Oracle Data Guard 概要および管理 11gリリース1(11.1) E05755-03 |
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ここでは、Oracle Data Guard 11gリリース1(11.1)に追加された新機能について説明するとともに、追加情報の記載場所も示します。Oracle Data Guard 11gリリース1(11.1)には、ここで説明する新機能と拡張機能が追加されました。新機能を、次の主な内容にわけて説明します。
Oracle Data Guard 11gリリース1(11.1)に対する次の拡張機能により、利便性、管理性およびパフォーマンスが向上し、障害時リカバリ機能を改善する新機能が追加されています。
この機能により、REDOを圧縮してからネットワーク上に転送してREDOギャップを解決すると、REDO転送のパフォーマンスが向上します。
V$REDO_DEST_RESP_HISTOGRAM
動的パフォーマンス・ビューには、SYNC
REDO転送先ごとのレスポンス時間のヒストグラムが表示されます。このビューのデータを使用して、LOG_ARCHIVE_DEST_
n
NET_TIMEOUT属性の適正値を簡単に決定することができます。
REDO転送ネットワーク・セッションは、現在、SSLを使用して認証できます。これにより、厳密認証が行われ、Data Guard構成でのリモート・ログイン・パスワード・ファイルの使用はオプションになります。
Data Gurad構成の管理に使用されるSQL文および初期化パラメータが、冗長なSQL句および初期化パラメータが廃止することで簡略化されています。
関連項目
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DB_UNIQUE_NAME
に関連する拡張機能現在、プライマリ・データベースのDB_UNIQUE_NAME
は、V$DATABASE
ビューの新しいPRIMARY_DB_UNIQUE_NAME
列を問い合せてスタンバイ・データベースから検出できます。また、Oracle Data Guard 11gリリース1(11.1)では、各データベースのDB_UNIQUE_NAME
が必ず異なります。11gにアップグレードすると、同じDB_UNIQUE_NAME
を持つデータベースはすべて相互に通信できません。
現在、フィジカル・スタンバイ・データベースでは、ロジカル・スタンバイによって提供されるローリング・アップグレード機能を利用できます。新しいKEEP IDENTITY
句オプションをSQL ALTER DATABASE RECOVER TO LOGICAL STANDBY
文に使用して、フィジカル・スタンバイ・データベースをローリング・アップグレードのために一時的にロジカル・スタンバイ・データベースに変換し、アップグレード後に、元の構成のプライマリ・データベースおよびフィジカル・スタンバイ・データベースに戻すことができます。
この機能を使用すると、同じData Guard構成でプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースにLinuxとWindowsを組み合せることができます。
ARCH REDO転送モードは廃止され、将来のリリースではサポートされません。ARCH転送モードを現在使用している場合、ASYNC転送モードに切り替えることをお薦めします。ASYNC転送モードは、あらゆる面でARCH転送モードより優れた新しいデフォルトの転送モードです。
次のリストに、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のREDO Applyおよびフィジカル・スタンバイ・データベース固有の新機能を示します。
この機能により、REDO Applyがアクティブである間、フィジカル・スタンバイ・データベースを問い合せることができます。
関連項目
オープン・フィジカル・スタンバイ・データベースでプライマリ・データベースからのREDOデータの受信および適用を続行する方法の詳細は、9.2項「フィジカル・スタンバイ・データベースのオープン」を参照してください。 |
スナップショット・スタンバイ・データベースは、新タイプの更新可能なスタンバイ・データベースで、プライマリ・データベースに完全なデータ保護を提供します。
書込みの欠落は、データベースに悪影響を及ぼす可能性がある重大なデータの破損です。実際には書込みが永続記憶域で発生しなかったのに対して、I/Oサブシステムがデータベースのブロック書込みの完了を確認した場合に発生します。この機能を使用すると、プライマリ・データベースまたはフィジカル・スタンバイ・データベースに対する書込みの欠落をフィジカル・スタンバイ・データベースで検出できます。
関連項目
書込みの欠落のリカバリ例は13.6項「プライマリ・データベースでの書込みの欠落エラーからのリカバリ」を、書込みの欠落を検出できるようにする方法の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
Recovery Managerの多くの拡張機能により、カタログの使用時に、すべてのプライマリ・データベースおよびフィジカル・スタンバイ・データベース間のバックアップおよびリカバリの操作が簡略化されました。また、既存のデータベース・バックアップがなくても、Recovery ManagerのDUPLICATE
コマンドを使用して、ネットワーク上にフィジカル・スタンバイ・データベースを作成できます。
次のリストに、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のSQL Applyおよびロジカル・スタンバイ・データベースの新機能を示します。
Data Guard SQL Applyを使用すると、透過的データ暗号化を有効に設定したプライマリ・データベースにデータ保護を提供できます。これにより、ロジカル・スタンバイ・データベースで、高度なセキュリティ要件を伴うアプリケーションにデータ保護を提供できます。
現在、SQL Applyを再開しなくても特定のSQL Applyのパラメータを構成できます。DBMS_LOGSTDBY.APPLY_SET
パッケージを使用して、動的に初期化パラメータを設定できるため、ロジカル・スタンバイ構成の管理性、稼働時間および自動化が向上します。
さらに、APPLY_SET
およびAPPLY_UNSET
サブプログラムには、LOG_AUTO_DEL_RETENTION_TARGET
およびEVENT_LOG_DEST
の2つの新しいパラメータが組み込まれています。
ロジカル・スタンバイ・データベースにスイッチオーバーするとき、プライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベースのいずれかがOracle RACを使用している場合は、プライマリ・データベースまたはロジカル・スタンバイ・データベースのいずれかで、インスタンスを一切停止せずにSWITCHOVER
コマンドを使用できます。
SQL Applyでは、パラレルDDLを(パラレル・サーバーの可用性に基づいて)パラレルで実行します。
スケジューラ・ジョブは、PL/SQL DBMS_SCHEDULER
パッケージを使用してスタンバイ・データベースで作成でき、適切なデータベース・ロールを関連付けて、予定された時期(たとえば、データベースがプライマリまたはスタンバイ、あるいはその両方であるとき)に実行されるようにできます。
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