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Oracle Database Workspace Manager開発者ガイド
11gリリース1(11.1)
E05678-02
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4 DBMS_WMパッケージ: リファレンス

Workspace ManagerのDBMS_WMパッケージには、この製品の使用可能な機能を実行するPL/SQLサブプログラム(プロシージャおよびファンクション)が含まれています。この章では、各サブプログラムのリファレンス情報を示します。


注意:

ほとんどのWorkspace Managerサブプログラムはプロシージャですが、ファンクションもいくつかあります(ファンクションは値を戻しますが、プロシージャは値を戻しません)。

ほとんどのファンクションの名前は、Get で始まります(GetConflictWorkspaceおよびGetWorkspaceなど)。


各サブプログラムは、アルファベット順に示します。論理グループに基づいたサブプログラムの簡単な説明については、第1.16項を参照してください。

Workspace Managerのサブプログラムで発生する可能性があるエラー(例外)については、付録Dを参照してください。各エラーの原因と推奨する処置が記載されています。

次に、構文上の注意を示します。


Add_Topo_Geometry_Layer

トポロジにバージョン対応のフィーチャー表からトポロジ・ジオメトリ・レイヤーを追加します。

構文

DBMS_WM.Add_Topo_Geometry_Layer(

     topology IN VARCHAR2,

     table_name IN VARCHAR2,

     column_name IN VARCHAR2,

     tg_layer_type IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-1 Add_Topo_Geometry_Layerプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
topology

指定した列にトポロジ・ジオメトリを含んでいるトポロジ・ジオメトリ・レイヤーを追加するトポロジ。このトポロジは、SDO_TOPO.CREATE_TOPOLOGYプロシージャを使用して作成する必要があります。

table_name

column_nameで指定する列を含んでいるトポロジ・ジオメトリ・レイヤーの表の名前。

column_name

トポロジに追加するトポロジ・ジオメトリ・レイヤー内でトポロジ・ジオメトリを含んでいる(SDO_TOPO_GEOMETRY型の)列の名前。

tg_layer_type

トポロジ・ジオメトリ・レイヤーの型: POINTLINECURVEまたはPOLYGON


使用上の注意

このプロシージャの書式と意味は、SDO_TOPO.ADD_TOPO_GEOMETRY_LAYERプロシージャと同じです。詳細は、『Oracle Spatialトポロジおよびネットワーク・データ・モデル開発者ガイド』を参照してください。ただし、バージョン対応のフィーチャー表からトポロジにトポロジ・ジオメトリ・レイヤーを追加するには、SDO_TOPO.ADD_TOPO_GEOMETRY_LAYERではなくDBMS_WM.Add_Topo_Geometry_Layerを使用する必要があります。Workspace Managerのトポロジのサポートの詳細は、第1.14項を参照してください。

このプロシージャを指定のトポロジに対して初めてコールすると、<topology-name>_RELATION$表が作成されます。詳細は、『Oracle Spatialトポロジおよびネットワーク・データ・モデル開発者ガイド』を参照してください。

topologytable_nameまたはcolumn_nameが存在しない場合、topologyまたはtable_nameがバージョン対応でない場合、あるいはtg_layer_typeがサポートされている値でない場合は、例外が発生します。

次の例は、CITY_DATAトポロジにトポロジ・ジオメトリ・レイヤーを追加します。トポロジ・ジオメトリ・レイヤーは、LAND_PARCELS表のFEATURE列にあるポリゴンのジオメトリで構成されます。

EXECUTE DBMS_WM.Add_Topo_Geometry_Layer('CITY_DATA', 'LAND_PARCELS', 'FEATURE', 'POLYGON');

AddAsParentWorkspace

複数の親を持つ作業領域環境で、作業領域を子作業領域に親作業領域として追加します。

構文

DBMS_WM.AddAsParentWorkspace(
   workspace         IN VARCHAR2,
   parent_workspace  IN VARCHAR2,
   auto_commit       IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-2 AddAsParentWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

親作業領域を追加する作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

parent_workspace

workspaceの親作業領域として追加する作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャは、複数の親を持つ作業領域機能に対するサポートの一部です。第1.1.10項を参照してください。workspaceの親作業領域が1つのみの場合は、このプロシージャを実行するとworkspaceが複数の親を持つ作業領域になります。workspaceがすでに複数の親を持っている場合は、このプロシージャはworkspaceに別の親作業領域を追加します。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、Workspace4Workspace3の親作業領域として追加します。(第1.1.10項図1-3の階層図を参照してください。)

-- Allow multiparent workspaces. (Required for AddAsParentWorkspace)
EXECUTE DBMS_WM.SetSystemParameter ('ALLOW_MULTI_PARENT_WORKSPACES', 'ON');
-- Make Workspace3 multiparent by adding Workspace4 as a parent.
EXECUTE DBMS_WM.AddAsParentWorkspace ('Workspace3', 'Workspace4');

AddUserDefinedHint

ユーザー定義ヒントを追加します。つまり、特定のバージョン対応表またはすべてのバージョン対応表でDBMS_WMパッケージにより実行されるSQL文のパフォーマンスを改善するため、デフォルトのオプティマイザ・ヒントを変更(オーバーライド)します。

構文

DBMS_WM.AddAsParentWorkspace(
   hint_id   IN NUMBER,
   table_id  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   hint      IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);

パラメータ

表4-3 AddUserDefinedHintプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
hint_id

ユーザーが定義ヒントを一意に識別する数値ID。Workspace Managerにより1つ以上のSQL文に使用された、既存のヒントIDと一致する必要があります。

table_id

ヒントを適用する表の名前です。この名前は大/小文字が区別されません。この値がNULLの場合、すべてのバージョン対応表でヒントを指定するすべてのSQL文にヒントが使用されます。

hint

オプティマイザ・ヒントのテキストです。オプティマイザ・ヒントの説明は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』のオプティマイザ・ヒントの使用に関する章を参照してください。


使用上の注意

すべてのDBMS_WMパッケージ操作でパフォーマンスに納得がいかない場合で、アプリケーションの追跡方法およびSQLオプティマイザ・ヒントの使用方法がわかる場合のみ、このプロシージャを使用します。追跡の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』のアプリケーション追跡ツールに関する章を参照してください。

トレース出力では、ヒントをユーザー定義できるDBMS_WMパッケージを使用するSQL文はすべて、1つ以上のコメントを次の書式で含んでいます。

/* WM$SQL (hint_id) (table_id) */

パフォーマンス不足の文を識別し、改善するオプティマイザ・ヒントがわかる場合、AddUserDefinedHintプロシージャを使用して、特定のヒントIDに使用されるヒントを指定します。また、特定の表のヒントIDにのみ関連付けられている特定のヒントを使用するか、またはすべての表に関連付けられているヒントを使用するかを示すことができます。

table_idパラメータを指定した場合、指定されたヒントはSQL文がヒントIDを使用して表にアクセスするときのみ使用されます。Workspace Managerが提供するデフォルトのヒントは他の表に使用されます。table_id parameterパラメータがNULLの場合、指定されたヒントはDBMS_WM文がヒントIDを使用するときに使用されます。

hintパラメータにオブジェクト名(索引名など)を指定する場合、table_id parameterパラメータにはNULLを使用できません。

ユーザー定義ヒント内であればすべての表の別名を使用できます。ただし、標準のスコープルールが適用されます。

ユーザー定義ヒントを削除する(つまり、ヒントIDに関連したデフォルトのヒントを使用させる)には、RemoveUserDefinedHintプロシージャを使用します。

次に示す例では、SQL文がSCOTT.TABLE1にヒントID 1101を指定するときに、TABLE1表および関連するすべてのWorkspace Managerのインフラストラクチャに全体スキャンを指定しています。

EXECUTE DBMS_WM.AddUSerDefinedHint (1101, 'scott.table1', 'full(t1)');

AlterSavepoint

セーブポイントの定義を変更します。

構文

DBMS_WM.AlterSavepoint(
   workspace      IN VARCHAR2,
   sp_name        IN VARCHAR2,
   sp_description IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-4 AlterSavepointプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

セーブポイントが作成された作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

sp_name

セーブポイントの名前。この名前は大/小文字が区別されます。

sp_description

セーブポイントに関する説明。


使用上の注意

セーブポイントの現行の定義については、ALL_WORKSPACE_SAVEPOINTSメタデータ・ビュー(第5.16項を参照)にあるセーブポイントのDESCRIPTION列の値を調べてください。

ユーザーが作業領域またはセーブポイントの所有者でないか、またはWM_ADMIN_ROLEロールを取得していない場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域内のセーブポイントSP1の定義を変更します。

EXECUTE DBMS_WM.AlterSavepoint ('NEWWORKSPACE', 'SP1', 'First set of changes for scenario');

AlterVersionedTable

バージョン対応表を変更し、有効期間サポートの追加、制約名の変更または索引名の変更を行います。

構文

DBMS_WM.AlterVersionedTable(
   table_name         IN VARCHAR2,
   alter_option       IN VARCHAR2,
   parameter_options  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   ignore_last_error  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-5 AlterVersionedTableプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

有効期間サポートを追加するバージョン対応表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

alter_option

次の値のうち1つ。有効期間サポートを追加するADD_VALID_TIME、DDLに変更を加えるDDL、制約名を変更するRENAME_CONSTRAINT、索引を再作成するREBUILD_INDEX、索引名を変更するRENAME_INDEX、または既存のバージョン対応表のビューが有効期間に2つのスカラー列を使用する必要があるかどうかを指定するUSE_SCALAR_TYPES_FOR_VALIDTIMEまたはUSE_WM_PERIOD_FOR_VALIDTIME

索引名または制約名を変更する場合に、このプロシージャの使用が必須であるかオプションであるかなど、これらのオプションについては、「使用上の注意」を参照してください。

parameter_options

指定したalter_optionパラメータ値に有効なキーワードを含む引用符付き文字列(一般書式'keyword=value, keyword2=value2, ...'を使用)。各alter_optionパラメータ値に有効なキーワードについては、「使用上の注意」を参照してください。

ignore_last_error

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、BeginBulkLoadingプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されます。USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューに格納された最後のエラーに関する情報は、第5章を参照してください。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、AlterVersionedTableプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されません。


使用上の注意

このプロシージャを使用し、既存のバージョン対応表に対して有効期間サポートの追加、制約名の変更または索引名の変更を行います。有効期間サポートを追加する方法の詳細は、第3.11項を参照してください。

alter_optionの値がADD_VALID_TIMEの場合は、次のparameter_optionsキーワードの1つ以上を指定できます。まったく指定しなくてもかまいません。

alter_option値がDDLの場合、このプロシージャのために現在サポートされている操作は、表パーティションの追加、マージおよび分割です。SYSDBA権限が必要で、次のparameter_optionsキーワードを指定する必要があります。

alter_optionの値がRENAME_CONSTRAINTの場合は、次のparameter_optionsキーワードを両方とも指定する必要があります。

alter_optionの値がRENAME_INDEXの場合は、次のparameter_optionsキーワードをすべて指定する必要があります。

バージョン対応表の制約名または索引名が26文字を超える場合に、その制約名または索引名を変更するには、AlterVersionedTableプロシージャを使用する必要があります。RENAME句を指定したALTER TABLE文(制約の場合)またはALTER INDEX文(索引の場合)は使用できません。AlterVersionedTableプロシージャを使用する場合、BeginDDLおよびCommitDDLプロシージャのコールの間に挿入する必要はありません。

バージョン対応表の制約名または索引名が26文字以下の場合に、その制約名または索引名を変更するには、AlterVersionedTableプロシージャを使用する方法と、BeginDDLプロシージャとCommitDDLプロシージャのコールの間にRENAME句を指定したALTER TABLE文(制約の場合)またはALTER INDEX文(索引の場合)を使用する方法があります(第1.8項を参照してください)。

alter_optionの値がREBUILD_INDEXの場合、index_ownerキーワードおよびindex_nameキーワードを指定して、索引を所有しているデータベース・ユーザーおよび索引名を確認する必要があります。またrowidを除いて、reverseキーワードまたはnoreverseキーワードを指定して、索引ブロックのバイト数を逆順で格納するかどうかを指定できます。

alter_option値のUSE_SCALAR_TYPES_FOR_VALIDTIMEおよびUSE_WM_PERIOD_FOR_VALIDTIMEは、既存のバージョン対応表のビューを変更し、Workspace Managerシステム・パラメータUSE_SCALAR_TYPES_FOR_VALIDTIME第1.5項を参照)の現行の設定と一貫性を持たせる場合にのみ使用できます。たとえば、Workspace Managerシステム・パラメータUSE_SCALAR_TYPES_FOR_VALIDTIMEONに設定する場合で、既存のパージョン対応表MYTABLEにWM_VALID (of type WM_PERIOD) 1列を使用して有効期間範囲を示すビューがある場合、AlterVersionedTableプロシージャをコールし、alter_option 値にUSE_SCALAR_TYPES_FOR_VALIDTIMEを指定して、TIMESTAMP WITH TIME ZONE型の2列を使用するようMY_TABLEのビューを変更できます。

alter_optionパラメータを使用してWorkspace Managerシステム・パラメータUSE_SCALAR_TYPES_FOR_VALIDTIMEの現行の値をオーバーライドはできません。システム・パラメータの値がONの場合、alter_optionパラメータ値はUSE_SCALAR_TYPES_FOR_VALIDTIMEである必要があります。システム・パラメータ値がOFFの場合、alter_optionパラメータ値はUSE_WM_PERIOD_FOR_VALIDTIMEである必要があります。

parameter_options文字列内のパラメータ値に対して二重引用符を使用することができます。たとえば、次の2つの指定は、意味的に同一です。

'index_owner=scott, index_name=my_index, new_index_name=my_new_index'
'index_owner="scott", index_name="my_index", new_index_name="my_new_index"'

AlterVersionedTableプロシージャのコールに失敗した場合は、エラーの原因を解決して再試行する必要があります。SQL文およびエラー・メッセージについては、USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューを参照してください。エラーの原因を修正してから、ignore_last_errorパラメータ値をデフォルトのFALSEにしてAlterVersionedTableプロシージャを再度コールします。その後もコールが正常に実行されず、エラーの原因を修正できず、このエラーを無視する場合は、ignore_last_errorパラメータ値をTRUEに指定してAlterVersionedTableプロシージャをコールします。ただし、エラーを無視する場合は、ユーザーの責任で行ってください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、MY_TABLE表を作成し、有効期間サポートなしでバージョン対応にしてから、有効期間サポートを追加します。有効期間サポートを追加した後のWM_VALID列には、デフォルトの有効期間が含まれます。

CREATE TABLE my_table (id NUMBER PRIMARY KEY);
EXECUTE DBMS_WM.EnableVersioning ('my_table');
INSERT INTO my_table VALUES (1);
SELECT * FROM my_table;

        ID
----------
         1

EXECUTE DBMS_WM.AlterVersionedTable('my_table', 'ADD_VALID_TIME');
SELECT * FROM my_table;

        ID
----------
WM_VALID(VALIDFROM, VALIDTILL)
--------------------------------------------------------------------------------
         1
WM_PERIOD('09-JUN-2003 10:04:13 -04:00', NULL)

次の例は、SCOTT.MY_TABLE表を作成し、その表のVALUE列に索引MY_INDEX を作成し、表をバージョン対応にしてから、索引名をMY_NEW_INDEXに変更します。

CREATE TABLE scott.my_table (id NUMBER PRIMARY KEY, value INTEGER);
CREATE INDEX scott.my_index on scott.my_table(value);
EXECUTE DBMS_WM.EnableVersioning ('scott.my_table');
EXECUTE DBMS_WM.AlterVersionedTable ('scott.my_table', 'RENAME_INDEX',
  'index_owner=scott, index_name=my_index, new_index_name=my_new_index');

AlterWorkspace

作業領域の定義を変更します。

構文

DBMS_WM.AlterWorkspace(
   workspace              IN VARCHAR2,
   workspace_description  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-6 AlterWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

workspace_description

作業領域に関する説明。


使用上の注意

作業領域の現行の定義については、ALL_WORKSPACESメタデータ・ビュー(第5.17項を参照)にあるセーブポイントのDESCRIPTION列の値を調べてください。

ユーザーが作業領域の所有者でないか、またはWM_ADMIN_ROLEロールを取得していない場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域の定義を変更します。

EXECUTE DBMS_WM.AlterWorkspace ('NEWWORKSPACE', 'Testing proposed scenario B');

BeginBulkLoading

バージョン対応表のバルク・ロード処理を開始します。

構文

DBMS_WM.BeginBulkLoading(
   table_name            IN VARCHAR2,
   workspace             IN VARCHAR2,
   version               IN INTEGER,
   check_for_duplicates  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   ignore_last_error     IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   single_transaction    IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-7 BeginBulkLoadingプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

データのバルク・ロード先となるバージョン対応表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

workspace

バルク・ロードを実行する作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

version

GetBulkLoadVersionファンクションから戻されるバージョン番号。

check_for_duplicates

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト)を指定すると、主キー列に同じ値を持つ行がバルク・ロードするデータにあるかどうかがチェックされます。重複レコードの場合は、最小ROWID値を持つレコードのみが表に保管され、残りのレコードはCommitBulkLoadingプロシージャのコールで指定した廃棄表に移動します。このパラメータの詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSEを指定すると、主キー列に同じ値を持つ行がバルク・ロードするデータにあるかどうかはチェックされません。

ignore_last_error

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、BeginBulkLoadingプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されます。USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューに格納された最後のエラーに関する情報は、第5章を参照してください。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、BeginBulkLoadingプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されません。

single_transaction

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、Workspace ManagerはCommitBulkLoadingプロシージャのコール後に実行される各ステップの後に内部コミット操作を実行しません。かわりに、必要なステップをすべて実行した後にのみコミットを実行します。また、TRUEを指定すると、バージョン対応表を問い合せることができます。

FALSE(デフォルト)を指定すると、Workspace ManagerはCommitBulkLoadingプロシージャのコール後に実行される各ステップの後に内部コミット操作を実行するのみでなく、CommitBulkLoadingまたはRollbackBulkLoading操作が完了するまで表に対する問合せを禁止します。

このパラメータの詳細は、「使用上の注意」を参照してください。


使用上の注意

バージョン対応表へのデータのバルク・ロードを開始する前に、GetBulkLoadVersionおよびBeginBulkLoadingプロシージャをコールする必要があります。バルク・ロード・セッションを終了するには、CommitBulkLoadingプロシージャ(データのロードによる変更をコミットする場合)またはRollbackBulkLoadingプロシージャ(データのロードによる変更をロールバックする場合)をコールする必要があります。Workspace Managerでのバルク・ロードの詳細は、第1.7項を参照してください。

single_transactionFALSE(デフォルト)の場合、BeginBulkLoadingプロシージャは表の内部Workspace Managerビューをいくつか削除して、表に対するDML操作と特定のWorkspace Manager操作を回避します。ただし、これにより、指定したバージョン対応表を使用した問合せもできなくなります。single_transactionパラメータの値に関係なく、また特に値がFALSEの場合は、アプリケーションやユーザーが表へのアクセスを必要としていない時期に、バルク・ロードをできるかぎりすばやく完了する必要があります。指定した表を使用するバルク・ロード・セッションの場合は、BeginBulkLoadingおよびCommitBulkLoadingプロシージャのsingle_transactionパラメータの値を同じにする必要があります。

check_for_duplicatesパラメータの値をTRUEにしても、バージョン対応表の既存のデータはチェックされません。バルク・ロード対象データを含むバージョン(作業領域の最新バージョンまたはルート・バージョン)の既存の行の主キー値が、バルク・ロード対象データの行と同一の場合の動作は、表に対する履歴オプションの設定に応じて異なります。VIEW_WO_OVERWRITEが設定されている場合、新規にロードされる行は同じ主キー値を持つ既存の行に連鎖します。VIEW_WO_OVERWRITEが設定されていなければ、新規データはバルク・ロードされるかわりに廃棄表に移動します。

BeginBulkLoadingプロシージャのコールに失敗した場合は、エラーの原因を解決して再試行する必要があります。SQL文およびエラー・メッセージについては、USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューを参照してください。エラーの原因を修正してから、ignore_last_errorパラメータ値をデフォルトのFALSEにしてBeginBulkLoadingプロシージャを再度コールします。その後もコールが正常に実行されず、エラーの原因を修正できず、このエラーを無視する場合は、ignore_last_errorパラメータ値をTRUEに指定してBeginBulkLoadingプロシージャをコールします。ただし、エラーを無視する場合は、ユーザーの責任で行ってください。

パフォーマンスが重要な場合は、重複レコードのチェックが必要かどうかを慎重に考慮してください。これは、check_for_duplicatesの値をTRUE(デフォルト)に設定すると、Workspace Managerで追加の内部処理が実行されるためです。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、W1作業領域のバルク・ロード・バージョン番号を取得し、その作業領域内でEMP表へのバルク・ロード操作を開始します。

DECLARE
  version INTEGER;
BEGIN
  SELECT DBMS_WM.GetBulkLoadVersion ('W1') INTO version FROM DUAL;
  DBMS_WM.BeginBulkLoading ('EMP', 'W1', version);
END;
/

BeginDDL

指定された表に対してDDLセッションを開始します。

構文

DBMS_WM.BeginDDL(
   table_name  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-8 BeginDDLプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

バージョン対応表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。


使用上の注意

このプロシージャは、DDLセッションを開始し、table_nameと同じ名前に_LTS が追加された表名の特別な表を作成します。このプロシージャをコールした後、その表に対して、または表に基づいた索引またはトリガーに対して1つ以上のDDL操作を実行し、その後、CommitDDLプロシージャまたはRollbackDDLプロシージャをコールできます。

このプロシージャは、特別な表<table-name>_LTSを作成する他に、他のオブジェクトも作成します。

バージョン対応表に関連するDDL操作の実行については、第1.8項を参照してください。レプリケーション環境でのバージョン対応表のDDL操作については、第C.3項を参照してください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、DDLセッションを開始し、COLA_MARKETING_BUDGET_LTSという名前の特別な表を使用して、COMMENTSという列をCOLA_MARKETING_BUDGET表に追加し、変更をコミットしてDDLセッションを終了します。

EXECUTE DBMS_WM.BeginDDL('COLA_MARKETING_BUDGET');
ALTER TABLE cola_marketing_budget_lts ADD (comments VARCHAR2(100));
EXECUTE DBMS_WM.CommitDDL('COLA_MARKETING_BUDGET');

BeginResolve

競合解消セッションを開始します。

構文

DBMS_WM.BeginResolve(
   workspace  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-9 BeginResolveプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。


使用上の注意

このプロシージャは競合解消セッションを開始します。このプロシージャの実行中、作業領域は1WRITERモードにアクセス制限されます。詳細は、第1.1.5項を参照してください。

このプロシージャをコールした後、必要に応じて、競合が発生している表に対してResolveConflictsプロシージャを実行し、その後、CommitResolveプロシージャまたはRollbackResolveプロシージャをコールできます。競合解消の詳細は、第1.1.4項を参照してください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、Workspace1で競合解消セッションを開始します。

EXECUTE  DBMS_WM.BeginResolve ('Workspace1');

ChangeWorkspaceType

連続的にリフレッシュされない作業領域を連続的にリフレッシュされるように変更します。(連続的にリフレッシュされる作業領域については、第1.1.9項を参照してください。)

構文

DBMS_WM.ChangeWorkspaceType(
   workspace       IN VARCHAR2,
   workspace_type  IN VARCHAR2 DEFAULT DBMS_WM.CR_WORKSPACE_TYPE,
   auto_commit     IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-10 ChangeWorkspaceTypeプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

workspace_type

連続的にリフレッシュされるように、DBMS_WM.CR_WORKSPACE_TYPE(デフォルト)を指定する必要があります。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このリリースでは、連続的にリフレッシュされない作業領域から連続的にリフレッシュされる作業領域への変更のみができます。逆の変更はできません。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域のタイプを、連続的にリフレッシュされないタイプから連続的にリフレッシュされるタイプに変更します。

EXECUTE DBMS_WM.ChangeWorkspaceType ('NEWWORKSPACE');

CommitBulkLoading

バルク・ロードによる変更をコミットして、バージョン対応表のバルク・ロード処理を終了します。

構文

DBMS_WM.CommitBulkLoading(
   table_name            IN VARCHAR2,
   discards_table        IN VARCHAR2,
   check_for_duplicates  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   enforceUCFlag         IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   enforceRICFlag        IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   ignore_last_error     IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   single_transaction    IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-11 CommitBulkLoadingプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

データのバルク・ロード先となったバージョン対応表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

discards_table

廃棄レコードが挿入される表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。この表が存在しない場合は作成されます。

check_for_duplicates

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト)を指定すると、主キー列に同じ値を持つ行がバルク・ロードするデータにあるかどうかがチェックされます。重複レコードの場合は、最小ROWID値を持つレコードのみが表に保管され、残りのレコードは廃棄表に移動します。このパラメータの詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSEを指定すると、主キー列に同じ値を持つ行がバルク・ロードするデータにあるかどうかはチェックされません。

enforceUCFlag

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト)を指定すると、to_tableに定義された一意制約が規定され、バルク・ロード操作がその制約に違反しないことが保証されます。

FALSEを指定すると、バルク・ロード操作にはto_tableに定義された一意制約が規定されません。

enforceRICFlag

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト)を指定すると、to_tableに定義された参照整合性制約が規定され、バルク・ロード操作がその制約に違反しないことが保証されます。

FALSEを指定すると、バルク・ロード操作にはto_tableに定義された参照整合性制約が規定されません。

ignore_last_error

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、CommitBulkLoadingプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されます。USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューに格納された最後のエラーに関する情報は、第5章を参照してください。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、CommitBulkLoadingプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されません。

single_transaction

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、Workspace ManagerはCommitBulkLoadingプロシージャのコール後に実行される各ステップの後に内部コミット操作を実行しません。かわりに、必要なステップをすべて実行した後にのみコミットを実行します。

FALSE(デフォルト)を指定すると、Workspace Managerでは、CommitBulkLoadingプロシージャのコール後に実行される各ステップの後に内部コミット操作が実行されます。

このパラメータには、table_nameに表を指定してBeginBulkLoadingプロシージャのコール時と同じ値を指定する必要があります。


使用上の注意

バージョン対応表にデータをバルク・ロードする場合の要件については、第1.7項を参照してください。

このプロシージャは、新規にロードされたデータのバージョニング・メタデータを生成し、新規にロードされたデータを表の既存のバージョニング済データと同期化します。また、新規にロードされたデータに対して一意制約と参照制約を規定することもできます。BeginBulkLoadingプロシージャで削除されたビューがすべて再作成されます。

check_for_duplicatesパラメータの値をTRUEにしても、バージョン対応表の既存のデータはチェックされません。バルク・ロード対象データを含むバージョン(作業領域の最新バージョンまたはルート・バージョン)の既存の行の主キー値が、バルク・ロード対象データの行と同一の場合の動作は、表に対する履歴オプションの設定に応じて異なります。VIEW_WO_OVERWRITEが設定されている場合、新規にロードされる行は同じ主キー値を持つ既存の行に連鎖します。VIEW_WO_OVERWRITEが設定されていなければ、新規データはバルク・ロードされるかわりに廃棄表に移動します。

CommitBulkLoadingプロシージャのコールに失敗した場合は、エラーの原因を解決して再試行する必要があります。SQL文およびエラー・メッセージについては、USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューを参照してください。エラーの原因を修正してから、ignore_last_errorパラメータ値をデフォルトのFALSEにしてCommitBulkLoadingプロシージャを再度コールします。その後もコールが正常に実行されず、エラーの原因を修正できず、このエラーを無視する場合は、ignore_last_errorパラメータ値をTRUEに指定してCommitBulkLoadingプロシージャをコールします。ただし、エラーを無視する場合は、ユーザーの責任で行ってください。

パフォーマンスに関連して次の考慮事項があります。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、バルク・ロード操作中にEMP表に対して行われた変更をコミットし、廃棄レコードを保持する表としてDISCARDSを指定します。

EXECUTE DBMS_WM.CommitBulkLoading ('EMP', 'DISCARDS');

CommitDDL

DDLセッション中に指定された表に対して行われたDDL(データ定義言語)変更をコミットし、DDLセッションを終了します。

構文

DBMS_WM.CommitDDL(
   table_name                  IN VARCHAR2,
   ignore_last_error           IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   enforce_unique_constraints  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   enforce_RICs                IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-12 CommitDDLプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

バージョン対応表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

ignore_last_error

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、CommitDDLプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されます。USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューに格納された最後のエラーに関する情報は、第5章を参照してください。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、CommitDDLプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されません。

enforce_unique_constraints

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、表の既存のバージョニング済データに対して、table_nameで定義された一意制約が規定されます。これにより、DDL変更を原因とする制約違反は確実になくなりますが、Workspace Managerでは操作の実行所要時間が長くなります。

FALSE(デフォルト)を指定すると、表の既存のバージョニング済データに対して、table_nameで定義された一意制約は規定されません。

enforce_RICs

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、表の既存のバージョニング済データに対して、table_nameで定義された参照整合性制約が規定されます。これにより、変更を原因とする制約違反は確実になくなりますが、Workspace Managerでは操作の実行所要時間が長くなります。

FALSE(デフォルト)を指定すると、表の既存のバージョニング済データに対して、table_nameで定義された参照整合性制約は規定されません。


使用上の注意

このプロシージャは、DDLセッション中に、バージョン対応表に加えられた変更およびバージョン対応表に基づく索引、トリガー、参照整合性制約に加えられた変更をコミットします。また、BeginDDLプロシージャによって作成された特別な表<table-name>_LTSを削除します。

バージョン対応表に関連するDDL操作の実行については、第1.8項を参照してください。レプリケーション環境でのバージョン対応表のDDL操作については、第C.3項を参照してください。

enforce_unique_constraintsおよびenforce_RICsパラメータの設定は、既存のバージョニング済データにのみ適用され、表に対する将来のDML操作について既存の制約が規定されるかどうかには影響しません。

CommitDDLプロシージャのコールが正常に実行されない場合、表は一貫性のない状態になります。この状態が発生した場合は、エラーの原因を修正する必要があります。SQL文およびエラー・メッセージについては、USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューを参照してください。たとえば、表領域のサイズが不十分で列が追加できないために、CommitDDLプロシージャが正常に実行されない場合は、エラーの原因を修正してから、ignore_last_errorパラメータ値をデフォルトのFALSEにしてCommitDDLプロシージャを再度コールします。その後もコールが正常に実行されず、エラーの原因を修正できず、このエラーを無視する場合は、ignore_last_errorパラメータ値をTRUEに指定してCommitDDLプロシージャをコールします。ただし、エラーを無視する場合は、ユーザーの責任で行ってください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

無効なDDL操作を実行する、CommitDDLプロシージャがコールされたときに例外が発生します。サポートされるDDL操作の詳細は、第1.8項を参照してください。

次の例は、DDLセッションを開始し、COLA_MARKETING_BUDGET_LTSという名前の特別な表を使用して、COMMENTSという列をCOLA_MARKETING_BUDGET表に追加し、変更をコミットしてDDLセッションを終了します。

EXECUTE DBMS_WM.BeginDDL('COLA_MARKETING_BUDGET');
ALTER TABLE cola_marketing_budget_lts ADD (comments VARCHAR2(100));
EXECUTE DBMS_WM.CommitDDL('COLA_MARKETING_BUDGET');

CommitResolve

競合解消セッションを終了し、BeginResolveプロシージャの実行以降に作業領域内で行われたすべての変更を保存します(永続的な変更にします)。

構文

DBMS_WM.CommitResolve(
   workspace  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-13 CommitResolveプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。


使用上の注意

このプロシージャは、(BeginResolveプロシージャによって開始された)現行の競合解消セッションを終了し、その競合解消セッションの開始以降に作業領域内で行われたすべての変更を保存します。このプロシージャとは対照的に、RollbackResolveプロシージャはすべての変更を廃棄します。

競合解消の詳細は、第1.1.4項を参照してください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、Workspace1での競合解消セッションを終了し、すべての変更を保存します。

EXECUTE  DBMS_WM.CommitResolve ('Workspace1');

CompressWorkspace

作業領域内の削除可能なセーブポイントを削除し、その作業領域のWorkspace Managerメタデータ構造を最小化します。(削除可能なセーブポイントの詳細は、第1.1.2項を参照してください。)

構文

DBMS_WM.CompressWorkspace(
   workspace                   IN VARCHAR2,
   compress_view_wo_overwrite  IN BOOLEAN
   firstSP                     IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   secondSP                    IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   auto_commit                 IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   commit_in_batches           IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   batch_size                  IN VARCHAR2 DEFAULT 'PRIMARY_KEY_RANGE',
   remove_latest_deleted_rows  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

または

DBMS_WM.CompressWorkspace(
   workspace          IN VARCHAR2,
   firstSP            IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   secondSP           IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   auto_commit        IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   commit_in_batches  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   batch_size         IN VARCHAR2 DEFAULT 'PRIMARY_KEY_RANGE',
   remove_latest_deleted_rows  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-14 CompressWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

compress_view_wo_overwrite

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、EnableVersioningでVIEW_WO_OVERWRITEが指定された場合でも、影響を受けるセーブポイント間の履歴情報が削除されます。

FALSEを指定すると、EnableVersioningでVIEW_WO_OVERWRITEが指定された場合、表の(影響を受けるセーブポイント間の)履歴情報は削除されません。(表に対してVIEW_WO_OVERWRITEが指定されていない場合、この表の履歴情報はこのパラメータ値に関係なく削除されます。)このパラメータを指定しないでプロシージャを使用すると、FALSEが指定されたものとみなされます。

firstSP

最初のセーブポイント。セーブポイント名は大/小文字が区別されます。

workspaceおよびfirstSPのみが指定されている場合は、作業領域の作成とfirstSPの間の削除可能なすべてのセーブポイント(firstSPは含まない)が削除されます。

workspacefirstSPおよびsecondSPが指定されている場合は、firstSPfirstSPが削除可能なセーブポイントの場合は、これも含む)からsecondSPsecondSPは含まない)までの削除可能なすべてのセーブポイントが削除されます。

workspaceのみが指定されている(セーブポイントは指定されていない)場合は、その作業領域内の削除可能なすべてのセーブポイントが削除されます。

secondSP

2番目のセーブポイント。firstSPfirstSPが削除可能なセーブポイントの場合は、これも含む)からsecondSPsecondSPは含まない)までの削除可能なすべてのセーブポイントが削除されます。

ただし、secondSPLATESTの場合は、firstSPfirstSPが削除可能なセーブポイントの場合は、これも含む)から作業領域の最後までの削除可能なすべてのセーブポイントが削除されます。

セーブポイント名は大/小文字が区別されます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。

commit_in_batches

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、バージョン対応表のbatch_size行に対する圧縮操作後に内部コミット操作が実行されます。バージョン対応表の多数の行が圧縮の影響を受ける場合、実質的にはOracleデータベース・リソース(ロールバック・セグメントやUNDO表領域など)が使用される可能性があるため、定期的なコミット操作を実行することが有効であるか、または実行する必要があります。TRUEを指定した場合は、auto_commit値にもTRUEを指定する必要があります。

FALSE(デフォルト)を指定すると、圧縮操作中には内部コミット操作が実行されません。

batch_size

commit_in_batchesTRUEの場合の内部コミット操作のバッチ・サイズ。それ以外の場合、このパラメータは無視されます。指定する場合は、TABLEまたはPRIMARY_KEY_RANGEを指定する必要があります。

TABLEを指定すると、圧縮が必要な各バージョン対応表の圧縮後に、内部コミット操作が実行されます。

PRIMARY_KEY_RANGEを指定すると、各表は異なる主キー値範囲のバッチに分割され、圧縮が必要な各バージョン対応表の行バッチがそれぞれ圧縮された後に、内部コミット操作が実行されます。影響を受ける各バージョン対応表に関連付けられた<table_name>_LT表に対してDBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATSプロシージャを使用するなどの方法で、事前に主キーの最初の列に関する統計を生成しておく必要があります。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。次の例は、ヒストグラム統計を生成します。

EXECUTE DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATS('', 'cola_marketing_budget_lt', estimate_percent=>50, method_opt=>'FOR COLUMNS SIZE 50 product_id');

remove_latest_deleted_rows

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、workspaceLIVEの場合に、削除済のLATEST行と競合解消に悪影響を及ぼさないLATEST行が削除されます。(他の作業領域については、値TRUEは無視されます。)

FALSE(デフォルト)を指定すると、削除済のLATEST行は保持されます。


使用上の注意

作業領域内の明示的セーブポイント(すべてまたは一部)が不要になった場合は、その作業領域を圧縮できます。圧縮操作は、次の理由から有効です。

このプロシージャの実行中、現行の作業領域はNO_ACCESSモードにアクセス制限されます。詳細は、第1.1.5項を参照してください。

作業領域(LIVE作業領域は除く)にセッションが存在する場合、またはユーザーがGotoDate操作、または作業領域内のセーブポイントを指定してGotoSavepoint操作を実行した場合、その作業領域は圧縮できません。

compress_view_wo_overwriteパラメータを指定しないでこのプロシージャを使用すると、FALSEが指定されたものとみなされます。

VIEW_WO_OVERWRITEおよび他の履歴オプションの詳細は、EnableVersioningプロシージャの情報を参照してください。

1年以上経過した履歴データを削除するなど、履歴データのサブセットを定期的にパージする場合、パージ実行日の各指定削除ポイントにセーブポイントを作成するように計画します。たとえば、2005年の履歴データを1年経過したときに削除する計画であれば、セーブポイントを2006年1月1日に作成します。その後、2007年1月1日にCompressWorkspaceプロシージャをコールして作業領域名および2006年1月1日のセーブポイントを指定し、2006年より前に発生したすべての履歴を削除します。

バージョン対応表を主キー範囲のバッチ単位で圧縮できるかどうかを調べるには、WM_COMPRESS_BATCH_SIZESメタデータ・ビューのBATCH_SIZE列の値をチェックします。詳細は、第5.40項を参照してください。

batch_sizeに値PRIMARY_KEY_RANGEを指定するには、まず主キーの最初の列についてヒストグラム統計(NUMBERINTEGERDATETIMESTAMPCHARまたはVARCHAR2型の列の場合)あるいは一般統計(NUMBERINTEGERDATEまたはTIMESTAMP型の列の場合)を生成する必要があります。DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATSプロシージャは、一般統計を生成します。NUMBERINTEGERDATEまたはTIMESTAMP型の列についてヒストグラム統計ではなく一般統計が使用可能な場合に、batch_sizePRIMARY_KEY_RANGEとして指定すると、Workspace Managerシステム・パラメータNUMBER_OF_COMPRESS_BATCHESを使用してバッチ数が計算されます。統計の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

auto_commitTRUEであり、オープン状態のトランザクションがある場合、ユーザーが、修正が必要なすべての表(トリガーによって変更される表なども含む)に対する十分な権限を持たなければ、例外が発生します。また、ユーザーがworkspaceにアクセスおよび変更をマージする権限を持たない場合にも例外が発生します。

作業領域およびそのすべての子作業領域を圧縮するには、CompressWorkspaceTreeプロシージャを使用します。

次の例は、NEWWORKSPACEを圧縮します。

EXECUTE DBMS_WM.CompressWorkspace ('NEWWORKSPACE');

次の例は、NEWWORKSPACEを圧縮して、この作業領域の作成とセーブポイントSP1の間のすべての明示的セーブポイントを削除します。

EXECUTE DBMS_WM.CompressWorkspace ('NEWWORKSPACE', 'SP1');

次の例は、NEWWORKSPACEを圧縮して、明示的セーブポイントSP1SP2の間のすべての明示的セーブポイント(SP2は含まない)を削除します。

EXECUTE DBMS_WM.CompressWorkspace ('NEWWORKSPACE', 'SP1', 'SP2');

次の例は、B_focus_1を圧縮し、firstSPパラメータおよびsecondSPパラメータにデフォルト値を指定(すべての明示的セーブポイントを削除)して、auto_commitパラメータにFALSEを指定します。

EXECUTE DBMS_WM.CompressWorkspace ('B_focus_1', auto_commit => FALSE);

次の例は、COLA_MARKETING_BUDGET_LT表を分析し、次の文に必要なヒストグラム統計を生成してから、B_focus_1を圧縮します。CompressWorkspaceプロシージャのコールは、firstSPsecondSPおよびauto_commitパラメータにデフォルト値を受け入れ、commit_in_batchesパラメータにTRUEを指定し、batch_sizeパラメータにPRIMARY_KEY_RANGEを指定します。

EXECUTE DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATS('', 'cola_marketing_budget_lt', estimate_percent=>50, method_opt=>'FOR COLUMNS SIZE 50 product_id');
EXECUTE DBMS_WM.CompressWorkspace ('B_focus_1', NULL, NULL, NULL, TRUE, 'PRIMARY_KEY_RANGE');

CompressWorkspaceTree

作業領域およびそのすべての子作業領域内の削除可能なセーブポイントを削除します。(削除可能なセーブポイントの詳細は、第1.1.2項を参照してください。)また、影響を受ける作業領域のWorkspace Managerメタデータ構造を最小化し、セーブポイントの削除によって不要となったデータを排除します。

構文

DBMS_WM.CompressWorkspaceTree(
   workspace                   IN VARCHAR2,
   compress_view_wo_overwrite  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   auto_commit                 IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   commit_in_batches           IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   batch_size                  IN VARCHAR2 DEFAULT 'PRIMARY_KEY_RANGE',
   remove_latest_deleted_rows  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-15 CompressWorkspaceTreeプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

compress_view_wo_overwrite

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、EnableVersioningでVIEW_WO_OVERWRITEが指定された場合でも、履歴情報が削除されます。

FALSE(デフォルト)を指定すると、EnableVersioningでVIEW_WO_OVERWRITEが指定された場合、表の履歴情報は削除されません。(表に対してVIEW_WO_OVERWRITEが指定されていない場合、この表の履歴情報はこのパラメータ値に関係なく削除されます。)

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。

commit_in_batches

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、バージョン対応表のbatch_size行に対する圧縮操作後に内部コミット操作が実行されます。バージョン対応表の多数の行が圧縮の影響を受ける場合、実質的にはOracleデータベース・リソース(ロールバック・セグメントやUNDO表領域など)が使用される可能性があるため、定期的なコミット操作を実行することが有効であるか、または実行する必要があります。TRUEを指定した場合は、auto_commit値にもTRUEを指定する必要があります。

FALSE(デフォルト)を指定すると、圧縮操作中には内部コミット操作が実行されません。

batch_size

commit_in_batchesTRUEの場合の内部コミット操作のバッチ・サイズ。それ以外の場合、このパラメータは無視されます。指定する場合は、TABLEまたはPRIMARY_KEY_RANGEを指定する必要があります。

TABLEを指定すると、圧縮が必要な各バージョン対応表の圧縮後に、内部コミット操作が実行されます。

PRIMARY_KEY_RANGEを指定すると、各表は異なる主キー値範囲のバッチに分割され、圧縮が必要な各バージョン対応表の行バッチがそれぞれ圧縮された後に、内部コミット操作が実行されます。影響を受ける各バージョン対応表に関連付けられた<table_name>_LT表に対してDBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATSプロシージャを使用するなどの方法で、事前に主キーの最初の列に関する統計を生成しておく必要があります。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。次の例は、ヒストグラム統計を生成します。

EXECUTE DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATS('', 'cola_marketing_budget_lt', estimate_percent=>50, method_opt=>'FOR COLUMNS SIZE 50 product_id');

remove_latest_deleted_rows

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、workspaceLIVEの場合に、削除済のLATEST行と競合解消に悪影響を及ぼさないLATEST行が削除されます。(workspaceパラメータに他の値が指定されている場合、値TRUEは無視されます。)

FALSE(デフォルト)を指定すると、削除済のLATEST行は保持されます。


使用上の注意

影響を受ける作業領域内の明示的セーブポイントが不要になった場合(たとえば、これらのセーブポイントのいずれかに移動またはロールバックする必要がない場合)は、作業領域およびそのすべての子作業領域を圧縮できます。たとえば、第1.1.1項図1-1に示す階層では、作業領域1を指定してCompressWorkspaceTree操作を実行すると、作業領域1、作業領域2および作業領域3が圧縮されます。(データベースの作業領域階層の詳細は、第1.1.1項を参照してください。)

圧縮操作は、次の理由から有効です。

このプロシージャの実行中、現行の作業領域はNO_ACCESSモードにアクセス制限されます。詳細は、第1.1.5項を参照してください。

作業領域(LIVE作業領域は除く)にセッションが存在する場合、またはユーザーがGotoDate操作、または作業領域内のセーブポイントを指定してGotoSavepoint操作を実行した場合、その作業領域は圧縮できません。

バージョン対応表を主キー範囲のバッチ単位で圧縮できるかどうかを調べるには、WM_COMPRESS_BATCH_SIZESメタデータ・ビューのBATCH_SIZE列の値をチェックします。詳細は、第5.40項を参照してください。

batch_sizeに値PRIMARY_KEY_RANGEを指定するには、まず主キーの最初の列についてヒストグラム統計(NUMBERINTEGERDATETIMESTAMPCHARまたはVARCHAR2型の列の場合)あるいは一般統計(NUMBERINTEGERDATEまたはTIMESTAMP型の列の場合)を生成する必要があります。DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATSプロシージャは、一般統計を生成します。NUMBERINTEGERDATEまたはTIMESTAMP型の列についてヒストグラム統計ではなく一般統計が使用可能な場合に、batch_sizePRIMARY_KEY_RANGEとして指定すると、Workspace Managerシステム・パラメータNUMBER_OF_COMPRESS_BATCHESを使用してバッチ数が計算されます。統計の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

auto_commitTRUEであり、オープン状態のトランザクションがある場合、ユーザーが、修正が必要なすべての表(トリガーによって変更される表なども含む)に対する十分な権限を持たなければ、例外が発生します。また、ユーザーがworkspaceにアクセスおよび変更をマージする権限を持たない場合にも例外が発生します。

CompressWorkspaceTree操作が、影響を受ける作業領域のいずれかで正常に実行されなかった場合は、操作全体がロールバックされ、すべての作業領域が圧縮されません。

単一の作業領域を圧縮(すべてまたは一部の明示的セーブポイントを削除)するには、CompressWorkspaceプロシージャを使用します。

次の例は、NEWWORKSPACEおよびそのすべての子作業領域を圧縮します。

EXECUTE DBMS_WM.CompressWorkspaceTree ('NEWWORKSPACE');

次の例は、NEWWORKSPACEおよびそのすべての子作業領域を圧縮し、compress_view_wo_overwriteパラメータにデフォルト値を指定して、auto_commitパラメータにFALSEを指定します。

EXECUTE DBMS_WM.CompressWorkspaceTree ('NEWWORKSPACE', auto_commit => FALSE);

次の例は、NEWWORKSPACEとそのすべての子作業領域を圧縮し、compress_view_wo_overwriteおよびauto_commitパラメータにデフォルト値を受け入れ、commit_in_batchesパラメータにTRUEを指定し、batch_sizeパラメータにPRIMARY_KEY_RANGEを指定します。

EXECUTE DBMS_WM.CompressWorkspaceTree ('NEWWORKSPACE', NULL, NULL, TRUE, 'PRIMARY_KEY_RANGE');

CopyForUpdate

バージョン対応表内のラージ・オブジェクト(LOB)列(BLOB、CLOBまたはNCLOB)を変更します。このプロシージャは、バージョン対応表にLOB列がある場合にのみ、使用します。

構文

DBMS_WM.CopyForUpdate(
   table_name    IN VARCHAR2,
   where_clause  IN VARCHAR2 DEFAULT '');

パラメータ

表4-16 CopyForUpdateプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

1つ以上のLOB列を含む表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

where_clause

影響を受ける行を識別するWHERE句(WHEREキーワードを除く)。たとえば、department_id = 20です。

副問合せの場合を除き、WHERE句には主キー列のみを指定できます。この副問合せは、主キーではない列を参照できますが、バージョン対応表は参照できません。

where_clauseパラメータが指定されていない場合は、table_name内のすべての行が影響を受けます。


使用上の注意

このプロシージャは、1つ以上のLOB列を含むバージョン対応表にのみ使用します。DBMS_LOBパッケージを使用して実行される更新ではバージョニング・ビューに対してINSTEAD OFトリガーが起動されないため、CopyForUpdateプロシージャを使用する必要があります。Workspace Managerは、バージョニング・ビューに対するINSTEAD OFトリガーを作成して、copy-on-writeセマンティクスを実装します。(非LOB列の場合は、更新操作を直接実行でき、トリガーも機能します。)

次の例は、表TABLE1DOC_ID = 1であるドキュメントのSOURCE_CLOB列を更新します。

  Declare
    clob_var
  Begin
     /* This procedure copies the LOB columns if necessary, that is,
        if the row with doc_id = 1 has not been versioned in the
        current version */
     dbms_wm.copyForUpdate('table1', 'doc_id = 1');

     select source_clob into clob_var
     from   table1
     where  doc_id = 1 for update;

     dbms_lob.write(clob_var,<amount>, <offset>, buff);

  End;

CreateSavepoint

現行バージョンのセーブポイントを作成します。

構文

DBMS_WM.CreateSavepoint(
   workspace       IN VARCHAR2,
   savepoint_name  IN VARCHAR2,
   description     IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   auto_commit     IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-17 CreateSavepointプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

セーブポイントを作成する作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

savepoint_name

作成するセーブポイントの名前。この名前は大/小文字が区別されます。

description

作成するセーブポイントの定義

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

セーブポイントに対応付けられた明示的な権限はありません。作業領域に対するアクセス権を取得しているすべてのユーザーは、作業領域内にセーブポイントを作成できます。

このプロシージャは、作業領域内にユーザーがいる場合でも実行できます。オープン状態のデータベース・トランザクションが作業領域にある場合も実行できます。

このプロシージャの実行中、現行の作業領域はREAD_ONLYモードにアクセス制限されます。詳細は、第1.1.5項を参照してください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域内にSavepoint1という名前のセーブポイントを作成します。

EXECUTE DBMS_WM.CreateSavepoint ('NEWWORKSPACE', 'Savepoint1');

CreateWorkspace

データベース内に新しい作業領域を作成します。

構文

DBMS_WM.CreateWorkspace(
   workspace    IN VARCHAR2,
   description  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   auto_commit  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

または

DBMS_WM.CreateWorkspace(
   workspace    IN VARCHAR2,
   isrefreshed  IN BOOLEAN,
   description  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   auto_commit  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-18 CreateWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は、大/小文字が区別され、一意である(他に同じ名前の作業領域がない)必要があります。

isrefreshed

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、作業領域が連続的にリフレッシュされます。連続的にリフレッシュされる作業領域第1.1.9項を参照)では、その親作業領域内で行われた変更は、データ変更が親作業領域内でコミットされるか、別の子作業領域から親作業領域にマージされるたびに、その作業領域に自動的に適用されます。そのため、RefreshWorkspaceプロシージャをコールして変更を適用する必要はありません。連続的にリフレッシュされる作業領域の詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSEを指定すると、作業領域は連続的にリフレッシュされません。作業領域をリフレッシュするには、RefreshWorkspaceプロシージャをコールする必要があります。

isrefreshedパラメータを含まない構文を使用すると、作業領域は連続的にリフレッシュされません。

description

作業領域に関する説明。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

新しい作業領域は、現行の作業領域の子です。セッションが明示的に作業領域内に入らなかった場合、それはLIVEデータベース作業領域内にあり、新しい作業領域はLIVE作業領域の子です。データベースの作業領域階層の詳細は、第1.1.1項を参照してください。

