1 Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイドのリリース24.2での変更点

『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』の内容はすべて、リリース24.2の機能とユーザー・インタフェースの変更が反映されるように更新されました。

新機能と更新

このリリースでは、次の機能が追加または更新されています:

  • JSONソース

    APEXでのJSONソースは、データベース表の所有者と名前に関する情報からなります。JSONデータを含む列があるプレーン表、またはJSONコレクション表を使用できます。使用する表および列を選択した後、APEXにより、実際のデータからデータ・プロファイルが特定されるか、アップロードしたJSONスキーマ・ファイルが使用されます。

    JSON列を含むプレーン表は、Oracle Database 19cおよび21cでサポートされています。JSONコレクション表は、Oracle Database 23ai以上でのみ使用できます。

    「JSONソースの管理」を参照してください。

  • JSON二面性ビュー

    開発者は、二面性ビュー・オブジェクトを作成することで、ローカルまたはリモート・データベース内の二面性ビューをソースにしてデータを取得できるようになりました。二面性ビューは、ページ・コンポーネント(レポート、チャート、フォームなど)および共有コンポーネント(値リストや自動化など)で使用できます。

    二面性ビューは、Oracle Database 23ai以降でのみ使用できます。

    「二面性ビューの管理」を参照してください。

  • RESTソースの機能強化

    • 簡易HTTP RESTデータ・ソースでのトークンベースのページ区切りのサポート

      簡易HTTP RESTデータ・ソース・タイプでは、トークンベースのページ区切りがあるRESTサービスがサポートされるようになり、このページ区切りスキームを使用するAPIにより、統合が強化されました。

      「RESTデータ・ソースの作成」および「RESTデータ・ソースの編集」を参照してください。

    • フレキシブル・リモート・サーバー

      リモート・サーバーの編集時に、エンドポイントURL内や他の属性内でプレースホルダ(#tenant#など)を使用できるようになりました。実行時に、APEXによって、PL/SQL構成プロシージャを使用してそれらのプレースホルダ値とリモート・サーバー・オブジェクトのベースURL (RESTデータ・ソース、REST対応SQLおよび認証に使用される)を動的に導出できます。これにより、APEXで、現在のアプリケーション、テナントまたは環境の設定に基づいて動的にエンドポイントを呼び出せるようになります。

      「フレキシブル・リモート・サーバーについて」を参照してください。

  • ワークフローの機能強化:
    • 新しい「ワークフローの起動」アクティビティを使用すると、親ワークフローからワークフローを起動できます。

    • 新しい「ワークフローのコピー」機能を使用すると、別のアプリケーションからワークフローをコピーできます。

    • 一時停止されたワークフローをどのアクティビティででも再開できるようになりました。

    • ワークフロー・パラメータとワークフロー変数でCLOBデータ型がサポートされるようになりました。

    ワークフローとタスクの管理」を参照してください。

  • 生成AI

    • 動的アクションであるTrueアクションの変更点:

      • 新しい動的アクションである、Trueアクション「AIによるテキストの生成」 - 構成されている生成AIサービスをコールしユーザー・コンテンツに基づいて1回かぎりのレスポンスを生成するには、「AIによるテキストの生成」のTrueアクションを使用します。
      • 動的アクションであるTrueアクションの「AIアシスタントの表示」への名前変更 - AIを活用したチャット・サービスであるAIアシスタントを表示するために使用される、動的アクションであるTrueアクション「Open AIアシスタント」の名前が変更されました。リリース24,2では、このTrueアクションは「AIアシスタントの表示」という名前になりました。

      「アプリケーションへの生成AIの組込み」を参照してください。

    • AI構成とRAGソース

      「AI構成」は、主要な生成AI設定(システム・プロンプト、ようこそメッセージ、検索拡張生成(RAG)ソースなど)を一元化する共有コンポーネントです。AI構成を作成すると、AIアシスタントを表示する動的アクションや生成AIサービスからのテキスト・レスポンスを生成する動的アクションなど、複数のAI対応コンポーネント間でこれらの設定を再利用できます。

