構成可能消費量抽出
構成可能消費量抽出は、オプションで特定の市場参加者に関連する一連の使用連係の測定データ抽出です。
これらの抽出の構成オプションは次のとおりです。
-
市場参加者のタイプ(サービス・ポイント市場参加者表または使用連係市場参加者表および市場関係に基づく)
-
市場参加者に関連付けられた使用連係タイプ(通常は請求決定要因を受信する顧客情報システム)
-
使用連係に関連付けられた単位(UOM)、TOUおよび使用量識別子(SQI)の一意の組合せ
-
抽出された測定データに関連付けられた使用連係、サービス・ポイントおよび設備を識別するために使用される特定の識別子
-
抽出の日時パラメータおよび頻度
-
抽出ファイルの命名規則および圧縮オプション
消費量抽出は、アプリケーション・サーバー(オンプレミス実装)またはOracle Cloud Infrastructureのオブジェクト・ストレージの場所にある、指定されたファイルの場所にあるファイルにエクスポートされます。
消費量抽出は、消費量抽出要求を介して作成されます。『ビジネス・ユーザー・ガイド』の「消費量抽出要求」を参照してください。
この項では、これらのタイプの消費量抽出に必要な構成について説明します。
消費量抽出タイプ
消費量抽出の構成は、消費量抽出タイプを介して定義されます。これらのレコードの作成の詳細は、『管理ユーザー・ガイド』の「消費量抽出タイプ」を参照してください。
構成可能消費量抽出タイプは、「ファイルへの使用連係消費量の抽出」(D1-ExtractUSConsumptionToFile)ビジネス・オブジェクトを使用して作成する必要があります。消費量抽出タイプに定義されているパラメータの詳細は、このビジネス・オブジェクトの埋込みヘルプを参照してください。
「ファイルへの使用連係消費量の抽出」消費量抽出タイプでは、次のパラメータを定義します。
- 測定データが抽出される市場参加者。市場参加者は、そのタイプ(サービス・ポイント市場参加者または使用連係市場参加者)と市場関係タイプ(小売業者、流通業者、サプライヤなど)および特定の市場参加者に基づいて定義します。注意: 「市場参加者固有」が「No」に設定されている場合、使用される市場参加者は、使用連係またはその使用連係タイプの使用受信先に基づきます。
- 消費量タイプ(インターバルまたはスカラー)
- 1つ以上の使用連係タイプおよび関連する一意の単位/TOU/使用量識別子の組合せ
- 使用連係、サービス・ポイント、子サービス・ポイント(該当する場合)および設備の抽出ファイルに含める特定のIDタイプ
- 次のような実行パラメータ:
- この消費量抽出タイプのデータが抽出された日時
- 要求タイプ。消費量要求で使用される要求タイプは、「消費量抽出要求タイプ」(D2-IntervalDataExtRepoType)ビジネス・オブジェクトを使用して作成し、「要求ビジネス・オブジェクト」フィールドで消費量抽出(D2-IntervalDataExtRepository)ビジネス・オブジェクトを参照する必要があります(『Application Framework管理ユーザー・ガイド』の「要求の全体像」を参照)
- このタイプの抽出の頻度(アドホックまたは日次)
- 抽出プロセスに使用されるバッチ管理(後述の「バッチ管理」を参照)
- 次のようなファイル・パラメータ:
- 抽出ファイルが保存されるファイルの場所(『Application Framework管理ユーザー・ガイド』の「外部ファイル格納」を参照)
- ファイルの場所にあるオプションの子フォルダ
- ファイルの命名規則オプション(オプションのプリフィクスおよび日時スタンプを含む)
- 抽出ファイルを圧縮するかどうか(ファイル圧縮はgzipを使用して実行されます)
バッチ管理
データ抽出プロセスおよびエクスポート・ファイルの作成は、次のバッチ管理によって実行されます。
- ファイルへの現在の使用連係インターバルの抽出(D1-ECUSI): インターバル消費量の日次抽出に使用されます。このプロセスでは、抽出するインターバル・サイズのいずれかについてインターバル・スナップショット・マッピング・データを生成する必要があります。これにより、インターバル・データを日次インターバル列に効率的に置き換えることができます(詳細は、「インターバル・スナップショットのマッピング」を参照)。
- ファイルへの置換使用連係インターバルの抽出(D1-ERUSI): 置換履歴インターバル消費量の抽出に使用されます。このプロセスは、一般プロセス表の変更データ取得レコードに対して実行されます(後述の「初期測定後の訂正変更データ取得」を参照)。
- ファイルへの現在の使用連係スカラー検針の抽出(D1-ECUSS): スカラー消費量の日次抽出に使用されます。
- ファイルへの置換使用連係スカラー検針の抽出(D1-ERUSI): 置換スカラー・インターバル消費量の抽出に使用されます。このプロセスは、一般プロセス表の変更データ取得レコードに対して実行されます(後述の「初期測定後の訂正変更データ取得」を参照)。
これらのバッチ管理は、特定の消費量抽出タイプおよび日付範囲に対して実行されます。バッチ処理は、使用連係IDでスレッド化されます。
消費量抽出バッチ処理の全般情報は、「統合」の章の「Oracle Utilities DataConnect」の項の「消費量抽出」の「バッチ管理」を参照してください。
初期測定後の訂正変更データ取得
次のアルゴリズムは、計量コンポーネントの最新の測定日時に基づいて計量コンポーネントの日時を保守します。これらのアルゴリズムでは現在の初期測定の計量コンポーネントに適用される消費量抽出タイプもチェックして、初期測定がすでに抽出済の日時に対するものかどうかを識別します。
アルゴリズム |
摘要 |
消費量タイプ |
---|---|---|
D1-UPD-DTMC |
消費量同期を伴う計量コンポーネントでの最新測定日時の更新 |
インターバル |
D1-UDTSCMCRE |
消費量同期を伴うスカラー計量コンポーネントでの最新測定日時の更新 |
スカラー |
D1-UPD-DTMCF |
将来の測定によるMCでの最新日時の更新 |
インターバル |
D1-UPDDTSCMC |
スカラー計量コンポーネントでの最新日時の更新 |
スカラー |
初期測定が抽出済の日時に対するものである場合、これらのアルゴリズムは、バッチ・コード、バッチ実行番号および初期測定のIDを取得する変更データ取得レコードを「一般プロセス」表に作成します。"置換"バッチ・プロセスは、これらのレコードから実行されます。
- 消費量抽出タイプの測定変更履歴の取得: true
ファイル形式 - インターバル
インターバル抽出プロセスでは、次の表に示す抽出データを含むJavaScript Object Notation (JSON)ファイルが生成されます。
インターバル抽出ファイルには、最大300個のインターバルを格納できることに注意してください。つまり、エクスポート・ファイルにはおおよそ次のものを格納できます。
- 12.5日分の1時間のデータ
- 3日分の15分のデータ
- 1日分の5分のデータ
フィールド |
サンプル値 |
コメント |
---|---|---|
usId |
995647003500 |
消費量抽出タイプによって定義された使用連係ID |
usType |
E-RES |
使用連係タイプ |
pSpId |
458081 |
親サービス・ポイントID (親サービス・ポイントがない場合はNULL)。 |
spId |
458081_001 |
子サービス・ポイントID これは、消費量抽出タイプで定義されたサービス・ポイントIDです |
dvcId |
SN823287793219 |
消費量抽出タイプで定義された設備ID |
uomTouSqi |
KWH// |
単位 / TOU / 使用量識別子(スラッシュ("/")で区切ります) |
tz |
米国/東部 |
サービス・ポイントのタイム・ゾーン。 これは、タイム・ゾーン・コードではなく、CI_TIME_ZONE表のタイム・ゾーン名です。 |
intPerDay |
288 |
1日のインターバル数(夏時間への移行時にインターバルが1時間増減します) |
intSize |
300 |
各インターバルの長さ(秒) |
mktPart |
DIRECT_ENERGY |
市場参加者の市場参加者ID (該当する場合) |
stDttm |
2020-01-01T00:00:00-05:00 |
1日の開始(初期測定と同様に、これは最初のインターバルの開始を表します)。 |
q1 |
1.325 |
最初のインターバルの測定値(このインターバルの測定日時は、stDttmにintSizeを加えたものになります) |
c1 |
301000 |
最初のインターバルの測定条件。 「通常」の場合はNULL (501000) |
q2 |
1.230 |
|
c2 |
301000 |
|
... |
q/c 3から299はこちら |
|
q300 |
.9134 |
|
c300 |
30100 |
例:
{"usId":"995647003500", "usType":"E-RES", "pSpId":"458081", "spId":"458081_001", "dvcId":"SN823287793219", "uomTouSqi":"KWH//",
"tz":"US/Eastern", "intPerDay":"288", "intSize":"300", "mktPart":"DIRECT_ENERGY",
"stDttm":"2020-01-01T00:00:00-05:00", "q1":"1.325", "c1":"301000", "q2":"1.325",
"c2":"301000" "q3":"1.325", "c3":"301000",
<intervening intervals>, "q300":"1.325", "c300":"301000"}
ファイル形式 - スカラー
スカラー抽出プロセスでは、次の表に示す抽出データを含むJavaScript Object Notation (JSON)ファイルが生成されます。
Name |
サンプル値 |
コメント |
---|---|---|
c |
301000 |
スカラー検針の測定条件 「通常」の場合はNULL (501000) |
dvcId |
SN823287793219 |
消費量抽出タイプで定義された設備ID |
enDttm |
2020-01-02T00:00:00-05:00 |
検針の終了日時 |
mktPart |
DIRECT_ENERGY |
市場参加者の市場参加者ID (該当する場合) |
pSpId |
458081 |
|
q |
1.325 |
スカラー検針の測定値 |
r |
678645 |
メーターの目盛 |