暗黙的セーブポイント、現行の作業領域の現行バージョン内に作成されます。(現行バージョンは、現行の作業領域内の最新バージョンである必要はありません。)セーブポイント(明示的および暗黙的)の詳細は、第1.1.2項を参照してください。

このプロシージャの実行中、現行の作業領域はREAD_ONLYモードにアクセス制限されます。詳細は、第1.1.5項を参照してください。

このプロシージャは、作成された作業領域に暗黙的に移動しません。作業領域に移動するには、GotoWorkspaceプロシージャを使用します。

次のルールは、連続的にリフレッシュされる作業領域(isrefreshed値はTRUE)に適用されます。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、データベース内にNEWWORKSPACEという名前の作業領域を作成します。

EXECUTE DBMS_WM.CreateWorkspace ('NEWWORKSPACE');

Delete_Topo_Geometry_Layer

トポロジからトポロジ・ジオメトリ・レイヤーを削除します。

構文

DBMS_WM.Delete_Topo_Geometry_Layer(

     topology IN VARCHAR2,

     table_name IN VARCHAR2,

     column_name IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-19 Delete_Topo_Geometry_Layerプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
topology

指定した列にトポロジ・ジオメトリを含んでいるトポロジ・ジオメトリ・レイヤーを削除するトポロジ。このトポロジは、SDO_TOPO.CREATE_TOPOLOGYプロシージャを使用して作成する必要があります。

table_name

column_nameで指定する列を含んでいるトポロジ・ジオメトリ・レイヤーの表の名前。

column_name

トポロジから削除するトポロジ・ジオメトリ・レイヤー内でトポロジ・ジオメトリを含んでいる(SDO_TOPO_GEOMETRY型の)列の名前。


使用上の注意

このプロシージャの書式と意味は、SDO_TOPO.DELETE_TOPO_GEOMETRY_LAYERプロシージャと同じです。詳細は、『Oracle Spatialトポロジおよびネットワーク・データ・モデル開発者ガイド』を参照してください。ただし、バージョン対応のフィーチャー表からトポロジのトポロジ・ジオメトリ・レイヤーを削除するには、SDO_TOPO.DELETE_TOPO_GEOMETRY_LAYERではなくDBMS_WM.Delete_Topo_Geometry_Layerを使用する必要があります。Workspace Managerのトポロジのサポートの詳細は、第1.14項を参照してください。

このプロシージャは、指定したトポロジ・ジオメトリ・レイヤーに関連付けられているデータを、エッジ表、ノード表およびフェース表から削除します(『Oracle Spatialトポロジおよびネットワーク・データ・モデル開発者ガイド』を参照)。

topologyまたはtable_nameがバージョン対応でない場合、またはtable_nametopology内の唯一のフィーチャー表の場合は、例外が発生します。

次の例は、CITY_DATAトポロジからLAND_PARCELS表のFEATURE列のジオメトリに基づくトポロジ・ジオメトリ・レイヤーを削除します。

EXECUTE DBMS_WM.Delete_Topo_Geometry_Layer('CITY_DATA', 'LAND_PARCELS', 'FEATURE');

DeleteSavepoint

バージョン対応表内のセーブポイントおよび関連する行を削除します。

構文

DBMS_WM.DeleteSavepoint(
   workspace                   IN VARCHAR2,
   savepoint_name              IN VARCHAR2,
   compress_view_wo_overwrite  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   auto_commit                 IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   commit_in_batches           IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   batch_size                  IN VARCHAR2 DEFAULT 'PRIMARY_KEY_RANGE');

パラメータ

表4-20 DeleteSavepointプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

セーブポイントが作成された作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

savepoint_name

削除するセーブポイントの名前。この名前は大/小文字が区別されます。

compress_view_wo_overwrite

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、EnableVersioningでVIEW_WO_OVERWRITEが指定された場合でも、履歴情報が削除されます。

FALSE(デフォルト)を指定すると、EnableVersioningでVIEW_WO_OVERWRITEが指定された場合、表の履歴情報は削除されません。(表に対してVIEW_WO_OVERWRITEが指定されていない場合、この表の履歴情報はこのパラメータ値に関係なく削除されます。)

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。

commit_in_batches

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、バージョン対応表のbatch_size行に対する圧縮操作後に内部コミット操作が実行されます。バージョン対応表の多数の行がセーブポイント削除の影響を受ける場合、実質的にはOracleデータベース・リソース(ロールバック・セグメントやUNDO表領域など)が使用される可能性があるため、定期的なコミット操作を実行することが有効であるか、または実行する必要があります。TRUEを指定した場合は、auto_commit値にもTRUEを指定する必要があります。

FALSE(デフォルト)を指定すると、セーブポイント削除操作中には内部コミット操作が実行されません。

batch_size

commit_in_batchesTRUEの場合の内部コミット操作のバッチ・サイズ。それ以外の場合、このパラメータは無視されます。指定する場合は、TABLEまたはPRIMARY_KEY_RANGEを指定する必要があります。

TABLEを指定すると、圧縮が必要な各バージョン対応表の圧縮後に、内部コミット操作が実行されます。

PRIMARY_KEY_RANGEを指定すると、各表は異なる主キー値範囲のバッチに分割され、圧縮が必要な各バージョン対応表の行バッチがそれぞれ圧縮された後に、内部コミット操作が実行されます。影響を受ける各バージョン対応表に関連付けられた<table_name>_LT表に対してDBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATSプロシージャを使用するなどの方法で、事前に主キーの最初の列に関する統計を生成しておく必要があります。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。次の例は、ヒストグラム統計を生成します。

EXECUTE DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATS('', 'cola_marketing_budget_lt', estimate_percent=>50, method_opt=>'FOR COLUMNS SIZE 50 product_id');


使用上の注意

セーブポイントが不要になった場合(たとえば、そのセーブポイントに移動またはロールバックする必要がない場合)は、それを削除できます。

セーブポイントの削除は、次の理由から有効です。

このプロシージャの実行中、現行の作業領域はNO_ACCESSモードにアクセス制限されます。詳細は、第1.1.5項を参照してください。

セーブポイントを削除するには、その作業領域またはセーブポイントの所有者であるか、またはWM_ADMIN_ROLEロールを取得している必要があります。

セッションにオープン状態のデータベース・トランザクションがある場合、またはユーザーがGotoDate操作、または作業領域内のセーブポイントを指定したGotoSavepoint操作を実行した場合、このプロシージャは実行できません。

batch_sizeに値PRIMARY_KEY_RANGEを指定するには、まず主キーの最初の列についてヒストグラム統計(NUMBERINTEGERDATETIMESTAMPCHARまたはVARCHAR2型の列の場合)あるいは一般統計(NUMBERINTEGERDATEまたはTIMESTAMP型の列の場合)を生成する必要があります。DBMS_STATS.GATHER_TABLE_STATSプロシージャは、一般統計を生成します。NUMBERINTEGERDATEまたはTIMESTAMP型の列についてヒストグラム統計ではなく一般統計が使用可能な場合に、batch_sizePRIMARY_KEY_RANGEとして指定すると、Workspace Managerシステム・パラメータNUMBER_OF_COMPRESS_BATCHESを使用してバッチ数が計算されます。統計の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域内のSavepoint1という名前のセーブポイントを削除します。

EXECUTE DBMS_WM.DeleteSavepoint ('NEWWORKSPACE', 'Savepoint1');

DisableVersioning

バージョン対応表内に作成された行のサポート構造をすべて削除します。

構文

DBMS_WM.DisableVersioning(
   table_name         IN VARCHAR2,
   force              IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   ignore_last_error  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   isTopology         IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   keepWMValid        IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-21 DisableVersioningプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

表の名前、Oracle Spatialトポロジ(isTopologyTRUEの場合)、またはマルチレベルの参照整合性制約により関連付けられた表の名前のリスト。このリストは、カンマで区切られています。(マルチレベルの参照整合性制約については、第1.9.1項を参照してください。)表の名前は大/小文字が区別されません。

force

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、バージョニングが使用禁止になる前に、LIVE以外の作業領域内にあるすべてのデータが強制的に廃棄されます。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、LIVE以外の作業領域内でtable_nameが変更され、table_nameを変更した作業領域が引き続き存在する場合は、バージョニングが使用禁止になりません。

ignore_last_error

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、DisableVersioningプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)が無視されます。USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューに格納された最後のエラーに関する情報は、第5章を参照してください。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、DisableVersioningプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されません。

isTopology

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEは、table_nameパラメータに指定した値が(データベース表の名前ではなく)Oracle Spatialトポロジの名前であることを示します。詳細は、第1.14項を参照してください。

FALSE(デフォルト)は、table_nameパラメータに指定した値がOracle Spatialトポロジの名前ではないことを示します。

keepWMValid

ブール値(TRUEまたはFALSE)。表の有効期間サポート(第3章を参照)が使用可能になっている場合にのみ適用されます。

TRUE(デフォルト)を指定すると、WM_VALID列とその列のデータすべてがプロシージャの完了後も表に保持されます。

FALSEを指定すると、プロシージャの結果としてWM_VALID列とその列のデータすべてが削除されます。各主キー値の現行の行のみが保持されます。


使用上の注意

このプロシージャは、EnableVersioningプロシージャによる処理を元に戻すために使用します。このプロシージャは、行のバージョニングのためのWorkspace Managerインフラストラクチャ(サポート構造)を削除しますが、LIVE作業領域内のユーザー・データには影響しません。作業領域階層およびすべてのセーブポイントは引き続き存在しますが、すべての行はLIVE作業領域内と同じになります。(LIVE作業領域内にあるバージョン非対応の表の行に複数のバージョンがある場合は、その行の最新バージョンのみが保持されます)。

table_nameに有効期間サポートが設定されている場合(第3章を参照)、このプロシージャはWM_VALID列とその列のデータすべてを削除します。WM_VALID列の削除が原因で主キー制約違反となる場合は、現在の時刻に有効な行のみが保持されます。

DisableVersioningプロシージャのコールが正常に実行されない場合、表は一貫性のない状態になります。この状態が発生した場合は、エラーの原因を修正し(SQL文およびエラー・メッセージについては、USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューを参照)、その後、ignore_last_errorパラメータ値をデフォルトのFALSEにしてDisableVersioningプロシージャを再度コールする必要があります。その後もコールが正常に実行されず、エラーの原因を修正できず、このエラーを無視する場合は、ignore_last_errorパラメータ値をTRUEに指定してDisableVersioningプロシージャをコールします。ただし、エラーを無視する場合は、ユーザーの責任で行ってください。

DisableVersioningプロシージャが正常に実行されない原因の一部を、次に示します。

forceの値がFALSEで、次の条件に1つでも該当する場合は、DisableVersioning操作が正常に実行されません。

表の所有者またはWM_ADMIN_ROLEロールを取得しているユーザーのみが、その表に対するバージョニングを使用禁止にできます。

バージョン対応表およびバージョン対応表を所有するユーザーは削除できません。まず、関連する表(1つまたは複数)に対するバージョニングを使用禁止にする必要があります。

表がバージョン対応でない場合は、例外が発生します。

レプリケーション環境で表をバージョン非対応にする場合のガイドラインおよび詳細は、第C.2項を参照してください。

Workspace ManagerによるOracle Spatialトポロジ内の表のサポートの詳細は、第1.14項を参照してください。

次の例は、EMPLOYEE表に対するバージョニングを使用禁止にします。

EXECUTE DBMS_WM.DisableVersioning ('employee');

次の例は、EMPLOYEE表に対するバージョニングを使用禁止にし、DisableVersioningプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラーを無視します。

EXECUTE DBMS_WM.DisableVersioning ('employee', ignore_last_error => true);

次の例は、マルチレベルの参照整合性制約があるEMPLOYEE表、DEPARTMENT表およびLOCATION表に対するバージョニングを使用禁止にします。

EXECUTE DBMS_WM.DisableVersioning('employee,department,location');

DropReplicationSupport

GenerateReplicationSupportプロシージャによって作成されたレプリケーション・サポート・オブジェクトを削除します。

構文

DBMS_WM.DropReplicationSupport();

パラメータ

ありません。

使用上の注意

このプロシージャを使用するには、Workspace Managerオブジェクトにレプリケーションが適用される方法を理解する必要があります(付録Cを参照)。また、Oracle Replicationの主要な概念および手法も理解する必要があります。詳細は、『Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション』および『Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション・マネージメントAPIリファレンス』を参照してください。

このプロシージャは、writerサイトでレプリケーション管理者ユーザーとして実行する必要があります。

このプロシージャは、nonwriterサイトでバージョン対応表のレプリケーション・サポートを削除します。ただし、バージョン対応表がバージョン非対応になることはありません。

次の例は、GenerateReplicationSupportプロシージャを使用して、すでに使用可能にされているレプリケーション・サポートを削除します。

DBMS_WM.DropReplicationSupport();

EnableVersioning

表をバージョン対応にし、表が複数バージョンの行をサポートできるように、必要な構造を作成します。

構文

DBMS_WM.EnableVersioning(
   table_name     IN VARCHAR2,
   hist           IN VARCHAR2 DEFAULT 'NONE',
   isTopology     IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   validTime      IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   undo_space     IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   validTimeRange IN WM_PERIOD DEFAULT NULL);

パラメータ

表4-22 EnableVersioningプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

表の名前、Oracle Spatialトポロジ(isTopologyTRUEの場合)、またはマルチレベルの参照整合性制約により関連付けられた表の名前のリスト。このリストは、カンマで区切られています。(マルチレベルの参照整合性制約については、第1.9.1項を参照してください。)表名の長さは25文字以下である必要があります。名前がWM_またはWM$ で始まる列を含む表は指定できません。表名や列名には、!?*など(これらに限定されません)の引用符で囲む必要のある文字を使用できません。表名は大/小文字が区別されません。

hist

table_nameに対する変更を追跡するための履歴オプション。次の値のいずれかを指定する必要があります。

NONE: 表に対する変更は追跡されません。(デフォルト値。)

VIEW_W_OVERWRITE: 上書きを伴う(W_OVERWRITE)オプションです。履歴情報を格納するために<table_name>_HISTという名前のビュー(第5.47項を参照)が作成されますが、このビューには、表の同一バージョンに対する最新の変更のみが表示されます。バージョンに対する変更の履歴は保持されず、同一バージョン内の行に対する後続の変更によって、それより前の変更が上書きされます。(<table_name>_HISTビューのCREATETIME列には、最新の更新時刻のみが含まれます。)

VIEW_WO_OVERWRITE: 上書きを伴わない(WO_OVERWRITE)オプションです。履歴情報を格納するために<table_name>_HISTという名前のビュー(第5.47項を参照)が作成され、このビューには、表の同一バージョンに対するすべての変更が表示されます。バージョンに対する変更の履歴は保持され、同一バージョン内の行に対する後続の変更によってそれより前の変更が上書きされません。

isTopology

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEは、table_nameパラメータに指定した値が(データベース表の名前ではなく)Oracle Spatialトポロジの名前であることを示します。詳細は、第1.14項を参照してください。

FALSE(デフォルト)は、table_nameパラメータに指定した値がOracle Spatialトポロジの名前ではないことを示します。

validTime

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、有効期間サポートが組み込まれます。Workspace Managerによる有効期間のサポートについては、第3章を参照してください。

FALSE(デフォルト)を指定すると、有効期間サポートは組み込まれません。

undo_space

UNLIMITEDを含む文字列(制限を指定しない場合)、またはバージョン対応操作に使用可能なUNDO領域の最大バイト数。たとえば、1 MBの場合は'1048576'に設定します。指定した値により、Workspace Managerシステム・パラメータUNDO_SPACE第1.5項を参照)の値がオーバーライドされます。

validTimeRange

オブジェクト・タイプWM_PERIOD第3.2項を参照)はWM_VALID列に初期有効期間範囲を指定します。値を指定する場合、validTimeパラメータ値をTRUEに指定する必要があります。デフォルトでは、有効期間サポートが含まれる場合、有効期間範囲は現在のシステム時間から変更されるまでです。


使用上の注意

バージョン対応の表には、定義済の主キーが必要です。主キーをコンポジット(複数列)主キーにすることもできます。

表の所有者またはWM_ADMINロールを取得しているユーザーのみが、その表に対するバージョニングを使用可能にできます。

バージョン対応表およびバージョン対応表を所有するユーザーは削除できません。まず、関連する表(1つまたは複数)に対するバージョニングを使用禁止にする必要があります。

SYSが所有する表はバージョン対応にすることができません。また、バージョン対応表はSYSが所有する関連索引またはトリガーを持つことができません。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

表がバージョン対応であり、VIEW_WO_OVERWRITE histオプションが指定されている場合は、SetWoOverwriteOFFプロシージャおよびSetWoOverwriteONプロシージャをコールすることによって、後でこのオプションを使用禁止にし、再度使用可能にできます。

履歴オプションを使用すると、変更の記録および監査を行うことができます。

履歴オプションは、GotoDateプロシージャの動作に影響します。詳細は、GotoDateプロシージャの「使用上の注意」を参照してください。

1年以上経過した履歴データを削除するなど、履歴データのサブセットを定期的にパージする場合、パージ実行日の各指定削除ポイントにセーブポイントを作成するように計画します。たとえば、2005年の履歴データを1年経過したときに削除する計画であれば、セーブポイントを2006年1月1日に作成します。その後、2007年1月1日にCompressWorkspaceプロシージャをコールして作業領域名および2006年1月1日のセーブポイントを指定し、2006年より前に発生したすべての履歴を削除します。

レプリケーション環境で表をバージョン対応にする場合のガイドラインおよび詳細は、第C.2項を参照してください。

Workspace ManagerによるOracle Spatialトポロジ内の表のサポートの詳細は、第1.14項を参照してください。

現在の注意および制限事項には、次のものが含まれます。

次の例は、EMPLOYEE表に対するバージョニングを使用可能にします。

EXECUTE DBMS_WM.EnableVersioning('employee');

次の例は、マルチレベルの参照整合性制約があるEMPLOYEE表、DEPARTMENT表およびLOCATION表に対するバージョニングを使用可能にします。

EXECUTE DBMS_WM.EnableVersioning('employee,department,location');

Export

バージョン対応表からステージング表にデータ(すべての行、または複数のパラメータの組合せで限定された行)をエクスポートします。

構文

DBMS_WM.Export(
   table_name          IN VARCHAR2,
   staging_table       IN VARCHAR2,
   workspace           IN VARCHAR2,
   where_clause        IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   export_scope        IN VARCHAR2 DEFAULT DBMS_WM.EXPORT_MODIFIED_DATA_ONLY,
   after_savepoint_name  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   as_of_savepoint_name  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   after_instant       IN DATE DEFAULT NULL,
   as_of_instant       IN DATE DEFAULT NULL,
   versioned_db        IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   overwrite_existing_data  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   auto_commit         IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-23 Exportプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

エクスポートするデータを含む表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

staging_table

エクスポートするデータを保持する表の名前。25文字以下である必要があります。この名前は大/小文字が区別されません。表が存在しない場合は、指定した名前とWorkspace Managerのエクスポート操作およびインポート操作に適した構造を持つ新規の表が作成されます。(ステージング表の詳細は、「使用上の注意」を参照してください。)

workspace

データのエクスポート元となる作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

where_clause

エクスポートする行を識別するWHERE句(WHEREキーワードを除く)。たとえば、department_id = 20です。

副問合せの場合を除き、WHERE句には主キー列のみを指定できます。この副問合せは、主キーではない列を参照できますが、バージョン対応表は参照できません。

where_clauseパラメータが指定されていない場合は、table_name内のすべての行がエクスポートされます。

export_scope

エクスポート操作の有効範囲(データ量)。

DBMS_WM.EXPORT_ALL_DATAを指定すると、workspace内の関連データがすべてエクスポートされます。

DBMS_WM.EXPORT_MODIFIED_DATA_ONLY(デフォルト)を指定すると、workspace内で挿入、更新または削除された関連データのみがエクスポートされます。

after_savepoint_name

セーブポイントの名前。このセーブポイントの後に挿入、更新または削除されたデータのみがエクスポートされます。

after_savepoint_nameまたはas_of_savepoint_nameを指定しなければ、セーブポイントはエクスポート対象データの判別時に無視されます。

セーブポイント関連と時点関連のパラメータに関するガイドラインは、「使用上の注意」を参照してください。

as_of_savepoint_name

セーブポイント名。セーブポイントの作成時点で作業領域に存在するデータのみがエクスポートされます。

after_savepoint_nameまたはas_of_savepoint_nameを指定しなければ、セーブポイントはエクスポート対象データの判別時に無視されます。

セーブポイント関連と時点関連のパラメータに関するガイドラインは、「使用上の注意」を参照してください。

after_instant

日付/時刻指定。この時点の後に挿入、更新または削除されたデータのみがエクスポートされます。

after_instantまたはas_of_instantを指定しなければ、時刻はエクスポート対象データの判別時に無視されます。

セーブポイント関連と時点関連のパラメータに関するガイドラインは、「使用上の注意」を参照してください。

as_of_instant

日付/時刻指定。この時点で作業領域に存在していたデータのみがエクスポートされます。

after_instantまたはas_of_instantを指定しなければ、時刻はエクスポート対象データの判別時に無視されます。

セーブポイント関連と時点関連のパラメータに関するガイドラインは、「使用上の注意」を参照してください。

versioned_db

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト)を指定すると、バージョニング情報を含むステージング表が作成されます。

FALSEを指定すると、ユーザー定義列とユーザーが参照可能なデータのみを含むステージング表が作成されます。

overwrite_existing_data

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、エクスポートされるデータでステージング表の既存のデータが上書きされます。

FALSE(デフォルト)を指定すると、ステージング表の既存のデータがすべて保持され、エクスポートされたデータが既存のデータと競合する場合は例外が発生します。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

バージョン対応表table_namewhere_clauseexport_scopeパラメータおよびworkspace内の時間またはセーブポイント関連パラメータを満たすデータが、すべてステージング表(staging_tableパラメータ)にエクスポートされます。

エクスポート対象データの各行は、workspace内で挿入、更新または削除されたデータ(つまり、変更済データ)、またはworkspace内では変更されていないが表示できるデータ(つまり、祖先データ)のいずれかです。データがLIVE作業領域からエクスポートされる場合は、すべてが変更済データです。作業領域が作成され、そこでバージョニングされたデータがないときにExportプロシージャがコールされる場合、データはすべて祖先データです。

バージョン対応表からデータを初めてエクスポートする場合、ステージング表は存在しません。つまり、ステージング表を作成する必要はなく、このプロシージャによりstaging_tableパラメータに指定した名前を使用して作成されます。ステージング表には、元の表(table_nameパラメータ)のすべての列と、Workspace Managerで使用される一部の列が含まれます。

ステージング表の作成後は、元の表に対して列名やデータ型の変更または主キー制約の変更や削除などのDDL操作を実行していなければ、ステージング表を元の表からの後続のエクスポート操作で使用できます。元の表に対してこの種の変更を行った場合は、Workspace Managerで新規ステージング表を作成できるように、Exportプロシージャをコールする前にステージング表を削除してください。(既存のステージング表のデータを上書きする場合は、overwrite_existing_dataTRUEとして指定する必要があります。)

ステージング表は、現行のユーザーのスキーマに存在する必要があります。また、他のスキーマにある場合、現行のユーザーにはCREATE ANY TABLE権限とINSERT ANY TABLE権限が必要です。

セーブポイント関連および時点関連パラメータafter_savepoint_nameas_of_savepoint_nameafter_instantas_of_instantのうち、1つのみを指定することをお薦めします。after_savepoint_nameafter_instantを指定すると、この2つのパラメータの相互作用により複雑な結果になる可能性があります。パラメータの組合せafter_savepoint_nameas_of_savepoint_nameafter_instantas_of_instantまたはas_of_savepoint_nameas_of_instantは指定できません。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、B_Focus_2作業領域のCOLA_MARKETING_BUDGET表からCOLA_MARKETING_BUDGET_STGステージング表にすべてのデータをエクスポートします。(EXECUTE文は、実際には1行で指定します。)

EXECUTE DBMS_WM.Export(table_name => 'COLA_MARKETING_BUDGET', staging_table => 'COLA_MARKETING_BUDGET_STG', workspace => 'B_focus_2');

FindRICSet

参照整合性制約の関係により、指定した表とともにバージョン対応にする必要のある表を検索します。

構文

DBMS_WM.FindRICSet(
   table_name    IN VARCHAR2,
   result_table  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-24 FindRICSetプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

参照整合性制約の関係により、一緒にバージョン対応にする必要のある他のすべての表を検索する表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

result_table

結果を保持する表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

この表には、それぞれVARCHAR2型のTABLE_OWNER列とTABLE_NAME列が必要です。表が存在しない場合は、この名前を持つ新規の表と必須列が作成されます。


使用上の注意

Workspace Managerには、参照整合性制約に関連していくつか考慮事項があります。詳細は、第1.9.1項を参照してください。表をバージョン対応にする前に、その表に影響する参照整合性制約に含まれる他の表をバージョン対応にする操作が必要になる場合があります。FindRICSetプロシージャを使用すると、このような他の表をすべて検索できます。