      「AI構成とRAGソースの管理」を参照してください。

    • AIの「接続のテスト」ボタン

      生成AIサービスを作成または編集するときに、新しい「接続のテスト」ボタンを使用すると、設定を完了する前に、入力した情報を検証できます。

      「生成AIサービス・オブジェクトの作成」および「生成AIサービスの編集または削除」を参照してください。

  • BOSS RESTサービスのサポート

    このリリースでは、APEX RESTデータ・ソースでのOracle Cloud Applications (BOSS) REST Serviceのサポートが追加されました。

    「Oracle Cloud Applications BOSS REST Serviceに関する操作」を参照してください。

  • Fusion統合スタータ・アプリケーション・ウィザード

    「アプリケーションの作成ウィザード」にある新しいオプションを使用すると、Fusion Applicationsインスタンスと事前統合済の新しいアプリケーションを作成できます。

    「APEXとFusion Applicationsの統合」を参照してください。

  • ドキュメント・ジェネレータの機能強化

    ドキュメント・ジェネレータでは、DOCXからDOCX、XLSXからPDF、XLSXからXLSXがサポートされるようになりました。

    「データベース・オブジェクトの依存性の表示」を参照してください。

  • 「データベース・オブジェクトの依存性」レポート

    アプリケーション全体をスキャンするか、1ページのみをスキャンして、データベース・オブジェクトの依存性について詳細を示すレポートを生成します。「データベース・オブジェクトの依存性」ページには、すべての表、ビュー、パッケージおよびそれらのコンポーネントがビジュアル化された階層ツリー・コントロールがあります。

    「データベース・オブジェクトの依存性の表示」を参照してください。

  • テンプレート・コンポーネントでのコントロール・ブレーク

    APEXでは、テンプレート・コンポーネント・レポートでのコントロール・ブレーク(グループ化)がサポートされるようになりました。

    「テンプレート・コンポーネント」を参照してください。

  • アイテム・プラグインでの無制限の属性

    このリリースでは、カスタム属性の制限がアイテム・プラグインまで拡張されました。APEX 24.2にアップグレードすると、カスタム属性が移行されて新しい「静的ID」属性が含まれるようになります。

    「プラグインへのカスタム属性の追加」を参照してください。

  • リストの機能強化

    静的リストを編集する際に、リストの名前を選択するようになりました。また、開発者は「リスト・エントリのグリッド編集」レポートでリスト・エントリを編集できます。「タスク」リストから「グリッド編集」を選択することで「リスト詳細」ページに移動するだけです。

    「静的リストの編集」および「リスト・レポートへのアクセス」を参照してください。

  • アプリケーションのエクスポートの機能強化

    翻訳されたアプリケーションをエクスポートすると、APEXによってそのアプリケーションがチェックされて、翻訳が同期されていることが確認されます。翻訳が同期されていない場合は、「アプリケーションのエクスポート」ページに警告メッセージが表示されます。

    「メッセージの翻訳」を参照してください。

  • 言語に基づいたデフォルトRTL方向

    アプリケーション・グローバリゼーションページと翻訳言語マッピングページでの「文書方向」属性のデフォルトが、左から右ではなく「言語デフォルト」になりました。「言語デフォルト」に設定されているアプリケーションが実行されたときに、その方向が言語から導出されるようになりました。

    「文書方向」を参照してください。

  • テキスト・メッセージの機能強化

    • コメントとメタデータ

      「テキスト・メッセージの作成/編集」ダイアログに「コメント」「メタデータ」が含まれるようになりました。

      「テキスト・メッセージの管理」を参照してください。

    • テキスト・メッセージ値の表示

      「ページ・デザイナ」にある新しい「テキスト・メッセージ・ピッカー」(「ページ・デザイナ」、「ユーティリティ」、「表示」)により、「テキスト・メッセージ」ダイアログのボタン(地球アイコン)の表示を制御します。有効にした場合は、このボタンによって「テキスト・メッセージ」ダイアログが開き、現在のアプリケーションで使用可能なすべてのテキスト・メッセージが一覧表示されます。

