マスター・データ同期化の構成
Oracle Utilities Customer Care and Billing (または、その他の顧客情報システム)との統合のほとんどで、Oracle Utilities Meter Data Managementはアカウント、顧客またはサービス・ポイント関連データ用のレコードのシステムとして使用されません。このデータを2つのシステム間で同期化すると、使用トランザクション計算を実行する前に、Oracle Utilities Meter Data Managementのすべてのアカウント、顧客およびサービス・ポイント関連データが正しくかつ最新であることが確実になります。この同期プロセスは、ビジネス・オブジェクト、マスター構成、バッチ管理および事前構成済インバウンドWebサービスのセットを通じてサポートされます。
- 初期同期要求: Oracle Utilities Meter Data Managementを最初に設定するときには、初期同期要求を使用します。これにより、設備、設備構成、計量コンポーネント、サービス・ポイント、取付イベント、コンタクトおよび使用連係をOracle Utilities Customer Care and Billing内の対応するデータに基づいてOracle Utilities Meter Data Management内に作成するデータのインポートが容易になります。
- 進行中同期要求: 進行中同期要求は、Oracle Utilities Meter Data Management内の既存のデータをOracle Utilities Customer Care and Billing内の対応するデータの変更に基づいて更新する場合に使用します。進行中同期要求は、コンタクト、設備、設備構成、計量コンポーネント、取付イベント、サービス・ポイントおよび使用連係の更新に使用できます。
- 複合同期要求: 複合同期要求は、単一の要求内に複数のタイプのデータに対する同期要求が含まれている要求です。たとえば、1つの複合要求に、設備、設備構成、計量コンポーネントおよび取付イベントのデータに対する更新要求を含めることができます。これにより、Oracle Utilities Customer Care and Billing内の単一の変更に基づいて複数のタイプのデータを更新する必要がある状況がサポートされます。
マスター構成
Oracle Utilities Meter Data Managementの次のマスター構成を使用して、顧客情報システムとメーター・データ管理の間の同期プロセスを構成します。
マスター構成 |
名前 / 摘要 |
マスター・データ同期化構成 |
解決が必要なすべての外部キー参照がリストされます。それぞれが、外部キー/製品キーの相互参照を含むビューを参照している必要があります。初期同期と進行中同期の両方を実行するエンティティの場合、2つのビューを指定します。進行中同期を実行するエンティティの場合、複数の外部システムから同期される可能性のあるエンティティに対応するために、外部システム/IDタイプのマッピングを指定します。 |
シーダー同期要求マスター構成 |
同期を要求するメンテナンス・オブジェクト(設備、設備構成など)がリストされます。それぞれが、そのメンテナンス・オブジェクトの同期要求を処理するときにインスタンス化される必要がある同期ビジネス・オブジェクトを参照します。初期同期と進行中同期の両方を実行するメンテナンス・オブジェクトの場合、2つのビジネス・オブジェクトを指定します。 |
インバウンド・データ同期ビジネス・オブジェクト
Oracle Utilities Meter Data ManagementとOracle Utilities Customer Care and Billingの間の統合では、次の(Oracle Utilities Meter Data Managementに対して)インバウンドの同期ビジネス・オブジェクトを使用します。
オブジェクト名 |
ビジネス・オブジェクト |
摘要 |
設備構成複合同期要求 |
D1-CompositeSyncRequestDC |
設備構成の同期および関連する計量コンポーネントの作成を処理する複合同期要求。このビジネス・オブジェクトはD1-CompositeSyncRequestビジネス・オブジェクトの子です。 |
コンタクト初期同期要求 |
D1-InitialSyncRequestContact |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の初期コンタクト同期要求を表します。 |
設備構成初期同期要求 |
D1-InitialSyncRequestDC |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の初期設備構成同期要求を表します。 |
設備初期同期要求 |
D1-InitialSyncRequestDevice |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の初期設備同期要求を表します。 |
取付イベント初期同期要求 |
