17.5 WebLogic Serverを使用したWCSの設定

WCSを設定するには、Oracle WebLogic Server (WLS) 12.1.3以上が必要です。

このトピックでは、次の点を前提とする例を使用します。

  • ユーザー・スキーマSCOTTは、次の定義のIMAGEという名前の表を持っています。

    CREATE TABLE IMAGE (
       id NUMBER PRIMARY KEY,
       name VARCHAR2(32),
       raster MDSYS.SDO_GEORASTER);
    
  • WCSスキーマの名前はWCS_USERです。

WCSサーバーの設定には、WebLogic Serverへのsdows.earファイルのデプロイ(「空間Webサービスのデプロイと構成」を参照)および次の処理が伴います。

17.5.1 データベース・スキーマの構成

ノート:

同じOracle DatabaseスキーマをGeoRasterオブジェクトの格納とWCSを介したGeoRasterオブジェクトへのアクセスの両方に使用する場合は、この項をスキップし、「WCSデータ・ソースの設定」に進んでください。

Oracle Databaseスキーマを構成するには、次のステップに従います。

  1. メタデータ表を作成します。これを行うには、SQL*Plusを使用して、WCSユーザーとするユーザー(この例では、WCS_USERという名前のユーザー)としてOracle Databaseに接続し、次のように入力します。

    CALL SDO_WCS.init();
  2. GeoRasterオブジェクトを格納するデータベース・ユーザー(この例では、IMAGEという名前のGeoRaster表を所有するSCOTT)として接続します。

    connect scott/<password-for-scott>
    CALL SDO_WCS.createTempTable();
    CALL SDO_WCS.grantPrivilegesToWCS('IMAGE','WCS_USER');
  3. WCSユーザー(この例では、WCS_USER)として接続し、GeoRasterイメージを目的のGeoRasterオブジェクトを含むユーザー表から(たとえば、SCOTT.IMAGES表のRASTER列から)パブリッシュします。

    connect wcs_user/<password-for-wcs_user>
    CALL SDO_WCS.publishCoverage('SCOTT','IMAGE','RASTER');

17.5.2 WCSデータ・ソースの設定

各データベースにはWCSスキーマを複数保持でき、各スキーマはWebLogicの1つのデータ・ソースに対応します。また、WebLogic Serverでは、WCS用に構成されたデータ・ソースを複数保持できます。各データ・ソースには異なるURLを介してアクセスでき、URLの最後の部分はWebLogic Serverの構成されたデータ・ソース名に対応します。

wcsdata1という名前のWLSデータ・ソースを使用したサンプル・リンクを次に示します。

http://localhost:80/oraclespatial/wcs/wcsdata1?service=WCS& version=2.0.1&request=GetCapabilities

WCSデータ・ソースを構成するには、「WebLogicデータ・ソースの追加」で説明しているステップに従います。

17.5.3 WCSサーバーに対するGDALの構成

Oracle WCS実装で、GDALでサポートされる形式を生成できます。WebLogic Serverと同じシステムでGDALインスタンスを構成する必要があります。WCSサーバーとの通信には、GDAL VRTドライバおよびGDAL Oracle GeoRasterドライバが必要です。(GDALを入手するには、http://www.gdal.orgからダウンロードするか、『Oracle Spatial GeoRaster開発者ガイド』の説明に従って、Oracle DatabaseインストールからLinuxおよびWindowsバージョンを入手するか、MOSノート2997919.1にリストされているパッチIDを使用してMy Oracle Supportからダウンロードできます。)

  1. 必要なGDALドライバがあるかどうかを確認するには、次のGDALコマンドを実行します。
    <GDAL_HOME>/bin/gdalinfo --formats
  2. GDALが設定されている端末からサーバーを起動するか、WebLogicドメインのbinフォルダにあるWebLogic ServerのsetDomainEnvスクリプトからgdal_setupスクリプトを起動して、実行中のOracle WebLogic ServerでGDALが使用可能であることを確認します。
  3. gdal.jar (gdal/libディレクトリ内)をWebLogic Serverドメインのlibディレクトリにコピーし、サーバーを再起動します。
  4. WCS管理コンソールの「サービス構成」タブを使用してGDALデータベース接続パラメータを構成します。
  5. オプションで、GetCoverage操作(WCS)リクエストにGDALへの作成オプション(CreationOption)を指定します