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ipcs

- プロセス間通信機能のステータスの報告

形式

ipcs [-aAbciJmopqstZ] [-D mtype] [-z zone]

機能説明

ipcs ユーティリティーは、アクティブなプロセス間通信機能に関する情報を出力します。表示される情報は指定したオプションによって制御されます。オプションを指定しない場合、システムで現在アクティブなメッセージキュー、共有メモリー、およびセマフォーに関する情報が短形式で出力されます。

オプション

サポートしているオプションは、次のとおりです。

-m

アクティブな共有メモリーセグメントに関する情報を出力します。

-q

アクティブなメッセージキューに関する情報を出力します。

-s

アクティブなセマフォーに関する情報を出力します。

-m、-q、または -s を指定した場合、指定されたオプションに関する情報のみが出力されます。いずれも指定しない場合、次のオプションに従って、3 つのオプションすべてに関する情報が出力されます。

-a

すべての XCU5 出力オプションを使用します。(これは、-b、-c、-o、-p、および -t の簡略表記です)。

-A

すべての出力オプションを使用します。(これは、-b、-c、-i、-J、-o、-p、および -t の簡略表記です)。

-b

許容される最大サイズ (メッセージキューにおけるキューのメッセージの最大バイト数、共有メモリーにおけるセグメントの最大サイズ、およびセマフォーの各セットにおけるセマフォーの最大数) に関する情報を出力します。一覧の列の意味については、下記を参照してください。

-c

作成者のログイン名とグループ名を出力します。下記を参照。

-D mtype

ipcs を呼び出したユーザーが読み取り権を持つメッセージキューで見つかった mtype タイプのすべてのメッセージの内容を、16 進形式または ASCII 形式で表示します。mtype が 0 の場合、すべてのメッセージが表示されます。mtype が負の値の場合、タイプが mtype の絶対値以下のすべてのメッセージが表示されます (msgrcv(2) および msgsnap(2) を参照してください)。

-i

共有メモリーセグメントへの ISM 接続の数を出力します。

-J

作成者のプロジェクトを出力します。

-o

未処理の操作に関する情報 (キューにあるメッセージ数、メッセージキューのキューにあるメッセージの合計バイト数、共有メモリーセグメントに接続されているプロセス数) を出力します。

-p

プロセス番号情報 (メッセージを最後に送信したプロセスのプロセス ID、メッセージキューのメッセージを最後に受信したプロセスのプロセス ID、作成プロセスのプロセス ID、共有メモリーセグメントに対し最後に接続または切り離しを行なったプロセスのプロセス ID) を出力します。下記を参照。

-t

時間情報 (すべての機能のアクセス権を変更した最後の制御操作の時間、メッセージキューでの最後の msgsnd(2) と最後の msgrcv(2) の時間、共有メモリーでの最後の shmat(2) と最後の shmdt(2) の時間 (shmop(2) を参照)、セマフォーでの最後の semop(2) の時間) を出力します。下記を参照。

-z zone

指定されたゾーン (zones(5) を参照) に関連付けられている機能に関する情報を出力します。ゾーンは、名前または数値 ID で指定できます。デフォルトでは、コマンドが実行されているゾーンに関する情報が表示されます。このオプションは、大域ゾーンで実行している場合にのみ効果を発揮します。

-Z

大域ゾーンで実行している場合に、すべてのゾーンに関する情報を出力します。それ以外の場合は、コマンドが実行されているゾーンに関する情報が出力されます。出力には、各機能に関連付けられているゾーンが含まれます。

ipcs の一覧における列見出しおよび列の意味については、次を参照してください。括弧内の文字は、対応する見出しを表示させるオプションを示しており、「all」は、見出しが常に表示されることを意味しています。注: これらのオプションは、各機能のどの情報が表示されるかを決定するだけで、どの機能が一覧表示されるかは決定しません。

T (all)

機能のタイプ。

q

メッセージキュー

m

共有メモリーセグメント

s

セマフォー

ID (all)

機能エントリの識別子。

KEY (all)