      「テキスト・メッセージの管理」を参照してください。

    • テキスト・メッセージ用の拡張された置換構文

      互換性モードが24.2以降のアプリケーションの場合は、メッセージ名を中括弧({})で囲むことでテキスト・メッセージを参照できるようになりました。

      「テキスト・メッセージでの置換(24.2以降)」を参照してください。

  • アプリケーションのユーザー・エクスペリエンス・データ(OpenTelemetry)

    OpenTelemetryは、Webアプリケーションにおけるユーザー・エクスペリエンス・データ(ページのロード時間やユーザー操作など)を収集するための標準です。OpenTelemetryを有効にすると、どのようにユーザーがアプリケーションと関わっているかを監視および分析しやすくなります。OpenTelemetryを構成するには、まず「ワークスペース・ユーティリティ」、「OpenTelemetry」で「クライアント・ロギング・サービスURL」と「トークン・リレーURL」を設定します。

    「OpenTelemetry」を参照してください。

  • ポップアップLOVの機能の改善

    ポップアップLOVの外観と動作が、検索可能LOVアイテム(「1つ選択」、「複数選択」、「コンボボックス」など)と類似するようになりました。これにより、検索時の統一された直感的なユーザー・エクスペリエンスが作成されます。

  • テーマとテーマ・スタイル

    • アプリケーション・メタデータから切り離されたテーマ・メタデータ

      ユニバーサル・テーマ24.2以降では、テーマ・メタデータ(テンプレート、テーマ・スタイル、テンプレート・コンポーネントなど)が、アプリケーションから分離された中央ワークスペースに格納されるようになりました。これにより、パフォーマンスが向上して、アプリケーションのエクスポート/インポートがより迅速になり、ファイル・サイズがより小さくなり、バージョン管理システムでの保管が最適化されます。

      関連する更新を次に示します:

      • 「テーマのリフレッシュ」アラートがアプリケーション・ホームページに表示されるようになりました。以前は、「共有コンポーネント」ページにこのアラートが表示されていました。

        ユニバーサル・テーマのリフレッシュ

      • 古いAPEXビルダーの、テーマ管理に関連するページが更新または削除されて、インタフェースが簡素化されました。

      • アクティブなテーマ・スタイルの選択がテーマ・スタイル・レベルからテーマ・レベルに移動されました。

        「テーマ・スタイルの使用」を参照してください

      「テーマおよびテーマ・スタイルの使用」を参照してください。

  • 複数選択の改善点

    「値の表示形式」を「カンマ区切りリスト」に設定した場合に、そのアイテム上に、現在選択している値の数を表示するカウンタ・アイコンが表示されるようになりました。そのカウンタをクリックするとドロップダウンが開き、選択した値のみが表示されます。

  • ユニバーサル・テーマの機能強化

    • フォントAPEX 2.4

      フォントAPEXでは、APEXアプリケーション内で旗を簡単に表示するために244個の国旗アイコンが含まれるようになりました。.fa-flag-##を使用して新しいアイコンを表示します。ここでの##は国コードです。

      「フォントAPEXのアクセス」を参照してください。

    • パスワード・アイテムの機能強化

      パスワード・タイプのページ・アイテムに「パスワードの表示」ボタンが含まれるようになりました。「パスワードの表示」を選択すると入力したパスワードを表示でき、「パスワードの非表示」を選択するとパスワードを再度隠すことができます。このボタンは、ユニバーサル・テーマ24.2以降を使用するすべてのアプリケーションで、デフォルトで有効になっています。このボタンを無効にするには、「パスワード」アイテムのテンプレート・オプションを編集し、パスワードの非表示を選択します。

  • ページ・デザイナのブレッドクラムに、ページ番号と名前が含まれるようになりました。

  • 「ワークスペース・ユーティリティ」では、「タスク」リージョンに「データ・ディクショナリ・キャッシュ」へのリンクが含まれるようになりました。

その他の変更

非推奨となったかサポートが終了した機能

Oracle APEXリリース・ノート非推奨となった機能およびサポートが終了した機能を参照してください。