D1-InitialSyncRequestIE |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の初期取付イベント同期要求を表します。 |
計量コンポーネント初期同期要求 |
D1-InitialSyncRequestMC |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の初期計量コンポーネント同期要求を表します。 |
サービス・ポイント初期同期要求 |
D1-InitialSyncRequestSP |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の初期サービス・ポイント同期要求を表します。 |
動的オプション初期同期要求 |
D2-InitialSyncRequestDynOpt |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の初期動的オプション同期要求を表します。 |
動的オプション・イベント初期同期要求 |
D2-InitialSyncRequestDynOptEvt |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の初期動的オプション・イベント同期要求を表します。 |
使用連係初期同期要求 |
D2-InitialSyncRequestUS |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の初期使用連係同期要求を表します。 |
進行中同期要求肯定応答 |
D1-OngoingSyncReqAckMsg |
送信元システムにメッセージを送信して、進行中同期要求の受信を承認するために使用されます。 |
スカラー検針進行中同期要求 |
D1-OngoingSyncReqScalarMtrRead |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の進行中スカラー検針同期要求を表します。 |
コンタクト進行中同期要求 |
D1-OngoingSyncRequestContact |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の進行中コンタクト同期要求を表します。 |
設備構成進行中同期要求 |
D1-OngoingSyncRequestDC |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の進行中設備構成同期要求を表します。 |
設備進行中同期要求 |
D1-OngoingSyncRequestDevice |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の進行中設備同期要求を表します。 |
取付イベント進行中同期要求 |
D1-OngoingSyncRequestIE |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の進行中取付イベント同期要求を表します。 |
計量コンポーネント進行中同期要求 |
D1-OngoingSyncRequestMC |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の進行中計量コンポーネント同期要求を表します。 |
サービス・ポイント進行中同期要求 |
D1-OngoingSyncRequestSP |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の進行中サービス・ポイント同期要求を表します。 |
動的オプション進行中同期要求 |
D2-OngoingSyncRequestDynOpt |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の進行中動的オプション同期要求を表します。 |
動的オプション・イベント進行中同期要求 |
D2-OngoingSyncRequestDynOptEvt |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の進行中動的オプション・イベント同期要求を表します。 |
使用連係進行中同期要求 |
D2-OngoingSyncRequestUS |
このビジネス・オブジェクトのインスタンスは、個々の進行中使用連係同期要求を表します。 |
同期要求シーダー |
D1-SyncRequestSeeder |
同期要求を処理するときに作成する適切な同期ビジネス・オブジェクトを識別するために使用されます。 |
コンタクト同期化追加 |
D1-SynchronizationAddContact |
同期要求の結果として新既コンタクトを追加する場合に使用します。 |
設備構成同期化追加 |
D1-SynchronizationAddDC |
同期要求の結果として新規設備構成を追加する場合に使用します。 |
設備同期化追加 |
D1-SynchronizationAddDevice |
同期要求の結果として新既設備を追加する場合に使用します。 |
