AHFリリース23.4

Oracle Database Appliance (ODA)および汎用Oracle RACシステムに関するインサイト

AHFインサイトは、以前のExadataのサポートに加えて、ODAおよび汎用Oracle RACシステムで実行されるようになりました。

AHFインサイトは、システム全体の概観を提供します。リッチ・インタフェースにより次の内容が表示されます。

  • 環境トポロジ
  • 構成
  • データベースおよびシステム・カーネル・パラメータ
  • 推奨RUを含むコンプライアンス管理およびドリフト追跡
  • イベントのシーケンスのタイムライン
  • システム・メトリックの異常を視覚的に強調表示
  • 一部の異常なケースにおける問題の根本原因と修正

19.3より前のシステムのオペレーティング・システム情報はサポートされていません。

AHFインサイト・レポートは、ahf analysis create --type insightsコマンドを使用して生成できます。

AHFインサイトを開始するには、「AHFインサイトの概要」を参照してください。

システム・レベル変更の追跡およびレポート

tfactl changesコマンドは、次の領域のシステム・レベルの変更をレポートするように拡張されました。

  • デフォルト以外の値に設定されたOracle Databaseパラメータ
  • Oracleホームのインストール
  • Oracleホーム・パッチのインストール
  • Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのインストールに関連するオペレーティング・システム・パラメータ
  • オペレーティング・システムのパッチ

コマンド出力によって、現在の値と以前の値の両方が表示されます。-jsonオプションを追加することで、変更結果をJSON形式で生成することもできます。変更はデフォルトによりノード単位で報告されますが、-nodeオプションを使用して制御できます。最大30日の期間に限定して出力します。

詳細は、「tfactl changes」を参照してください。

tfactlコマンドのオプションとしてのJSONペイロードのサポート

クラウド操作では、OneViewインタフェースにOracle Trace File Analyzer収集を簡単にリクエストでき、クラウド・エージェント・コードの変更をリクエストせずに新しいAHF収集機能をサポートできる必要があります。

JSONを使用して、すべてのtfactlコマンドの引数のリストを提供できるようにすることで、JSONはリクエスタによって構築でき、クラウド・エージェントを介してAHFに容易に渡すことができます。

新しい収集オプションは、クラウド・エージェント・コードの変更をリクエストしなくても、初期リクエストですぐにサポートできます。

この機能は、指定されたjsonを抽出し、現在のtfactlコマンドライン・インタフェースにコールインするように拡張します。

診断収集のステータスを理解するための新しいオプション

新しいtfactl print collections -statusオプションが追加され、AHF診断収集が成功、失敗またはまだ実行中の場合、そのステータスを把握できます。

tfactl print collectionsコマンドが拡張されており、次の3つの新しいオプションが提供されます。
  • tfactl print collections -status FAILED: 失敗した収集を出力します。
  • tfactl print collections -status QUEUED: キューに入っておりまだ開始していない収集を出力します。
  • tfactl print collections -status COMPLETED: 完了した収集を出力します。

詳細は、「tfactl print」を参照してください。

JSON形式で電子メール添付を送信するOracle Orachkのサポート

リリース23.4以降、Oracle Orachkでは、電子メール添付をHTMLではなくJSON形式で送信できます(指定した場合)。

-attachment_typeオプションを使用するか、RAT_ATTACHMENT_TYPE環境変数を設定して、電子メール添付をJSON形式で送信します。この機能は、次の2つのOracle Orachk電子メール通知方法で使用することを目的としています:

  • -sendemailオプションとともに使用
  • 自動実行でNOTIFICATION_EMAILおよびAUTORUN_FLAGS構成を使用
  • 添付されたJSONファイルに含まれる内容
    • 手動実行の添付には、orachk_summary.jsonおよびorachk_valid_results.jsonファイルが含まれます。
    • スケジュールされた実行の場合、diff JSONファイルも前述のファイルとともに添付されます。
  • 手動実行の添付タイプを指定する方法
    • 次のように-attachment_typeオプションを使用します。
      orachk -sendemail user@domain.com -attachment_type json 
    • または、かわりにRAT環境変数を設定します。
      export RAT_ATTACHMENT_TYPE=json
  • スケジュールされた実行で添付タイプをJSONとして指定する方法
    次のことを実行する必要があります。
    • 対応するautorunエントリのNOTIFICATION_EMAIL値を構成します。次に例を示します:
      orachk -set 'NOTIFICATION_EMAIL=user@domain.com' -id autostart_client
    • 対応するautorunエントリのAUTORUN_FLAGS値を構成します。次に例を示します:
      orachk -set 'AUTORUN_FLAGS=<previous autorun flags> -attachment_type json' -id autostart_client

統合AHFコマンドライン・インタフェースの拡張機能

リリース23.4でAHF CLIに対して加えられた拡張機能のリストを確認します。

  • ahf software get-latest-MRP-level: 最新のMRPレベルを取得して、メタデータを更新する必要があるかどうかを確認します。
    ahf software get-latest-mrp-level
    19.18
        Database: Database MRP 19.18.0.0.230418
        GI      : GI MRP 19.18.0.0.230418
    19.17
        Database: Database MRP 19.17.0.0.230418
        GI      : GI MRP 19.17.0.0.230418

    詳細は、「ahf software」を参照してください。

  • --clusters clu1 clu2 clu3: 分析のAHFバランス・フリート範囲に含めるクラスタのスペース区切りリストを指定します。
    ahf analysis create --type impact --scope fleet --name fleet1 --clusters clu1 clu2 clu3

    詳細は、「ahf analysis」を参照してください。

  • --refresh: AHFインサイト・ソースからの最新データを含む分析レポートを作成します。
    ahf analysis create --type insights --refresh

    詳細は、「ahf analysis」を参照してください。

Oracle OrachkおよびOracle Exachkの新しいベスト・プラクティス・チェック

リリース23.4には、Oracle OrachkおよびOracle Exachkの次の新しいベスト・プラクティス・チェックが含まれています。

Oracle OrachkOracle Exachkの両方に共通するベスト・プラクティス・チェック

  • データベース間のCPU競合に関するAHFバランス・チェック
  • AHF CPUオーバーサブスクリプション・チェック

Oracle Orachkに固有のベスト・プラクティス・チェック

  • クラスタウェアを使用したデータベース・リスナー・サービス構成の検証

Oracle Exachkに固有のベスト・プラクティス・チェック

  • データベース暗号化に関するKMS構成の検証
  • CRSおよびクラウド登録ファイル間のインスタンス名の比較

すべてのチェックの詳細は、次のヘルス・チェック・カタログを参照してください: