移行プロセスについて

移行中には、システムにインストールしたOracle Business Intelligenceコンポーネントのメタデータおよび構成を移行します。移行は2ステップのプロセスです。最初のステップでは、読取り専用のOracle Business Intelligenceリリース(11.1.1.9.0以降)からエクスポート・バンドルを作成します。2番目のステップでは、エクスポート・バンドルをOracle Analytics Serverシステムにインポートします。

Oracle Analytics Serverには、既存の機能に対する多くの機能拡張が導入されています。場合によっては、これらの拡張機能で既存の機能を置き換えたり、様々な方法でそれを再実装しています。以前のリリースの既存の機能および構成は、可能なかぎり対応するOracle Analytics Serverシステムに移行されます。Oracle Analytics Serverシステムの外観や動作が異なる場合もありますが、最終的な結果は機能的に同じであると予想されます。

効率的な移行方法により、Oracle Business Intelligence環境からメタデータおよび構成を移行できます。このプロセスの目的は、元のOracle Business Intelligenceシステムの外観および動作をOracle Analytics Server環境で正確に再現することではありません。Oracle Business Intelligenceの外観および動作を再現することは不可能ではありませんが、時間がかかり、困難を伴う場合があります。たとえば、ダッシュボードおよびプロンプトはOracle Analytics Serverでは異なって表示され、Oracle Business Intelligenceの外観を再現するには、大量の人手の介入が必要になります。また、Oracle Analytics Serverへの移行を推進する理由、つまり、Oracle Analytics Serverで導入された拡張機能を利用することに支障をきたします。

ノート:

エクスポート・プロセスは読取り専用です。データ、構成または既存のバイナリは、ソース・システムで変更も削除もされません。エクスポート中、メタデータおよび構成(特にデータ・モデルおよび接続プール)、カタログ・コンテンツおよびセキュリティ・ストア認可ポリシーは保持されます。次を再構成する必要があります。
  • WebLogic認証の構成

    WebLogicでは、Oracle Business IntelligenceからOracle Analytics Serverへの移行はサポートされていません。このため、Oracle Analytics Serverのセキュリティ・レルムはOracle Business IntelligenceからOracle Analytics Serverへの移行の一部ではなく、再構成する必要があります。ユーザーとグループが外部LDAPに存在する場合、その外部LDAPを指し示すようにOracle Analytics Serverを構成する必要があります。Oracle Business IntelligenceのユーザーがWebLogic LDAPでホストされていた場合、WebLogic Serverを使用して、ユーザーをOracle Business IntelligenceからOracle Analytics ServerのWebLogic LDAPにエクスポートできます。ただし、Oracle Analytics ServerではBIシステム・ユーザーはサポートされません。そのため、BIシステム・ユーザーは、Oracle Analytics Serverシステムへのインポート後に削除する必要があります。

  • 中間層データベース・コンテンツ(Publisherスケジュール、エージェントのジョブ履歴、スコアカード注釈および使用状況トラッキング表)

    エージェントは、無効化された状態でOracle Business IntelligenceからOracle Analytics Serverに移行されます。移行後にそれらを再有効化する必要があります。エージェントを再度有効にすると、スケジューラ・データベースにエントリが再作成されます。ただし、エージェントの履歴はOracle Business IntelligenceからOracle Analytics Serverに移行されません。使用状況トラッキングも再構成する必要がああります。

  • TimesTen集計、グローバル・キャッシュ、必要なデータベース・スキーマ、データ、アウトライン、ルール、計算などのアプリケーション固有のデータ、

インポート・プロセスはオフラインです。インポート中、メタデータ・コンテンツは指定されたサービス・インスタンスをカスタマイズするようにデプロイされ、既存の構成設定を上書きします

次のコンポーネントが移行されます。
  • Oracle BIサーバー: これにはNQSConfig.INIおよびopmn.xmlファイルが含まれます。

  • Oracle BIプレゼンテーション・サービス: これにはinstanceconfig.xmlファイルが含まれます。

  • Oracle Analytics Publisher: これには、scanner.xml、xdo.cfg、xmlp-server-config.xml、datasources.xml、xdodelivery.cfg、cupsprinters.cfgの各ファイル、MapディレクトリおよびPluginsディレクトリが含まれます。

