にはこのファイルの場所が含まれています。
ステップ6 セルの測定
Oracle DatabaseのI/O測定機能を使用して、ストレージ・サブシステムのI/O機能を評価します。
ステップ7 セル・ディスクの作成
セル・ディスクを作成してから、各セルでフラッシュ・ログおよびフラッシュ・キャッシュを作成することが含まれる、一連のステップをストレージ・サーバー・ディスクで実行します。
ステップ8 グリッド・ディスクの作成
クラスタのグリッド・ディスクを作成します。
このリリースでは、追加的な手作業でこのステップに従う必要があります。
ステップ9 アラートの構成
問題発生時にアラートを送信できるように、ストレージ・サーバーで電子メールを構成します。
ステップ10 クラスタ・ソフトウェアのインストール
Oracle Databaseユーティリティを使用してグリッド・ディスク識別子を取得してから、クラスタウェア・インストーラを実行します。必要に応じて、ソフトウェアにパッチが適用されます。
ステップ11 クラスタ・ソフトウェアの初期化
レプリケーション・ネットワークが構成中の場合、このステップではそのシングル・クライアント・アクセス名(SCAN)および仮想IP (VIP)が作成されます。次に、クラスタが初期化されます。
ステップ12 データベース・ソフトウェアのインストール
両方の計算サーバーで、Oracle Databaseソフトウェアをインストールして、Oracle Databaseホーム・ディレクトリを作成します。必要に応じて、ソフトウェアにパッチも適用されます。
このリリースでは、追加的な手作業でこのステップに従う必要があります。
ステップ13 データベースのRDSとの再リンク
Oracle Databaseを高信頼性データグラム・ソケット(RDS)と再リンクします。
ステップ14 ASMディスク・グループの作成
グリッド・ディスク識別子を取得して、自動ストレージ管理(ASM)ディスク・グループを作成します。
ステップ15 データベースの作成
両方の計算サーバーで、リカバリ・アプライアンス・カタログを作成します。
ステップ16 セキュリティ修正の適用
クラスタ・ソフトウェアを再起動してセキュリティ・パラメータを設定し、必要に応じてturboモードを有効にします。
ステップ17 Exachkのインストール
リカバリ・アプライアンスにexachk
ユーティリティをインストールします。ユーティリティの詳細は、My Oracle SupportドキュメントID 1070954.1を参照してください。
ステップ18 ASRアラートの設定
自動サービス・リクエスト(ASR)をインストールして構成します。オプションです。
このステップでは次の作業が行われます。
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必要なソフトウェア・パッケージをインストールします
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トラップ送信先を構成します
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モニタリング・デーモンを開始します
ステップ19 インストレーション・サマリーの作成
システム詳細を取得し、ストレージ・サーバーを測定して、サマリーXMLレポートを生成します。このステップの出力にはこのファイルの場所が含まれています。
ステップ20 マシンのレスキュー
デフォルト・パスワードをカスタム・パスワードに置き換えます。
リカバリ・アプライアンスを管理するためのEnterprise Managerの設定
Enterprise ManagerでRecovery Applianceを管理できるようにするには、管理エージェントを各計算サーバーにデプロイし、リカバリ・アプライアンスのターゲットを検出する必要があります。ターゲットには、クラスタ、データベース、リスナー、自動ストレージ管理(ASM)およびアプライアンス自体が含まれます。
Oracleサポート・エンジニアと連携して、この項のタスクを実行してください。
ノート:
Zero Data Loss Recovery Applianceの管理、モニタリング、および保護されたデータベースの管理に必要なプラグインとパッチの詳細は、ドキュメントID 1929507.1を参照してください。
クラスタ・データベース・ターゲットの検出
リカバリ・アプライアンス自体を検出する前に、次のステップを実行し、リカバリ・アプライアンス・クラスタ・データベース、リスナーおよびASMターゲットを検出します。