結果を表示するには、このプロシージャをコールする前にSET SERVEROUTPUT ON文を使用します。

結果表が現行のユーザーのスキーマ内にない場合は、次の要件が適用されます。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、2つの表EMPLOYEESおよびDEPARTMENTSを作成します。DEPARTMENTS.MANAGER_IDは、EMPLOYEES.EMPLOYEE_IDを参照する外部キー関連を持ちます。次に、この例は、EMPLOYEESDEPARTMENTSがバージョン対応だった場合に、バージョン対応にする必要のある表をすべて検索します。

結果は、EMPLOYEES表をバージョン対応にする場合はEMPLOYEES表とDEPARTMENTS表の両方をバージョン対応にする必要がありますが、DEPARTMENTS表をバージョン対応にする場合は他の表をバージョン対応にする必要がないことを示しています。

create table employees (employee_id number primary key, employee_name varchar2(30));
create table departments (dept_id number primary key, manager_id number references employees(employee_id));

-- Check RICs; result table does not already exist.
EXECUTE DBMS_WM.FindRICSet('EMPLOYEES', 'EMPLOYEES_RESULTS');
SELECT * FROM employees_results;

TABLE_OWNER                    TABLE_NAME
------------------------------ ------------------------------
WM_DEVELOPER                   EMPLOYEES
WM_DEVELOPER                   DEPARTMENTS

EXECUTE DBMS_WM.FindRICSet('DEPARTMENTS', 'DEPARTMENTS_RESULTS');
SELECT * FROM departments_results;

TABLE_OWNER                    TABLE_NAME
------------------------------ ------------------------------
WM_DEVELOPER                   DEPARTMENTS

FreezeWorkspace

作業領域へのアクセスおよび作業領域内で変更を行うユーザーの権限を制限します。

構文

DBMS_WM.FreezeWorkspace(
   workspace     IN VARCHAR2,
   freezemode    IN VARCHAR2 DEFAULT 'NO_ACCESS',
   freezewriter  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   force         IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

または

DBMS_WM.FreezeWorkspace(
   workspace         IN VARCHAR2,
   session_duration  IN BOOLEAN,
   freezemode        IN VARCHAR2 DEFAULT 'NO_ACCESS',
   freezewriter      IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   force             IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-25 FreezeWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

session_duration

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、FreezeWorkspaceプロシージャをコールしたセッションがデータベースから切断された場合に、作業領域へのアクセス制限が解除されます。この値は、すべてのアクセス制限モードについて有効です。

FALSEを指定すると、FreezeWorkspaceプロシージャをコールしたセッションがデータベースから切断された場合に、作業領域へのアクセス制限は解除されません。

freezemode

アクセス制限された作業領域のモード。次の値のいずれかを指定する必要があります。

NO_ACCESS: セッションは作業領域内に入ることができません。(デフォルト値。)

READ_ONLY: セッションは作業領域内に入ることができますが、書込み操作(挿入、更新、削除)を行うことはできません。

1WRITER: セッションは作業領域内に入ることができますが、書込み操作(挿入、更新、削除)を実行できるのは1人のユーザーのみです(freezewriterパラメータを参照)。

1WRITER_SESSION: セッションが作業領域に入ることはできますが、書込み操作(挿入、更新、削除)を実行できるのは、(データベース・ユーザーではなく)FreezeWorkspaceプロシージャをコールしたデータベース・セッションのみです。作業領域へのアクセス制限は、FreezeWorkspaceプロシージャをコールしたセッションがデータベースから切断されたときに解除されます。

WM_ONLY: Workspace Managerの操作のみを実行できます。セッションは、データ値を変更できません。ただし、子作業領域を作業領域にマージしたり、作業領域内にセーブポイントを作成したりすることはできます。

freezewriter

作業領域内で変更を行うことができるユーザー。freezemode1WRITERの場合にのみ、指定できます。デフォルト値はUSER(現行のユーザー)です。

force

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、作業領域は、すでにアクセス制限されている場合でも、強制的にアクセス制限されます。たとえば、この値を指定すると、最初にUnfreezeWorkspaceプロシージャをコールしなくても、freezemodeパラメータに異なる値を指定して作業領域をアクセス制限できます。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、すでにアクセス制限されている作業領域はアクセス制限されません。


使用上の注意

session_durationパラメータを含まないプロシージャ構文を指定することは、このパラメータにFALSEを指定することと同じです。つまり、FreezeWorkspaceプロシージャをコールしたセッションがデータベースから切断された場合に、作業領域へのアクセス制限は解除されません。

次の条件に1つでも該当する場合、操作が正常に実行されません。

freezemodeREAD_ONLYまたは1WRITERであり、アクティブなデータベース・トランザクションがある場合は、作業領域をアクセス制限できません。

次の条件に1つでも該当する場合は、作業領域をアクセス制限できます。

LIVE作業領域は、freezemodeREAD_ONLYまたは1WRITERの場合にのみ、アクセス制限できます。

FreezeWorkspaceによる処理を元に戻すには、UnfreezeWorkspaceプロシージャを使用します。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域をアクセス制限します。

EXECUTE DBMS_WM.FreezeWorkspace ('NEWWORKSPACE');

GenerateReplicationSupport

Workspace Managerオブジェクトのマルチマスター・レプリケーションに必要な構造体を作成し、新しく作成されたマスター・グループに対するマスター・アクティビティを開始します。

構文

DBMS_WM.GenerateReplicationSupport(
   mastersites       IN VARCHAR2,
   groupname         IN VARCHAR2,
   groupdescription  IN VARCHAR2 DEFAULT 'Replication Group for OWM');

パラメータ

表4-26 GenerateReplicationSupportプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
mastersites

Workspace Managerのレプリケーション環境に追加するnonwriterサイト名(データベース・リンク)のリスト。このリストは、カンマで区切られています。ローカル・サイト(writerサイト)は、リストに追加できません。

groupname

作成するマスター・グループの名前。このグループは、通常のレプリケーション・マスター・グループとして表示され、Oracle Enterprise ManagerなどすべてのOracleレプリケーション・インタフェースから管理できます。

groupdescription

新しいマスター・グループの定義。デフォルト値はReplication Group for OWMです。


使用上の注意

このプロシージャを使用するには、Workspace Managerオブジェクトにレプリケーションが適用される方法を理解する必要があります(付録Cを参照)。また、Oracle Replicationの主要な概念および手法も理解する必要があります。詳細は、『Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション』および『Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション・マネージメントAPIリファレンス』を参照してください。

このプロシージャは、writerサイトでレプリケーション管理者ユーザーとして実行する必要があります。

このプロシージャを実行する前に、次のことを確認してください。

このプロシージャは、次の操作を実行します。

Workspace Manager環境でのレプリケーション・サポートを削除するには、DropReplicationSupportプロシージャを使用します。

次の例は、架空の会社でWorkspace Manager環境のレプリケーション・サポートを生成したものです。

DBMS_WM.GenerateReplicationSupport(
    mastersites       =>  'BACKUP-SITE1.EXAMPLE.COM, BACKUP-SITE2.EXAMPLE.COM'),
    groupname         =>  'OWM-GROUP',
    groupdescription  =>  'OWM Replication group for Example Corp.');

GetBulkLoadVersion

BeginBulkLoadingプロシージャのコールとSQL*Loader制御ファイルで指定するバージョン番号を戻します。

構文

DBMS_WM.GetBulkLoadVersion(
   workspace      IN VARCHAR2,
   savepoint_var  IN DEFAULT LATEST) RETURN INTEGER;

パラメータ

表4-27 GetBulkLoadVersionファンクションのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

バルク・ロードのバージョン・リストを戻す作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

savepoint_var

データをバルク・ロードする作業領域内のバージョン。LATESTまたはROOT_VERSIONを指定する必要があります。

LATEST(デフォルト)は、作業領域内の現行のバージョンです。

ROOT_VERSIONは、ルート・バージョン(バージョン番号0(ゼロ)、LIVE作業領域内)です。ルート・バージョンは他のすべてのバージョンの祖先であるため、ルート・バージョンのデータは他のすべての作業領域から参照可能です(LIVE以外の作業領域に更新済のデータがない場合)。ROOT_VERSIONを指定できるのは、workspaceLIVEの場合のみです。


使用上の注意

バージョン対応表へのデータのバルク・ロードを開始する前に、GetBulkLoadVersionおよびBeginBulkLoadingプロシージャをコールする必要があります。バルク・ロード・セッションを終了するには、CommitBulkLoadingプロシージャ(データのロードによる変更をコミットする場合)またはRollbackBulkLoadingプロシージャ(データのロードによる変更をロールバックする場合)をコールする必要があります。Workspace Managerでのバルク・ロードの詳細は、第1.7項を参照してください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、W1作業領域のバルク・ロード・バージョン番号を取得し、その作業領域内でEMP表へのバルク・ロード操作を開始します。

DECLARE
  version INTEGER;
BEGIN
  SELECT DBMS_WM.GetBulkLoadVersion ('W1') INTO version FROM DUAL;
  DBMS_WM.BeginBulkLoading ('EMP', 'W1', version);
END;
/

GetConflictWorkspace

SetConflictWorkspaceプロシージャを実行したセッションの作業領域の名前を戻します。

構文

DBMS_WM.GetConflictWorkspace() RETURN VARCHAR2;

パラメータ

ありません。

使用上の注意

SetConflictWorkspaceプロシージャが実行されていない場合は、現行の作業領域の名前が戻されます。

次の例は、セッションがSetConflictWorkspaceプロシージャを実行した作業領域の名前を表示します。

SELECT DBMS_WM.GetConflictWorkspace FROM DUAL;

GETCONFLICTWORKSPACE
-----------------------------------------------------------------------------
B_focus_2

GetDiffVersions

SetDiffVersions操作が実行されたセッションの作業領域とセーブポイントのペアの名前を戻します。

構文

DBMS_WM.GetDiffVersions() RETURN VARCHAR2;

パラメータ

ありません。

使用上の注意

戻される文字列の形式は「(WS1,SP1),(WS2,SP2)」です。この形式は、カッコも含め、戻された文字列の一部を後でSetDiffVersionsプロシージャへのコールで使用する場合に有効です。

次の例は、セッションがSetDiffVersions操作を実行した作業領域とセーブポイントのペアの名前を表示します。

SELECT DBMS_WM.GetDiffVersions FROM DUAL;

GETDIFFVERSIONS
--------------------------------------------------------------------------------
(B_focus_1, LATEST), (B_focus_2, LATEST)

GetLockMode

現行のセッションのロック・モードを戻します。これによって、バージョン対応行、および前回のバージョン内の対応する行にアクセスできるかどうかが決まります。

構文

DBMS_WM.GetLockMode() RETURN VARCHAR2;

パラメータ

ありません。

使用上の注意

このファンクションは、ESCまたはNULLを戻します。

Workspace Managerのロック操作の詳細は、第1.3項を参照してください。また、SetLockingONプロシージャおよびSetLockingOFFプロシージャの説明も参照してください。

次の例は、セッションのロック・モードを表示します。

SELECT DBMS_WM.GetLockMode FROM DUAL;

GETLOCKMODE
--------------------------------------------------------------------------------
C

GetMultiWorkspaces

バージョン対応表の複数作業領域ビューで参照できる作業領域の名前を戻します。

構文

DBMS_WM.GetMultiWorkspaces() RETURN VARCHAR2;

パラメータ

ありません。

使用上の注意

このプロシージャは、複数作業領域ビュー(第5.49項を参照)で参照できる作業領域の名前を戻します。

複数作業領域ビューで参照できる作業領域がない場合は、NULLが戻されます。複数の作業領域名が戻される場合は、名前がカンマで区切られます(たとえば、workspace1,workspace2,workspace3)。

複数作業領域ビューで作業領域を表示するには、SetMultiWorkspacesプロシージャを使用します。

次の例は、複数作業領域ビューで参照できる作業領域の名前を表示します。

SELECT DBMS_WM.GetMultiWorkspaces FROM DUAL;

GetOpContext

現行のセッションに対する現行の操作のコンテキストを戻します。

構文

DBMS_WM.GetOpContext() RETURN VARCHAR2;

パラメータ

ありません。

使用上の注意

このファンクションは、次の値のいずれかを戻します。

戻り値は、現行の操作に基づいて適切な処置を行うために、ユーザー定義トリガーで使用できます。

次の例は、現行の操作のコンテキストを表示します。

SELECT DBMS_WM.GetOpContext FROM DUAL;

GETOPCONTEXT
--------------------------------------------------------------------------------
DML

GetPhysicalTableName

バージョン対応表について物理表の名前(<table_name>_LT形式)を戻します。

構文

DBMS_WM.GetPhysicalTableName(
   table_owner  IN VARCHAR2,
   table_name   IN VARCHAR2) RETURN VARCHAR2;

パラメータ

表4-28 GetPhysicalTableNameファンクションのパラメータ

パラメータ 説明
table_owner

table_nameを所有するスキーマの名前。

table_name

関連付けられた物理表の名前を戻すバージョン対応表の名前。


使用上の注意

table_nameがバージョン対応表の場合、このファンクションはその表の名前を戻します。名前は<table_name>_LT形式で、EnableVersioningプロシージャのコール時にWorkspace Managerにより作成されています。この<table_name>_LT表の詳細は、第1.1.11項を参照してください。

table_nameがバージョン対応表でない場合、このファンクションはtable_nameを戻します。そのため、このファンクションを使用して表がバージョン対応かどうか(つまり、<table_name>_LT形式の名前と表の元の名前のどちらが戻されるか)をチェックすることもできます。

次の例は、COLA_MARKETING_BUDGET表がバージョン対応になった後で、その表に関連付けられた物理表の名前を表示します。

SELECT DBMS_WM.GetPhysicalTableName('wm_developer', 'cola_marketing_budget')
   FROM DUAL;

DBMS_WM.GETPHYSICALTABLENAME('WM_DEVELOPER','COLA_MARKETING_BUDGET')
--------------------------------------------------------------------------------
COLA_MARKETING_BUDGET_LT

GetPrivs

指定された作業領域に対して現行のユーザーが取得しているすべての権限のリストを戻します。このリストでは、権限がカンマで区切られます。

構文

DBMS_WM.GetPrivs(
   workspace  IN VARCHAR2) RETURN VARCHAR2;

パラメータ

表4-29 GetPrivsファンクションのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

権限のリストを戻す作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。


使用上の注意

Workspace Managerの権限の詳細は、第1.4項を参照してください。

次の例は、現行のユーザーがB_focus_2作業領域に対して取得している権限を表示します。

SELECT DBMS_WM.GetPrivs ('B_focus_2') FROM DUAL;

DBMS_WM.GETPRIVS('B_FOCUS_2')
--------------------------------------------------------------------------------
ACCESS,MERGE,CREATE,REMOVE,ROLLBACK

GetSessionInfo

現行の作業領域およびセッション・コンテキストに関する情報を取得します。

構文

DBMS_WM.GetSessionInfo(
   workspace     OUT VARCHAR2,
   context       OUT VARCHAR2,
   context_type  OUT VARCHAR2);

パラメータ

表4-30 GetSessionInfoプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

現行のセッションがある作業領域の名前。

context

作業領域内の現行のセッションのコンテキスト。LATEST、セーブポイント名または時点(DD-MON-YYYY HH24:MI:SS日付書式を使用)のいずれかで表記します。(詳細は、「使用上の注意」を参照してください。)

context_type

作業領域内の現行のセッション・コンテキストの種類。値にはLATESTcontextLATESTの場合)、SAVEPOINTcontextがセーブポイント名の場合)またはINSTANTcontextが時点の場合)のいずれかを指定します。


使用上の注意

このプロシージャは、GotoWorkspace操作、GotoSavepoint操作およびGotoDate操作を組み合せて実行した後など、セッションの場所(作業領域およびコンテキスト)を知る必要がある場合に有効です。

プロシージャが正常に実行された後のcontextパラメータの値は、次のいずれかです。

セッション・コンテキストの詳細は、第1.2項を参照してください。

次の例は、現行の作業領域およびセッション・コンテキストに関する情報を取得し、表示します。

DECLARE
  current_workspace VARCHAR2(30);
  current_context VARCHAR2(30);
  current_context_type VARCHAR2(30);
BEGIN
  DBMS_WM.GetSessionInfo(current_workspace,
                         current_context,
                         current_context_type);
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Session currently in workspace: ' ||current_workspace);
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Session context is: ' ||current_context);
  DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Session context is on: ' ||current_context_type);
END;
/
Session currently in workspace: B_focus_2
Session context is: LATEST
Session context is on: LATEST

PL/SQL procedure successfully completed.

GetSystemParameter

Workspace Managerシステム・パラメータの値を戻します。

構文

DBMS_WM.GetSytstemParameter(
   name   IN VARCHAR2) RETURN VARCHAR2;

パラメータ

表4-31 GetSystemParameterプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
name

値を設定するWorkspace Managerシステム・パラメータの名前。この名前には、ALLOW_CAPTURE_EVENTSALLOW_MULTI_PARENT_WORKSPACESALLOW_NESTED_TABLE_COLUMNSCR_WORKSPACE_MODEFIRE_TRIGGERS_FOR_NONDML_EVENTSNONCR_WORKSPACE_MODEのいずれかを指定する必要があります。


使用上の注意

Workspace Managerシステム・パラメータの詳細は、第1.5項を参照してください。

name値が有効でない場合は、例外が発生します。

次の例は、複数の親を持つ作業領域(第1.1.10項を参照)が許可されるかどうかをチェックします。

SELECT DBMS_WM.GetSystemParameter ('ALLOW_MULTI_PARENT_WORKSPACES') FROM DUAL;

DBMS_WM.GETSYSTEMPARAMETER('ALLOW_MULTI_PARENT_WORKSPACES')
--------------------------------------------------------------------------------
ON

GetValidFrom

現行のセッションの有効期間のValidFrom属性を戻します。(有効期間サポートについては、第3章を参照してください。)

構文

DBMS_WM.GetValidFrom() RETURN TIMESTAMP WITH TIME ZONE;

パラメータ

ありません。

使用上の注意

セッションの有効期間を設定するには、SetValidTimeプロシージャを使用します。

現行のセッションの有効期間のValidTill属性を取得するには、GetValidTillファンクションを使用します。

次の例は、現行のセッションの有効期間のValidFrom属性を表示します。

SELECT DBMS_WM.GetValidFrom FROM DUAL;

GETVALIDFROM
---------------------------------------------------------------------------
01-JAN-1995 12:00:00 -04:00

GetValidTill

現行のセッションの有効期間のValidTill属性を戻します。(有効期間サポートについては、第3章を参照してください。)

構文

DBMS_WM.GetValidTill() RETURN TIMESTAMP WITH TIME ZONE;

パラメータ

ありません。

使用上の注意

セッションの有効期間を設定するには、SetValidTimeプロシージャを使用します。

現行のセッションの有効期間のValidFrom属性を取得するには、GetValidFromファンクションを使用します。

次の例は、現行のセッションの有効期間のValidTill属性を表示します。

SELECT DBMS_WM.GetValidTill FROM DUAL;

GETVALIDTILL
---------------------------------------------------------------------------
01-JAN-1996 12:00:00 -04:00

GetWMMetadataSpace

Workspace Managerのメタデータの格納に現在使用されているバイト数を戻します。

構文

DBMS_WM.GetWMMetadataSpace() RETURN NUMBER;

パラメータ

ありません。

使用上の注意

Workspace Managerのメタデータ(ビュー、内部表およびその他のオブジェクト)は、デフォルトでWMSYSユーザーのデフォルト表領域に格納されます。Workspace Managerメタデータのサイズは直接制御できませんが、その位置はMove_Procプロシージャを使用してメタデータを異なる表領域に移動することで制御できます。GetWMMetadataSpaceファンクションを使用すると、Workspace Managerメタデータの移動先とみなしている表領域で使用可能にする必要のある最小領域の概算を判断できます。

次の例は、Workspace Managerのメタデータの格納に現在使用されているバイト数を表示します。

SELECT DBMS_WM.GetWMMetadataSpace FROM DUAL;

GETWMMETADATASPACE
------------------
           6750208

GetWorkspace

セッションの現行の作業領域を戻します。

構文

DBMS_WM.GetWorkspace() RETURN VARCHAR2;

パラメータ

ありません。

使用上の注意

ありません。

次の例は、セッションの現行の作業領域を表示します。

SELECT DBMS_WM.GetWorkspace FROM DUAL;

GETWORKSPACE
--------------------------------------------------------------------------------
B_focus_2

GotoDate

現行の作業領域内の指定された日付および時刻またはそれに近い時点のセーブポイントに移動します。

構文

DBMS_WM.GotoDate(
   in_date   IN VARCHAR2,
   fmt       IN VARCHAR2 DEFAULT 'mmddyyyyhh24miss',
   nlsparam  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   tsWtz     IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-32 GotoDateプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
in_date

作業領域の読取り専用ビューの日付および時刻。(詳細は、「使用上の注意」を参照してください。)

in_dateがVARCHAR2文字列の場合は、tsWtzパラメータの値に応じて日付文字列またはタイム・ゾーン付きタイムスタンプです。

fmt

日付書式。オプションはTO_TIMESTAMP_TZファンクションの場合と同じです。詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

デフォルトは'mmddyyyyhh24miss'です。

nlsparam

グローバリゼーション・サポート・オプション。オプションはTO_TIMESTAMP_TZファンクションの場合と同じです。詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

tsWtz

タイム・ゾーン・フラグ付きタイムスタンプ。ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEは、in_dateがタイム・ゾーン情報を含むタイムスタンプとみなされることを意味します。

FALSE(デフォルト)は、in_dateが日付文字列であることを意味します。


使用上の注意

指定された日付および時刻、またはそれに近い時点の現行の作業領域に対する読取り専用ビューが表示されます。正確な時点は、EnableVersioningプロシージャで設定されるか、あるいはSetWoOverwriteOFFプロシージャまたはSetWoOverwriteONプロシージャで変更される、バージョン対応表内のデータの変更追跡用の履歴オプションによって異なります。

履歴オプションの詳細は、EnableVersioningプロシージャのhistパラメータの説明を参照してください。

次のシナリオは、VIEW_WO_OVERWRITE設定の影響を示します。次の一連のイベントを想定してください。

  1. 行内のMANAGER_NAME値はAdamsです。

  2. セーブポイントSP1が作成されます。

  3. MANAGER_NAME値がBaxterに変更されます。

  4. (手順7で)in_dateに指定される時点に到達します。

  5. MANAGER_NAME値がChangに変更されます。(したがって、最初のセーブポイントと2番目のセーブポイントの間に、in_dateの前後で値が変更されています。)

  6. セーブポイントSP2が作成されます。

  7. 手順4で発生した時点をin_dateに指定して、GotoDate操作が実行されます。

前述の使用例では、次のことに注意してください。

GotoDateプロシージャは、ユーザーが作業領域内に存在する間に実行する必要があります。このプロシージャに対応付けられた明示的な権限はありません。

次の例は、現在有効な履歴オプションによって、2004年6月8日の午前0時時点またはそれに近い時点に移動します。

EXECUTE DBMS_WM.GotoDate ('08-JUN-04', 'DD-MON-YY');

GotoSavepoint

現行の作業領域内の指定されたセーブポイントに移動します。

構文

DBMS_WM.GotoSavePoint(
   savepoint_name  IN VARCHAR2 DEFAULT 'LATEST');

パラメータ

表4-33 GotoSavepointプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
savepoint_name

セーブポイントの名前。この名前は大/小文字が区別されます。savepoint_nameが指定されていない場合、デフォルト値はLATESTです。


使用上の注意

セーブポイント作成時の作業領域の読取り専用ビューが表示されます。このプロシージャは、RollbackToSPプロシージャをコールして特定のセーブポイントにロールバックし、そのセーブポイント以降のすべての行を削除する前に、異なるセーブポイントの作業領域を調べる場合に有効です。

この操作は、ユーザーが作業領域内に存在する間に実行できます。この操作に対応付けられた明示的な権限はありません。

セーブポイントにロールバックしない場合は、パラメータをNULLに設定してGotoSavepointプロシージャをコールすると、作業領域内の現在アクティブなバージョンに移動できます。(これによって、GotoWorkspaceプロシージャをコールして作業領域を指定した場合と同様の結果が得られます。)

LATESTセーブポイントなどのセーブポイントの詳細は、第1.1.2項を参照してください。

次の例は、Savepoint1という名前のセーブポイントに移動します。

EXECUTE DBMS_WM.GotoSavepoint ('Savepoint1');

GotoWorkspace

現行のセッションを指定された作業領域に移動します。

構文

DBMS_WM.GotoWorkspace(
   workspace  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-34 GotoWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。


使用上の注意

作業領域に移動すると、そこでデータに対する変更を行うことができます。

LIVEデータベースに移動するには、workspaceLIVEに指定します。ユーザー(自分自身を含む)が作業領域内にいる場合は多くの操作が禁止されるため、作成された作業領域に対して操作を実行する前にLIVE作業領域に移動すると便利です。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域内に移動する例です。ユーザーは、NEWWORKSPACE作業領域内の最新バージョンで作業を開始します。

EXECUTE DBMS_WM.GotoWorkspace ('NEWWORKSPACE');

次の例は、LIVEデータベース作業領域内に移動する例です。デフォルトでは、データベースに接続したユーザーは、LIVE作業領域内に置かれます。

EXECUTE DBMS_WM.GotoWorkspace ('LIVE');

GrantGraphPriv

複数の親を持つグラフ作業領域に対する権限を、ユーザーおよびロールに付与します。grant_optionパラメータを指定すると、権限受領者は指定された権限を他のユーザーおよびロールに付与できます。

構文

DBMS_WM.GrantGraphPriv(
   priv_types      IN VARCHAR2,
   leaf_workspace  IN VARCHAR2,
   grantee         IN VARCHAR2,
   node_types      IN VARCHAR2 DEFAULT '(''R'',''I'',''L'')',
   grant_option    IN VARCHAR2 DEFAULT 'NO',
   auto_commit     IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-35 GrantGraphPrivプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
priv_types

