テープ・バックアップ・ジョブ・コンポーネントの作成
テープ・バックアップ・ジョブを正常に作成するには、まずそのコンポーネントが存在することを確認する必要があります。メディア・マネージャ・ライブラリとその属性セットは、テープ・バックアップ操作には不可欠です。これらのコンポーネントはテープ・バックアップ・ジョブのパラメータの組合せを定義して、テープに保存する際のジョブの分類をサポートします。
関連項目:
メディア・マネージャ・ライブラリのロールとその属性セットの詳細は、「テープ操作を管理するためのリカバリ・アプライアンス・コンポーネント」を参照してください
この項には次のトピックが含まれます:
メディア・マネージャ・ライブラリの作成
メディア・マネージャ・ライブラリは、アクセス可能なテープ・ドライブの数などのパラメータを定義して、テープ・バックアップ・ジョブのプロパティを設定します。オプションの詳細パラメータには、必要なリストア・ドライブ数およびメディア・マネージャ・パラメータの指定が含まれます。
リカバリ・アプライアンスは、事前構成されたメディア・マネージャとしてOracle Secure Backupに付属しています。リカバリ・アプライアンスの構成中、Oracle Secure Backupに対してもメディア・マネージャ・ライブラリが構成されます(通常、ROBOT0
という名前で)。事前構成されたメディア・マネージャ・オブジェクトのみを使用することをお薦めします。複数のライブラリ・オブジェクトが存在すると、作成されたテープ・バックアップ・ジョブとこれらのジョブを処理するメディア・マネージャ・リソースとの間で競合が発生するため、メディア・マネージャ(この場合、Oracle Secure Backup)には1つのメディア・マネージャ・ライブラリのみが含まれるようにする必要があります。現在、クライアントのみ
、Oracle Secure Backupをリカバリ・アプライアンスにインストールすることはできません。
サード・パーティ製メディア管理ソフトウェアを使用している場合、リカバリ・アプライアンス計算サーバーにバックアップ・エージェントをインストールする必要があります。サードパーティ製品を使用してテープ・バックアップ・ジョブをスケジュールするには、LAN経由でバックアップ・アプリケーションのメディア・サーバーに接続されたテープ・デバイスにバックアップするために、新しいメディア・マネージャ・ライブラリを作成してそのメディア・マネージャに適用可能なRMANパラメータを追加する必要があります。このシナリオでは、Oracle Secure Backupに事前構成されたメディア・マネージャ・コンポーネントは使用できず、テープ・デバイスを直接リカバリ・アプライアンスに接続することはできません。
この項では、サード・パーティのメディア・マネージャに追加のメディア・マネージャ・ライブラリを作成するステップについて説明します。
Cloud Controlを使用してメディア・マネージャ・ライブラリを作成するには、次の手順に従います。
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「リカバリ・アプライアンスのホームページへのアクセス」のステップを完了します。
リカバリ・アプライアンスのホームページで、「リカバリ・アプライアンス」メニューから「メディア・マネージャ」を選択します。デフォルトのOracle Secure Backupライブラリおよびそれに対応する属性セットが示された「メディア・マネージャ」画面が表示されます。
図9-1 メディア・マネージャ・ページ
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メディア・マネージャ・ページで、 「作成」をクリックして新しいメディア・マネージャ・ライブラリを構成します。
「メディア・マネージャ・ライブラリと初期属性セットの作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。
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「メディア・マネージャ・ライブラリ」セクションに、このライブラリの名前を入力します。
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「最大チャネル」」フィールドで、このメディア・マネージャ・ライブラリがアクセスできるメディア・チャネルの最大数を選択します。
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オプションで、このメディア・マネージャ・ライブラリの「詳細パラメータ」を入力するよう選択できます。
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「チャネルのリストア」フィールドで、リストア操作用に予約する必要があるメディア・チャネルの数を指定します。リストア・チャネル値を入力しない場合、現在のリストア操作では、すべてのバックアップ操作の完了後に使用可能な、最初の空きメディア・チャネルが使用されます。
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「メディア管理ベンダーのパラメータ」で、メディア・マネージャ・ライブラリを定義するパラメータを追加することを選択できます。
たとえば、Oracle Secure Backupのメディア・マネージャ・ベンダー・パラメータには、メディア・マネージャ・ライブラリのパスを指定する
SBT_LIBRARY
パラメータがデフォルトで含まれます。
サードパーティ製品をメディア・マネージャとして使用している場合は、新しいメディア・ライブラリを作成し、指定したメディア・マネージャの製品固有パラメータを使用します(特に
SBT_LIBRARY
場所パラメータ)。 -
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このライブラリの初期属性セットを追加するには、「属性セットの作成」のステップを完了します。
この属性セットの値を入力しない場合、デフォルト値が適用されます。
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「OK」をクリックします。
DBMS_RAを使用してメディア・マネージャ・ライブラリを作成するには、次の手順に従います。
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SQL*PlusまたはSQL Developerを起動してから、
RASYS
として、またはuser_type=admin
に設定してdb_user
という名前で、メタデータ・データベースにログインします。 -
DBMS_RA.CREATE_SBT_LIBRARY
プロシージャを実行します。BEGIN DBMS_RA.CREATE_SBT_LIBRARY( lib_name => 'osbsbt', drives => 12, restore_drives => 2, parms => 'SBT_LIBRARY=libobk.so'); END;