spId |
458081_001 |
消費量抽出タイプで定義されたサービス・ポイントID |
stDttm |
2020-01-01T00:00:00-05:00 |
検針の開始日時(前回の検針の終了日時) |
tz |
米国/東部 |
サービス・ポイントのタイム・ゾーン。 これは、タイム・ゾーン・コードではなく、CI_TIME_ZONE表のタイム・ゾーン名です。 |
uomTouSqi |
KWH// |
単位 / TOU / 使用量識別子(スラッシュ("/")で区切ります) |
usId |
995647003500 |
消費量抽出タイプによって定義された使用連係ID |
usType |
E-RES |
使用連係タイプ |
例(3つのレコード):
{"usId":"995647003500", "usType":"E-RES", "pSpId":"458081", "spId":"458081_001", "dvcId":"SN823287793219", "uomTouSqi":"KWH//",
"tz":"US/Eastern", "mktPart":"DIRECT_ENERGY", "stDttm":"2020-01-01T00:00:00-05:00",
"enDttm":"2020-01-02T00:00:00-05:00", "q":"1.325", "c":"301000", "r":"678645"}
{"usId":"995647003500", "usType":"E-RES", "pSpId":"458081", "spId":"458081_001", "dvcId":"SN823287793219", "uomTouSqi":"KWH//",
"tz":"US/Eastern", "mktPart":"DIRECT_ENERGY", "stDttm":"2020-01-01T00:00:00-05:00",
"enDttm":"2020-01-02T00:00:00-05:00", "q":"1.325", "c":"301000", "r":"678645"}
{"usId":"995647003500", "usType":"E-RES", "pSpId":"458081", "spId":"458081_001", "dvcId":"SN823287793219", "uomTouSqi":"KWH//",
"tz":"US/Eastern", "mktPart":"DIRECT_ENERGY", "stDttm":"2020-01-01T00:00:00-05:00",
"enDttm":"2020-01-02T00:00:00-05:00", "q":"1.325", "c":"301000", "r":"678645"}
{"usId":"995647003500", "usType":"E-RES", "pSpId":"458081", "spId":"458081_001", "dvcId":"SN823287793219", "uomTouSqi":"KWH//",
"tz":"US/Eastern", "mktPart":"DIRECT_ENERGY", "stDttm":"2020-01-01T00:00:00-05:00",
"enDttm":"2020-01-02T00:00:00-05:00", "q":"1.325", "c":"301000", "r":"678645"}
抽出処理の拡張
一部の実装では、特定の要件に基づいて抽出プロセスを拡張またはカスタマイズ(あるいはその両方)する場合があります。
使用するIDのリストの拡張
消費量抽出タイプは、使用連係、サービス・ポイント、子サービス・ポイント(該当する場合)および設備に使用する特定のIDタイプを定義します。実装で使用可能なIDタイプを拡張する場合は、各IDタイプで使用される参照フラグに適切な値を追加する必要があります。次の表は、使用するIDのフィールドで使用される参照コードを示しています。
確認手段タイプ |
参照フラグ |
---|---|
使用連係ID |
使用連係識別子タイプ(US_ID_TYPE_FLG) |
サービス・ポイントID (親と子の両方のサービス・ポイントに使用) |
サービス・ポイント識別子タイプ(SP_ID_TYPE_FLG) |
設備ID |
設備識別子タイプ(DVC_ID_TYPE_FLG) |
レコードの処理および出力ファイルの作成
抽出プロセスでは、一般的なプラグイン主導バックグラウンド・プロセス機能を使用しますが、動作は若干異なります。レコードの選択アルゴリズムを使用して処理対象の個々のレコードのIDを取得するかわりに、抽出する使用連係IDの範囲をアルゴリズムが返し、レコードの処理アルゴリズムが使用連係IDの範囲を抽出するための詳細問合せを実行します。
これには、次の2つの利点があります。
-
レコードの処理アルゴリズムでは、問合せの長さに制限がありません。
-
多数の使用連係のデータを一度に取得すると、大幅に効率が上がります。
つまり、新しいカスタム(CM)バッチ管理を作成し、「レコードの処理」Groovyスクリプトを複製することで、必要なカスタマイズを実現できます。カスタムGroovyスクリプト内で抽出SQLに変更を加えて、追加情報を取得したり、追加の選択基準を指定することができます。ファイル形式に変更が必要な場合は、ファイルに移入するレコード処理ロジック内でそのことを行うことができます。