式での関数の使用
Essbase関数は、ブロック・ストレージ・キューブで使用可能な事前定義された計算ルーチンです。特殊な計算を実行し、メンバーのセットまたはデータ値を戻します。
アウトライン式では、次のタイプの関数を使用できます:
表18-2 関数タイプのリスト
関数のタイプ | 説明 |
---|---|
ブール |
TRUE (1)またはFALSE (0)値を戻して、条件付きテストを可能にします。 たとえば、@ISMBR関数を使用して、現在のメンバーが指定したメンバーのいずれかと一致するかどうかを判断できます。 「条件付きテスト」を参照してください。 |
算術 |
特殊な数学計算を実行します。 たとえば、@AVG関数を使用して、メンバーのリストの平均値を戻すことができます。 「算術演算」を参照してください。 |
関係 |
計算中に、データベース内のデータ値を検索します。 たとえば、@ANCESTVAL関数を使用して、指定したメンバーの組合せの祖先の値を戻すことができます。 メンバー関係関数を参照してください。 |
範囲 |
別の関数またはコマンドに対する引数として、メンバーの範囲を宣言します。 たとえば、@SUMRANGE関数を使用して、特定の範囲内のすべてのメンバーの合計を戻すことができます。 「範囲関数」を参照してください。 |
財務 |
特殊な財務計算を実行します。 たとえば、@INTEREST関数を使用して単利を計算でき、@PTD関数を使用して期間累計値を計算できます。 「財務関数」を参照してください。 |
メンバーのリストおよび範囲の指定 |
複数のメンバー、または一定の範囲のメンバーを指定します。 たとえば、@ISMBR関数は、現在計算中のメンバーがリストまたは範囲で指定したメンバーと一致しているかどうかをテストできます。 「メンバーのリストおよび範囲の指定」を参照してください。 |
メンバー・リストの生成 |
指定したメンバーに基づいてメンバーのリストを生成します。 たとえば、@ICHILDREN関数を使用して、指定したメンバーとその子を戻すことができます。 「メンバー・リストの生成」を参照してください。 |
文字列の操作 |
メンバー名およびディメンション名の文字列を操作します。 たとえば、名前に接頭辞を追加したり、名前から接尾辞を削除したり、文字列として名前を渡してメンバー名を生成することができます。 「メンバー名の操作」を参照してください。 |
ディメンション間にわたるメンバーの組合せ |
ディメンション間演算子(->)を使用して、特定のメンバー組合せのデータ値を指し示します。 「ディメンションをまたぐメンバーの組合せの操作」を参照してください。 |
相互依存値 |
同じディメンションのメンバーの値を必要とするが、必要な値がまだ計算されていない式のためのものです。 「相互依存値」を参照してください。 |
差異および差異のパーセンテージ |
予算値と実績値との差異または差異のパーセンテージを計算します。 「実績値と予算値の差異」を参照してください。 |
割当て |
親レベルで入力される値を、子メンバー全体に割り当てます。同じディメンション内で、または複数のディメンションにわたって値を割り当てることができます。 たとえば、@ALLOCATE関数を使用して、親レベルで入力した売上の値を親の子に割り当てることができ、各子の割当ては前年の売上の占有率によって決まります。 「値を割り当てる関数」を参照してください。 |
予測 |
データの平滑化、データの補間または将来の値の計算を目的として、データを操作します。 たとえば、@TREND関数を使用して、実測値に対する曲線当てはめに基づいて将来の値を計算できます。 「予測関数」を参照してください。 |
統計 |
高度な統計を計算します。たとえば、@RANK関数を使用して、データ・セット内で指定したメンバーまたは指定した値のランクを計算できます。 「統計関数」を参照してください。 |
日付と時刻 |
計算式において日付や時刻の属性を使用します。 たとえば、@TODATE関数を使用して、日付文字列を計算式で使用できる数値に変換できます。 日付と時刻関数を参照してください。 |
計算モード |
Essbaseで式の計算に使用される計算モード(セル、ブロック、ボトムアップ、トップダウン)を指定します。 計算モード関数を参照してください。 |
カスタム定義 |
このタイプを使用すると、計算操作用に開発した関数を実行できます。これらのカスタム開発関数は、Javaプログラミング言語で記述され、計算機フレームワークによって外部関数として呼び出されます。 |
ノート:
関数の省略形はサポートされていません。一部のコマンドは省略形式でも機能しますが、類似した名前の別の関数が存在する場合、Essbaseで誤った関数が使用される場合があります。正しい結果が確実に得られるように、完全な関数名を使用してください。