権限を表す1つ以上のキーワードの文字列。(Workspace Managerの権限の詳細は、第1.4項を参照。)カンマを使用して、権限のキーワードを区切ります。使用可能なキーワードは、ACCESS_WORKSPACEMERGE_WORKSPACECREATE_WORKSPACEREMOVE_WORKSPACEROLLBACK_WORKSPACEおよびFREEZE_WORKSPACEです。

leaf_workspace

非循環有向グラフ内のリーフ作業領域の名前。(リーフ作業領域、非循環有向グラフおよび複数の親を持つ作業領域に関連するその他の概念については、第1.1.10項を参照してください。)この名前は大/小文字が区別されます。

grantee

priv_typesを付与するユーザー(PUBLICユーザー・グループでも可)またはロールの名前。

node_types

権限を付与するノードのタイプを表す文字をカッコで囲んだカンマ区切りのリスト。Rはグラフのルート、Iは指定した中間ノード、Lはグラフのリーフを表します。デフォルトは、すべてのタイプのノードです。

grant_option

YESを指定してGrant Optionを権限受領者に対して使用可能にするか、またはNO(デフォルト値)を指定してGrant Optionを権限受領者に対して使用禁止にします。Grant Optionを使用すると、granteeは、leaf_workspaceで指定された作業領域に対するpriv_typesで指定された権限を他のユーザーおよびロールに付与できます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャとは対照的に、GrantWorkspacePrivは複数の親を持つグラフ作業領域以外の作業領域に対する作業領域レベルのWorkspace Manager権限を付与します。

ユーザーが複数のソースから権限を取得し、それらのソースのいずれかにその権限に対するGrant Optionがある場合、ユーザーもその権限に対するGrant Optionを取得します。たとえば、ユーザーSCOTTにはgrant_optionNOに指定したACCESS_WORKSPACE権限が付与されているが、PUBLICユーザー・グループにはgrant_optionYESに指定したACCESS_WORKSPACE権限が付与されていると想定します。ユーザーSCOTTPUBLICのメンバーであるため、Grant Optionが付いたACCESS_WORKSPACE権限を取得します。

WM_ADMIN_ROLEロールには、Grant Optionが付いたすべてのWorkspace Manager権限があります。WM_ADMIN_ROLEロールは、DBAロールに自動的に付与されます。

その他のすべてのWorkspace Manager権限には、ACCESS_WORKSPACE権限またはACCESS_ANY_WORKSPACE権限が必要です。

複数の親を持つグラフ作業領域に対する作業領域レベルの権限を取り消すには、RevokeGraphPrivプロシージャを使用します。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、ユーザーSmithに対して、NEWWORKSPACE作業領域をリーフ作業領域に持つ非循環有向グラフ内の全タイプのノードにアクセスすること、これらの作業領域内での変更をマージすること、およびリーフ作業領域に対して指定されている2つの権限を他のユーザーに付与することを許可します。

DBMS_WM.GrantGraphPriv ('ACCESS_WORKSPACE, MERGE_WORKSPACE', 'NEWWORKSPACE', 'Smith', 'YES');

GrantPrivsOnPolicy

指定されたOracle Label Security(OLS)ポリシーを含む表に対してEnableVersioningプロシージャをコールするために必要な権限を付与します。

構文

DBMS_WM.GrantPrivsOnPolicy(
   policy_name  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-36 GrantPrivsOnPolicyプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
policy_name

権限が付与される必要のあるポリシーの名前


使用上の注意

このプロシージャにより、OLSポリシーに対して必要な権限がWMSYSスキーマに付与されます。これらの権限は、作業領域操作を実行する際に必要です。同じポリシーによって保護される複数の表をバージョン対応にする必要がある場合、このプロシージャを実行する必要があるのは1回だけです。

次の例は、my_policyというポリシーに対して必要な権限を付与します。

EXECUTE DBMS_WM.GrantPrivsOnPolicy('my_policy');

GrantSystemPriv

(特定の作業領域に制限されない)システム・レベルの権限をユーザーおよびロールに付与します。grant_optionパラメータを指定すると、権限受領者は指定された権限を他のユーザーおよびロールに付与できます。

構文

DBMS_WM.GrantSystemPriv(
   priv_types    IN VARCHAR2,
   grantee       IN VARCHAR2,
   grant_option  IN VARCHAR2 DEFAULT 'NO',
   auto_commit   IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-37 GrantSystemPrivプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
priv_types

権限を表す1つ以上のキーワードの文字列。(Workspace Managerの権限の詳細は、第1.4項を参照。)カンマを使用して、権限のキーワードを区切ります。使用可能なキーワードは、ACCESS_ANY_WORKSPACEMERGE_ANY_WORKSPACECREATE_ANY_WORKSPACEREMOVE_ANY_WORKSPACEROLLBACK_ANY_WORKSPACEおよびFREEZE_ANY_WORKSPACEです。

grantee

priv_typesを付与するユーザー(PUBLICユーザー・グループでも可)またはロールの名前。

grant_option

YESを指定してGrant Optionを権限受領者に対して使用可能にするか、またはNO(デフォルト値)を指定してGrant Optionを権限受領者に対して使用禁止にします。Grant Optionを使用すると、granteepriv_typesで指定された権限を他のユーザーおよびロールに付与できます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャとは対照的に、GrantWorkspacePrivプロシージャは、ANYを含まないキーワードを使用して作業領域レベルのWorkspace Manager権限を付与し、workspaceパラメータを含みます。

ユーザーが複数のソースから権限を取得し、それらのソースのいずれかにその権限に対するGrant Optionがある場合、ユーザーもその権限に対するGrant Optionを取得します。たとえば、ユーザーSCOTTにはgrant_optionNOに指定したACCESS_ANY_WORKSPACE権限が付与されているが、PUBLICユーザー・グループにはgrant_optionYESに指定したACCESS_ANY_WORKSPACE権限が付与されていると想定します。ユーザーSCOTTPUBLICのメンバーであるため、Grant Optionが付いたACCESS_ANY_WORKSPACE権限を取得します。

WM_ADMIN_ROLEロールには、Grant Optionが付いたすべてのWorkspace Manager権限があります。WM_ADMIN_ROLEロールは、DBAロールに自動的に付与されます。

その他のすべてのWorkspace Manager権限には、ACCESS_WORKSPACE権限またはACCESS_ANY_WORKSPACE権限が必要です。

Workspace Managerのシステム・レベルの権限を付与されているユーザーを確認するには、DBA_WM_SYS_PRIVSメタデータ・ビューを調べます。詳細は、第5.18項を参照してください。

システム・レベルの権限を取り消すには、RevokeSystemPrivプロシージャを使用します。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、ユーザーSmithがデータベース内のすべての作業領域にアクセスできるようにしますが、SmithACCESS_ANY_WORKSPACE権限を他のユーザーに付与することは許可しません。

EXECUTE DBMS_WM.GrantSystemPriv ('ACCESS_ANY_WORKSPACE', 'Smith', 'NO');

GrantWorkspacePriv

ユーザーおよびロールに作業領域レベルの権限を付与します。grant_optionパラメータを指定すると、権限受領者は指定された権限を他のユーザーおよびロールに付与できます。

構文

DBMS_WM.GrantWorkspacePriv(
   priv_types    IN VARCHAR2,
   workspace     IN VARCHAR2,
   grantee       IN VARCHAR2,
   grant_option  IN VARCHAR2 DEFAULT 'NO',
   auto_commit   IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-38 GrantWorkspacePrivプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
priv_types

権限を表す1つ以上のキーワードの文字列。(Workspace Managerの権限の詳細は、第1.4項を参照。)カンマを使用して、権限のキーワードを区切ります。使用可能なキーワードは、ACCESS_WORKSPACEMERGE_WORKSPACECREATE_WORKSPACEREMOVE_WORKSPACEROLLBACK_WORKSPACEおよびFREEZE_WORKSPACEです。

workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

grantee

priv_typesを付与するユーザー(PUBLICユーザー・グループでも可)またはロールの名前。

grant_option

YESを指定してGrant Optionを権限受領者に対して使用可能にするか、またはNO(デフォルト値)を指定してGrant Optionを権限受領者に対して使用禁止にします。Grant Optionを使用すると、granteeは、workspaceで指定された作業領域に対するpriv_typesで指定された権限を他のユーザーおよびロールに付与できます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャとは対照的に、GrantSystemPrivプロシージャは、xxx_ANY_WORKSPACE形式(ACCESS_ANY_WORKSPACEMERGE_ANY_WORKSPACEなど)のキーワードを使用してシステム・レベルのWorkspace Manager権限を付与します。また、このプロシージャとは対照的に、GrantGraphPrivプロシージャは複数の親を持つグラフ作業領域に対する権限をユーザーおよびロールに付与します。

ユーザーが複数のソースから権限を取得し、それらのソースのいずれかにその権限に対するGrant Optionがある場合、ユーザーもその権限に対するGrant Optionを取得します。たとえば、ユーザーSCOTTにはgrant_optionNOに指定したACCESS_WORKSPACE権限が付与されているが、PUBLICユーザー・グループにはgrant_optionYESに指定したACCESS_WORKSPACE権限が付与されていると想定します。ユーザーSCOTTPUBLICのメンバーであるため、Grant Optionが付いたACCESS_WORKSPACE権限を取得します。

WM_ADMIN_ROLEロールには、Grant Optionが付いたすべてのWorkspace Manager権限があります。WM_ADMIN_ROLEロールは、DBAロールに自動的に付与されます。

その他のすべてのWorkspace Manager権限には、ACCESS_WORKSPACE権限またはACCESS_ANY_WORKSPACE権限が必要です。

作業領域レベルの権限を取り消すには、RevokeWorkspacePrivプロシージャを使用します。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、ユーザーSmithNEWWORKSPACE作業領域にアクセスしてその作業領域内の変更をマージできるようにし、SmithNEWWORKSPACEに対する2つの指定された権限を他のユーザーに付与することを許可します。

DBMS_WM.GrantWorkspacePriv ('ACCESS_WORKSPACE, MERGE_WORKSPACE', 'NEWWORKSPACE', 'Smith', 'YES');

Import

ステージング表から指定の作業領域内のバージョン対応表に、データ(すべての行、または複数のパラメータの組合せで限定された行)をインポートします。

構文

DBMS_WM.Import(
   staging_table   IN VARCHAR2,
   to_table        IN VARCHAR2,
   to_workspace    IN VARCHAR2,
   from_workspace  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   where_clause    IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   import_scope    IN VARCHAR2 DEFAULT DBMS_WM.IMPORT_ALL_DATA,
   ancestor_savepoint_workspace  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   ancestor_savepoint_name       IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   apply_locks     IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   enforceUCFlag   IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   enforceRICFlag  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   auto_commit     IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-39 Importプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
staging_table

前にExportプロシージャを使用してエクスポートしたデータを保持する表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

to_table

データのインポート先となる表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

to_workspace

データをインポートする作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

from_workspace

データのインポート元となる作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。ステージング表にバージョニング情報が含まれている場合は、from_workspaceを指定する必要があります。

where_clause

インポートする行を識別するWHERE句(WHEREキーワードを除く)。たとえば、department_id = 20です。

副問合せの場合を除き、WHERE句には主キー列のみを指定できます。この副問合せは、主キーではない列を参照できますが、バージョン対応表は参照できません。

where_clauseパラメータが指定されていない場合は、staging_table内のすべての行がインポートされます。

import_scope

インポート操作の有効範囲(データ量)。

DBMS_WM.IMPORT_ALL_DATA(デフォルト)を指定すると、すべての関連データがインポートされます。

DBMS_WM.IMPORT_MODIFIED_DATA_ONLYを指定すると、from_workspace内で挿入、更新または削除された関連データのみがインポートされます。

ancestor_savepoint_workspace

ancestor_savepoint_nameに指定する祖先セーブポイントを含む作業領域の名前。現行のリリースでは、ancestor_savepoint_workspaceを指定する場合は、値にLIVEを指定する必要があります。

このパラメータを指定した場合は、ancestor_savepoint_nameも指定する必要があります。

ancestor_savepoint_name

ancestor_savepoint_workspace内のセーブポイントの名前。エクスポート操作時点で祖先データだったデータがすべて(Exportプロシージャの「使用上の注意」を参照)、指定したセーブポイントにインポートされます。現行のリリースでは、ancestor_savepoint_nameを指定する場合は、値にDBMS_WM.ROOT_VERSIONを指定する必要があります。

このパラメータを指定した場合は、ancestor_savepoint_workspaceも指定する必要があります。

apply_locks

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、エクスポートされたデータに存在していたロックは、より限定的なロック・モードが現行のセッションで有効でないかぎり、インポート時にデータに適用されます。

FALSE(デフォルト)を指定すると、ステージング表にある行のロックは無視され、現行のセッションで有効なロック・モードが常に使用されます。

enforceUCFlag

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト)を指定すると、to_tableに定義された一意制約が規定され、インポート操作が一意制約に違反しないことが保証されます。

FALSEを指定すると、インポート操作にはto_tableに定義された一意制約が規定されません。

enforceRICFlag

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト)を指定すると、to_tableに定義された参照整合性制約が規定され、インポート操作が参照整合性制約に違反しないことが保証されます。

FALSEを指定すると、インポート操作にはto_tableに定義された参照整合性制約が規定されません。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

ステージング表staging_table内のwhere_clauseパラメータ値と、import_scopeパラメータ値を満たすデータがすべて、to_tableバージョン対応表にインポートされます。

データは、事前にExportプロシージャを使用してステージング表にエクスポートしておく必要があります。

インポート対象データの各行は、from_workspace内で挿入、更新または削除されたデータ(つまり、変更済データ)、またはfrom_workspace内では変更されていないが表示できるデータ(つまり、祖先データ)のいずれかであるとみなされます。データがLIVE作業領域からエクスポートされる場合は、すべてが変更済データです。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、B_focus_2作業領域内のCOLA_MARKETING_BUDGET_STGステージング表からB_Focus_1作業領域内のCOLA_MARKETING_BUDGET表に、変更済データをインポートします。(EXECUTE文は、実際には1行で指定します。)

EXECUTE DBMS_WM.Import(staging_table => 'COLA_MARKETING_BUDGET_STG',
  to_table => 'COLA_MARKETING_BUDGET', to_workspace => 'B_focus_1',
  from_workspace => 'B_focus_2');

IsWorkspaceOccupied

作業領域内にアクティブなセッションがあるかどうかを確認します。

構文

DBMS_WM.IsWorkspaceOccupied(
   workspace  IN VARCHAR2) RETURN VARCHAR2;

パラメータ

表4-40 IsWorkspaceOccupiedファンクションのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。


使用上の注意

このファンクションは、作業領域内にアクティブなセッションがある場合はYESを戻し、ない場合はNOを戻します。

LIVE作業領域が指定されるか、またはユーザーが該当する作業領域に対するアクセス権を取得していない場合は、例外が発生します。

次の例は、B_focus_2作業領域内にセッションがあるかどうかを確認します。

SELECT DBMS_WM.IsWorkspaceOccupied('B_focus_2') FROM DUAL;

DBMS_WM.ISWORKSPACEOCCUPIED('B_FOCUS_2')
--------------------------------------------------------------------------------
YES

LockRows

指定された表内のバージョン対応行、および親作業領域内のそれに対応する行へのアクセスを制御します。

構文

DBMS_WM.LockRows(
   workspace     IN VARCHAR2,
   table_name    IN VARCHAR2,
   where_clause  IN VARCHAR2 DEFAULT '',
   lock_mode     IN VARCHAR2 DEFAULT 'E',
   Xmin          IN NUMBER DEFAULT NULL,
   Ymin          IN NUMBER DEFAULT NULL,
   Xmax          IN NUMBER DEFAULT NULL,
   Ymax          IN NUMBER DEFAULT NULL);

パラメータ

表4-41 LockRowsプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。作業領域内の参照できる行の最新バージョンがロックされます。この作業領域内で行が変更されていない場合、ロックされたバージョンは親作業領域内にある可能性があります。この名前は大/小文字が区別されます。

lock_modeVE(バージョン排他)に設定する場合は、値NONEを使用できます。これにより、参照元の作業領域に関係なく、行の最新バージョンがロックされます。

table_name

ロックする行を含む表またはSpatialトポロジ(XminYminXmaxおよびYmaxが指定されている場合)の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

where_clause

ロックする行を識別するWHERE句(WHEREキーワードを除く)。たとえば、department_id = 20です。

副問合せの場合を除き、WHERE句には主キー列のみを指定できます。この副問合せは、主キーではない列を参照できますが、バージョン対応表は参照できません。

where_clauseが指定されていない場合は、table_name内のすべての行がロックされます。

table_nameにSpatialトポロジ名を指定する場合は、where_clauseパラメータを指定しないでください。

lock_mode

ロックを設定するときのモード。E(排他)、WE(作業領域排他)、VE(バージョン排他)またはS(共有)を指定します。デフォルト値はEです。

E(排他)モードを指定すると、前のバージョン内の行、および現行バージョン内のそれに対応する行がロックされます。どちらのバージョンでも、その作業領域内にいる他のユーザーは、どの値も変更できません。

WE(作業領域排他)モードを指定すると、前のバージョンの行、および現行バージョン内のそれに対応する行がロックされます。これにより、現行の作業領域内で値を変更できるのはロックを設定したユーザーのみとなります。ただし、他の作業領域内の他のユーザーは値を変更できます。

VE(バージョン排他)モードを指定すると、前のバージョンの行、および現行バージョン内のそれに対応する行がロックされます。これにより、値を変更できるのはロックを設定したユーザーのみとなります。ただし、他のユーザー(すべての作業領域内)は値を変更できなくなります。

S(共有)モードを指定すると、前のバージョン内の行、および現行バージョン内のそれに対応する行がロックされます。ただし、現行バージョンの作業領域内にいる他のユーザーは、これらの行の値を変更できます(前のバージョンの作業領域内にいるユーザーは、値を変更できません)。

Xmin, Ymin

Oracle Spatialトポロジの場合にのみ(第1.14.1項を参照)、行を含むウィンドウの左下隅のX座標値とY座標値がそれぞれロックされます。table_nameにトポロジ名を指定した場合は、これらのパラメータを指定する必要があります。それ以外の場合は、指定しないでください。

Xmax, Ymax

Oracle Spatialトポロジの場合にのみ(第1.14.1項を参照)、行を含むウィンドウの右上隅のX座標値とY座標値がそれぞれロックされます。table_nameにトポロジ名を指定した場合は、これらのパラメータを指定する必要があります。それ以外の場合は、指定しないでください。


使用上の注意

このプロシージャは、すべての標準のOracleデータベース・ロック操作に加えて実行されるWorkspace Managerロック操作に影響します。Workspace Managerのロック操作の詳細は、第1.3項を参照してください。

このプロシージャは、Workspace Managerのロック操作が使用可能または使用禁止(SetLockingONプロシージャおよびSetLockingOFFプロシージャで決定)になるかには影響しません。

行のロックを解除するには、UnlockRowsプロシージャを使用します。

Workspace ManagerによるOracle Spatialトポロジ内の表のロックの詳細は、第1.14.1項を参照してください。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域内にあるEMPLOYEES表の行(last_name = 'Smith')をロックします。

EXECUTE DBMS_WM.LockRows ('NEWWORKSPACE', 'employees', 'last_name = ''Smith''');

MergeTable

作業領域内の1つ以上の表(すべての行、またはWHERE句で指定された行)に対する変更をその親作業領域に適用します。

複数の親を持つ作業領域(第1.1.10項を参照)の場合は、非循環有向グラフ内のルート以外のすべての作業領域からの1つ以上の表(すべての行またはWHERE句で指定された行)に対する変更を、複数の親を含むルート作業領域に適用します。

構文

DBMS_WM.MergeTable(
   workspace         IN VARCHAR2,
   table_id          IN VARCHAR2,
   where_clause      IN VARCHAR2 DEFAULT '',
   create_savepoint  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   remove_data       IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   auto_commit       IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-42 MergeTableプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

table_id

親作業領域にマージする行を含む表または複数の表の名前。複数の表を指定する場合、名前をカンマで区切ります。(たとえば、'table1, table2')表の名前は大/小文字が区別されません。

where_clause

親作業領域にマージする行を識別するWHERE句(WHEREキーワードを除く)。たとえば、department_id = 20です。

副問合せの場合を除き、WHERE句には主キー列のみを指定できます。この副問合せは、主キーではない列を参照できますが、バージョン対応表は参照できません。

where_clauseパラメータが指定されていない場合は、table_name内のすべての行がマージされます。

create_savepoint

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、マージ操作の前に、親作業領域内に暗黙的セーブポイントが作成されます。複数の親を持つ作業領域の場合は、マージ操作の前に、複数の親を含むルート作業領域内に暗黙的セーブポイントが作成されます。(暗黙的および明示的セーブポイントについては、第1.1.2項を参照。)

FALSE(デフォルト値)を指定すると、マージ操作の前に、親作業領域内に暗黙的セーブポイントが作成されません。

remove_data

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、子作業領域内の表のデータ(where_clauseパラメータで指定)が削除されます。複数の親を持つ作業領域の場合は、非循環有向グラフ内のルート以外の作業領域にある表のデータ(where_clauseパラメータで指定)が削除されます。remove_dataオプションを使用できるのは、workspaceに子作業領域がない(この作業領域がリーフ作業領域になっている)場合のみです。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、子作業領域内の表のデータは削除されません。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

workspace内にあるバージョン対応表table_nameの(where_clauseパラメータ値を満たす)すべてのデータが、workspaceの親作業領域に適用されます。

マージ中の行が保持するすべてのロックは解放されます。

マージ中の作業領域とその親作業領域の間に競合がある場合は、マージ操作が正常に実行されません。ユーザーは、<table_name>_CONFビューを使用して競合を手動で解消する必要があります。(競合解消の詳細は、第1.1.4項を参照してください。)

LIVE作業領域では、(親作業領域がないため)表をマージできません。

その表に影響するオープン状態のデータベース・トランザクションがある場合、表はマージまたはリフレッシュできません。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACE内にあるEMP表(USER3スキーマ内)内の行(last_name = 'Smith')に対する変更を、その親作業領域にマージします。

EXECUTE DBMS_WM.MergeTable ('NEWWORKSPACE', 'user3.emp', 'last_name = ''Smith''');

MergeWorkspace

作業領域内のすべての変更をその親作業領域に適用します。また、オプションで、その作業領域を削除できます。

複数の親を持つ作業領域(第1.1.10項を参照)の場合は、作業領域内のすべての変更を非循環有向グラフ内の他のすべての作業領域に適用します。また、オプションで非循環有向グラフ内のルート以外の作業領域を削除できます。

構文

DBMS_WM.MergeWorkspace(
   workspace         IN VARCHAR2,
   create_savepoint  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   remove_workspace  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   auto_commit       IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-43 MergeWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

create_savepoint

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、マージ操作の前に、親作業領域内に暗黙的セーブポイントが作成されます。(暗黙的および明示的セーブポイントについては、第1.1.2項を参照。)

FALSE(デフォルト値)を指定すると、マージ操作の前に、親作業領域内に暗黙的セーブポイントが作成されません。

remove_workspace

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、マージ操作後にworkspaceが削除されます。複数の親を持つ作業領域の場合は、非循環有向グラフ内のルート以外の作業領域がすべて削除されます。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、マージ操作後にworkspaceは削除されず、引き続き存在します。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

remove_workspaceTRUEの場合は、workspace内にあるすべてのバージョン対応表のすべてのデータがworkspaceの親作業領域にマージされ、workspaceが削除されます。

作業領域が連続的にリフレッシュされる子作業領域の場合、排他ロックは親作業領域に適用されます。この排他ロックは、GotoWorkspaceなどの、共有ロックの適用を試みる親作業領域への他の操作をブロックします。

任意の行に対する現行の行バージョンのみが、親作業領域にマージされます。子作業領域のすべての中間行バージョンおよび履歴コピーを保持するには、remove_workspaceの値をFALSE(デフォルト)にする必要があります。Workspace Managerによる行バージョンの作成方法および履歴コピーの管理方法の詳細は、第1.1.12項を参照してください。

このプロシージャの実行中、現行の作業領域はNO_ACCESSモードにアクセス制限され、また、その親作業領域はREAD_ONLYモードにアクセス制限されます。詳細は、第1.1.5項を参照してください。

マージ中の作業領域とその親作業領域の間に競合がある場合は、マージ操作が正常に実行されません。ユーザーは、<table_name>_CONFビューを使用して競合を手動で解消する必要があります。(競合解消の詳細は、第1.1.4項を参照してください。)

remove_workspaceパラメータの値がTRUEの場合、マージする作業領域はリーフ作業領域(子作業領域のない作業領域)である必要があります。(作業領域階層の詳細は、第1.1.1項を参照してください。)

子作業領域内の行を更新し、これらの変更を同じトランザクション内の親作業領域にマージするには、autocommit=FALSEを指定し、他セッション(つまり、更新トランザクションを実行中のセッション以外)が子作業領域にないことを確認する必要があります。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACE内の変更を親作業領域にマージします。

EXECUTE DBMS_WM.MergeWorkspace ('NEWWORKSPACE');

Move_Proc

Workspace Managerのメタデータを指定の表領域に移動します。

構文

DBMS_WM.Move_Proc(
   dest_tablespace  IN VARCHAR2 DEFAULT 'SYSAUX');

パラメータ

表4-44 Move_Procプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
dest_tablespace

