組織管理の概要
組織管理を使用して、複数のテナンシの一元管理、子テナンシの招待と作成、サブスクリプションの表示とマップ、組織内のテナンシへのガバナンス・ルールの作成とアタッチを行います。
組織管理では、組織にテナンシを追加し、それらのテナンシがプライマリ有料サブスクリプションから消費するようにできます。分離テナンシを作成してワークロードを構築でき、新しいオーダーを予約する必要はありません。
- 親テナンシ(プライマリ資金調達サブスクリプションに関連付けられているテナンシ)。
- 子テナンシ(自分のものではないサブスクリプションから消費するテナンシ)。子テナンシは、完全に新しいテナンシとして作成することも、親テナンシとともに同じ組織の一部になるように既存のテナンシを招待することもできます。
親サブスクライブ済リージョンは、子サブスクライブ済リージョンのスーパーセットである必要があります。
組織は、親テナンシによって管理される複数のサブスクリプション(最大50)を持つことができます。親テナンシは、サブスクリプション・マッピングを使用して、組織内の子テナンシにサブスクリプションを割り当てることができます。
組織管理の利点は次のとおりです。
- コスト超過の回避とマルチテナンシ・コスト管理の有効化に役立つ単一のコミットメントを共有します。組織内のリンクされているすべてのテナンシにわたって分析、レポートおよびモニターできます。親テナンシは、コスト分析およびコストおよび使用状況レポートを使用して各テナンシを分析およびレポートでき、予算を介してアラートを受信できます。
- 厳密なデータ分離要件を持つ顧客は、マルチテナンシ戦略を使用してデータを分離し、テナンシ全体でリソースを制限できます。
- ガバナンス・ルールを使用して、特定の子テナンシまたは組織全体にリソースを強制および管理します。
SaaSサブスクリプション・サービスは、サブスクリプションがアクティブ化されたテナンシでのみプロビジョニングできます。子テナンシへのアクティブ化は許可されません。
このトピックの残りの部分では、組織管理を使用して子テナンシを作成する方法、既存のテナンシを招待する方法、招待の表示と取消しを行う方法、およびサブスクリプションをテナンシに再マップする方法の概要を示します。コスト・レポート機能についても説明します。この機能を使用して、組織内のすべてのテナンシのコストおよび使用状況の情報を一元管理できます。これらの機能を使用すると、マルチテナンシ環境をより適切に管理できます。
クラウド・アドバイザの統合
組織管理はクラウド・アドバイザとも統合されます。これにより、親テナンシの顧客は、親テナンシ・レベルと子テナンシ・レベル両方での推奨事項を表示できます。詳細は、組織全体の推奨事項の表示を参照してください。
計画に関する考慮事項
テナンシをさらに取得する前に、マルチテナンシにすることがお客様のワークロードに最適であると確認するために、必要性を判断してください。テナンシを複数にする主な理由は、ワークロードを分離しやすくするための分離の強化です。デフォルトでは、各親および子テナンシには次のものが付属しています:
- IAMユーザーの個別のセット(別のアイデンティティ・システムにフェデレートできます)。
- IAMポリシー(権限)の個別のセット。
- 独自のサービス制限。
- 分離された仮想クラウド・ネットワーク(VCN)。
- 個別のセキュリティとガバナンスの設定。
管理するテナンシが複数になると管理オーバーヘッドが増えるため、分離することにそれだけの価値があるか確認してください。強力なレベルの分離が必要ない場合は、かわりに、コンパートメントでのワークロードの分離を検討します。
必要なIAMポリシー
Oracle Cloud Infrastructureを使用するには、管理者によってポリシーでセキュリティ・アクセス権が付与されている必要があります。このアクセス権は、コンソール、あるいはSDK、CLIまたはその他のツールを使用したREST APIのいずれを使用している場合でも必要です。権限がない、または認可されていないというメッセージが表示された場合は、自分がどのタイプのアクセス権を持っているか、およびどのコンパートメントで作業するかを管理者に確認してください。
ポリシーを初めて使用する場合は、ポリシーの開始と共通ポリシーを参照してください。
組織管理を使用するには、次のポリシー・ステートメントが必要です:
Allow group linkUsers to use organizations-family in tenancy
Allow group linkAdmins to manage organizations-family in tenancy
招待を受け入れるが作成しない場合は、次を使用します:
allow group linkAccepters to manage organizations-recipient-invitations in tenancy
現在リンクされているテナンシを表示し、招待を表示しない場合:
allow group linkViewers to read organizations-links in tenancy
新しい子テナンシの作成
親テナンシとして、他のリンクされた子テナンシを組織内に作成できます。新しく作成された子テナンシは、親テナンシのサブスクリプションから消費します。新しい子テナンシが別のサブスクリプションから消費するようにする場合は、「サブスクリプション・マッピング」ページで、作成されたテナンシを別のサブスクリプションに再マップできます。
作成中に新しい子テナンシにガバナンス・ルールをアタッチすることも、後で戻ってルールをアタッチすることもできます。子テナンシの作成前にガバナンス・ルールをアタッチする場合は、最初に「ガバナンス・ルール」ページでガバナンス・ルールを作成して、新しい子テナンシの作成時に選択できるようにします。
Pay As You GoまたはFree Tierサブスクリプションを使用するテナンシは、新しい子テナンシを追加できません。
子テナンシを作成する場合、必要な情報を指定すると、子テナンシ管理者にサインイン手順が提供されます。作成された(子)テナンシは、組織のデフォルト・サブスクリプションから自動的に消費するため、すべての使用量に対する請求がそのサブスクリプションのレート・カードに基づいて行われます。親テナンシは、子テナンシの使用量についても責任を負います。
子テナンシ管理者にサインインの手順が送信されます。新しい子テナンシへの初回サインインには、提供された一時パスワードを使用します。パスワードは変更する必要があります。
子テナンシが作成された場合、そのテナンシはOracle Identity Cloud Serviceに自動的にフェデレートされません。詳細は、Oracle Identity Cloud Serviceのフェデレートを参照してください。My Oracle Servicesにアクセスするには次のURLを使用します: https://myservices-<account name>.console.oraclecloud.com/mycloud/cloudportal/gettingStarted。
既存のテナンシの招待
適切な制限がある場合、組織に加わるように別のテナンシを招待できます。テナンシが組織に加わると、そのサブスクリプションは親テナンシによって管理されます。
別のテナンシの招待に関連する制限の詳細は、組織制限を参照してください。
招待を受け入れるには、受信者テナンシが子テナンシでサブスクリプション共有を管理するための適切な権限を持っている必要があります。詳細は、必要なIAMポリシーを参照してください。
作成中に招待されたテナンシにガバナンス・ルールをアタッチすることも、後で戻ってルールをアタッチすることもできます。招待の送信前にガバナンス・ルールをアタッチする場合は、最初に「ガバナンス・ルール」ページでガバナンス・ルールを作成して、テナンシの招待プロセス中に選択できるようにします。
招待されたテナンシ(受信者テナンシとも呼ばれる)は、組織内のデフォルト・サブスクリプションから自動的に消費するため、すべての使用量に対する請求がデフォルト・サブスクリプションのレート・カードに対して行われます。招待された受信者テナンシがデフォルト・サブスクリプションから消費しないようにする場合は、招待されたテナンシが組織に加わった後で、サブスクリプションを元のPay As You Goサブスクリプションに再マップできます。
テナンシを招待するには:
招待の表示
招待の詳細は、親と子の両方のテナンシから表示できます。
招待を表示するには:
招待の取消し
組織に加わるように別のテナンシに招待を送信した親テナンシは、後で「招待」ページでそのような招待を取り消すことを選択できます。
招待を取り消すには:
- 招待およびサブスクリプション共有を管理する権限を持つユーザーとして、プライマリ(親)テナンシにサインインします。
- 親テナンシとして、ナビゲーション・メニューを開き、「ガバナンスと管理」をクリックします。「組織管理」で、「招待」をクリックします。「招待」ページが表示されます。
- 取り消す招待について、「アクション」メニューをクリックし、「招待の取消」を選択します。招待の詳細ページで、「取消」をクリックすることもできます。招待の取消の確認が表示されます。招待を取り消すには、「取消」をクリックします。
- 「招待」ページで、招待の「ステータス」が「取消済」に変わります。
招待したテナンシの削除
親テナンシとして、招待した子テナンシを組織から削除できます。削除できるのは、招待した子テナンシのみです。
