形式 - マニュアルページセクション 1: ユーザーコマンド

通常ファイル、特殊ファイル、または名前付きパイプである引数ごとに、getfacl ユーティリティーは、所有者、グループ、およびアクセス制御リスト (ACL) を表示します。ディレクトリ引数ごとに、getfacl は、所有者、グループ、および ACL またはデフォルトの ACL、あるいはその両方を表示します。デフォルトの ACL が含まれるのはディレクトリだけです。

getfacl ユーティリティーは、ACL をサポートしていないファイルシステム上で実行できます。その場合は、基本のアクセス権ビットに基づいて ACL を報告します。

オプションが指定されていない場合、getfacl は、ファイル名、ファイル所有者、ファイルグループ所有者、および ACL とデフォルトの ACL (存在する場合) の両方を表示します。

オプション

サポートしているオプションは、次のとおりです。

-a: ファイル名、ファイル所有者、ファイルグループ所有者、およびファイルの ACL を表示します。
-d: ファイル名、ファイル所有者、ファイルグループ所有者、およびファイルのデフォルトの ACL (存在する場合) を表示します。

オペランド

次のオペランドがサポートされています。

file: 通常ファイル、特殊ファイル、または名前付きパイプのパス名。

出力

ACL の出力の形式は次のとおりです。

# file: filename    
# owner: uid    
# group: gid    
user::perm    
user:uid:perm    
group::perm    
group:gid:perm    
mask:perm    
other:perm    
default:user::perm    
default:user:uid:perm    
default:group::perm    
default:group:gid:perm    
default:mask:perm    
default:other:perm

コマンド行で複数のファイルが指定される場合、各ファイルの ACL は空行で区切られます。

ACL エントリは、アクセスチェックが実行されるときに評価された順序で表示されます。ディレクトリ上に存在する可能性のあるデフォルトの ACL エントリは、アクセスチェックに影響を与えません。

最初の 3 行には、ファイル名、ファイル所有者、およびファイルグループ所有者が表示されます。-d オプションのみが指定され、ファイルにデフォルトの ACL が存在しない場合は、これらの 3 行のみが表示されます。

ユーザー ID のない user エントリは、ファイル所有者に付与されたアクセス権を示します。1 つ以上の追加のユーザーエントリは、指定されたユーザーに付与されたアクセス権を示します。

グループ ID のない group エントリは、ファイルグループ所有者に付与されたアクセス権を示します。1 つ以上の追加のグループエントリは、指定されたグループに付与されたアクセス権を示します。

mask エントリは、ACL マスクのアクセス権を示します。これらは、ファイル所有者を除く任意のユーザーエントリ、およびファイルグループ所有者を含む任意のグループエントリに許可される最大のアクセス権です。これらのアクセス権によって、ほかのエントリで指定されたアクセス権が制限されます。

other エントリは、ほかのユーザーに付与されたアクセス権を示します。

default エントリは、ディレクトリに対してのみ存在できます。これらのエントリは、ディレクトリ内で作成されるファイルに追加されたデフォルトのエントリを示します。

uid は、システムパスワードファイル /etc/passwd 内に uid のエントリが存在しない場合は、ログイン名またはユーザー ID です。gid は、システムグループファイル /etc/group 内に gid のエントリが存在しない場合は、グループ名またはグループ ID です。perm は、r (読み取り)、w (書き込み)、x (実行/検索) という個別の随意アクセス権を表す英字またはプレースホルダー文字 - で構成された 3 文字から成る文字列です。perm は、rwx の順序で表示されます。ACL エントリによってアクセス権が付与されていない場合は、プレースホルダー文字が表示されます。

chmod(1) コマンドを使用して ACL エントリを含むファイルに対するファイルグループ所有者のアクセス権を変更した場合は、ファイルグループ所有者のアクセス権と ACL マスクの両方が新しいアクセス権に変更されます。新しい ACL マスクのアクセス権によって、そのファイル上に ACL エントリを持つ追加のユーザーやグループの実効アクセス権が変更される場合があることに注意してください。

ACL マスクによって ACL エントリが制限されることを示すために、getfacl は、そのエントリのあとに、追加のタブ文字、ポンド記号 (#)、および付与される実際のアクセス権を表示します。

使用例

例 1 ファイル情報の表示

ACL の 6 つのエントリの長さを持つファイル foo の場合、次のコマンド

host% getfacl foo

によって次の内容が出力されます:

# file: foo 
# owner: shea 
# group: staff 
user::rwx 
user:spy: - - - 
user:mookie:r - - 
group::r - - 
mask::rw - 
other:: - - -

例 2 chmod コマンドのあとの情報の表示

上の例を続けると、chmod 700 foo が発行されたあと、次のようになります。

host% getfacl foo

によって次の内容が出力されます:

# file: foo
# owner: shea
# group: staff
user::rwx
user:spy: - - -
user:mookie:r - -     #effective: - - -
group:: - - -          
mask:: - - -
other:: - - -

例 3 ACL にデフォルトのエントリが含まれている場合の情報の表示

デフォルトのエントリが含まれた ACL を含むディレクトリ doo の場合、次のコマンド

host% getfacl -d doo

によって次の内容が出力されます:

# file: doo
# owner: shea
# group: staff
default:user::rwx
default:user:spy: - - -
default:user:mookie:r - -
default:group::r - -
default:mask:: - - -
default:other:: - - -

ファイル

/etc/passwd: システムパスワードファイル
/etc/group: グループファイル

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ	属性値
使用条件	system/core-os
インタフェースの安定性	確実

注意事項

getfacl からの出力は、setfacl -f コマンドへの入力のための正しい形式をしています。getfacl からの出力がファイルにリダイレクトされた場合は、そのファイルを setfacl への入力として使用できます。このようにして、ユーザーは、あるファイルの ACL を別のファイルに容易に割り当てることができます。

ナビゲーションリンクをスキップ
印刷ビューの終了
	マニュアルページセクション 1: ユーザーコマンド Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)

getfacl

形式

機能説明

オプション

オペランド

出力

使用例

ファイル

属性

関連項目

注意事項