Workspace Managerのメタデータの移動先となる表領域。デフォルト値はSYSAUX表領域です。


使用上の注意

Workspace Managerのメタデータ(ビュー、内部表およびその他のオブジェクト)は、デフォルトでWMSYSユーザーのデフォルト表領域に格納されます。Workspace Managerメタデータのサイズは直接制御できませんが、その位置は、このプロシージャを使用してメタデータを現行の表領域から他の表領域に移動することで制御できます。このプロシージャをコールするときにdest_tablespaceパラメータを指定しなければ、Workspace ManagerのメタデータはSYSAUX表領域に移動します。

メタデータを移動する前にGetWMMetadataSpaceファンクションを使用すると、Workspace Managerメタデータの移動先とみなしている表領域で使用可能にする必要のある最小領域の概算を判断できます。

次の例は、Workspace ManagerのメタデータをTBLSP_1表領域に移動します。

EXECUTE DBMS_WM.Move_proc('TBLSP_1');

RecoverAllMigratingTables

Workspace Managerの移行プロシージャが正常に実行されなかった場合、一貫性のない状態になっているすべての表の移行プロセスを完了しようとします。

構文

DBMS_WM.RecoverAllMigratingTables(
   ignore_last_error IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-45 RecoverAllMigratingTablesプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
ignore_last_error

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、移行プロセス中に発生した最後のエラー(ある場合)が無視されます。USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューに格納された最後のエラーに関する情報は、第5章を参照してください。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、移行プロセス中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されません。


使用上の注意

Workspace Managerを今回のリリースにアップグレード(移行)している間にエラーが発生した場合、1つ以上のバージョン対応表が一貫性のない状態で残ることがあります。(今回のリリースへアップグレードする方法は、第B.1項を参照してください。)アップグレード・プロシージャが正常に実行されない場合は、エラーの原因を修正し(SQL文およびエラー・メッセージについては、USER_WM_VT_ERRORSメタデータ・ビューまたはALL_WM_VT_ERRORSメタデータ・ビューを参照)、その後、ignore_last_errorパラメータ値をデフォルトのFALSEにしてRecoverMigratingTableプロシージャ(単一表の場合)またはRecoverAllMigratingTablesプロシージャ(すべての表の場合)をコールし、アップグレード・プロセスを完了する必要があります。

ただし、その後もコールが正常に実行されず、エラーの原因を修正できず、このエラーを無視する場合は、ignore_last_errorパラメータ値をTRUEに指定して、RecoverMigratingTableプロシージャまたはRecoverAllMigratingTablesプロシージャをコールします。ただし、エラーを無視する場合は、ユーザーの責任で行ってください。

次の例は、アップグレード・プロシージャが正常に実行されず、一貫性のない状態になっているすべての表をリカバリしようとします。

EXECUTE DBMS_WM.RecoverAllMigratingTables;

次の例は、アップグレード・プロシージャが正常に実行されず、一貫性のない状態になっているすべての表をリカバリしようとします。アップグレード・プロシージャが正常に実行されない原因となった最後のエラーは無視します。

EXECUTE DBMS_WM.RecoverAllMigratingTables(TRUE);

RecoverFromDroppedUser

1つ以上のバージョン対応表を所有する1つ以上のデータベース・ユーザーを削除した後、必要な操作を実行します。

構文

DBMS_WM.RecoverFromDroppedUser(
   ignore_last_error IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-46 RecoverFromDroppedUserプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
ignore_last_error

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、RecoverFromDroppedUserプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されます。USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューに格納された最後のエラーに関する情報は、第5章を参照してください。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、RecoverFromDroppedUserプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されません。


使用上の注意

1つ以上のバージョン対応表を所有するデータベース・ユーザーが削除された場合、このプロシージャを可能なかぎり早く実行する必要があります。このプロシージャにより、これらの表を所有するユーザーを削除した結果として削除されたバージョン対応表のいずれかに依存する既存の表の外部キー制約は、いずれも削除されます。また、このプロシージャは無効なデータベース・メタデータを修正します。

RecoverFromDroppedUserプロシージャのコールが正常に実行されない場合、表は一貫性のない状態になります。この状態が発生した場合は、エラーの原因を修正し(SQL文およびエラー・メッセージについては、DBA_WM_VT_ERRORSメタデータ・ビューを参照)、その後、ignore_last_errorパラメータ値をデフォルトのFALSEにしてRecoverFromDroppedUserプロシージャを再度コールする必要があります。その後もコールが正常に実行されず、エラーの原因を修正できず、このエラーを無視する場合は、ignore_last_errorパラメータ値をTRUEに指定してRecoverFromDroppedUserプロシージャをコールします。ただし、エラーを無視する場合は、ユーザーの責任で行ってください。

このプロシージャを実行するには、SYSDBA権限を持つユーザーとしてデータベース・インスタンスに接続する必要があります。

次の例は、1つ以上のバージョン対応表を所有するHERMANという名前のユーザーを削除し、その後必要な操作を実行します。

DROP USER herman CASCADE;
EXECUTE DBMS_WM.RecoverFromDroppedUser;

RecoverMigratingTable

Workspace Managerの移行プロシージャが正常に実行されなかった場合、一貫性のない状態になっている表の移行プロセスを完了しようとします。

構文

DBMS_WM.RecoverMigratingTable(
   table_name        IN VARCHAR2,
   ignore_last_error IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-47 RecoverMigratingTableプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

移行エラーが発生したためリカバリするバージョン対応表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

ignore_last_error

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、移行プロセス中に発生した最後のエラー(ある場合)が無視されます。USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューに格納された最後のエラーに関する情報は、第5章を参照してください。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、移行プロセス中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されません。


使用上の注意

Workspace Managerを今回のリリースにアップグレードしている間にエラーが発生した場合、1つ以上のバージョン対応表が一貫性のない状態で残ることがあります。(今回のリリースへアップグレードする方法は、第B.1項を参照してください。)アップグレード・プロシージャが正常に実行されない場合は、エラーの原因を修正し(SQL文およびエラー・メッセージについては、USER_WM_VT_ERRORSメタデータ・ビューまたはALL_WM_VT_ERRORSメタデータ・ビューを参照)、その後、ignore_last_errorパラメータ値をデフォルトのFALSEにしてRecoverMigratingTableプロシージャ(単一表の場合)またはRecoverAllMigratingTablesプロシージャ(すべての表の場合)をコールし、アップグレード・プロセスを完了する必要があります。

ただし、その後もコールが正常に実行されず、エラーの原因を修正できず、このエラーを無視する場合は、ignore_last_errorパラメータ値をTRUEに指定して、RecoverMigratingTableプロシージャまたはRecoverAllMigratingTablesプロシージャをコールします。ただし、エラーを無視する場合は、ユーザーの責任で行ってください。

table_nameが存在しないか、この表がバージョン対応でない場合は、例外が発生します。

次の例は、アップグレード・プロシージャが正常に実行されず、エラーが発生したため、COLA_MARKETING_BUDGET表をリカバリしようとします。

EXECUTE DBMS_WM.RecoverMigratingTable('COLA_MARKETING_BUDGET');

次の例は、COLA_MARKETING_BUDGET表をリカバリしようとします。アップグレード・プロシージャが正常に実行されない原因となった最後のエラーは無視します。

EXECUTE DBMS_WM.RecoverMigratingTable('COLA_MARKETING_BUDGET', TRUE);

RefreshTable

作業領域に対し、その親作業領域内の表(すべての行、またはWHERE句に指定された行)に対するすべての変更を適用します。

複数の親を持つ作業領域(第1.1.10項を参照)の場合は、指定した表について、非循環有向グラフ内でリーフ以外の作業領域からの変更を、指定したリーフ作業領域に適用します。(中間作業領域内の表データは変更されません。)

構文

DBMS_WM.RefreshTable(
   workspace     IN VARCHAR2,
   table_id      IN VARCHAR2,
   where_clause  IN VARCHAR2 DEFAULT '',
   auto_commit   IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-48 RefreshTableプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

table_id

親作業領域の値を使用してリフレッシュする行を含む表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

where_clause

親作業領域の値を使用してリフレッシュする行を識別するWHERE句(WHEREキーワードを除く)。たとえば、department_id = 20です。

副問合せの場合を除き、WHERE句には主キー列のみを指定できます。この副問合せは、主キーではない列を参照できますが、バージョン対応表は参照できません。

where_clauseパラメータが指定されていない場合は、table_name内のすべての行がリフレッシュされます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャは、workspaceの作成時または最後のリフレッシュ時以降に行われた、親作業領域内にあるバージョン対応表table_idの行(where_clauseパラメータ値を満たす行)に対するすべての変更をworkspaceに適用します。

リフレッシュ中の作業領域とその親作業領域の間に競合がある場合は、リフレッシュ操作が正常に実行されません。ユーザーは、<table_name>_CONFビューを使用して競合を手動で解消する必要があります。(競合解消の詳細は、第1.1.4項を参照してください。)

workspaceが連続的にリフレッシュされる作業領域の場合、このプロシージャは無視されます。

LIVE作業領域では、(親作業領域がないため)表をリフレッシュできません。

その表に影響するオープン状態のデータベース・トランザクションがある場合、表はマージまたはリフレッシュできません。

例外が発生するのは、ユーザーがtable_idへのアクセス権限がない場合、ユーザーがworkspaceに対するMERGE_WORKSPACE権限またはMERGE_ANY_WORKSPACE権限を持たない場合、または、auto_commitTRUEで、かつ修正が必要な表の親または子作業領域にオープン状態のトランザクションがある場合です。

次の例は、親作業領域内にあるEMPLOYEES表の行(last_name = 'Smith')に対する変更を適用して、NEWWORKSPACEをリフレッシュします。

EXECUTE DBMS_WM.RefreshTable ('NEWWORKSPACE', 'employees', 'last_name = ''Smith''');

RefreshWorkspace

作業領域に対し、その親作業領域内のすべての変更を適用します。

複数の親を持つ作業領域(第1.1.10項を参照)の場合は、非循環有向グラフ内でリーフ以外の作業領域からの変更を、指定したリーフ作業領域に適用します。変更は、複数の親を含むルート作業領域から始まって中間作業領域へと伝播します。

構文

DBMS_WM.RefreshWorkspace(
   workspace    IN VARCHAR2,
   auto_commit  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   copy_data    IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-49 RefreshWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。

copy_data

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、子作業領域の作成時または最後のリフレッシュ以降に親作業領域内で行われた変更が、すべて子作業領域にコピーされます。子作業領域の子孫では変更は発生せず、子作業領域に対する変更履歴は保持されます。

FALSE(デフォルト)を指定すると、最小限のデータが子作業領域にコピーされます。子作業領域とその子孫が親作業領域からの変更された行にアクセスできるように、子作業領域の親バージョンが更新されます。この操作の場合、子作業領域に対する変更の履歴は記録されません。


使用上の注意

このプロシージャは、workspaceの作成時または最後のリフレッシュ時以降に行われた、親作業領域内のバージョン対応表に対するすべての変更をworkspaceに適用します。

リフレッシュ中の作業領域とその親作業領域の間に競合がある場合は、リフレッシュ操作が正常に実行されません。ユーザーは、<table_name>_CONFビューを使用して競合を手動で解消する必要があります。(競合解消の詳細は、第1.1.4項を参照してください。)

指定された作業領域およびその親作業領域は、READ_ONLYモードにアクセス制限されます。詳細は、第1.1.5項を参照してください。

LIVE作業領域は、(親作業領域がないため)リフレッシュできません。

workspaceが連続的にリフレッシュされる作業領域の場合、このプロシージャは無視されます。

例外が発生するのは、ユーザーがworkspaceに対するMERGE_WORKSPACE権限またはMERGE_ANY_WORKSPACE権限を持たない場合、ユーザーが、修正が必要なすべての表(トリガーによって変更される表なども含む)に対する十分な権限を持たない場合、または、auto_commitTRUEで、かつ修正が必要な表の親または子作業領域にオープン状態のトランザクションがある場合です。

次の例は、親作業領域内で行われた変更を適用して、NEWWORKSPACEをリフレッシュします。

EXECUTE DBMS_WM.RefreshWorkspace ('NEWWORKSPACE');

RelocateWriterSite

Workspace Managerのレプリケーション環境のnonwriterサイトの1つを新しいwriterサイトにします。(以前のwriterサイトは、nonwriterサイトの1つになります。)

構文

DBMS_WM.RelocateWriterSite(
   newwritersite           IN VARCHAR2,
   oldwritersiteavailable  IN BOOLEAN);

パラメータ

表4-50 RelocateWriterSiteプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
newwritersite

Workspace Managerのレプリケーション環境で、新しいwriterサイトになる現行のnonwriterサイト(データベース・リンク)の名前。

oldwritersiteavailable

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、writerサイトの変更を反映するために、以前のwriterサイトが更新されます。

FALSEを指定すると、writerサイトの変更を反映するための以前のwriterサイトの更新は行われません。この場合は、以前のwriterサイトが使用可能になったときに、SynchronizeSiteプロシージャを使用する必要があります。


使用上の注意

このプロシージャを使用するには、Workspace Managerオブジェクトにレプリケーションが適用される方法を理解する必要があります(付録Cを参照)。また、Oracle Replicationの主要な概念および手法も理解する必要があります。詳細は、『Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション』および『Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション・マネージメントAPIリファレンス』を参照してください。

このプロシージャは、レプリケーション管理者ユーザーとして実行する必要があります。このプロシージャは、いずれのマスター・サイトでも実行できます。

現在、以前のwriterサイトが使用可能な場合は、oldwritersiteavailableパラメータをTRUEに指定する必要があります。oldwritersiteavailableパラメータをFALSEに指定した場合は、以前のwriterサイトが使用可能になった後、SynchronizeSiteプロシージャを実行して、そのサイトを最新の状態に更新する必要があります。

このプロシージャは、次の操作を実行します。

次の例は、Workspace Manager環境のwriterサイトを架空の会社のBACKUP-SITE1に再配置します。

DBMS_WM.RelocateWriterSite(
    newwritersite           =>  'BACKUP-SITE1.EXAMPLE.COM'),
    oldwritersiteavailable  =>  TRUE);

RemoveAsParentWorkspace

複数の親を持つ作業領域環境で、作業領域を親作業領域として削除します。

構文

DBMS_WM.RemoveAsParentWorkspace(
   mp_leafworkspace  IN VARCHAR2,
   parent_workspace  IN VARCHAR2,
   auto_commit       IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-51 RemoveAsParentWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
mp_leaf_workspace

parent_workspaceを親作業領域として削除する子作業領域(複数の親を持つリーフ作業領域)の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

parent_workspace

mp_leaf_workspaceの親作業領域として削除する作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャは、複数の親を持つ作業領域機能に対するサポートの一部です。第1.1.10項を参照してください。このプロシージャは、前にAddAsParentWorkspaceプロシージャを使用して子作業領域に追加した親作業領域に対してのみ使用する必要があります。

このプロシージャでは、作業領域は削除されません。単に、parent_workspacemp_leaf_workspaceの親作業領域でなくなります。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、Workspace4Workspace3の親作業領域として削除します。(第1.1.10項図1-3の階層図を参照してください。)

EXECUTE DBMS_WM.RemoveAsParentWorkspace ('Workspace3', 'Workspace4');

RemoveUserDefinedHint

ユーザー定義ヒントを削除します。デフォルトのオプティマイザ・ヒントは、指定したバージョン対応表またはすべてのバージョン対応表に対しDBMS_WMパッケージが実行するSQL文で使用されます。

構文

DBMS_WM.AddAsParentWorkspace(
   hint_id   IN NUMBER,
   table_id  IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);

パラメータ

表4-52 RemoveUserDefinedHintプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
hint_id

ユーザーが定義ヒントを一意に識別する数値ID。事前にAddUserDefinedHintプロシージャのコールで指定した既存のヒントIDと一致する必要があります。

table_id

ヒントを適用する表の名前です。この名前は大/小文字が区別されません。

ヒントを追加するAddUserDefinedHintプロシージャをコールするとき、この値がNULLで、table_idパラメータもNULLの場合、このヒントはバージョン対応表でヒントIDを指定するSQL文に使用することはできません。

ただし、ヒントを追加するAddUserDefinedHintプロシージャをコールするとき、この値がNULLでtable_idパラメータがNULL以外の場合、RemoveUserDefinedHintプロシージャは、もともと指定されている表に対し定義されているヒントを削除できません。


使用上の注意

このプロシージャは、以前AddUserDefinedHintプロシージャを使用して指定したユーザー定義ヒントの効果を削除または変更する場合にのみ使用します。詳細は、AddUserDefinedHintプロシージャの「使用上の注意」を参照してください。

次に示す例では、SCOTT.TABLE1に対し、ヒントとヒントID1101を関連するSQL文からユーザー定義ヒントを削除し、かわりにデフォルト・ヒントを使用させます。

EXECUTE DBMS_WM.RemoveUSerDefinedHint (1101, 'scott.table1');

RemoveWorkspace

作業領域に関連付けられたすべての行バージョンを廃棄し、作業領域を削除します。

構文

DBMS_WM.RemoveWorkspace(
   workspace    IN VARCHAR2,
   auto_commit  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-53 RemoveWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

RemoveWorkspace操作は、リーフ作業領域(階層内のブランチにおける最下位の作業領域)に対してのみ、実行できます。データベースの作業領域階層の詳細は、第1.1.1項を参照してください。

削除対象の作業領域が子作業領域である場合、その親作業領域は操作中に排他的にロックされます。

他のユーザーがアクセスしている削除対象の作業領域は削除できません。

例外が発生するのは、ユーザーがworkspaceに対するREMOVE_WORKSPACE権限またはREMOVE_ANY_WORKSPACE権限を持たない場合、ユーザーが、修正が必要なすべての表(トリガーによって変更される表なども含む)に対する十分な権限を持たない場合、または、auto_commitTRUEで、かつ修正が必要な表の親または子作業領域にオープン状態のトランザクションがある場合です。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域を削除します。

EXECUTE DBMS_WM.RemoveWorkspace('NEWWORKSPACE');

RemoveWorkspaceTree

作業領域およびその子作業領域に関連付けられたすべての行バージョンを廃棄し、影響を受ける作業領域を削除します。

構文

DBMS_WM.RemoveWorkspaceTree(
   workspace    IN VARCHAR2,
   auto_commit  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-54 RemoveWorkspaceTreeプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

RemoveWorkspaceTree操作では、サポート構造が削除され、作業領域内、およびリーフ作業領域(1つまたは複数)までのすべての子作業領域内の変更がロールバックされるため、この操作を行う場合は、十分な注意が必要です。たとえば、第1.1.1項図1-1に示す階層では、作業領域1を指定してRemoveWorkspaceTree操作を実行すると、作業領域1、作業領域2および作業領域3が圧縮されます。(データベースの作業領域階層の詳細は、第1.1.1項を参照してください。)

他のユーザーがアクセスしているworkspaceまたはその子作業領域は削除できません。

例外が発生するのは、ユーザーがworkspaceまたはそのすべての子作業領域に対するREMOVE_WORKSPACE権限を持たない場合、ユーザーが、修正が必要なすべての表(トリガーによって変更される表なども含む)に対する十分な権限を持たない場合、または、auto_commitTRUEで、かつ修正が必要な表の親または子作業領域にオープン状態のトランザクションがある場合です。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域およびそのすべての子作業領域を削除します。

EXECUTE DBMS_WM.RemoveWorkspaceTree('NEWWORKSPACE');

ResolveConflicts

作業領域間における競合を解消します。

構文

DBMS_WM.ResolveConflicts(
   workspace     IN VARCHAR2,
   table_name    IN VARCHAR2,
   where_clause  IN VARCHAR2,
   keep          IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-55 ResolveConflictsプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

他の作業領域との競合があるかどうかを確認する作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

table_name

競合があるかどうかを確認する表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

where_clause

親作業領域の値を使用してリフレッシュする行を識別するWHERE句(WHEREキーワードを除く)。たとえば、department_id = 20です。

副問合せの場合を除き、WHERE句には主キー列のみを指定できます。この副問合せは、主キーではない列を参照できますが、バージョン対応表は参照できません。

keep

競合を解消する場合に優先する作業領域。PARENTCHILDまたはBASEのいずれかを指定します。

PARENTを指定すると、親作業領域の行がその子作業領域にコピーされます。

CHILDを指定すると、子作業領域の行はその親作業領域にすぐにはコピーされません。ただし、競合は解消されたとみなされ、子作業領域がマージされると、子作業領域の行がその親作業領域にコピーされます。

BASEを指定すると、ベースの行がその子作業領域にコピーされますが、親作業領域にはコピーされません。ただし、競合は解消されたとみなされ、子作業領域がマージされると、ベースの行はその親作業領域にコピーされます。ベースの行が存在しない場合、挿入間の競合でBASEが無視されることに注意してください。この場合、keepパラメータ値は、PARENTまたはCHILDである必要があります。


使用上の注意

このプロシージャは、table_nameおよびwhere_clauseパラメータによって識別される条件を確認し、workspaceとその親作業領域の間における行の値の競合を検索します。このプロシージャは、keepパラメータで指定されたとおり、親作業領域または子作業領域内の行の値を使用して競合を解消します。ただし、ユーザーがトランザクションをコミット(標準のデータベース・コミット操作)し、CommitResolveプロシージャをコールして競合解消セッションを終了するまで、競合解消は実際にマージされません。(処理の全体ビューを含む、競合解消の詳細は、第1.1.4項を参照してください。)

たとえば、部門20(DEPARTMENT_ID = 20)では、LIVE作業領域およびWorkspace1作業領域内のMANAGER_NAMETomであると想定します。その場合、次の操作が行われます。

  1. 部門20のmanager_nameが、LIVEデータベース作業領域でTomからMaryに変更されます。

  2. その変更がコミット(標準のデータベース・コミット操作)されます。

  3. 部門20のmanager_nameが、Workspace1TomからFrancoに変更されます。

  4. MergeWorkspaceプロシージャがコールされ、Workspace1内の変更がLIVE作業領域にマージされます。

    ただし、この時点では、Workspace1内の部門20のMANAGER_NAMEに競合(FrancoLIVE作業領域内のMaryと競合)が発生するため、MergeWorkspaceに対するコールは正常に実行されません。

  5. ResolveConflictsプロシージャが、次のパラメータを使用してコールされます。('Workspace1', 'department', 'department_id = 20', 'child'

    手順7のMergeWorkspace操作後、Workspace1作業領域とLIVE作業領域のMANAGER_NAME値がFrancoになります。

  6. その変更がコミット(標準のデータベース・コミット操作)されます。

  7. MergeWorkspaceプロシージャがコールされ、Workspace1内の変更がLIVE作業領域にマージされます。

競合解消セッション中に次の考慮点が適用されます。

競合解消の詳細は、第1.1.4項を参照してください。

次の例は、Workspace1内にあるDEPARTMENT表の行(DEPARTMENT_IDが20)に発生した競合を解消し、子作業領域内の値を使用して、これらのすべての競合を解消します。その後、まずトランザクションをコミット(標準のコミット)し、次にMergeWorkspaceプロシージャをコールして、競合解消の結果をマージします。

EXECUTE DBMS_WM.BeginResolve ('Workspace1');
EXECUTE  DBMS_WM.ResolveConflicts ('Workspace1', 'department', 'department_id = 20', 'child');
COMMIT;
EXECUTE DBMS_WM.CommitResolve ('Workspace1');

RevokeGraphPriv

ユーザーおよびロールから、指定されたリーフ作業領域について、複数の親を持つグラフ作業領域に対する権限を取り消します(削除します)。

構文

DBMS_WM.RevokeGraphPriv(
   priv_types      IN VARCHAR2,
   leaf_workspace  IN VARCHAR2,
   grantee         IN VARCHAR2.
   node_types      IN VARCHAR2 DEFAULT '(''R'',''I'',''L'')',
   auto_commit     IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-56 RevokeGraphPrivプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
priv_types

権限を表す1つ以上のキーワードの文字列。(Workspace Managerの権限の詳細は、第1.4項を参照。)カンマを使用して、権限のキーワードを区切ります。使用可能なキーワードは、ACCESS_WORKSPACEMERGE_WORKSPACECREATE_WORKSPACEREMOVE_WORKSPACEおよびROLLBACK_WORKSPACEです。

leaf_workspace

非循環有向グラフ内のリーフ作業領域の名前。(リーフ作業領域、非循環有向グラフおよび複数の親を持つ作業領域に関連するその他の概念については、第1.1.10項を参照してください。)この名前は大/小文字が区別されます。

grantee

priv_typesを取り消すユーザー(PUBLICユーザー・グループでも可)またはロールの名前。

node_types

権限を取り消すノードのタイプを表す文字をカッコで囲んだカンマ区切りのリスト。Rはグラフのルート、Iは指定した中間ノード、Lはグラフのリーフを表します。デフォルトは、すべてのタイプのノードです。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャとは対照的に、RevokeWorkspacePrivは複数の親を持つグラフ作業領域以外の作業領域に対する作業領域レベルのWorkspace Manager権限を付与します。

複数の親を持つグラフ作業領域に対する作業領域レベルの権限を付与するには、GrantGraphPrivプロシージャを使用します。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例では、ユーザーSmithに対して、NEWWORKSPACE作業領域がリーフ作業領域である非循環有向グラフ内のすべてのタイプのノードにアクセスすることと、これらの作業領域内で変更をマージすることを禁止します。

EXECUTE DBMS_WM.RevokeWorkspacePriv ('ACCESS_WORKSPACE, MERGE_WORKSPACE', 'NEWWORKSPACE', 'Smith');

RevokeSystemPriv

ユーザーおよびロールからシステム・レベルの権限を取り消します(削除します)。

構文

DBMS_WM.RevokeSystemPriv(
   priv_types   IN VARCHAR2,
   grantee      IN VARCHAR2,
   auto_commit  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-57 RevokeSystemPrivプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
priv_types

