外部アプリケーションからのスマート・メーター・コマンドの開始
スマート・メーター・コマンドは、多くの場合、オーケストレーション活動(「使用可能サービス」や「メーターの交換」など)の一部として、またはOracle Utilities Meter Data Managementアプリケーションから開始されますが、Oracle Utilities Customer Care and Billingなどの顧客情報システム、Oracle Utilities Digital Self-Service Transactionsなどのセルフサービス・アプリケーション、またはOracle Utilities Network Management Systemなどの供給中止管理システムなどの外部アプリケーションから開始することもできます。
外部アプリケーションはインバウンドWebサービスを使用してコマンドを開始し、アウトバウンド・メッセージを使用して結果を開始アプリケーションに返送します。この項では、外部アプリケーションからスマート・メーター・コマンドを開始する方法について説明します。
コマンド処理の概要
この項では、外部アプリケーションから開始されたコマンドをシステムが処理する方法の概要を示します。
次の表では、プロセスのステップごとに、発生する処理の簡単な説明を示し、使用される特定の基本パッケージ・オブジェクトをリストします。次に示すプロセスは説明のために簡素化されており、このプロセスで実行されるすべてのステップを表しているわけではないことに注意してください。この例では、「現在値読取インターバル」コマンドを使用します。
ステップ |
プロセス |
サンプル・オブジェクト |
---|---|---|
1 |
外部アプリケーションがインバウンドWebサービスを介してコマンド要求を開始します |
インバウンドWebサービス: D1-OnDemandReadInterval |
2 |
コマンド活動が「保留」状態で作成されます。 |
活動ビジネス・オブジェクト: D1-OnDemandReadInterval |
3 |
コマンド活動はそのライフサイクルに従い、ヘッドエンド・システムによって定義されたアウトバウンド通信を作成し、応答を受信します。 |
|
4 |
コマンドが「完了」状態になると、入力アルゴリズムによって開始アプリケーションに結果が送信されます。 |
アルゴリズム: エッジ・アプリケーションへの現在値読取の送信(D1-SNDRDTEA) |
5 |
このアルゴリズムは、外部アプリケーションに対して定義された「応答 - 成功」処理方法(「応答 - 成功」(D1SR)処理役割に基づく)を使用して、アウトバウンド・メッセージ(処理方法に定義されたアウトバウンド・メッセージ・タイプに基づく)を作成します。 |
処理方法ビジネス・オブジェクト: 活動関連アウトバウンドメッセージ送信方法(D1-HowToSendActivityResponse) アウトバウンド・メッセージ・ビジネス・オブジェクト: 通信BOのアウトバウンド・メッセージ(D1-OutboundMessage) |
6 |
外部システムおよびメッセージ・センダーは、アウトバウンド・メッセージを外部アプリケーションに送信します。 |
インバウンドWebサービス
この項では、外部アプリケーションからのスマート・メーター・コマンドの開始に使用できるインバウンドWebサービスに関する情報を提供します。次の表は、使用可能なスマート・メーター・コマンドと、それぞれに提供される特定のインバウンドWebサービスを示しています。
コマンド |
インバウンドWebサービス |
---|---|
設備ステータス・チェック |
設備ステータス・チェック(D1-DeviceStatusCheck) |
現在値読取(インターバル) |
現在値読取インターバル(D1-OnDemandReadInterval) |
現在値読取(スカラー) |
現在値読取スカラー(D1-OnDemandReadScalar) |
リモート接続 |
リモート接続(D1-RemoteConnect) |
リモート切断 |
リモート切断(D1-RemoteDisconnect) |
インバウンドWebサービスの使用の詳細は、「インバウンドWebサービス」を参照してください。
必要なデータ要素
コマンドの開始に使用されるインバウンドWebサービスのコールには、正常に処理するために特定のデータ要素が含まれている必要があります。
次の表は、インバウンドWebサービス・コールを介してコマンドを開始するときに必要な特定のデータ要素を示しています。「WSDL」リンクを使用して、各コマンドのWebサービス記述言語定義全体を表示します。
データ要素 |
摘要 |
使用対象 |
---|---|---|
|
コマンド要求を発行するシステムまたは個人。これは外部アプリケーションの名前である必要があります。 |
設備ステータス・チェック 現在値読取(インターバル) 現在値読取(スカラー) リモート接続 リモート切断 |
|
外部システム内の設備のID。これは、外部アプリケーションに定義されている「ユーティリティ設備IDタイプ」に基づいている必要があります。たとえば、外部アプリケーションが設備IDにシリアル番号を使用する場合、これは設備のシリアル番号になります。 |
設備ステータス・チェック 現在値読取(インターバル) 現在値読取(スカラー) リモート接続 リモート切断 |
|
「測定先」(MSRMT_DEST_FLG)参照から現在値読取コマンドによって返される測定の宛先。有効な値は次のとおりです。
|
現在値読取(インターバル) 現在値読取(スカラー) |