招待した子テナンシを削除するには、まずテナンシの割当てを元のサブスクリプションに戻す必要があります。再マップした後に、子テナンシを削除できます。
子テナンシを削除すると、親テナンシで子テナンシを管理できなくなります。親テナンシは、子のコストや使用状況の情報を表示することも、子のサブスクリプション・マッピングを管理することもできません。子テナンシが組織内の別のサブスクリプションから消費するようにする場合は、テナンシを削除する必要はありません。かわりに、サブスクリプション・マッピングで、テナンシを別のサブスクリプションに再マップできます。テナンシは次のようにして削除します:
子テナンシは、元のサブスクリプションとともに、組織から削除されます。子テナンシを元のサブスクリプションにマッピングすると、そのテナンシは自身のサブスクリプションから消費し、サブスクリプションの使用量に対する支払を行うことになります。
サブスクリプション・マッピング
組織管理内でテナンシを表示し、サブスクリプションに再マップできます。
組織は、親テナンシによって管理される複数のサブスクリプションを持つことができます。たとえば、組織は常に単一のサブスクリプション(サブスクリプション"A")のみで開始しますが、後で組織に参加する独自のサブスクリプション(サブスクリプション"B")を持つ子テナンシは独自のサブスクリプションBを持ち込むことができます。親テナンシは、サブスクリプション・マッピングを使用して、サブスクリプションBを組織内の他のテナンシにマップできます。その結果、組織のサブスクリプションは、組織内の任意のテナンシにマップできます。
サブスクリプションにマップされたテナンシは、サブスクリプションのクレジット(ユニバーサル・クレジット・コミットメント・サブスクリプションの場合)から消費し、そのレート・カードを使用します。テナンシをサブスクリプションに再マップすることで、テナンシの使用量は、サブスクリプションの条件(レート・カード、クレジット消費、サブスクリプションの契約内のその他の契約など)に適用されます。
サブスクリプションをマップするには:
ガバナンス・ルールの使用
ガバナンス・ルールを使用して、組織内のテナンシにコントロールを構成およびアタッチできます。ガバナンス・ルールがテナンシにアタッチされると、対応するリソースが作成され、ターゲット・テナンシに固定されます。
ガバナンス・ルールは、親テナンシが作成する強制の一種であり、子テナンシのリソースを管理できます。親テナンシはガバナンス・ルールを作成し、1つ以上の子テナンシにターゲット指定できます。設定後、ガバナンス・ルールの強制はロックされ、子テナンシ内のユーザーはルールを変更できなくなります。その結果、このようなリソースのインタフェースにロック・アイコンが表示されます。たとえば、親テナンシが子テナンシに対して許可されているリージョン・ガバナンス・ルールを作成した場合、子テナンシの「割当て制限ポリシー」ページでは、割当て制限名に隣接するロック・アイコンが表示されます。割当て制限ポリシーの詳細ページを表示すると、ガバナンス・ルールを使用してリソースが親テナンシによって作成およびロックされたことを示すメッセージが表示されます。詳細は、リソース・ロックを参照してください。
ガバナンス・ルールを使用すると、次のことを強制できます:
- 許可されたリージョン: ターゲット・テナンシがサブスクライブできる1つ以上のリージョン。コンプライアンス標準で許可されているリージョンの許容リストを設定します。ノート
ターゲット・テナンシが、許可されたリージョンのリストにないリージョンにすでにサブスクライブしている場合は、テナンシがそのリージョンにサブスクライブされたままになります。 - 割当て制限ポリシー: リソース割当て制限を設定して、サービス内のリソース数を制限するか、特定のサービスを無効にします。このような割当て制限は、テナンシ・レベルで設定できます。次に例を示します:
zero compute-core quotas in tenancy set compute-core quota to 20 in tenancy
- タグ: 組織全体でタグを定義します。一貫したタグ付けのためにタグ・ネームスペースを共有することも、すべてのリソースがタグ付けされるようにタグのデフォルトを定義することもできます。ノート
ガバナンス・ルールの作成に使用された親テナンシのリソース(タグ・ネームスペースなど)を更新する場合は、ガバナンス・ルールも更新する必要があります。更新しないと、変更が子テナンシに伝播されません。
ガバナンス・ルールを作成し、それを1つ以上のテナンシにアタッチするには:
これで、ガバナンス・ルールが構成され、子テナンシ(または指定されている場合は組織全体および組織に参加する将来のテナンシ)に制限が適用されるようになりました。「組織管理」の「テナンシ」ページにアクセスして、関連するガバナンス・ルールを表示することもできます。「テナンシ」ページで、リンクされたテナンシ名をクリックすると、リンクされたテナンシの詳細ページが開きます。「ガバナンス・ルール」で、テナンシにアタッチされているガバナンス・ルールのリスト(名前およびルール・タイプを含む)を表示できます。リンクされたガバナンス・ルール名をクリックすると、関連するガバナンス・ルールの詳細ページに移動します。
一方、ガバナンス・ルールをアタッチした子テナンシも、「ガバナンス・ルール」ページにルールを表示できますが、親テナンシがルール構成を制御するため、ルールとはやり取りできず、ルールに関する基本情報の表示のみ行えます。
ガバナンス・ルールを作成した後、ルールの編集または削除、ルールのデタッチ、またはアタッチメント・メソッドの変更を行うことができます。また、ガバナンス・ルールを使用してテナンシをオプト・インするように選択することも可能です。
- ナビゲーション・メニューを開き、「ガバナンスと管理」をクリックします。「組織管理」で、「ガバナンス・ルール」をクリックします。
- ガバナンス・ルールの詳細ページで、「ルール構成の編集」をクリックします。「ルール構成の編集」パネルが開きます。
- ルール構成を編集し、「保存」をクリックします。
- ナビゲーション・メニューを開き、「ガバナンスと管理」をクリックします。「組織管理」で、「ガバナンス・ルール」をクリックします。
- ガバナンス・ルールの詳細ページで、「アタッチメント・メソッドの変更」をクリックします。「アタッチメント・メソッドの変更」の確認が表示されます。
- 優先アタッチメント・メソッドを選択し、「ルールのアタッチ」をクリックします。
- ナビゲーション・メニューを開き、「ガバナンスと管理」をクリックします。「組織管理」で、「ガバナンス・ルール」をクリックします。
- ガバナンス・ルールの詳細ページの「テナンシ」で1つ以上のテナンシを選択し、「デタッチ」をクリックします。ルールがターゲット・テナンシに適用されなくなり、関連付けられたリソースが削除されることを示す確認が表示されます。
- 「ルールのデタッチ」をクリックします。ガバナンス・ルールの詳細ページがリロードされ、新しい作業リクエストが開始されます。作業リクエストが完了すると、ルールはテナンシにアタッチされなくなり、「ルール・ステータス」が「デタッチ済」に変わります。
- ナビゲーション・メニューを開き、「ガバナンスと管理」をクリックします。「組織管理」で、「ガバナンス・ルール」をクリックします。
- ガバナンス・ルールの詳細ページで、「ルールの削除」をクリックします。「ルールの削除」の確認が表示されます。
- 「ルールの削除」をクリックします。削除すると元に戻せなくなります。また、ターゲット・テナンシで、ルールに関連付けられているリソースも削除されます。
組織にすでに含まれている特定のタイプのテナンシは、ガバナンス・ルールを使用するようにオプト・インできます。
具体的には:
- 親テナンシは、自身をオプト・インまたはオプト・アウトできます。
- 親テナンシは、子テナンシがオプト・インに同意するか、子テナンシをオプト・アウトするようにリクエストできます。
- 子テナンシは、親テナンシによってオプト・インされるか、自身をオプト・インすることができますが、子テナンシが自身をオプト・アウトすることはできません。
テナンシをガバナンス・ルールにオプト・インするには:
- ナビゲーション・メニューを開き、「ガバナンスと管理」をクリックします。「組織管理」で、「テナンシ」をクリックします。
- 「テナンシ」ページで、「テナンシ名」フィールドからリンクされたテナンシをクリックし、その詳細ページを開きます。
- 「ガバナンスに参加するようリクエスト」をクリックします。「ガバナンスに参加するようリクエスト」パネルが開き、テナンシにオプト・インをリクエストできます。受信者は、子テナンシへのアクセス権を持ち、リクエストが失効するまでの14日間のうちに応答する必要があります。
- オプションで、「受信者電子メール」に、受信者の電子メール・アドレスを入力します。
- 「ガバナンス・ルール」で、選択したガバナンス・ルールをすぐに選択するか、スキップしてガバナンス・ルールを後で選択します。
- 「リクエストの送信」をクリックします。ガバナンスの招待リクエストが送信されたことを示すメッセージが表示されます。リクエストの受入れを決定した場合、子テナンシはすぐに組織ガバナンスを使用します。
