環境のクローニング機能は、環境(Narrative Reporting環境を含む)と、オプションでアイデンティティ・ドメイン・アーティファクト(ユーザーおよび事前定義済役割の割当て)、受信ボックスと送信ボックスのコンテンツおよび保存されたスナップショットをクローニングする画面ベースの方法です。
さらに、Account Reconciliation、Planning、Planningモジュール、フリーフォーム、Financial Consolidation and Close、Profitability and Cost Management、Enterprise Profitability and Cost Management、Tax Reporting、Sales PlanningおよびStrategic Workforce Planningでは、データ管理レコードをクローニングできます。
また、Planning、Planningモジュール、フリーフォーム、Financial Consolidation and Close、Enterprise Profitability and Cost ManagementおよびTax Reportingの環境で使用可能なジョブ・コンソール・レコードと、Planning、Planningモジュール、フリーフォームおよびEnterprise Profitability and Cost Managementで使用可能なアプリケーション監査データもクローニングできます。
このコマンドは、cloneEnvironment EPM自動化コマンドを使用する方法にかわるものです。
サポートされているクローニング・シナリオ
環境のクローニングは、次のような移行シナリオで役立ちます。
サポートされていないクローニング・シナリオ
Account Reconciliation、Oracle Enterprise Data Management CloudおよびNarrative Reportingでは、前回の月次更新の環境への環境のクローニングはサポートされません。
Planningに、カスタム期間メンバーによって置換された、名前が変更されたシード済期間メンバーが含まれている場合、クローニングが失敗することがあります。たとえば、シード済のYearTotal期間メンバーの名前をunused_YearTotalに変更してから、元のシード済メンバー名(この例ではYearTotal)を持つ代替タイプの期間メンバーを追加した場合です。
クローニングできるスナップショット
この機能では、最後の日次メンテナンスによって作成されたArtifact Snapshot
という名前の現在のスナップショットが使用されます。
最後の日次メンテナンスの後に環境に加えた変更をクローニングしたスナップショットに含める必要がある場合は、runDailyMaintenance EPM自動化コマンドを実行して、Artifact Snapshot
を再生成できます。
注:
日次メンテナンス時など、現在のスナップショットの生成またはアーカイブの処理中である環境をクローニングしようとすると、「ファイルが見つかりません」
エラーを受け取ります。
重要な考慮事項
環境をクローニングする場合、EPM Cloudは、ターゲット環境に現在のアプリケーションの正確なコピーを作成するために必要なすべてのアクションを自動的に完了します。このプロセスを開始する前に、ターゲット環境を準備します:
クローニングでは、ターゲット環境の既存のスナップショットまたは受信ボックスおよび送信ボックス内のファイルは削除されません。Artifact Snapshot
がターゲット環境に存在する場合、クローニングにより、その名前がArtifact Snapshot_DATE_TIME
に変更されます(例: Artifact Snapshot_2021_04_30_17:06:06
)。
クローニング・プロセス中は、ソースとターゲットの両方の環境について日次メンテナンスがスキップされます。クローニングが終了するか、または36時間後に終了された後の、次回スケジュールされた時間に再開されます。たとえば、午前3時にターゲット環境の日次メンテナンスがスケジュールされているとします。8月25日の午前1時にクローニングを開始して、8月25日の午前6時までに完了した場合、8月25日の午前3時にスケジュールされた日次メンテナンスはスキップされます。次回の日次メンテナンスは、翌日(8月26日)の午前3時に開始されます。
Account Reconciliationアプリケーション設定について
クローニングすると、ターゲットAccount Reconciliationアプリケーション設定がデフォルト値にリセットされます。ターゲット・アプリケーション設定を保持する場合は、exportARApplicationProperties EPM自動化コマンドを使用して、ソース環境から設定をエクスポートします。続けて、クローニングの完了後に、importARApplicationProperties EPM自動化コマンドを使用してターゲット環境にアプリケーション・プロパティをインポートします。
クローニング時のEssbaseバージョンの処理
ソース環境とターゲット環境のOracle Essbaseバージョンが一致していない場合は、クローニング・プロセスによって、ターゲット環境のEssbaseバージョンが、ソース環境のバージョンと一致するようにアップグレードされます。ただし、ターゲット環境のEssbaseバージョンがソースのバージョンと一致するようにダウングレードされることはありません。たとえば、ソースがハイブリッド対応のEssbaseを備えたEPM Enterprise Cloud Service環境で、ターゲットが非ハイブリッドのEssbaseを備えたレガシーEPM Cloud環境の場合、クローン・プロセスはターゲット環境がハイブリッド対応のEssbaseを使用するようにアップグレードします。
レガシー環境をクローニングする場合は、次のシナリオで説明するように、クローニング・プロセスによりEssbaseバージョンが処理されます:
Oracle Enterprise Performance Management Cloud管理者スタート・ガイドのEPM Standard Cloud ServiceおよびEPM Enterprise Cloud Serviceのスナップショットの移行パスを参照してください。
トラブルシューティング
Oracle Enterprise Performance Management Cloudオペレーション・ガイドの環境のクローニングの問題の解決を参照してください。