権限を表す1つ以上のキーワードの文字列。(Workspace Managerの権限の詳細は、第1.4項を参照。)カンマを使用して、権限のキーワードを区切ります。使用可能なキーワードは、ACCESS_ANY_WORKSPACEMERGE_ANY_WORKSPACECREATE_ANY_WORKSPACEREMOVE_ANY_WORKSPACEおよびROLLBACK_ANY_WORKSPACEです。

grantee

priv_typesを取り消すユーザー(PUBLICユーザー・グループでも可)またはロールの名前。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャとは対照的に、RevokeWorkspacePrivプロシージャは、xxx_WORKSPACE形式(ACCESS_WORKSPACEMERGE_WORKSPACEなど)のキーワードを使用してシステム・レベルのWorkspace Manager権限を付与します。

システム・レベルの権限を付与するには、GrantSystemPrivプロシージャを使用します。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、ユーザーSmithが作業領域にアクセスし、作業領域内の変更をマージすることを禁止します。

EXECUTE DBMS_WM.RevokeSystemPriv ('ACCESS_ANY_WORKSPACE, MERGE_ANY_WORKSPACE', 'Smith');

RevokeWorkspacePriv

ユーザーおよびロールから、指定された作業領域に対する作業領域レベルの権限を取り消します(削除します)。

構文

DBMS_WM.RevokeWorkspacePriv(
   priv_types   IN VARCHAR2,
   workspace    IN VARCHAR2,
   grantee      IN VARCHAR2.
   auto_commit  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-58 RevokeWorkspacePrivプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
priv_types

権限を表す1つ以上のキーワードの文字列。(Workspace Managerの権限の詳細は、第1.4項を参照。)カンマを使用して、権限のキーワードを区切ります。使用可能なキーワードは、ACCESS_WORKSPACEMERGE_WORKSPACECREATE_WORKSPACEREMOVE_WORKSPACEおよびROLLBACK_WORKSPACEです。

workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

grantee

priv_typesを取り消すユーザー(PUBLICユーザー・グループでも可)またはロールの名前。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャとは対照的に、RevokeSystemPrivプロシージャは、xxx_ANY_WORKSPACE形式(ACCESS_ANY_WORKSPACEMERGE_ANY_WORKSPACEなど)のキーワードを使用してシステム・レベルのWorkspace Manager権限を取り消します。また、このプロシージャとは対照的に、RevokeGraphPrivは複数の親を持つグラフ作業領域に対する作業領域レベルのWorkspace Manager権限を付与します。

作業領域レベルの権限を付与するには、GrantWorkspacePrivプロシージャを使用します。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、ユーザーSmithNEWWORKSPACE作業領域にアクセスし、その作業領域内の変更をマージすることを禁止します。

EXECUTE DBMS_WM.RevokeWorkspacePriv ('ACCESS_WORKSPACE, MERGE_WORKSPACE', 'NEWWORKSPACE', 'Smith');

RollbackBulkLoading

バルク・ロード操作中にバージョン対応表に対して行われた変更をロールバックします。

構文

DBMS_WM.RollbackBulkLoading(
   table_name         IN VARCHAR2,
   ignore_last_error  IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);

パラメータ

表4-59 RollbackBulkLoadingプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

データのバルク・ロード先となるバージョン対応表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

ignore_last_error

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、RollbackBulkLoadingプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されます。USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューに格納された最後のエラーに関する情報は、第5章を参照してください。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、RollbackBulkLoadingプロシージャに対する前回のコール中に発生した最後のエラー(ある場合)は無視されません。


使用上の注意

バージョン対応表にデータをバルク・ロードする場合の要件については、第1.7項を参照してください。

このプロシージャは、BeginBulkLoadingプロシージャで削除されたビューをすべて再作成します。

RollbackBulkLoadingプロシージャのコールに失敗した場合は、エラーの原因を解決して再試行する必要があります。SQL文およびエラー・メッセージについては、USER_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューおよびALL_WM_VT_ERRORS静的データ・ディクショナリ・ビューを参照してください。エラーの原因を修正してから、ignore_last_errorパラメータ値をデフォルトのFALSEにしてRollbackBulkLoadingプロシージャを再度コールします。その後もコールが正常に実行されず、エラーの原因を修正できず、このエラーを無視する場合は、ignore_last_errorパラメータ値をTRUEに指定してRollbackBulkLoadingプロシージャをコールします。ただし、エラーを無視する場合は、ユーザーの責任で行ってください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、バルク・ロード操作中にEMPに対して行われた変更をロールバックします。

EXECUTE DBMS_WM.RollbackBulkLoading ('EMP');

RollbackDDL

DDLセッション中に指定された表に対して行われたDDL変更をロールバックし(取り消し)、DDLセッションを終了します。

構文

DBMS_WM.RollbackDDL(
   table_name  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-60 RollbackDDLプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
table_name

バージョン対応表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。


使用上の注意

このプロシージャは、DDLセッション中に、バージョン対応表に加えられた変更およびバージョン対応表に基づく索引とトリガーに加えられた変更をロールバックします(取り消します)。また、BeginDDLプロシージャによって作成されたスケルトン表<table-name>_LTSを削除します。

バージョン対応表に関連するDDL操作の実行については、第1.8項を参照してください。レプリケーション環境でのバージョン対応表のDDL操作については、第C.3項を参照してください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、DDLセッションを開始し、COLA_MARKETING_BUDGET_LTSという名前のスケルトン表を使用して、COMMENTSという列をCOLA_MARKETING_BUDGET表に追加し、変更を取り消してDDLセッションを終了します。

EXECUTE DBMS_WM.BeginDDL('COLA_MARKETING_BUDGET');
ALTER TABLE cola_marketing_budget_lts ADD (comments VARCHAR2(100));
EXECUTE DBMS_WM.RollbackDDL('COLA_MARKETING_BUDGET');

RollbackResolve

競合解消セッションを終了し、BeginResolveプロシージャの実行以降に作業領域内で行われたすべての変更を廃棄します。

構文

DBMS_WM.RollbackResolve(
   workspace  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-61 RollbackResolveプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。


使用上の注意

このプロシージャは、(BeginResolveプロシージャによって開始された)現行の競合解消セッションを終了し、その競合解消セッションの開始以降に作業領域内で行われたすべての変更を廃棄します。このプロシージャとは対照的に、CommitResolveプロシージャはすべての変更を保存します。

競合解消セッションのロールバック中、作業領域は1WRITERモードにアクセス制限されます。詳細は、第1.1.5項を参照してください。

競合解消の詳細は、第1.1.4項を参照してください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、Workspace1での競合解消セッションを終了し、すべての変更を廃棄します。

EXECUTE  DBMS_WM.RollbackResolve ('Workspace1');

RollbackTable

作業領域内の指定された表(すべての行、またはWHERE句で指定された行)に対するすべての変更を廃棄します。

構文

DBMS_WM.RollbackTable(
   workspace     IN VARCHAR2,
   table_id      IN VARCHAR2,
   sp_name       IN VARCHAR2 DEFAULT '',
   where_clause  IN VARCHAR2 DEFAULT '',
   remove_locks  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE,
   auto_commit   IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-62 RollbackTableプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

table_id

廃棄する行を含む表の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

sp_name

ロールバック先のセーブポイントの名前。この名前は大/小文字が区別されます。デフォルトでは、すべての変更が廃棄されます(すべてのセーブポイントが無視されます)。

where_clause

廃棄する行を識別するWHERE句(WHEREキーワードを除く)。たとえば、department_id = 20です。

副問合せの場合を除き、WHERE句には主キー列のみを指定できます。この副問合せは、主キーではない列を参照できますが、バージョン対応表は参照できません。

where_clauseパラメータが指定されていない場合は、他のパラメータの基準を満たすすべての行が廃棄されます。

remove_locks

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、where_clauseパラメータの条件を満たし、子作業領域内でバージョニングされていない、親作業領域内の行に対するロックが解放されます。セーブポイントが指定されている場合(sp_nameパラメータ)、このオプションは無効です。

FALSEを指定すると、親作業領域内のすべてのロックが解放されます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

指定したセーブポイント以降に暗黙的セーブポイントが作成されている場合、まずその暗黙的セーブポイントが作成される原因となった子作業領域をマージまたは削除しないかぎり、そのセーブポイントにロールバックできません。たとえば、第1.1.2項図1-2では、作業領域3(暗黙的セーブポイントSPcが作成された原因)がマージまたは削除されるまで、作業領域1内のユーザーはセーブポイントSP1にロールバックできません。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域の作成以降に、その作業領域内のEMP表(USER3スキーマ内)に加えられたすべての変更をロールバックします。

EXECUTE DBMS_WM.RollbackTable ('NEWWORKSPACE', 'user3.emp');

RollbackToSP

指定されたセーブポイント以降に行われた作業領域内のバージョン対応表に対するすべての変更を廃棄します。

構文

DBMS_WM.RollbackToSP(
   workspace       IN VARCHAR2,
   savepoint_name  IN VARCHAR2,
   auto_commit     IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-63 RollbackToSPプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

savepoint_name

変更のロールバック先のセーブポイントの名前。この名前は大/小文字が区別されます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャの実行中、作業領域はNO_ACCESSモードにアクセス制限されます。

このプロシージャとは対照的に、RollbackWorkspaceプロシージャは、作業領域の作成以降に行われたすべての変更をロールバックします。

指定したセーブポイント以降に暗黙的セーブポイントが作成されている場合、まずその暗黙的セーブポイントが作成される原因となった子作業領域をマージまたは削除しないかぎり、そのセーブポイントにロールバックできません。たとえば、第1.1.2項図1-2では、作業領域3(暗黙的セーブポイントSPcが作成された原因)がマージまたは削除されるまで、作業領域1内のユーザーはセーブポイントSP1にロールバックできません。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、Savepoint1の作成以降に、NEWWORKSPACE作業領域内で行われたすべての表に対するすべての変更をロールバックします。

EXECUTE DBMS_WM.RollbackToSP ('NEWWORKSPACE', 'Savepoint1');

RollbackWorkspace

作業領域内のバージョン対応表に対するすべての変更を廃棄します。

構文

DBMS_WM.RollbackWorkspace(
   workspace    IN VARCHAR2,
   auto_commit  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-64 RollbackWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

ロールバックできるのは、リーフ作業領域のみです。子作業領域を持つ作業領域はロールバックできません。(作業領域階層の詳細は、第1.1.1項を参照してください。)

このプロシージャとは対照的に、RollbackToSPプロシージャは、指定されたセーブポイントに変更をロールバックします。

RemoveWorkspaceプロシージャと同様に、RollbackWorkspaceは作業領域内のデータを削除します。ただし、RemoveWorkspaceプロシージャとは異なり、RollbackWorkspaceはWorkspace Managerの作業領域構造を削除しません。

このプロシージャの実行中、特定された作業領域はNO_ACCESSモードにアクセス制限されます。詳細は、第1.1.5項を参照してください。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域の作成以降に、その作業領域内で行われたすべての変更をロールバックします。

EXECUTE DBMS_WM.RollbackWorkspace ('NEWWORKSPACE');

SetCaptureEvent

すべてのWorkspace Managerイベントまたは指定した型のWorkspace Managerイベントの取得を有効化または無効化します。

構文

DBMS_WM.SetCaptureEvent(
   event_name  IN VARCHAR2,
   capture     IN VARCHAR2 DEFAULT 'ON');

パラメータ

表4-65 SetCaptureEventプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
event_name

次のいずれかの値: ALL_EVENTSTABLE_MERGE_W_REMOVE_DATATABLE_MERGE_WO_REMOVE_DATATABLE_REFRESHTABLE_ROLLBACKWORKSPACE_COMPRESSWORKSPACE_CREATEWORKSPACE_MERGE_W_REMOVEWORKSPACE_MERGE_WO_REMOVEWORKSPACE_REFRESHWORKSPACE_REMOVEWORKSPACE_ROLLBACKWORKSPACE_VERSION

ALL_EVENTSには、すべてのWorkspace Managerイベントが含まれます。その他の値は特定のイベント型を反映します。リストと説明については、第2.1項を参照してください。

capture

ON(デフォルト)を指定すると、event_nameイベントが取得可能になります。

OFFを指定すると、event_nameイベントが取得禁止になります。


使用上の注意

Workspace Managerイベントの詳細は、第2章を参照してください。

このプロシージャでは、Workspace Managerシステム・パラメータALLOW_CAPTURE_EVENTSONに設定する必要があります。Workspace Managerシステム・パラメータの値をチェックするには、GetSystemParameterプロシージャを使用します。Workspace Managerシステム・パラメータを設定するには、SetSystemParameterプロシージャを使用します。

このプロシージャを使用すると、取得するイベントの型を制御できます。たとえば、すべてのイベントの取得を有効化してから、いくつかの型のイベントの取得を無効化する方法や、すべてのイベントの取得を無効化してから、いくつかの型のイベントの取得を有効化する方法があります。

現在取得されているイベントの型を確認するには、WM_EVENTS_INFOメタデータ・ビューを調べます。詳細は、第5.42項を参照してください。

このプロシージャが正常に完了すると、コール元のオープン状態のデータベース・トランザクションがコミットされます。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、最初にすべてのイベントを取得するように指定した後、作業領域圧縮イベントを除外して、作業領域圧縮イベントを除くWorkspace Managerイベントをすべて取得します。

-- Allow Workspace Manager events to be captured. (Required for SetCaptureEvent)
EXECUTE DBMS_WM.SetSystemParameter ('ALLOW_CAPTURE_EVENTS', 'ON');
-- Start capturing all Workspace Manager events.
EXECUTE DBMS_WM.SetCaptureEvent ('ALL_EVENTS','ON');
-- Exclude workspace compression events.
EXECUTE DBMS_WM.SetCaptureEvent ('WORKSPACE_COMPRESS','OFF');

SetCompressWorkspace

作業領域圧縮操作が実行される場合に、圧縮する必要のあるバージョン対応表の情報を使用して、WM_COMPRESSIBLE_TABLESメタデータ・ビューに行を作成します。

構文

DBMS_WM.SetCompressWorkspace(
   workspace  IN VARCHAR2,
   firstSP    IN VARCHAR2 DEFAULT NULL,
   secondSP   IN VARCHAR2 DEFAULT NULL);

パラメータ

表4-66 SetCompressWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

firstSP

圧縮範囲の最初のバージョンのセーブポイント。セーブポイント名は大/小文字が区別されます。

workspacefirstSPのみを指定すると、作業領域の作成後からfirstSPまでに影響を受けるバージョン対応表のすべての行がチェックされ、作業領域圧縮操作の実行時に圧縮する必要があるかどうかが調べられます。

workspacefirstSPおよびsecondSPを指定すると、firstSPsecondSPの間で影響を受けるバージョン対応表のすべての行がチェックされます。

workspaceのみを指定する(セーブポイントは指定しない)と、バージョン対応表の行がすべてチェックされます。

secondSP

圧縮範囲の最初のバージョンのセーブポイント。firstSPからsecondSPまでのバージョン対応表のすべての行がチェックされ、作業領域圧縮操作の実行時に圧縮する必要があるかどうかが調べられます。セーブポイント名は大/小文字が区別されます。


使用上の注意

このプロシージャは、CompressWorkspaceまたはCompressWorkspaceTreeプロシージャをコールする前に使用できます(必須ではありません)。

このプロシージャは、作業領域圧縮操作中に圧縮する必要のあるバージョン対応表についてのみ、WM_COMPRESSIBLE_TABLESメタデータ・ビュー(WM_COMPRESSIBLE_TABLESを参照)に行を作成します。

次の例は、B_focus_1作業領域の圧縮操作中に圧縮する必要のあるバージョン対応表について、WM_COMPRESSIBLE_TABLESメタデータ・ビューに行を作成します。

EXECUTE DBMS_WM.SetCompressWorkspace ('B_focus_1');

SetConflictWorkspace

作業領域とその親作業領域の間に競合があるかどうかを判断します。

構文

DBMS_WM.SetConflictWorkspace(
   workspace  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-67 SetConflictWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。


使用上の注意

このプロシージャは、workspaceとその親作業領域の間に競合があるかどうかを確認し、必要に応じて<table_name>_CONFビュー(第5.45項を参照)の内容を変更します。

<table_name>_CONFビューから、作業領域内で変更されたすべての表に対してSELECT操作を実行すると、親作業領域と競合している作業領域内のすべての行が表示されます。(現行の作業領域設定と競合がある表のリストを取得するには、SQL文SELECT * FROM ALL_WM_VERSIONED_TABLES WHERE conflict = 'YES';を使用します。SQL文SELECT * FROM <table_name>_CONFを実行すると、現行の作業領域とその親作業領域の間における<table_name>の競合が表示されます。)

作業領域をマージまたはリフレッシュする前に、すべての競合を解消する必要があります。競合を解消するには、ResolveConflictsプロシージャを使用してから、MergeWorkspaceプロシージャを使用して、解消の結果をマージします。

次の例は、B_focus_2とその親作業領域の間に競合があるかどうかを確認し、必要に応じて<table_name>_CONFビューの内容を変更します。

EXECUTE DBMS_WM.SetConflictWorkspace ('B_focus_2');

SetDiffVersions

2つのセーブポイントまたは2つの作業領域間のバージョン対応表における値の差異を検索します。差異を記述する差異ビューの内容を変更します。

構文

DBMS_WM.SetDiffVersions(
   workspace1  IN VARCHAR2,
   workspace2  IN VARCHAR2);

または

DBMS_WM.SetDiffVersions(
   workspace1  IN VARCHAR2,
   savepoint1  IN VARCHAR2,
   workspace2  IN VARCHAR2,
   savepoint2  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-68 SetDiffVersionsプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace1

バージョン対応表における差異を確認する最初の作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

savepoint1

値を確認する、workspace1内のセーブポイントの名前。この名前は大/小文字が区別されます。

savepoint1およびsavepoint2が指定されていない場合、各作業領域内のLATESTセーブポイントに対してバージョン対応表の行が確認されます。(LATESTセーブポイントの詳細は、第1.1.2項を参照してください。)

workspace2

バージョン対応表における差異を確認する2番目の作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

savepoint2

値を確認する、workspace2内のセーブポイントの名前。この名前は大/小文字が区別されます。


使用上の注意

このプロシージャは、差異ビュー(xxx_DIFF)の内容を変更します。差異ビューの詳細は、第5.46項を参照してください。このプロシージャをコールするたびに、3つの行の集合が1つ以上移入されます。各集合は、次の値で構成されます。

その後、適切なxxx_DIFFビュー(1つまたは複数)から行を選択し、2つのセーブポイントおよびその共通親作業領域における同等の表の値を確認できます。共通親作業領域(またはbase)は、xxx_DIFFビューの行内のDiffBaseとして識別されます。

次の例は、B_focus_1作業領域およびB_focus_2作業領域のバージョン対応表における差異を確認します。(出力は、簡単に読むことができるように、再フォーマットされています。)

-- Add rows to difference view: COLA_MARKETING_BUDGET_DIFF
EXECUTE DBMS_WM.SetDiffVersions ('B_focus_1', 'B_focus_2');

-- View the rows that were just added.
SELECT * from COLA_MARKETING_BUDGET_DIFF;

PRODUCT_ID  PRODUCT_NAME  MANAGER  BUDGET  WM_DIFFVER          WMCODE
----------  ------------  -------  ------  -----------         --------
       1        cola_a    Alvarez   2      DiffBase            NC
       1        cola_a    Alvarez   1.5    B_focus_1, LATEST   U
       1        cola_a    Alvarez   2      B_focus_2, LATEST   NC
       2        cola_b    Burton    2      DiffBase            NC
       2        cola_b    Beasley   3      B_focus_1, LATEST   U
       2        cola_b    Burton    2.5    B_focus_2, LATEST   U
       3        cola_c    Chen      1.5    DiffBase            NC
       3        cola_c    Chen      1      B_focus_1, LATEST   U
       3        cola_c    Chen      1.5    B_focus_2, LATEST   NC
       4        cola_d    Davis     3.5    DiffBase            NC
       4        cola_d    Davis     3      B_focus_1, LATEST   U
       4        cola_d    Davis     2.5    B_focus_2, LATEST   U

12 rows selected.

差異(xxx_DIFF)ビュー内の情報を解析および使用する方法は、第5.46項を参照してください。


SetLockingOFF

現行のセッションに対してWorkspace Managerのロック操作を使用禁止にします。

構文

DBMS_WM.SetLockingOFF();

パラメータ

ありません。

使用上の注意

このプロシージャは、SetLockingONプロシージャで使用可能にしたWorkspace Managerのロック操作を使用禁止にします。このセッションが適用する既存のロックは、ロックされたままになります。このセッションによるすべての新しい変更はロックされません。

次の例は、セッションに対するロック操作を使用禁止にします。

EXECUTE DBMS_WM.SetLockingOFF;

SetLockingON

現行のセッションに対してWorkspace Managerのロック操作を使用可能にします。

構文

DBMS_WM.SetLockingON(
   lockmode  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-69 SetLockingONプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
lockmode

ロック・モード。EWEVESまたはCのいずれかを指定する必要があります。

E(排他)モードを指定すると、前のバージョン内の行、および現行バージョン内のそれに対応する行がロックされます。どちらのバージョンでも、その作業領域内にいる他のユーザーは、どの値も変更できません。

WE(作業領域排他)モードを指定すると、前のバージョンの行、および現行バージョン内のそれに対応する行がロックされます。これにより、現行の作業領域内で値を変更できるのはロックを設定したユーザーのみとなります。ただし、他の作業領域内の他のユーザーは値を変更できます。

VE(バージョン排他)モードを指定すると、前のバージョンの行、および現行バージョン内のそれに対応する行がロックされます。これにより、値を変更できるのはロックを設定したユーザーのみとなります。ただし、他のユーザー(すべての作業領域内)は値を変更できなくなります。

S(共有)モードを指定すると、前のバージョン内の行、および現行バージョン内のそれに対応する行がロックされます。ただし、現行バージョンの作業領域内にいる他のユーザーは、これらの行の値を変更できます(前のバージョンの作業領域内にいるユーザーは、値を変更できません)。

C(引継ぎ)モードを指定すると、現行の作業領域内の行が、前のバージョン内の対応する行と同じロック・モードでロックされます。(前のバージョンの行がロックされていない場合は、現行バージョン内のそれに対応する行もロックされません。)


使用上の注意

このプロシージャは、すべての標準のOracleデータベース・ロック操作に加えて実行されるWorkspace Managerロック操作に影響します。Workspace Managerのロックは、競合を回避するために使用できます。ユーザーが行をロックすると、親作業領域内のそれに対応する行もロックされます。そのため、マージ時にこの作業領域がその親とマージされたときにこの行に競合が発生しないことが保証されます。

Workspace Managerのロック管理の詳細は、第1.3項を参照してください。

排他ロック(lockmodeの値E)では、1つ以上の列に異なる値を設定してテストを行うwhat-if シナリオが使用できません。したがって、このシナリオのテストは、排他ロックが無効であるときに計画してください。

ロック操作はユーザー・セッション・レベルで使用可能にされ、次のイベントのいずれかが発生するまで、そのロック・モードが保持されます。

ロックは、UnlockRowsプロシージャによってロック解除されないかぎり、作業領域の存続期間中、有効なままです。(既存のロックは、SetLockingOFFプロシージャの影響を受けません。)

ロック操作に対応付けられた特定の権限はありません。作業領域に移動できるすべてのセッションは、ロック操作を使用可能にできます。

次の例は、セッションに対して排他ロックを設定します。

EXECUTE DBMS_WM.SetLockingON ('E');

このユーザーがロックしたすべての行は、作業領域がマージまたはロールバックされるまで、ロックされたままになります。


SetMultiWorkspaces

指定された作業領域(1つまたは複数)をバージョン対応表の複数作業領域ビューで表示します。

構文

DBMS_WM.SetMultiWorkspaces(
   workspaces  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-70 SetMultiWorkspacesプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspaces

複数作業領域ビュー(第5.49項を参照)に関連情報を追加する作業領域(1つまたは複数)。作業領域名は大/小文字が区別されます。

複数の作業領域(8つ以下)を指定するには、カンマを使用して作業領域名を区切ります。たとえば、「workspace1,workspace2」です。


使用上の注意

このプロシージャは、複数作業領域ビュー(xxx_MW)に行を追加します。このビューの内容および使用については、第5.49項を参照してください。

複数作業領域ビューで参照できる作業領域の名前を確認するには、GetMultiWorkspacesファンクションを使用します。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、B_focus_1作業領域内のバージョン対応表の複数作業領域ビューに情報を追加します。

EXECUTE DBMS_WM.SetMultiWorkspaces ('B_focus_1');

次の例に、SetMultiWorkspacesプロシージャを使用して現行の作業領域を出ずに情報を表示する方法と、GotoWorkspaceプロシージャを使用して同じ情報を表示する方法を示します。

-- These two pairs of statements select the same information.
EXECUTE DBMS_WM.SetMultiWorkspaces ('myworkspace');
SELECT * from mytable_mw;

EXECUTE DBMS_WM.GotoWorkspace ('myworkspace');
SELECT * from mytable;

myworkspace内で変更された行のみを選択するには、前述の例の最初のSELECT文を次のように変更します。

SELECT * from mytable_mw WHERE wm_modified_by = 'myworkspace';

次の例に、myworkspace作業領域およびyourworkspace作業領域の祖先バージョンの組合せに最新の行を表示します。複数の作業領域から同じ行が選択される場合も、その行は1度のみ表示されます。様々な作業領域で異なるバージョンの主キーが選択される場合があるため、主キーについて複数の行が表示される可能性があることに注意してください。

EXECUTE DBMS_WM.SetMultiWorkspaces ('myworkspace,yourworkspace');
SELECT * from mytable_mw;