送信側テナンシの「招待」ページで、「タイプ」フィールドに「送信済リクエスト」がある新しいガバナンス招待を表示できます。リンクされた招待をクリックすると、招待の詳細ページが表示され、そのステータス(受信側テナンシがガバナンスの招待を受け入れるまで、最初は「保留中」)を表示できます。「リクエスト」フィールドは、テナンシが組織ガバナンスに参加するようにリクエストし、その「ステータス」が「保留中」であることを示します。受信者テナンシがリクエストを受け入れると、ガバナンス・ルールを作成して、テナンシにアタッチできます。
「取消」をクリックして、ガバナンスの招待を取り消すこともできます。
- 受信者(子)テナンシで、ナビゲーション・メニューを開き、「ガバナンスと管理」をクリックします。「組織管理」で、「招待」をクリックします。新しいガバナンスの招待の「ステータス」が「保留中」で、その「タイプ」が「受信リクエスト」です。
- リンクされた招待をクリックして、「リクエスト詳細: 組織ガバナンスに参加」ページに移動します。招待の「タイプ」は「受信リクエスト」で、「リクエスト」フィールドは、リクエストを受け入れることで、組織ガバナンスに参加し、親テナンシがご使用のテナンシにガバナンス・ルールを作成およびアタッチすることに同意していることを示します。参加後、組織ガバナンスからテナンシを削除できるのは、親テナンシのみです。
「アクション」メニューから直接「リクエストの承認」をクリックして、ガバナンスの招待をメインの「招待」ページから直接受け入れることもできます。
- 「同意」をクリックします。「招待に応じる」の確認で、組織ガバナンスへの参加リクエストを承認する場合は、「同意」をクリックします。
「拒否」をクリックすると、招待は拒否され、送信側テナンシは後で別のガバナンスの招待を送信できます。
数分後、招待ステータスは「受入れ済」に変わります。招待ステータスは、送信側(親)テナンシと受信者(子)テナンシの両方に表示できます。
送信側テナンシの「テナンシ」ページでは、テナンシがガバナンス・ルールを使用していることを示すために、「組織ガバナンス」フィールドに「参加済」と表示されます。また、テナンシの詳細ページの「ガバナンスの状態」フィールドには、テナンシがガバナンス・ルールを使用していることを示すために、「組織ガバナンス」と表示されます。
ガバナンス・ルールからテナンシをオプト・アウトするには:
- ナビゲーション・メニューを開き、「ガバナンスと管理」をクリックします。「組織管理」で、「テナンシ」をクリックします。
- 「テナンシ」ページで、「テナンシ名」フィールドからリンクされたテナンシをクリックし、その詳細ページを開きます。
- 「組織ガバナンスから削除」をクリックします。
- 確認で、「組織ガバナンスから削除」をクリックします。ガバナンスをオプト・アウトするリクエストは受け入れられ、テナンシはまもなく組織ガバナンスから削除されることを示すメッセージが表示されます。
ガバナンス・ルールからテナンシを削除すると、ガバナンス・ルールをテナンシにアタッチできなくなります。将来ルールをアタッチするには、テナンシを再度オプト・インするようにリクエストする必要があります。
「テナンシ」ページでは、テナンシがガバナンス・ルールを使用していないことを示すために、「組織ガバナンス」フィールドに「不参加」と表示されます。また、テナンシの詳細ページの「ガバナンスの状態」フィールドには、テナンシがガバナンス・ルールを使用せずに、かわりにコスト管理の詳細のみが共有されていることを示すために、「コスト管理のみ」と表示されます。
注意が必要なルールのトラブルシューティング
- タグ・ガバナンス・ルールを作成してテナンシに適用しますが、テナンシには同じ名前のタグ・ネームスペースがすでにあります。たとえば、この種のルールを親テナンシに適用すると、テンプレート・タグ・ネームスペースでは、一致する名前を持つ別のタグ・ネームスペースが作成されなくなります。
- 割当て制限ポリシー・ステートメントの構文エラーまたはミスによって、割当て制限ポリシー・ガバナンス・ルールを引き続き作成することはできますが、そのようなルールはいずれのテナンシにもアタッチできません。
APIの使用
APIの使用およびリクエストの署名の詳細は、REST APIおよびセキュリティ資格証明を参照してください。SDKの詳細は、ソフトウェア開発キットとコマンドライン・インタフェースを参照してください。
組織管理には、組織APIの次のものを使用します。
サブスクリプションおよびサブスクリプション・マッピングの管理用:
- AssignedSubscription
- GetAssignedSubscription
- ListAssignedSubscriptions
- CreateSubscriptionMapping
- DeleteSubscriptionMapping
- GetSubscriptionMapping
- ListSubscriptionMappings
テナンシおよび組織の管理用:
子テナンシの再アクティブ化の管理用:
組織間で子テナンシを移動するには:
- ApproveOrganizationTenancyForTransferノート
このAPIは、親テナンシで管理者としてコールする必要があります。詳細は、関連するoci organizations organization-tenancy approve-organization-tenancy-for-transfer
コマンドも参照してください。親テナンシIDはcompartmentId
として渡され、子テナンシIDはorganizationTenancyId
として渡されます。テナンシおよびコンパートメントの詳細は、コンパートメントの理解を参照してください。
招待の管理用:
作業リクエストの管理用:
ガバナンス・ルールの管理用:
コスト・レポート統合
Oracleの請求およびコスト・レポート機能を使用すると、組織内のすべてのテナンシにわたってコストおよび使用状況の情報を集中管理できます。
テナンシが作成されるか、組織に加わったら、コスト分析のレポート・オプションを使用して、組織の支出でフィルタまたはグループ化できます。親テナンシとして、コスト分析を使用し、次を使用して組織の支出に焦点を当てることができます:
- 「テナントID」および「テナント名」グループ化ディメンション、および
- 「サブスクリプションID」グループ・ディメンション。これにより、特定のサブスクリプションでフィルタし、テナンシの使用量が発生したサブスクリプションを特定します。その結果、特定のサブスクリプションのみに関連するコストおよび使用状況を表示できます。組織におけるコストの表示の詳細は、サブスクリプションの詳細およびコストの表示を参照してください。
子テナンシもテナントID、テナント名およびサブスクリプションID別にグループ化できますが、表示されるコストは子テナンシに関するもののみです(これとは対照的に、親テナンシは自身のコストに加えて子テナンシのコストも表示できます)。
また、コストおよび使用状況レポートを使用して詳細なコストおよび使用状況の情報を表示することもできます。このレポートでは、時間レベルの情報を取得して支出に関するインサイトを獲得できます。
サブスクリプションに対するすべての支出(親およびすべての子テナンシ)は、親テナンシのコスト・レポートに含まれ、子テナンシは、自身のテナンシでの支出の表示に制限されます。コストおよび使用状況レポートは親テナンシでのみ生成され、親およびそのすべての子のすべての使用状況が含まれます。親テナンシと子テナンシの両方で予算を作成できます。親テナンシは、自身と子テナンシの両方の予算を作成できますが、子テナンシが作成できるのは自身の予算のみです。
サブスクリプションが再割当てされたテナンシは、それ以降、2つのサブスクリプション(つまり、再割当ての前と後)にデータが分割されます。コスト分析およびコストおよび使用状況レポートでは、データは一定期間のスナップショットであり、問合せのフィルタリングおよびグループ化の選択肢に影響を与えます。たとえば、"tenancy1"のデータのレポート先が10月15日までは"subscription1"、10月16日からは"subscription2"である場合、10月15日までの消費については"subscription1"を参照し、10月15日より後の消費については"subscription2"を参照する必要があります。
次の表では、すべてのOracle Cloud Infrastructureの請求およびコスト管理機能に関して、組織管理がコスト・レポートに与える影響を説明します。
親テナンシ | 子テナンシ | |
---|---|---|
コスト分析 | 親およびすべての子のすべての使用量およびコストについてレポートし、テナンシまたはサブスクリプションID別にグループ化できます。親テナンシは、親およびすべての子テナンシのサブスクリプション詳細を表示することもできます。 |
子テナンシのすべての使用量およびコストについてレポートします。子テナンシがコスト分析内でサブスクリプション詳細を表示することはできません(サブスクリプション詳細は親テナンシの観点からのみ表示できます)。 ノート: 子テナンシがコンソールからコスト分析を使用する場合は、親テナンシのホーム・リージョンをサブスクライブする必要があります。 |
コストおよび使用状況レポート(CSV) | 親とすべての子のすべての使用量とコストが含まれます。 | 使用できません。 |
予算 | 予算は、プライマリ・テナンシのサブスクリプション、子テナンシ、コンパートメントおよびタグに対して作成できます。 | 予算は、子テナンシ内のサブスクリプション、コンパートメントまたはタグに対して作成できます。 |
サポート
- テナンシごとに別々のCSI (カスタマ・サポートID)番号およびサポート・アカウント。
- または、両方の組合せ。