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Oracle® Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド
11gリリース2 (11.2)
B56289-08
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1 Oracle Clusterwareの概要

内容は次のとおりです。

Oracle Clusterwareとは

Oracle Clusterwareを使用すると、サーバーが相互に通信することが可能になるため、1つの集合ユニットとして機能しているように見えます。このようなサーバーの組合せは、一般にクラスタと呼ばれます。これらのサーバーはスタンドアロン・サーバーですが、各サーバーに他のサーバーと通信を行う追加プロセスが含まれています。このように、個々のサーバーはアプリケーションおよびエンド・ユーザーから1つのシステムとして認識されます。

Oracle Clusterwareでは、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)の実行に必要なインフラストラクチャが提供されます。Oracle Clusterwareでは、仮想IP(VIP)アドレス、データベース、リスナー、サービスなどのリソースも管理されます。これらのリソースは、通常、ora.host_name.resource_nameという名前です。これらのリソースの編集は、My Oracle Supportからの明示的な指示がある場合を除いて、サポートされていません。

図1-1に、Oracle Clusterwareを使用して基本的なシングル・インスタンスのOracle Databaseアーキテクチャを拡張する構成を示します。図1-1に示すクラスタは、Oracle Databaseを実行しており、アプリケーションおよびユーザーにアクティブにサービスを提供しています。Oracle Clusterwareを使用すると、同じ高可用性メカニズムを使用して、Oracle Databaseとカスタム・アプリケーションの高可用性を実現できます。

図1-1 Oracle Clusterwareの構成

図1-1の説明が続きます。
「図1-1 Oracle Clusterwareの構成」の説明

クラスタの使用によるメリットは、次のとおりです。

  • アプリケーションのスケーラビリティ実現

  • スケーラブルなシステムを低コストの汎用ハードウェアと組み合せることで、インフラストラクチャの総所有コストを削減できます。

  • フェイルオーバーの機能

  • サーバーをクラスタに追加してクラスタ・リソースを増やすことによって、クラスタ対応アプリケーションのスループットが必要に応じて向上します。

  • クラスタ内のすべてのノードでアプリケーションを実行できるため、クラスタ対応アプリケーションのスループットが向上します。

  • 依存プロセスが確実に起動されるように計画した順序でアプリケーションの起動をプログラムする機能

  • プロセスの監視、およびプロセスが停止した場合に再起動する機能

  • ハードウェアやソフトウェアの障害に起因する計画外停止時間を解消できます。

  • ソフトウェア・メンテナンスのための計画停止時間を削減または解消できます。

Oracle Clusterwareをプログラムして、ユーザー・アプリケーションとOracle Databaseの可用性を管理できます。Oracle RAC環境では、Oracle Clusterwareによってすべてのリソースが自動的に管理されます。Oracle Clusterwareが管理するすべてのアプリケーションおよびプロセスは、クラスタ・リソースまたはローカル・リソースのいずれかです。

Oracle Clusterwareは、Oracle RACを使用するために必要であり、Oracle RACが動作するプラットフォームで必要とされる唯一のクラスタウェアです。Oracle RACでは、引き続き特定のプラットフォームにおいて多くのサード・パーティ製クラスタウェア製品がサポートされますが、Oracle Clusterwareもインストールして使用する必要があります。Oracle Clusterwareをインストールして実行する各サーバーでは、同じオペレーティング・システムを実行している必要があります。

Oracle Clusterwareの使用により、ベンダー固有のクラスタウェアが不要になり、Oracleソフトウェアのみを使用するメリットが発揮されます。オラクル社では、Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)によるディスク管理から、Oracle DatabaseおよびOracle RACによるデータ管理までのあらゆるソフトウェア・ソリューションを提供しています。また、Oracle ServicesなどのOracle Database機能では、基礎となるOracle Clusterwareの高可用性フレームワークと組み合せて使用できる拡張機能を提供しています。

Oracle Clusterwareには、バイナリ以外に、ノードのメンバーシップ情報を記録する投票ディスク・ファイルと、クラスタ構成情報を記録するOracle Cluster Registry(OCR)の2つのストアド・コンポーネントがあります。投票ディスクおよびOCRは、すべてのクラスタ・メンバー・ノードに使用可能な共有記憶域に存在する必要があります。

