16.4 収集の管理

Oracle Trace File Analyzerで構成されたディレクトリと診断収集を管理します。

16.4.1 ディレクトリの指定

Oracle Trace File Analyzerの構成にディレクトリを追加して、そのディレクトリを診断収集に含めます。

これにより、次に関する診断収集のメタデータが格納されます。

  • ディレクトリ

  • サブディレクトリ

  • ディレクトリおよびすべてのサブディレクトリのファイル

すべてのOracle Trace File Analyzerユーザーは、読取りアクセス権を持つディレクトリを追加できます。

ディレクトリを管理する場合:

  1. Oracle Trace File Analyzerで構成された現在のディレクトリを表示するには、次のようにします。
    tfactl print directories [ -node all | local | n1,n2,... ] 
    [ -comp component_name1,component_name2,.. ] 
    [ -policy  exclusions | noexclusions ] 
    [ -permission public | private ]
  2. ディレクトリを追加する場合:
    tfactl directory add dir 
    [ -public ] 
    [ -exclusions | -noexclusions | -collectall ] 
    [ -node all | n1,n2,... ]
  3. ディレクトリを収集対象から除外するには、次のようにします。
    tfactl directory remove dir [ -node all | n1,n2,... ]

16.4.2 収集のサイズの管理

Oracle Trace File Analyzerの構成オプションtrimfilesmaxcorefilesizeおよびmaxcorecollectionsizeと、diagcollect -nocoresを使用して、収集のサイズを縮小します。

収集のサイズを管理するには:

  1. 診断収集中にファイルを切り捨てるには、次のようにします。
    tfactl set trimfiles=ON|OFF
    • ON (デフォルト)に設定すると、Oracle Trace File Analyzerにより、イベントの時間前後のデータが含まれるようにファイルが切り捨てられます。

    • OFFに設定すると、イベント時に書き込まれたすべてのファイルが全体として収集されます。

  2. コア・ファイルの最大サイズをn MB (デフォルトは20MB)に設定するには、次のようにします。
    tfactl set maxcorefilesize=n

    Oracle Trace File Analyzerにより、maxcorefilesizeを超えるコア・ファイルがスキップされます。

  3. コア・ファイルの最大収集サイズをn MB (デフォルトは200MB)に設定するには、次のようにします。
    tfactl set maxcorecollectionsize=n

    maxcorecollectionsizeに達すると、Oracle Trace File Analyzerによりコア・ファイルの収集がスキップされます。

  4. 診断収集でコア・ファイルが収集されないようにするには、次のようにします。
    tfactl diagcollect -nocores

16.4.3 特定のイベントに対する自動診断収集の一時的制限

tfactl blackoutコマンドを使用して、自動診断収集を抑止します。

ターゲットに対してブラックアウトを設定すると、スキャン中にOracle Trace File Analyzerがそのターゲットのアラート・ログでイベントを検出した場合に自動診断収集が停止されます。

また、自動診断収集を詳細レベルで制限することもできます(たとえば、ORA-00600や、特定の引数を持つORA-00600のみ)。

tfactl blackout add -targettype database -target mydb -event "ORA-00600"

イベント"ORA-00600"は、Wed Feb 20 00:20:34 PST 2019 on targettype : database, target : mydbまでブラック・アウトします。

まだ存在していないリソースをブラックアウトすることもできます。たとえば、データベースを作成する際に、プロビジョニングが完了するまでステータスを考慮しない場合は、次のようにします。
  1. 作成しようとしているデータベースをブラックアウトします
  2. データベースを作成します
  3. ブラックアウトを削除します