エッジ・アプリケーションへの送信アルゴリズム
前述のとおり、コマンドが「完了」状態になると、入力アルゴリズムによって開始アプリケーションに結果が送信されます。次の表は、各コマンドで使用される特定のアルゴリズムを示しています。
活動ビジネス・オブジェクト |
エッジ・アプリケーションへの送信アルゴリズム |
---|---|
設備ステータス・チェック(D1-DeviceStatusCheck) |
エッジ・アプリケーションへの設備ステータス・チェック通知の送信(D1-SNDDVSTCK) |
現在値読取インターバル(D1-OnDemandReadInterval) |
エッジ・アプリケーションへの現在値読取の送信(D1-SNDRDTEA) |
現在値読取スカラー(D1-OnDemandReadScalar) |
エッジ・アプリケーションへの現在値読取の送信(D1-SNDRDTEA) |
リモート接続(D1-RemoteConnect) |
エッジ・アプリケーションへのリモート接続通知の送信(D1-SRCNTEA) |
リモート切断(D1-RemoteDisconnect) |
エッジ・アプリケーションへのリモート切断通知の送信(D1-SRDNTEA) |
外部アプリケーションへのメッセージの返送
外部アプリケーションへのアウトバウンド通信の送信には、いくつかのエンティティの構成が含まれます。この項では、外部アプリケーションへのアウトバウンド通信の送信に必要なオブジェクトの概要について説明します。
アウトバウンド・メッセージ・タイプ
アウトバウンド・メッセージ・タイプでは、外部アプリケーションに送信するアウトバウンド・メッセージの詳細を定義します。外部アプリケーションに送信するメッセージのタイプごとに、アウトバウンド・メッセージ・タイプを作成する必要があります。
アウトバウンド・メッセージ・タイプの作成の詳細は、「アウトバウンド・メッセージ」および「アウトバウンド・メッセージ・タイプの定義」を参照してください。
メッセージ・センダー
メッセージ・センダーでは、外部アプリケーションにメッセージを送信するための詳細を定義します。外部アプリケーションに送信するメッセージのタイプごとに、メッセージ・センダーを作成する必要があります。
注意: メッセージ・クラスはSOAPSNDR (リアルタイムHTTP / SOAPメッセージのセンダー)に設定する必要があります。
メッセージ・センダーの作成の詳細は、「メッセージ・センダー」を参照してください。
外部システム
外部アプリケーションを表す外部システムを作成し、外部アプリケーションに送信できるアウトバウンド・メッセージ・タイプを定義する必要があります。この外部システムは、外部アプリケーションで参照されます。
外部アプリケーションに送信するメッセージのタイプごとに、外部システムでアウトバウンド・メッセージ・タイプを構成する必要があります。外部システムのアウトバウンド・メッセージ・タイプは、次によって定義されます。
-
アウトバウンド・メッセージ・タイプ: メッセージ用に作成されたアウトバウンド・メッセージ・タイプ(前述の説明を参照)
-
処理方法: メッセージの送信方法。これは「リアルタイム」に設定する必要があります。
-
メッセージ・センダー: メッセージ用に作成されたメッセージ・センダー(前述の説明を参照)。
-
メッセージXSL / 応答XSL: メッセージおよびメッセージに対する応答を外部アプリケーション(メッセージXSL)およびSmart Grid Gateway (応答XSL)で使用される適切な書式に変換するために使用されるXSLファイル。
外部システムの作成の詳細は、「外部システム」を参照してください。
外部アプリケーション
スマート・メーター・コマンドを開始できる外部アプリケーションは、外部アプリケーションとして定義する必要があります。次に例を示します。
-
顧客情報システム(Oracle Utilities Customer Care and Billingなど)
-
セルフサービス・アプリケーション(Oracle Utilities Digital Self-Service Transactionsなど)
外部アプリケーションに対して定義される情報は次のとおりです。
-
外部システム: 外部システム(前述の説明を参照)では、外部アプリケーションに送信するアウトバウンド・メッセージのタイプを定義します。
-
先方システム内の当方名/ID: システムを識別するために外部アプリケーションで使用される値。
-
ユーティリティ設備IDタイプ: 外部アプリケーションとの通信時に使用される設備IDタイプで、外部アプリケーションから送信される設備識別子の想定される設備IDタイプになります。
-
ユーティリティ・サービスポイントIDタイプ: 外部アプリケーションとの通信時に使用されるサービス・ポイントIDタイプで、外部アプリケーションから送信されるサービス・ポイント識別子の想定されるサービス・ポイントIDタイプになります。
-
処理方法: 外部アプリケーションの処理方法では、アプリケーションに関連するデータの送信方法または作成方法(あるいはその両方)を定義します。少なくとも1つの処理方法で、外部アプリケーションへの応答の送信に使用されるアウトバウンド・メッセージ・タイプを参照する必要があります。スマート・メーター・コマンドを開始する外部アプリケーションでは、次の処理役割を使用する必要があります。
-
応答 - 成功: コマンドが正常に実行されたことの確認応答およびコマンドの結果(該当する場合)を送信するために使用されます。
-
外部アプリケーションの詳細は、「外部アプリケーションの理解」と「外部アプリケーションの構成」を参照してください。