保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定の構成(Cloud Control)

保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスにバックアップする前に、保護されたデータベースのバックアップおよびリカバリ設定を構成する必要があります。これらの構成済設定は、後続のバックアップおよびリカバリ操作で使用されます。

ノート:

Cloud Controlを使用して登録できる保護されたデータベースは、Oracle Database 11gリリース2 (11.2)以上です。リリース11.2より前のOracle Databaseでは、コマンドラインを使用してバックアップおよびリカバリ設定を構成してください。

Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのバックアップ設定の構成

バックアップ設定では、保護されたデータベースのデフォルトのバックアップ環境を定義します。リアルタイムREDOトランスポートとポーリング位置を構成する設定では、リカバリ・アプライアンスへのバックアップの作成方法を定義します。その他の設定(制御ファイルの自動バックアップやバックアップの最適化など)では、保護されたデータベースのバックアップに関するベスト・プラクティスとパフォーマンス改善を定義します。これらの設定は、要件に基づいて構成できます。

Cloud Controlを使用して保護されたデータベースのバックアップ設定を構成するには:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「バックアップ設定」を選択します。

    保護されたデータベースの「バックアップ設定」ページが表示されます。図3-2に、「バックアップ設定」ページの「デバイス」タブを示します。「リカバリ・アプライアンス設定」セクションに、リカバリ・アプライアンスへの保護されたデータベースの登録で構成したリカバリ・アプライアンスおよびリカバリ・アプライアンス・ユーザーが表示されます。

    図3-2 保護されたデータベースの「バックアップ設定」ページ

    図3-2の説明が続きます
    「図3-2 保護されたデータベースの「バックアップ設定」ページ」の説明
  3. 「デバイス」タブで、次のオプション設定を構成します。
    • 保護されたデータベースのREDOデータをリカバリ・アプライアンスへ非同期に書き込むには、リカバリ・アプライアンス設定セクションでリアルタイムREDOトランスポートの有効化を選択します。

    • 保護されたデータベースのバックアップのポーリングを構成する場合は、「ディスク設定」セクションの「ディスク・バックアップの場所」設定でポーリング位置を指定します。

      この位置をポーリング位置として指定している保護ポリシーが保護されたデータベースに割り当てられている場合、この位置に作成されたディスク・バックアップがリカバリ・アプライアンスによって自動的に取得されます。ポーリング・ポリシーはリカバリ・アプライアンス管理者が作成します。

      関連項目:

    • 保護されたデータベースがRAC上にある場合、オペレーティング・システムのログイン資格証明はすべてのノードで同じである必要があります。
  4. 「ポリシー」タブで、バックアップする必要のあるオブジェクトを定義する設定を構成します。

    このセクションの設定は必ずしも構成する必要はありませんが、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルの自動バックアップは構成することを強くお薦めします。表3-2に、これらの構成設定を示します。

    • 制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルの自動バックアップを構成するには:

      • 「各バックアップとデータベースの構成変更ごとに、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を自動的にバックアップ」を選択します。

      • 「自動バックアップ・ディスクの場所」フィールドに、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルの自動バックアップを格納する必要がある既存のディレクトリまたは自動ストレージ管理(ASM)のディスク・グループ名を指定します。場所が指定されていない場合、自動バックアップはローカルの高速リカバリ領域に格納されます。

    • バックアップの最適化を有効にするには、「バックアップ済の、読取り専用およびオフラインのデータファイルなどの未変更ファイルをスキップして、データベース全体のバックアップを最適化します」を選択します。

    • ブロック変更トラッキングを有効にするには、「増分バックアップの高速化のためブロック変更トラッキングを有効化」を選択し、「ブロック変更トラッキング・ファイル」フィールドにブロック変更トラッキング・ファイルの名前を指定します。

    • 「データベース全体のバックアップから除外される表領域」セクションには表領域を追加しないでください。

      ノート:

      リカバリ・アプライアンスにバックアップする場合は、保護されたデータベースの初期全体バックアップにすべての表領域が含まれている必要があります。

    • 「アーカイブREDOログの削除ポリシー」セクションで次のいずれかのオプションを選択し、保護されたデータベースのホストに格納されているローカル・バックアップのREDOログ・ファイルの削除についてRMANでどのように処理すべきかを指定します。

