3.5.4 電子メールの構成

APEXでメールを送信できるようにするには、インスタンス管理者がインスタンスレベルで電子メール設定を構成する必要があります。

ヒント:

新しいワークスペース・リクエストが承認されたときに電子メールでユーザーにログイン資格証明が自動送信されるように、APEXを構成できます。ワークスペースの作成方法の指定についておよびワークスペース・プロビジョニング・モードの選択を参照してください。

参照:

Oracle APEX APIリファレンスメール・キューの管理およびAPEX_MAIL

3.5.4.1 ネットワーク・サービスの有効化について

ネットワーク・サービスを有効化すると、Oracle APEXでのアウトバウンド・メールの送信、APEXでのWebサービスの使用、およびBI Publisherを使用したPDFレポートの出力に対するサポートが有効になります。

Oracle Database 11gリリース2以降では、ネットワーク・サービスとの通信機能が、デフォルトで無効化されています。このため、Oracle Database 11gリリース2以降でOracle APEXを実行している場合は、新しいDBMS_NETWORK_ACL_ADMINパッケージを使用して、APEX_220200データベース・ユーザーにすべてのホストに対する接続権限を付与する必要があります。これらの権限を付与しないと、次の場合に問題が発生します。

  • Oracle APEXでのアウトバウンド・メールの送信。

    ユーザーはAPEX_MAILパッケージからメソッドをコールできますが、アウトバンド・メールの送信時に問題が発生します。

  • APEXからのWebサービスの使用。

  • APEXからのアウトバウンドLDAPコールの作成。

  • BI Publisherを使用してPDFレポートを出力する。

3.5.4.2 完全開発環境での電子メールの構成

インスタンス管理者は完全開発環境で電子メールを送信できるようにOracle APEXを構成する必要があります。

完全開発環境でメールを送信するようにOracle APEXを構成するには:

  1. Oracle APEX管理サービスにサインインします。
  2. 「インスタンスの管理」をクリックします。
  3. 「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
  4. 「電子メール」で、次の編集を行います。
    1. Oracle APEXのインスタンスのURL - このAPEXインスタンスへのURLを指定します(データベース・アクセス記述子またはコンテキスト・ルートの後に末尾のスラッシュを含めます)。この設定は、システム生成電子メールに使用されます。たとえば:

      https://www.example.com/apex/

    2. Oracle APEXのイメージのURL - このAPEXインスタンスのイメージ・ディレクトリへの完全なURLを指定します(イメージ・ディレクトリの後に末尾のスラッシュを含めます)。この設定は、システム生成電子メールに使用されます。

      https://www.example.com/i/

    3. SMTPホスト・アドレス - SMTPサーバーのサーバー・アドレスを定義します。これは、インストール時のデフォルトではlocalhostに設定されます。別のサーバーをSMTPリレーとして使用する場合は、このパラメータをそのサーバーのアドレスに変更します。
    4. SMTPホスト・ポート - メール・リクエスト用にSMTPサーバーが待機するポートを定義します。デフォルト設定は25です。
    5. SMTP認証ユーザー名 - ユーザー名を入力すると、APEXは電子メールの送信時にこれを認証します。Oracle Database gリリース2 (11.2.0.2)より前では、SMTPの認証スキーム「LOGIN」のみがサポートされています。それより新しいデータベースのバージョンでは、UTL_SMTPのすべての認証スキームがサポートされています。
    6. SMTP認証パスワード - パスワードを入力すると、APEXは電子メールの送信時にこれを認証します。Oracle Database gリリース2、リリース11.2.0.2より前では、SMTPの認証スキーム「LOGIN」のみがサポートされています。それより新しいデータベースのバージョンでは、UTL_SMTPのすべての認証スキームがサポートされています。
    7. SMTPパスワード - SMTPサーバーが認証を必要とする場合は、パスワードを入力します。
    8. SMTPパスワードの確認 - 確認のためにSMTPパスワードを再度入力します。
    9. SSL/TLSの使用 - Oracle Database 11gリリース2、リリース11.2.0.2以上では、APEXは保護されたSMTP接続をサポートしています。

      オプションは次のとおりです。

      • はい - SMTP通信の前にSSL/TLSによる保護された接続が確立されます。

      • 接続の確立後 - APEXは、接続が開かれた直後にSMTPのコマンドSTARTTLSを送信します。

      • いいえ - 保護されていない接続が開かれます。

    10. デフォルトの電子メール送信元アドレス - プロビジョニング・リクエストの承認や、パスワードのリセットなど、電子メールを作成するタスクに対する送信元アドレスを定義します。
    11. ワークスペースごとの最大の電子メール - 24時間ごとの各ワークスペースのAPEX_MAIL APIで送信できる電子メール・メッセージの数を定義します。
  5. 「変更の適用」をクリックします。

3.5.4.3 ランタイム環境での電子メールの構成

インスタンス管理者はランタイム環境で電子メールを送信できるようにAPEXを構成する必要があります。

ランタイム環境でメールを送信するようにAPEXを構成するには:

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてAPEXがインストールされているデータベースに接続します。たとえば:
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。
    BEGIN
       APEX_INSTANCE_ADMIN.SET_PARAMETER(PARAMETER_NAME, PARAMETER_VALUE);
       COMMIT;
    END;

    ヒント:

    電子メール・パラメータの説明は、完全開発環境での電子メールの構成を参照してください。

  3. すべてのパラメータを構成したら、構成を検証します。
    BEGIN
        APEX_INSTANCE_ADMIN.VALIDATE_EMAIL_CONFIG;
    END;

参照:

Oracle APEX APIリファレンスSET_PARAMETERプロシージャ

3.5.4.4 ランタイム環境での電子メール設定の決定

ランタイム環境での電子メール設定の決定

ランタイム環境での電子メール設定を決定するには:

  1. SQL*Plusを起動して、SYSとしてAPEXがインストールされているデータベースに接続します。たとえば:
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。
    SELECT 
    APEX_INSTANCE_ADMIN.GET_PARAMETER(PARAMETER_NAME)
    FROM DUAL;
    

    ヒント:

    電子メール・パラメータの説明は、完全開発環境での電子メールの構成を参照してください。

参照:

Oracle APEX APIリファレンスGET_PARAMETERファンクション