決済計算の概要

Oracle Utilities Market Settlements Managementは、継続的に集計済データから決済結果を計算し、計算された決済結果を市場参加者に公開できます。決済計算では、1つ以上の市場参加者に関連付けられた集計測定を使用して、決済トランザクションの使用量が導出されます。

決済結果を計算する前に、最初に「決済連係」を作成する必要があります。決済連係では、データを送信する必要がある外部システムおよび計算に使用される決済計算グループが定義されます。決済計算グループに定義された決済計算ルールでは、決済結果に対する特定の計算、検証または推定が行われます。

決済使用量は、計算期間の集計測定データから導出されます。

決済連係によって実行されたすべての計算の結果は、「決済トランザクション」として格納されます。

決済計算プロセスには、次に説明する多数の異なるオブジェクトが含まれており、これらのオブジェクトを使用すると、プロセスの実行方法を柔軟に構成できます。

決済計算グループ

決済計算グループは、市場参加者の使用量計算に使用される決済計算ルールのコレクションです。決済トランザクション・プロセス中に、決済連係で参照される決済計算グループで定義された決済計算ルールが実行されます。決済計算グループ内のルールは特定のシーケンスで定義されるため、ルールの実行順序を制御できます。

決済計算ルール

決済トランザクションで実行される特定の計算処理は、個々の決済計算ルールで定義され、各ルールによりターゲット・ロジックの特定のセットが実行されます。基本製品には、実装で使用できる多数の決済計算ルールが含まれますが、独自のカスタム決済計算ルールを作成することもできます。多くの決済計算ルールは、Oracle Utilities Meter Data Managementで使用される使用計算ルールと同一です

決済トランザクション例外

各決済計算ルールでは、システムによる例外の追跡方法を指定する例外のタイプと重大度が定義されます。決済トランザクションで一部の決済計算ルールが失敗した場合、失敗した決済計算ルールに指定されたタイプの例外が作成されます。単一の決済トランザクションには、失敗したルールごとに1つ(以上)の複数の例外を含めることができます。これにより、ユーザーは決済計算プロセスで検出されたすべての問題を表示できます。

決済トランザクション例外の重大度には3つのレベルがあります。

  • 情報: 決済トランザクションが失敗状態になるほどではない軽度の問題をハイライト表示するために使用されます。このカテゴリの例外を使用して、致命的ではないが注意が必要な問題の頻度をレポートできます。
  • 問題: 決済トランザクションのエクスポートを妨げる問題をレポートするために使用されます。決済トランザクションの処理中に複数の問題例外が生成されることがあります。すべてのルールの適用後に1つ以上の問題が存在する場合、決済トランザクションは、確認および承認が必要な失敗状態に遷移します。
  • 終了: 決済計算プロセスが停止する原因となり、決済トランザクションが確認および承認が必要な失敗状態にすぐに遷移する、重大な問題をレポートするために使用されます。終了例外は1つしか発行されません(最初の例外によって決済トランザクションの計算処理が停止するため)。これは、手動上書き/承認が正確ではない場合に使用する必要があります。たとえば、インターバル・データが決済期間全部をカバーしていないことを示す曲線が連続していないエラーは、必ず「例外重大度」として「終了」に設定する必要があります。

決済トランザクションが調整または訂正された場合、例外は削除されないことに注意してください。すべての問題が訂正されるか、決済トランザクションが上書き(または手動で完了)されると、例外はレポートの目的でクローズ済状態のままになります。

例外に加えて、決済処理により、問題に関連する作業予定登録の作成もトリガーされます。問題または終了の例外が初期測定に存在する場合、決済トランザクションが例外状態に遷移すると、作業予定登録が作成されます。作業予定タイプおよびこの作業予定登録のデフォルト作業予定役割は、決済トランザクションの定義に使用されたビジネス・オブジェクトの例外状態に対して、「開始」システム・イベントで定義されます。

この方法で作成された作業予定登録は、(「作業予定タイプ」の「メッセージ上書き」タブを使用し、)例外のメッセージのカテゴリと番号に応じて様々な役割にルーティングできます。

決済計算ルール適用基準

決済計算ルール適用基準はユーザー定義可能な条件であり、その条件を満たすと特定の決済計算ルールが適用またはスキップされます。これには、決済連係の属性またはまったく別のものの評価を含めることができます。決済計算ルールを適用するかスキップするかを決めるために、複数の適用基準をユーザーが定義した順序でルールに設定できます。決済計算ルールの適用基準は、Oracle Utilities Meter Data Managementで使用される使用計算ルールと同じ適用基準で機能します。