      • なし

        高速リカバリ領域にあるアーカイブREDOログが1回以上バックアップされているか、バックアップ保存ポリシーに基づいて不要になっている場合、これらのファイルは削除できます。

      • 指定回数バックアップされたアーカイブREDOログ・ファイルを削除

        「バックアップ」フィールドに指定された回数バックアップされたアーカイブREDOログ・ファイルを削除します。

    ノート:

    「保存ポリシー」セクションでは値を指定する必要はありません。保存ポリシーは、保護されたデータベースをリカバリ・アプライアンスに登録した際に関連付けられる保護ポリシーから継承されるため、「保存ポリシー」セクション内の設定はリカバリ・アプライアンスへのバックアップには使用されません。

  5. 「適用」をクリックしてバックアップ設定を保存します。

Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのリカバリ設定の構成

リカバリ設定では、保護されたデータベースのデフォルトのリカバリ環境を定義します。リカバリ・アプライアンスの必須設定は、ログのアーカイブ・ファイル名の書式のみです。他のリカバリ設定は必要に応じて構成してください。

Cloud Controlを使用して保護されたデータベースのリカバリ設定を構成するには:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「リカバリ設定」を選択します。

    保護されたデータベースの「リカバリ設定」ページが表示されます(図3-3を参照)。

    図3-3 保護されたデータベースのリカバリ設定

    図3-3の説明が続きます
    「図3-3 保護されたデータベースのリカバリ設定」の説明
  3. 「インスタンス・リカバリ」セクションで、「平均リカバリ時間の指定(FAST_START_MTTR_TARGET)」を指定します。
  4. 「メディア・リカバリ」セクションで、次のステップを実行します。
    • (オプション)「ARCHIVELOGモード」を選択します。

    • (オプション)「ログのアーカイブ・ファイル名の書式」フィールドに、アーカイブREDOログ・ファイルの名前に使用する書式を指定します。

    • 「アーカイブREDOログの保存先」フィールドにアーカイブREDOログ・ファイルの格納先を入力するか、USE_DB_RECOVERY_FILE_DESTを指定してREDOログ・ファイルを必ずローカルの高速リカバリ領域に格納するように指示します。

      この保護されたデータベースの「バックアップ設定」でリアルタイムREDOトランスポートの有効化を選択している場合、アーカイブREDOログの保存先は自動的に設定されます。

  5. 保護されたデータベースのローカルの高速リカバリ領域を構成するには、「高速リカバリ」セクションで次のように指定します。
    • 「高速リカバリ領域の場所」フィールドに、バックアップ関連ファイルを格納するファイルシステムまたはASMの場所を指定します。保護されたデータベースの高速リカバリ領域を構成することをお薦めします。保護されたデータベースのローカル・バックアップは高速リカバリ領域に格納されます。

    • 「高速リカバリ領域サイズ」フィールドに、高速リカバリ領域に割り当てられるディスク領域の割当て制限を指定します。これは、この保護されたデータベース用のリカバリ領域で使用可能な記憶域の最大サイズです。高速リカバリ領域を構成する場合は、必ずサイズを指定する必要があります。

  6. 「適用」をクリックしてリカバリ設定を保存します。

関連項目:

Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのバックアップ構成のクリア

保護されたデータベースのバックアップ構成をクリアし、既存のリカバリ・アプライアンス設定を削除できます。バックアップ構成をクリアすると、現在構成されているリカバリ・アプライアンスと仮想プライベート・カタログ・ユーザー、構成されている任意のRMANチャネル、およびリアルタイムREDOトランスポート構成が削除されます。

Cloud Controlを使用して保護されたデータベースのバックアップ構成をクリアするには:

  1. 「Cloud Controlを使用した保護されたデータベースのホーム・ページへのアクセス」の説明に従って、保護されたデータベースのホーム・ページにアクセスします。
  2. 「可用性」メニューから「バックアップとリカバリ」を選択し、次に「バックアップ設定」を選択します。

    保護されたデータベースの「バックアップ設定」ページが表示されます(図3-2を参照)。

  3. 「リカバリ・アプライアンス設定」セクションで、「構成のクリア」をクリックします。

    ノート:

    保護されたデータベースにリアルタイムREDOトランスポートが構成されていた場合、Cloud Controlでこの保護されたデータベースの「REDO送信」列の正確な状態を維持するよう手動でREDOログ・スイッチに強制する必要があります。