17 Web Coverage Service (WCS)のサポート
この章では、カバレッジの取得をサポートするWeb Coverage Service Interface Standard (WCS)のOpen GIS Consortium (OGC)規格のOracle Spatial実装について説明します。(OGCによると、カバレッジとは地理空間データの電子的エンコーディング、つまり、空間および時間で変化する現象を表すデジタル地理空間情報のことです)。
ノート:
- Oracle Cloud MarketplaceからOracle Spatial Webサービスをデプロイできます。このパッケージ・アプリケーションを使用すると、Oracle Cloud Infrastructure (OCI)上のApache Tomcat Webサーバー・インスタンスにデプロイされたOracle Spatial Webサービス(Web Feature Service (WFS)、Web Coverage Services (WCS)およびCatalog Services for the Web (CSW))をインストールできます。
- Web Coverage Serviceサーバーのインストール手順は、「空間Webサービスのデプロイと構成」を参照してください。
Oracle Spatial実装をWeb Coverage ServiceまたはWCSと呼びます。
Web Coverage Service (WCS)を使用すると、地理空間データをカバレッジとして電子的に取得できます。WCSでは、データと説明、データの問合せの構文、および様々な操作(ビジュアル化、解釈、外挿など)の実行対象となるデータを戻す機能が提供されます。WCSでは、GridCoverage(座標参照系のないGeoRasterオブジェクト)とRectifiedGridCoverage(座標参照系があり、アフィン変換で地理参照されるGeoRasterオブジェクト)の両方のラスター・タイプの格納がサポートされます
Oracle Spatialでは、次のOGC規格を実装します。
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09-110r4 WCS Core 2.0 Interface Standard - Core。
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09-146r2 OGC GML Application Schema – Coverages。
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09-147r3 OGC Web Coverage Service 2.0 Interface Standard – KVP Protocol Binding Extension – Corrigendum。
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09-148r1 OGC Web Coverage Service 2.0 Interface Standard – XML/POST Protocol Binding Extension。
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09-149r1 OGC Web Coverage Service 2.0 Interface Standard – XML/SOAP Protocol Binding Extension。
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11-053r1 OGC Web Coverage Service Interface Standard – CRS Extension
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12-039 OGC Web Coverage Service Interface Standard – Scaling Extension。
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12-040 OGC Web Coverage Service Interface Standard – Range Subsetting Extension。
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12-049 OGC Web Coverage Service Interface Standard – Interpolation Extension。
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12-052 OGC WCS 2.0.1 Corrigendum Release Notes。
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12-100r1 OGC GML Application Schema – Coverages – GeoTIFF Coverage Encoding Profile。
Oracle WCSはOGC標準を拡張し、GetCoverageリクエストの出力形式としてGDALでサポートされるすべてのイメージまたはラスター・フィーチャをサポートします。
ノート:
WCSを使用する前に、「空間Webサービスの概要」で説明されている概念を理解し、その章での説明に従って必要な構成作業を実行しておく必要があります。
- Web Coverage Serviceのアーキテクチャ
Oracle Spatialでは、WCSはJava Webアプリケーションとして実装され、WebLogic 12.1.3以降で動作するようにデプロイできます。 - WCSのデータベース・スキーマ
このドキュメントでは、Web Coverage Service用のOracle Databaseスキーマを例として使用します。このスキーマは、ユーザー・スキーマまたはWCSスキーマ(あるいはその両方)です。 - WCSに使用されるデータベース・オブジェクト
いくつかの表とそれ以外のデータベース・オブジェクトがWCS操作の実装に使用されます。 - WCSを使用するためのPL/SQLサブプログラム
SDO_WCSプロシージャおよびファンクションを使用すると、次の処理を含む操作を実行できます。 - WebLogic Serverを使用したWCSの設定
WCSを設定するには、Oracle WebLogic Server (WLS) 12.1.3以上が必要です。 - WCS管理コンソール
次のURLを使用して、ブラウザでOracle Spatial Webサービス管理コンソールWebアプリケーションを起動できます:http://<system-name>:<port>/oraclespatial/
。 - WCSのOracle実装の拡張
Oracle WCS拡張では、WCSリクエストのwcs:Extension要素内にオプションの要素を定義し、リクエスト処理の次の点の制御を可能にします。 - WCSの操作: XMLを使用したリクエストとレスポンスの例
WCSでは3つの主要な操作が提供され、各操作にリクエストとレスポンスの形式があります。 - 実装されているWCS拡張
このトピックでは、実装されているWCS拡張について説明し、各拡張で定義される要素のいくつかについて例を示します。 - WCSの問題の診断
WCSログ・ファイルには診断情報が含まれています。
親トピック: 空間Webサービス