この例では、メディア管理ソフトウェアはOracle Secure Backupです。ドライブ引数は、このSBTライブラリがアクセスできる最大テープ・ドライブ数を指定します。
restore_drives
引数は、リストア操作用に予約されるテープ・ドライブ数を設定します。parms
引数の目的と形式は、RMANALLOCATE
CHANNEL
コマンドのPARMS
句と同じです。通常、少なくともSBT_LIBRARY
パラメータが含まれます。この場合、Oracle Secure Backupメディア・ファミリの共有ライブラリを指定します。
関連項目:
プロシージャの引数の説明については、「CREATE_SBT_LIBRARY」を参照してください
属性セットの作成
SBT属性セットはテープ・バックアップ操作を制御する属性の集まりであり、SBTジョブによって参照されます。属性セットは、コピー操作で使用されるSBTライブラリを指定します。SBTチャネル・パラメータおよびメディア管理ソフトウェア・ライブラリに渡すパラメータも指定します。これらのパラメータは、SBTライブラリ・オブジェクトで指定されたパラメータとマージされます。
SBT属性セットは、バックアップをテープにコピーする際に、バックアップをさらにカスタマイズおよび分類するのに役立ちます。メディア・マネージャ・ライブラリに関連付けられているテープ・ドライブごとに、1つの属性セットが作成されます。メディア・プール番号、ストリーム、テープ・バックアップ操作の実行に必要なメディア・マネージャ・コマンドなどのパラメータを指定することで、バックアップをテープに保管する際にバックアップを分類できます。
ノート:
すべてのSBT属性セットが同じパラメータ値を共有する場合、各SBT属性セットではなくSBTライブラリ・オブジェクトでそのパラメータを指定できます。リカバリ・アプライアンスには、そのメディア・マネージャとしてOracle Secure Backupがあらかじめ構成されています。テープ・ドライブごとにメディア・マネージャ・ライブラリおよび属性セットのあるOracle Secure Backupコンポーネントも事前構成されています。事前構成された属性セットの名前は通常、既存のテープ・ドライブ数によって、DRIVE_COUNT_1
、DRIVE_COUNT_2
などとなります。
この項では、Cloud ControlまたはDBMS_RAを使用して、サードパーティ・メディア・マネージャの追加属性セットを作成する方法について説明します。
Cloud Controlを使用してSBT属性セットを作成するには、次の手順に従います。
メディア・マネージャ・ライブラリの初期属性セットは、メディア・マネージャ・ライブラリ自体を作成している間に作成します。メディア・マネージャ・ライブラリの構成時に初期属性セットのフィールドを空白のままにすると、デフォルト値が使用されます。
次のステップを使用して、サードパーティのメディア・マネージャ・ライブラリ用の追加属性セットを作成することもできます。
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「Cloud Controlでのリカバリ・アプライアンスへのアクセス」のステップを完了します。
「リカバリ・アプライアンス」メニューから、「メディア・マネージャ」を選択します。
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「属性セット」セクションで「作成」をクリックします。
「属性セットの作成」ボックスが表示されます。
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「名前」フィールドに、属性セットの名前を入力します。
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オプションで、「プールID」フィールドに、バックアップ・コピーの保存に使用するメディア・プール番号を入力します。
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オプションで、「ストリーム」フィールドで、テープ・バックアップ操作の実行に使用する最大ストリーム数を指定します。
値を入力しない場合、使用可能なすべてのストリームが使用されます。
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オプションで、「メディア管理ベンダーのパラメータ」フィールドを使用して、テープ・バックアップ・ジョブを定義するその他のパラメータを指定します。リカバリ・アプライアンスでは、これらのパラメータとメディア・マネージャ・ライブラリ・パラメータの組合せを使用してテープ・バックアップ・ジョブを完了します。
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オプションで、「メディア管理ベンダーのコマンド」フィールドに、テープ・バックアップ・ジョブを制御するメディア・マネージャ・ソフトウェアのベンダー固有コマンドを入力します。
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「OK」をクリックします。
DBMS_RAを使用してSBT属性セットを作成するには、次の手順に従います。
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SQL*PlusまたはSQL Developerで、リカバリ・アプライアンスの管理者としてリカバリ・アプライアンス・データベースに接続します。
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作成するSBT属性セットごとに、
DBMS_RA.CREATE_SBT_ATTRIBUTE_SET
プロシージャを実行します。BEGIN DBMS_RA.CREATE_SBT_ATTRIBUTE_SET( lib_name => 'osbsbt', attribute_set_name => 'wholedb', streams => 10, parms => 'ENV=(OB_MEDIA_FAMILY=wholedb_mf)'); END;
やはり、この例では、メディア管理ソフトウェアはOracle Secure Backup (OSB)です。ストリーム引数は、自動バックアップに使用できる最大同時ストリーム数を設定します。
parms
引数の目的と形式は、RMANALLOCATE
CHANNEL
コマンドのPARMS
句と同じです。この場合、コピー操作の宛先としてwholedb_mf
Oracle Secure Backupメディア・ファミリを指定します。
関連項目:
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プロシージャの引数の説明については、「CREATE_SBT_ATTRIBUTE_SET」を参照してください
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sbt_retention_policy
引数の説明については、「テープでのバックアップ保存」を参照してください