機能エントリを作成するために、msgget(2)、semget(2)、または shmget(2) に対する引数として使用されるキー (注: セグメントが削除された場合、セグメントに接続されていたすべてのプロセスがセグメントを切り離すまで、共有メモリーセグメントのキーは IPC_PRIVATE に変更されます)。

MODE (all)

機能のアクセスモードとフラグ。モードは、次のように解釈される 11 文字で構成されます。最初の 2 文字は次のように解釈されます。

R

プロセスは msgrcv(2) で待機中です。

S

プロセスは msgsnd(2) で待機中です。

-

対応する特別なフラグが設定されていません。

残りの 9 文字は、3 文字ずつの 3 組に分けられます。最初の組は、所有者のアクセス権を示します。次の組は、機能エントリのユーザーグループに属するほかのユーザーのアクセス権を示します。最後の組は、その他のすべてのユーザーのアクセス権を示します。各組内の 1 つ目の文字は機能エントリの読み取り権を、2 つ目の文字は書き込み権または変更権を示します。最後の文字は現在は使用されていません。

各アクセス権の意味は、次のとおりです。

r

読み取り権が付与されています。

w

書き込み権が付与されています。

a

すべてのアクセス権が付与されています。

-

指定されたアクセス権は与えられていません。

OWNER (all)

機能エントリの所有者のログイン名。

GROUP (all)

機能エントリの所有者のグループのグループ名。

CREATOR (a、A、c)

機能エントリの作成者のログイン名。

CGROUP (a、A、c)

機能エントリの作成者のグループのグループ名。

CBYTES (a、A、o)

関連付けられているメッセージキューにある現時点で未処理のメッセージのバイト数。

QNUM (a、A、o)

関連付けられているメッセージキューにある現時点で未処理のメッセージの数。

QBYTES (a、A、b)

関連付けられているメッセージキューにある未処理のメッセージで許可されている最大バイト数。

LSPID (a、A、p)

関連付けられているキューにメッセージを最後に送信したプロセスのプロセス ID。

LRPID (a、A、p)

関連付けられているキューからメッセージを最後に受信したプロセスのプロセス ID。

STIME (a、A、t)

関連付けられているキューにメッセージが最後に送信された時間。

RTIME (a、A、t)

関連付けられているキューからメッセージを最後に受信した時間。

CTIME (a、A、t)

関連付けられているエントリが作成または変更された時間。

ISMATTCH (a、i)

関連付けられている共有メモリーセグメントへの ISM 接続の数。

NATTCH (a、A、o)

関連付けられている共有メモリーセグメントに接続されているプロセスの数。

SEGSZ (a、A、b)

関連付けられている共有メモリーセグメントのサイズ。

CPID (a、A、p)

共有メモリーエントリの作成者のプロセス ID。

LPID (a、A、p)

共有メモリーセグメントを最後に接続または切り離したプロセスのプロセス ID。

ATIME (a、A、t)

共有メモリーセグメントへの接続が最後に完了した時間。

DTIME (a、A、t)

共有メモリーセグメントの切り離しが最後に完了した時間。

NSEMS (a、A、b)

セマフォーエントリに関連付けられているセット内のセマフォーの数。

OTIME (a、A、t)

セマフォーエントリに関連付けられているセットでセマフォー操作が最後に完了した時間。

PROJECT (J、A)

機能エントリの作成者のプロジェクト名。

ZONE (Z)

機能が関連付けられているゾーン。

環境変数

ipcs の実行に影響を与える次の環境変数については、environ(5) を参照してください。LANG、LC_ALL、LC_CTYPE、LC_MESSAGES、および NLSPATH。

TZ

ipcs によって書き込まれる時間文字列のタイムゾーンを決定します。

ファイル

/etc/group

グループ名

/etc/passwd

ユーザー名

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

関連項目

ipcrm(1), msgget(2), msgids(2), msgrcv(2), msgsnap(2), msgsnd(2), semget(2), semids(2), semop(2), shmctl(2), shmget(2), shmids(2), shmop(2), attributes(5), environ(5), standards(5), zones(5)

注意事項

ipcs の実行中に状況が変化することがあります。提供される情報の正確性は、その情報が取得された時点にかぎり保証されます。