SetSystemParameter

Workspace Managerシステム・パラメータの値を設定します。

構文

DBMS_WM.SetSytstemParameter(
   name   IN VARCHAR2,
   value  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-71 SetSystemParameterプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
name

値を設定するWorkspace Managerシステム・パラメータの名前。この名前には、第1.5項表1-5に示されているパラメータ名のいずれかを指定する必要があります。

value

指定したWorkspace Managerシステム・パラメータの値。詳細は、第1.5項表1-5を参照してください。


使用上の注意

Workspace Managerシステム・パラメータの詳細は、第1.5項を参照してください。

このプロシージャが正常に完了すると、コール元のオープン状態のデータベース・トランザクションがコミットされます。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、複数の親を持つ作業領域(第1.1.10項を参照)の作成を許可します。

EXECUTE DBMS_WM.SetSystemParameter ('ALLOW_MULTI_PARENT_WORKSPACES', 'ON');

SetTriggerEvents

指定したトリガー・イベントのセットについて、トリガーの実行を有効化します。指定していないイベントの場合、トリガーは実行されません。

構文

DBMS_WM.SetTriggerEvents(
   triggerName    IN VARCHAR2,
   triggerEvents  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-72 SetTriggerEventsプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
triggerName

1つ以上のイベントを設定するトリガーの名前。

triggerEvents

トリガー・イベント名のカンマ区切りのリスト。各トリガー・イベント名は、次のいずれかの文字列定数です。

DBMS_WM.DML: DML操作専用です。

DBMS_WM.TABLE_IMPORT: 表をインポートします(Importプロシージャを使用)。

DBMS_WM.TABLE_MERGE_W_REMOVE_DATA: 表をマージしてデータを削除します。

DBMS_WM.TABLE_MERGE_WO_REMOVE_DATA: 表をマージしますが、データを削除しません。

DBMS_WM.WORKSPACE_MERGE_W_REMOVE: 作業領域をマージし、作業領域を削除します。

DBMS_WM.WORKSPACE_MERGE_WO_REMOVE: 作業領域をマージしますが、作業領域を削除しません。


使用上の注意

Workspace Managerでのトリガーの使用方法の詳細は、第1.10項を参照してください。

デフォルトでは、Workspace Managerシステム・パラメータFIRE_TRIGGERS_FOR_NONDML_EVENTS第1.5項を参照)を使用してデフォルト動作を変更しないかぎり、DMLイベントと作業領域イベントの両方に対してユーザー定義トリガーが実行されます。SetTriggerEventsプロシージャを使用すると、特定のトリガーに対する現行のFIRE_TRIGGERS_FOR_NONDML_EVENTS設定をオーバーライドできます。ただし、後でFIRE_TRIGGERS_FOR_NONDML_EVENTSシステム・パラメータの値を変更すると、この新規の値により、前にSetTriggerEventsプロシージャを使用して指定した設定がオーバーライドされます。

このプロシージャが正常に完了すると、コール元のオープン状態のデータベース・トランザクションがコミットされます。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、DMLイベントに対してのみSCOTT.InsertTriggerトリガーを使用可能にします。

EXECUTE DBMS_WM.setTriggerEvents('SCOTT.InsertTrigger', DBMS_WM.DML);

次の例は、DMLイベントと表マージ操作に対してSCOTT.InsertTriggerトリガーを使用可能にします。

EXECUTE DBMS_WM.setTriggerEvents('SCOTT.InsertTrigger', dbms_wm.DML || ',' ||
                         dbms_wm.TABLE_MERGE_WO_REMOVE_DATA || ',' ||
                         dbms_wm.TABLE_MERGE_W_REMOVE_DATA);

SetValidTime

セッションの有効期間を設定します。(有効期間サポートについては、第3章を参照してください。)

構文

DBMS_WM.SetValidTime(
   validFrom IN TIMESTAMP WITH TIME ZONE DEFAULT DBMS_WM.CURRENT_TIME,
   validTill IN TIMESTAMP WITH TIME ZONE DEFAULT DBMS_WM.UNTIL_CHANGED);

パラメータ

表4-73 SetValidTimeプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
validFrom

セッションの有効期間の開始時。デフォルト値は、現在のタイムスタンプ値です。

validTill

セッションの有効期間の終了時。デフォルトでは、セッションの有効期間が変更されるまで有効になっています。


使用上の注意

Workspace Managerの有効期間のサポートの詳細は、第3章を参照してください。validFrom値およびvalidTill値の解析については、第3.2項を参照してください。

セッションでこのプロシージャをコールしていない場合、またはパラメータを指定せずにコールした場合、現時点で有効なすべての行が有効であるとみなされ、現時点以降が制限なしで有効期間とみなされます。

次の例は、セッションの有効期間を2003年全体を含むように設定します。

EXECUTE DBMS_WM.SetValidTime(TO_DATE('01-01-2003', 'MM-DD-YYYY'), TO_DATE('01-01-2004', 'MM-DD-YYYY'));

SetValidTimeFilterOFF

現行セッションの有効期間フィルタを削除します。

構文

DBMS_WM.SetValidTimeFilterOFF();

パラメータ

ありません。

使用上の注意

このプロシージャは、SetValidTimeFilterONプロシージャの処理を元に戻し、有効期間サポートを伴う表に対する問合せでは、以前に定義された有効期間フィルタを無視します。Workspace Managerによる有効期間のサポートについては、第3章を参照してください。

SetValidTimeFilterONプロシージャの「使用上の説明」も参照してください。

次の例は、現行セッションの有効期間フィルタを削除します。

EXECUTE DBMS_WM.SetValidTimeFilterOFF;

SetValidTimeFilterON

現行セッションの有効期間フィルタ(バージョン対応表に適用される時間)を設定します。

構文

DBMS_WM.SetValidTimeFilterON(
   filtertime  IN TIMESTAMP WITH TIME ZONE DEFAULT NULL);

パラメータ

表4-74 SetValidTimeFilterONプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
filtertime

有効期間サポートがあるバージョン対応表への問合せでフィルタとして使用する日付。

デフォルト値は現在の時刻です。つまり、有効期間サポートを伴うバージョン対応表での各選択操作では、現時点で有効な日付を戻します。


使用上の注意

有効期間フィルタは、有効期間サポートがあるバージョン対応表に対する問合せに適用する期間です。現在のセッションに対して有効期間フィルタが設定されている場合、指定された期間有効な行のみが戻されます。Workspace Managerによる有効期間のサポートについては、第3章を参照してください。

有効期間フィルタを設置する目的は、通常、指定の主キー値に対して1行のみで対応するためです。たとえば、現行の有効期間に、セッションに従業員Adamsに対する2つの行があると想定します。最初の行は2004年3月1日から2005年4月30日まで有効であり、2番目の行は2005年5月1日から変更されるまで有効です。有効期間フィルタを2005年1月1日に設定し、Adamsの行を選択すると、最初の行(2004年3月1日から2005年4月30日まで有効)のみが戻されます。有効期間フィルタを削除し、Adamsの行をすべて選択すると、両方の行が戻されます。

filtertime値は、セッションの有効期間の範囲内にする必要があります。SetValidTimeプロシージャを使用して、有効期間の範囲を設定できます。

次の例は、有効期間フィルタを設定し、有効期間サポートを伴うバージョン対応表に対する問合せを実行して、2005年1月1日で有効な行のみを戻します。

EXECUTE DBMS_WM.SetValidTimeFilterOn(TO_DATE('2005-01-01', 'yyyy-mm-dd'));

SetWMValidUpdateModeOFF

有効期間サポートがある表で、順序付きと順序なしの更新操作、および順序付き削除操作を無効にします。

構文

DBMS_WM.SetWMValidUpdateModeOFF();

パラメータ

ありません。

使用上の注意

この手順は、有効期間サポートがある表で、順序付きと順序なしの更新操作、および順序付き削除操作を無効にします。Workspace Managerの有効期間のサポートの詳細は、第3章を参照してください。順序付きと順序なしの更新操作、および順序付き削除操作の詳細は、第3.6.2.1項を参照してください。

順序付き更新および削除操作が有効な場合、有効期間サポートを伴う表で更新または削除操作が実行されると、そのセッションの現行の有効期間が使用され、その期間で有効な行のみが更新または削除されます。ただし、SetWMValidUpdateModeOFFプロシージャをコールすると、有効期間に関係なく、更新または削除されるすべての行データが有効になり、その表にあるWM_VALID列の値は更新されません。(この手順は、有効期間サポートを伴う表の挿入または問合せ操作には影響しません。)

SetWMValidUpdateModeONプロシージャの「使用上の説明」も参照してください。

次の例は、有効期間のサポートがある表で、順序付きと順序なしの更新操作、および順序付き削除操作を無効にします。

EXECUTE DBMS_WM.SetWMValidUpdateModeOFF;

SetWMValidUpdateModeON

有効期間のサポートがある表で、順序付きと順序なしの更新操作、および順序付き削除操作を有効にします。

構文

DBMS_WM.SetWMValidUpdateModeON();

パラメータ

ありません。

使用上の注意

この手順は、有効期間のサポートがある表で、順序付きと順序なしの更新操作、および順序付き削除操作を有効にします。有効期間サポートを伴うバージョン対応表の場合、またはバージョン対応表に有効期間サポートが追加された場合、順序付き更新および削除操作が有効になります。ただし、順序付き更新および削除操作はSetWMValidUpdateModeOFFプロシージャを使用して無効にできます。

Workspace Managerの有効期間のサポートの詳細は、第3章を参照してください。順序付きと順序なしの更新操作、および順序付き削除操作の詳細は、第3.6.2.2項を参照してください。

次の例は、有効期間のサポートがある表で、順序付きと順序なしの更新操作、および順序付き削除操作を有効にします。これは、SetWMValidUpdateModeOFFプロシージャの処理を元に戻します。

EXECUTE DBMS_WM.SetWMValidUpdateModeON;

SetWoOverwriteOFF

EnableVersioningプロシージャまたはSetWoOverwriteONプロシージャによって使用可能になったVIEW_WO_OVERWRITE履歴オプションを使用禁止にし、履歴オプションをVIEW_W_OVERWRITE(上書きを伴う)に変更します。

構文

DBMS_WM.SetWoOverwriteOFF();

パラメータ

ありません。

使用上の注意

このプロシージャは、VIEW_WO_OVERWRITEオプションをVIEW_W_OVERWRITEに変更することによって、<table_name>_HISTという名前のビューで表示される履歴情報の記録に影響します。この時点から、ビューは表の同一バージョンに対する最新の変更のみを表示します。バージョンに対する変更の履歴は保持されず、同一バージョン内の行に対する後続の変更によって、それより前の変更が上書きされます。

このプロシージャは、histパラメータをVIEW_WO_OVERWRITEに設定してEnableVersioningプロシージャをコールすることにより、バージョン対応表にのみ影響します。

<table_name>_HISTビューの詳細は、第5.47項を参照してください。VIEW_WO_OVERWRITEオプションおよびVIEW_W_OVERWRITEオプションの詳細は、EnableVersioningプロシージャの説明を参照してください。

履歴オプションは、GotoDateプロシージャの動作に影響します。詳細は、GotoDateプロシージャの「使用上の注意」を参照してください。

SetWoOverwriteOFFプロシージャの結果は、現行セッションの存続期間中、有効なままです。このプロシージャによる処理を元に戻すには、SetWoOverwriteONプロシージャを使用します。

次の例は、VIEW_WO_OVERWRITE履歴オプションを使用禁止にします。

EXECUTE DBMS_WM.SetWoOverwriteOFF;

SetWoOverwriteON

SetWoOverwriteOFFプロシージャによって使用禁止になったVIEW_WO_OVERWRITE履歴オプションを使用可能にします。

構文

DBMS_WM.SetWoOverwriteON();

パラメータ

ありません。

使用上の注意

このプロシージャは、VIEW_W_OVERWRITEオプションをVIEW_WO_OVERWRITEwithout overwrite)に変更することによって、<table_name>_HISTという名前のビューで表示される履歴情報の記録に影響します。この時点から、ビューは表の同一バージョンに対するすべての変更を表示します。バージョンに対する変更の履歴は保持され、同一バージョン内の行に対する後続の変更によってそれより前の変更が上書きされません。

このプロシージャは、SetWoOverwriteOFFプロシージャに対する前のコールによって影響を受けた表にのみ影響します。

<table_name>_HISTビューの詳細は、第5.47項を参照してください。VIEW_WO_OVERWRITEオプションおよびVIEW_W_OVERWRITEオプションの詳細は、EnableVersioningプロシージャの説明を参照してください。

CompressWorkspaceプロシージャまたはCompressWorkspaceTreeプロシージャでcompress_view_wo_overwriteパラメータをTRUEに指定して作業領域を圧縮すると、VIEW_WO_OVERWRITE履歴オプションが上書きされる可能性があります。

履歴オプションは、GotoDateプロシージャの動作に影響します。詳細は、GotoDateプロシージャの「使用上の注意」を参照してください。

このプロシージャによる処理を元に戻すには、SetWoOverwriteOFFプロシージャを使用します。

次の例は、VIEW_WO_OVERWRITE履歴オプションを使用可能にします。

EXECUTE DBMS_WM.SetWoOverwriteON;

SetWorkspaceLockModeOFF

指定された作業領域に対してWorkspace Managerのロック操作を使用禁止にします。

構文

DBMS_WM.SetWorkspaceLockModeOFF(
   workspace    IN VARCHAR2,
   auto_commit  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-75 SetWorkspaceLockModeOFFプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

ロック・モードを使用禁止にする作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャは、SetWorkspaceLockModeONプロシージャで使用可能にしたWorkspace Managerのロック操作を使用禁止にします。このセッションが適用する既存のロックは、ロックされたままになります。このセッションまたは後続のセッションによるすべての新しい変更は、そのセッションがSetLockingONプロシージャを実行してロック操作を使用可能にしないかぎり、ロックされません。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACEという名前の作業領域に対するロック操作を使用禁止にします。

EXECUTE DBMS_WM.SetWorkspaceLockModeOFF('NEWWORKSPACE');

SetWorkspaceLockModeON

指定された作業領域に対してWorkspace Managerのロック操作を使用可能にします。

構文

DBMS_WM.SetWorkspaceLockModeON(
   workspace    IN VARCHAR2,
   lockmode     IN VARCHAR2,
   override     IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
   auto_commit  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表4-76 SetWorkspaceLockModeONプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

Workspace Managerのロック操作を使用可能にする作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。

lockmode

行レベル・ロックのデフォルトのロック・モード。EWEVESまたはCのいずれかを指定する必要があります。

E(排他)モードを指定すると、親作業領域内の行、および現行の作業領域内のそれに対応する行がロックされます。どちらの作業領域の場合も、その作業領域内にいる他のユーザーは、すべての値を変更できません。

WE(作業領域排他)モードを指定すると、前のバージョンの行、および現行バージョン内のそれに対応する行がロックされます。これにより、現行の作業領域内で値を変更できるのはロックを設定したユーザーのみとなります。ただし、他の作業領域内の他のユーザーは値を変更できます。

VE(バージョン排他)モードを指定すると、前のバージョンの行、および現行バージョン内のそれに対応する行がロックされます。これにより、値を変更できるのはロックを設定したユーザーのみとなります。ただし、他のユーザー(すべての作業領域内)は値を変更できなくなります。

S(共有)モードを指定すると、親作業領域内の行、および現行の作業領域内のそれに対応する行がロックされます。ただし、現行の作業領域内にいる他のユーザーは、これらの行の値を変更できます(親作業領域内にいるユーザーは、値を変更できません)。

C(引継ぎ)モードを指定すると、現行の作業領域内の行が、親作業領域内の対応する行と同じロック・モードでロックされます。(親作業領域内の行がロックされていない場合は、子作業領域内のそれに対応する行もロックされません。)

override

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUEを指定すると、作業領域内のセッションは、SetLockingONプロシージャおよびSetLockingOFFプロシージャを使用してlockmodeの値を変更できます。

FALSE(デフォルト値)を指定すると、作業領域内のセッションはlockmodeの値を変更できません。

auto_commit

ブール値(TRUEまたはFALSE)。

TRUE(デフォルト値)を指定すると、操作が自律型データベース・トランザクションとして実行されます。このトランザクションは、終了時にコミットされます。

FALSEを指定すると、操作がコール側のオープン状態のデータベース・トランザクション(存在する場合)の一部として実行されます。オープン状態のデータベース・トランザクションがない場合、操作は新しいデータベース・トランザクションで実行されます。いずれの場合も、コール側はそのトランザクションをコミットする必要があります。詳細は、第1.1.8項を参照してください。


使用上の注意

このプロシージャは、すべての標準のOracleデータベース・ロック操作に加えて実行されるWorkspace Managerロック操作に影響します。Workspace Managerのロックは、競合を回避するために使用できます。ユーザーが行をロックすると、親作業領域内のそれに対応する行もロックされます。そのため、マージ時にこの作業領域がその親とマージされたときにこの行に競合が発生しないことが保証されます。

Workspace Managerのロック管理の詳細は、第1.3項を参照してください。

排他ロック(lockmodeの値E)では、1つ以上の列に異なる値を設定してテストを行うwhat-if シナリオが使用できません。したがって、このシナリオのテストは、排他ロックが無効であるときに計画してください。

overrideパラメータの値がTRUEの場合は、SetLockingONプロシージャおよびSetLockingOFFプロシージャを使用して、ロック操作をユーザー・セッション・レベルでそれぞれ使用可能および使用禁止にできます。

このセッションまたは後続のセッションによるすべての新しい変更は、そのセッションがSetLockingOFFプロシージャを実行してロック操作を使用禁止にしないかぎり、ロックされます。

次の条件に1つでも該当する場合は、例外が発生します。

次の例は、NEWWORKSPACEという名前の作業領域に対して排他ロックを設定します。

EXECUTE DBMS_WM.SetWorkspaceLockModeON ('NEWWORKSPACE', 'E');

ロックされたすべての行は、作業領域がマージまたはロールバックされるまで、ロックされたままになります。


SynchronizeSite

RelocateWriterSiteプロシージャを使用して、writerサイトが移動した後、Workspace Managerのレプリケーション環境のローカル・サイト(以前のwriterサイト)を最新の状態に更新します。

構文

DBMS_WM.SynchronizeSite(
   newwritersite  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-77 SynchronizeSiteプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
newwritersite

ローカル・サイトを最新状態に更新する必要がある新しいwriterサイト(データベース・リンク)の名前。


使用上の注意

このプロシージャを使用するには、Workspace Managerオブジェクトにレプリケーションが適用される方法を理解する必要があります(付録Cを参照)。また、Oracle Replicationの主要な概念および手法も理解する必要があります。詳細は、『Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション』および『Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション・マネージメントAPIリファレンス』を参照してください。

このプロシージャは、レプリケーション管理者ユーザーとして実行する必要があります。

oldwritersiteavailableパラメータをFALSEに指定してRelocateWriterSiteプロシージャを実行した場合は、以前のwriterサイトでこのプロシージャを実行する必要があります。

次の例は、Workspace Managerのレプリケーション環境のローカル・システムを更新し、それを新しいwriterサイト(BACKUP-SITE1.EXAMPLE.COM)にします。

DBMS_WM.SynchronizeSite('BACKUP-SITE1.EXAMPLE.COM');

UnfreezeWorkspace

作業領域にアクセスできるようにし、また作業領域に対する変更を有効にし、FreezeWorkspaceプロシージャによる処理を元に戻します。

構文

DBMS_WM.UnfreezeWorkspace(
   workspace  IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-78 UnfreezeWorkspaceプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域の名前。この名前は大/小文字が区別されます。


使用上の注意

workspace内にセッションがある場合は、操作が正常に実行されません。

次の条件に1つでも該当する場合は、作業領域のアクセス制限を解除できます。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域に対するアクセス制限を解除します。

EXECUTE DBMS_WM.UnfreezeWorkspace ('NEWWORKSPACE');

UnlockRows

指定された表内のバージョン対応行、および親作業領域内のそれに対応する行にアクセスできるようにします。

構文

DBMS_WM.UnlockRows(
   workspace     IN VARCHAR2,
   table_name    IN VARCHAR2,
   where_clause  IN VARCHAR2 DEFAULT '',
   all_or_user   IN VARCHAR2 DEFAULT 'USER',
   lock_mode     IN VARCHAR2 DEFAULT 'ES',
   Xmin          IN NUMBER DEFAULT NULL,
   Ymin          IN NUMBER DEFAULT NULL,
   Xmax          IN NUMBER DEFAULT NULL,
   Ymax          IN NUMBER DEFAULT NULL);

パラメータ

表4-79 UnlockRowsプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
workspace

作業領域名。この作業領域内のロックされた行、および親作業領域内のそれに対応する行が、残りのパラメータで指定されるとおり、ロック解除されます。この名前は大/小文字が区別されます。

lock_modeVE(バージョン排他)に設定する場合は、値NONEを使用できます。これにより、いずれかの作業領域でロックされている行のロックが解除されます。

table_name

ロックを解除する行を含む表またはSpatialトポロジ(XminYminXmaxおよびYmaxが指定されている場合)の名前。この名前は大/小文字が区別されません。

where_clause

ロック解除する行を識別するWHERE句(WHEREキーワードを除く)。たとえば、department_id = 20です。

副問合せの場合を除き、WHERE句には主キー列のみを指定できます。この副問合せは、主キーではない列を参照できますが、バージョン対応表は参照できません。

where_clauseパラメータが指定されていない場合は、table_name内のすべての行がアクセス可能になります。

table_nameにSpatialトポロジ名を指定する場合は、where_clauseパラメータを指定しないでください。

all_or_user

要求の有効範囲: ALLまたはUSERを指定します。

ALL: 指定された作業領域内のユーザーがアクセス可能なすべてのロックが考慮されます。

USER(デフォルト値): 指定された作業領域内のユーザーが所有するロックのみが考慮されます。

lock_mode

ロック・モード。EWEVESまたはES(デフォルト)のいずれかを指定する必要があります。

E(排他): 排他モード・ロックのみが考慮されます。

WE(作業領域排他): 作業領域排他モード・ロックのみが考慮されます。

VE(バージョン排他): バージョン排他モード・ロックのみが考慮されます。

S(共有): 共有モード・ロックのみが考慮されます。

ES(排他および共有: デフォルト値): 排他モード・ロックと共有モード・ロックの両方が考慮されます。

Xmin, Ymin

Oracle Spatialトポロジの場合にのみ(第1.14.1項を参照)、行を含むウィンドウの左下隅のX座標値とY座標値がそれぞれロックされます。table_nameにトポロジ名を指定した場合は、これらのパラメータを指定する必要があります。それ以外の場合は、指定しないでください。

Xmax, Ymax

Oracle Spatialトポロジの場合にのみ(第1.14.1項を参照)、行を含むウィンドウの右上隅のX座標値とY座標値がそれぞれロックされます。table_nameにトポロジ名を指定した場合は、これらのパラメータを指定する必要があります。それ以外の場合は、指定しないでください。


使用上の注意

このプロシージャは、すべての標準のOracleデータベース・ロック操作に加えて実行されるWorkspace Managerロック操作に影響します。Workspace Managerのロック操作の詳細は、第1.3項を参照してください。

このプロシージャは、前にロックされた行をロック解除します(LockRowsプロシージャを参照)。Workspace Managerのロック操作が使用可能または使用禁止(SetLockingONプロシージャおよびSetLockingOFFプロシージャで決定)になるかには影響しません。

Workspace ManagerによるOracle Spatialトポロジ内の表のロックの詳細は、第1.14.1項を参照してください。

次の例は、NEWWORKSPACE作業領域内にあるEMPLOYEES表の行(last_nameが「Smith」)をロック解除します。

EXECUTE DBMS_WM.UnlockRows ('employees', 'NEWWORKSPACE', 'last_name = ''Smith''');

UseDefaultValuesForNulls

ユーザーがバージョン対応表に対する挿入操作で列にNULL値を指定した場合に、現行のセッションでWorkspace Managerが列にデフォルト値を使用するかどうかを決定します。

構文

DBMS_WM.UseDefaultValuesForNulls(
   mode_var IN VARCHAR2);

パラメータ

表4-80 UseDefaultValuesForNullsプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明
mode_var

NULL値の挿入を処理するモード。OFFまたはONを指定します。

OFF: 列にNULL値が挿入されます。(これはOracleの標準動作です。)

ON: 列にはその列のデフォルト値が挿入されます。


使用上の注意

このプロシージャがWorkspace Managerの動作に影響するのは、列がデフォルト値を持つと定義されており、バージョン対応表に対するINSERT文でその列にNULLが明示的に指定される場合のみです。たとえば、次の表の定義を考えてみます。

CREATE TABLE players (name VARCHAR2(20), rating NUMBER DEFAULT 10);

PLAYERS表がバージョン対応の場合に、mode_valパラメータに値OFFを指定してこのプロシージャを実行していなければ、次の文ではSmithの行にNULLのRATING値が挿入されます。

INSERT INTO players VALUES ('Smith', NULL);

ただし、mode_valパラメータに値ONを指定してUseDefaultValuesForNullsプロシージャを実行すると、その文ではSmithの行にRATINGの値10が挿入されます。

INSERT文でデフォルト値を持つ列の値を指定しなければ、前にUseDefaultValuesForNullsプロシージャをコールしたかどうかやmode_valパラメータの値に関係なく、デフォルト値が挿入されます。たとえば、次の文は、Smithの行に常にRATINGの値10を挿入します。

INSERT INTO players VALUES ('Smith');

次の例では、バージョン対応表へのINSERT文でデフォルト値を持つ列に対してNULL値が指定されるたびに、現行のセッションの以降の部分では列のデフォルト値が使用されます。

EXECUTE DBMS_WM.UseDefaultValuesForNulls('ON');