取付イベント同期化追加 |
D1-SynchronizationAddIE |
同期要求の結果として新規取付イベントを追加する場合に使用します。 |
計量コンポーネント同期化追加 |
D1-SynchronizationAddMC |
同期要求の結果として新規計量コンポーネントを追加する場合に使用します。 |
サービス・ポイント同期化追加 |
D1-SynchronizationAddSP |
同期要求の結果として新規サービス・ポイントを追加する場合に使用します。 |
使用連係同期化追加 |
D2-SynchronizationAddUS |
同期要求の結果として新規使用連係を追加する場合に使用します。 |
バッチ管理
バッチ管理は、データへのキーの割当、外部キーの解決およびデータのロード(設備、計量コンポーネントなどのエンティティを表すビジネス・オブジェクトのインスタンス化)などの初期同期要求の処理を実行します。
「初期同期要求 - キー解決(XXX)」バッチ管理は、汎用メンテナンス・オブジェクト遷移プロセスを起動し、適切なタイプの同期要求に対して「キー解決 - 初期同期」アルゴリズムを起動します。「キー解決」バッチ管理によって使用されるパラメータは、次のとおりです。
- メンテナンス・オブジェクト: (必須)処理対象のメンテナンス・オブジェクト(設備、設備構成など)。バッチ管理の場合は、これを同期要求メンテナンス・オブジェクトに設定する必要があります(設備同期要求の場合は設備、サービス・ポイント同期要求の場合はサービス・ポイントなど。)
- バッチ・コードによる制限: 現在のステータスがこのバッチ・コードにリンクされている同期要求に処理を限定します。
- ビジネス・オブジェクトによる制限: このビジネス・オブジェクトにリンクされている同期要求に処理を限定します。
- ステータス・コードによる制限: このステータスの同期要求に処理を限定します(デフォルト: KEY_ALLOCATD)。
- 最大エラー数: プロセスが終了するまでの最大許容エラー数を指定します。
「初期同期要求 - データのロード(XXX)」バッチ管理は、適切なタイプ(設備、計量コンポーネントなど)の要求に対してデータをロードします(ビジネス・オブジェクトの新規インスタンスが作成されます)。「データのロード」バッチ管理によって使用されるパラメータは、次のとおりです。
- メンテナンス・オブジェクト: (必須)処理対象のメンテナンス・オブジェクト(設備、設備構成など)。バッチ管理の場合は、これを同期要求メンテナンス・オブジェクトに設定する必要があります(設備同期要求の場合は設備、サービス・ポイント同期要求の場合はサービス・ポイントなど。)
- バッチ・コードによる制限: 現在のステータスがこのバッチ・コードにリンクされている同期要求に処理を限定します。
- ビジネス・オブジェクトによる制限: このビジネス・オブジェクトにリンクされている同期要求に処理を限定します。
- 最大エラー数: プロセスが終了するまでの最大許容エラー数を指定します。
次の表は、初期同期要求によって使用されるバッチ管理を示しています。
バッチ・コード |
名前 / 摘要 |
D1-CMSYN |
複合同期要求 |
D1-SIIER |
初期同期要求 - エラー |
D1-SILCN |
初期同期要求 - データのロード(コンタクト) |
D1-SILDC |
初期同期要求 - データのロード(DC) |
D1-SILDV |
初期同期要求 - データのロード(設備) |
D1-SILIE |
初期同期要求 - データのロード(IE) |
D1-SILMC |
初期同期要求 - データのロード(MC) |
D1-SILSP |
初期同期要求 - データのロード(SP) |
D1-SILUS |
初期同期要求 - データのロード(US) |
D1-SIKCN |
初期同期要求 - キー解決(コンタクト) |
D1-SIKDC |
初期同期要求 - キー解決(DC) |
D1-SIKDV |
初期同期要求 - キー解決(設備) |
D1-SIKIE |
初期同期要求 - キー解決(IE) |
D1-SIKMC |
初期同期要求 - キー解決(MC) |
D1-SIKSP |
初期同期要求 - キー解決(SP) |
D1-SIKUS |
初期同期要求 - キー解決(US) |
D1-SIOER |
進行中同期要求 - エラー |
D1-SIOPE |
進行中同期要求 - 保留 |
D1-SRSDE |
同期要求シーダー - エラー |
D2-SIKDO |
初期同期要求 - キー解決(DO) |
D2-SIKDE |
初期同期要求 - キー解決(DOE) |
D2-SIKUS |
初期同期要求 - キー解決(US) |
D2-SILDO |
初期同期要求 - データのロード(DO) |
D2-SILDE |
初期同期要求 - データのロード(DOE) |
D2-SILUS |
初期同期要求 - データのロード(US) |
F1-SAKRQ |
同期要求キー割当モニター |
F1-SRLRQ |
同期要求ロード・レコード・モニター |
F1-SYNRQ |
同期要求モニター・プロセス |
F1-SYSRQ |