次のメタデータが移行されます。

  • コンテンツ(Oracle BIプレゼンテーション・サービス・カタログ)、データ・モデル(.RPDファイル)、および保護している認可ポリシー(Java AuthoriZatioN (JAZN))。

opmn.xmlファイルに含まれている次のOPMNプロパティは、構成の移行中にOracle Analytics Serverに移行されません。
  • obips
  • obiccs
  • obijh
  • obisch

ただし、OBISプロパティは移行されます。

ノート:

移行プロセス中および移行プロセス完了後も、Oracle Business Intelligenceシステムはそのまま残ります。

表3-1に、Oracle Business IntelligenceからOracle Analytics Serverに移行するために実行する必要があるステップの概要を示します。

表3-1 Oracle Business IntelligenceからOracle Analytics Serverに移行するためのタスク

タスク 説明

必須

このガイドの概要に関するトピックを再確認して、アップグレード前のタスクを完了します(まだ実行していない場合)。

アップグレード前タスクには、ご使用の本番環境のクローニング、システム要件および資格証明の確認、未使用データのパージおよび非SYSDBAユーザーの作成が含まれます。

アップグレード前のタスクの完全なリストは、「アップグレード前の要件」を参照してください。

必須

Oracle Business IntelligenceからOracle Analytics Serverへの移行の前提条件を確認します。

メタデータおよび構成をOracle Analytics Serverに移行する前に、必要な要件を満たしていることを確認します。さらに、Oracle Business Intelligenceシステムを分析して、冗長なコンテンツを削除し、類似コンテンツをマージして統合することによって最適化します。詳細は、移行の前提条件を参照してください。

必須

Fusion MiddlewareインフラストラクチャとOracle Analyticsサーバーのディストリビューションをダウンロードしてインストールします。

Infrastructureのディストリビューションには、その他のFusion Middleware製品をインストールするための基盤の設定に必要な、WebLogic ServerおよびJava Required Files (JRF)が同梱されています。

このガイドのアップグレード・トポロジに定義されているように、インフラストラクチャは新規のOracleホームにインストールする必要があります。

製品ディストリビューションをインストールするには、「製品ディストリビューションのインストール」で説明されている手順に従ってください。

必須

Oracle Analytics Serverの必要なスキーマを作成します。

作成するスキーマは、既存のスキーマ構成によって異なります。

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してスキーマを作成するには、Oracle Analyticsサーバーの必要なスキーマの作成を参照してください。

必須

Oracle Analytics Serverドメインを構成します。

Configuration Assistantを使用してOracle Analytics Serverドメインを構成するには、Configuration Assistantを使用したOracle Analytics Serverドメインの構成を参照してください。

必須

サーバーとプロセスを停止します

移行を開始する前に、Oracle Analytics Serverインスタンス、OBIS1、OBIPS1、管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャを停止する必要があります。手順の詳細は、「サーバーとプロセスの停止」を参照してください。

必須

Oracle Business Intelligenceのリリースに応じて、適切な移行ツールを使用します。

  • Oracle Business Intelligence 11gから移行するには、BI移行スクリプト(migration-tool.sh|cmd)を使用して、BI移行ツールのjarファイルを生成する必要があります。手順の詳細は、「BI移行ツール(bi-migration-tool.jar)の生成」を参照してください。
  • Oracle Business Intelligence 12cから移行するには、(Linux)12c_DOMAIN_HOME\bitools\bin\フォルダまたは(Windows)12c_DOMAIN_HOME/bitools/bin/フォルダに移動して、Oracle Business Intelligenceリリースに固有のエクスポート・コマンドを使用します。

必須

エクスポート・バンドルを作成します。

エクスポート・バンドルは、Oracle Business Intelligenceホームからのメタデータ情報で構成されます。

必須

エクスポート・バンドルをOracle Analytics Serverにインポートします。

エクスポート・バンドルをOracle Analytics Serverにインポートする必要があります。

必須

サーバーおよびプロセスを起動します。

Oracle Analytics Server、OBIS1、OBIPS1、管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャを起動するには、サーバーおよびプロセスの起動を参照してください。

必須

移行後のステップを完了します。

Oracle Analytics Serverの移行後のステップは、移行後のタスクを参照してください。

Oracle Analytics Publisherの移行後のステップは、「Oracle Analytics Publisherの移行後のタスク」を参照してください。