同期要求サンプリング・モニター(遅延) |
バッチ管理計画
次の表は、初期同期要求ビジネス・オブジェクトのライフサイクルでバッチ管理を実行する順序を示しています。最初の行は同期要求の対象となるメンテナンス・オブジェクトを示し、最初の列はプロセスのタイプを示しています。
|
コンタクト |
使用連係 |
サービス・ポイント |
取付イベント |
設備構成 |
設備 |
計量コンポーネント |
動的オプション |
動的オプション・イベント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
変換/スキーマ検証ジョブ |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
キー割当ジョブ |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
外部キー解決/ビジネス・オブジェクト検証ジョブ (すべてのキー割当ジョブが終了していることが前提) |
3 |
8 |
3 |
6 |
3 |
3 |
6 |
3 |
5 |
ロード・ジョブ |
4 |
9 |
5 |
7 |
5 |
4 |
7 |
4 |
6 |
キー解決ジョブを実行する前に、すべてのキー割当ジョブが終了している必要があります。これにより、後ですべての外部キー参照を解決できることが確実になります。
一部のビジネス・オブジェクト・レベルの検証は、先に他のエンティティが完全にロードされていることを前提とします。前述のシーケンス番号はこれを考慮しています。たとえば、使用連係ビジネス・オブジェクト検証はサービス・ポイントが存在することを前提とし、取付イベント・ビジネス・オブジェクトの検証はサービス・ポイントと設備の両方が存在することを前提とします。
インバウンドWebサービス
インバウンドWebサービスは、同期要求受信時のミドルウェア・コンポーネントによる同期要求シーダー・ビジネス・オブジェクトの起動を容易にするために使用されます。
次の表は、Oracle Utilities Customer Care and Billingから送信された同期要求を処理するために使用される事前構成済インバウンドWebサービスを示しています。
インバウンドWebサービス |
摘要 |
スキーマ名 |
D1-SyncRequestInbound |
同期要求インバウンド |
D1-SyncRequestSeeder (BO) |
D1-SyncRequestInboundComposite |
同期要求インバウンド複合 |
D1-CompositeSyncRequestDC (BO) |
同期プロセスのステップ例
この項では、同期要求が送信された場合に発生する処理の概要を説明します。次の表では、プロセスのステップごとに、発生する処理の簡単な説明を示し、関与する特定のオブジェクトをリストします。
ステップ |
プロセス |
オブジェクト |
1 |
Oracle Utilities Customer Care and Billingがミドルウェア統合レイヤーに同期要求を送信します。 たとえば、サービス・ポイントの情報を更新する要求について考えます。 |
|
2 |
ミドルウェア・コンポーネントによって、Customer Care and Billingの書式からの要求が、Oracle Utilities Meter Data Managementで使用される書式に変換されます(この書式は、同期要求ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト・スキーマに基づきます)。 |
|
3 |
ミドルウェア・コンポーネントによって、適切なインバウンドWebサービスが起動され、変換された要求が送信されます。 |
インバウンドWebサービス: D1-SyncRequestInbound (D1-SynrRequestSeederビジネス・オブジェクトにマップされています) |
4 |
インバウンドWebサービスによって、同期要求シーダー・ビジネス・オブジェクトが起動され、(同期要求内のデータのタイプおよびシーダー同期マスター構成に基づいて)作成する同期要求ビジネス・オブジェクトが決定されます。 |
同期要求ビジネス・オブジェクト: D1-OngoingSyncRequestSP |
5 |
初期同期要求の場合、次の各ステップを含むバックグラウンド処理によって同期要求ごとにマスター・データが作成されます。
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6 |
進行中同期要求の場合、同期要求ビジネス・オブジェクトのライフサイクル状態に対する入力アルゴリズムによって、次の各ステップが実行されます。
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「変換データの設定」アルゴリズム: D1- SETTRANDT 「同期要求追加前データ」アルゴリズム: D1-SR-PREADD 「キー解決 - 進行中同期」アルゴリズム: D1-RESKEYFAL 「同期要求更新データ」アルゴリズム: D1- SR-UPDDAT |