Oracle Clusterwareのシステム要件の理解

Oracle Clusterwareを使用するには、ハードウェアとソフトウェアの概念および要件を理解する必要があります。詳細は、次の項を参照してください。

Oracle Clusterwareのハードウェアの概念および要件


注意:

多くのハードウェア・ベンダーが、1つのクラスタに単一の製品を使用してクラスタ構成を検証しています。クラスタリングを扱うのが初めてのユーザーは、この項の情報を使用することで、クラスタを作成するためのハードウェアを購入する際に、ハードウェアの調達に関する作業を簡素化できます。

クラスタは、1つ以上のサーバーで構成されます。クラスタ内のサーバーのハードウェア(つまりクラスタ・メンバーまたはノード)は、スタンドアロン・サーバーに類似しています。ただし、クラスタの一部であるサーバー(ノードまたはクラスタ・メンバーとも呼ばれる)には第2のネットワークが必要です。この第2のネットワークは、インターコネクトと呼ばれます。このため、クラスタ・メンバー・ノードには、2つ以上のネットワーク・インタフェース・カードが必要です(1つはパブリック・ネットワーク用、もう1つはプライベート・ネットワーク用)。インターコネクト・ネットワークは、クラスタ内のノードのみがアクセスできる単一のスイッチ(または複数のスイッチ)を使用するプライベート・ネットワークです。脚注1


注意:

Oracleでは、Oracle Clusterwareのインターコネクトとして、クロスオーバー・ケーブルの使用はサポートされていません。

クラスタのサイズは、クラスタで実行するワークロードの要件と、クラスタで構成したノードの数によって決まります。高可用性対応のクラスタを実装する場合は、インフラストラクチャのすべてのコンポーネントで次の冗長構成を使用します。

  • パブリック・ネットワーク用で、1つのアドレスを提供するために搭載される2つ以上のネットワーク・インタフェース

  • プライベート・インターコネクト・ネットワーク用の2つ以上のネットワーク・インタフェース

クラスタでは、クラスタ内の各サーバーに接続されたクラスタ対応ストレージ脚注2が必要です。これは、マルチホスト・デバイスと呼ばれることもあります。Oracle Clusterwareでは、NFS、iSCSI、Direct Attached Storage(DAS)、Storage Area Network(SAN)およびNetwork Attached Storage(NAS)がサポートされます。

ストレージの冗長性を確保するには、通常、各サーバーからクラスタ対応ストレージに対して最低2つの接続を用意します。実際のI/O要件によっては、さらに多くの接続を用意することもあります。ストレージ・サブシステムを選択する際に、クラスタ全体のI/O要件を考慮することは重要です。

ほとんどのサーバーには、内部に1つ以上のローカル・ディスクが含まれます。通常、このディスクは、オペレーティング・システム・バイナリ用に使用されますが、ユーザーはこのディスクをOracleソフトウェアのバイナリ用としても使用できます。各サーバーでOracleバイナリの独自コピーを保持することのメリットは、高可用性が向上することであり、1つのバイナリの破損が同時にクラスタ内のすべてのノードに影響を及ぼすことがなくなります。また、これによってローリング・アップグレードも可能になり、停止時間を削減できます。

Oracle Clusterwareのオペレーティング・システムの概念および要件

各サーバーには、インストールするOracle Clusterwareのリリースの動作が保証されたオペレーティング・システムが存在する必要があります。詳細は、ご使用のプラットフォームの『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』またはMy Oracle Support(以前のOracleMetaLink)の保証マトリックスを参照してください(次のURLから入手可能)。

http://www.oracle.com/technetwork/database/clustering/tech-generic-unix-new-166583.html

オペレーティング・システムをインストールして実行したら、Oracle Clusterwareをインストールしてクラスタを作成できます。Oracle Clusterwareは、Oracle Databaseとは別にインストールされます。Oracle Clusterwareのインストール後に、Oracle DatabaseまたはOracle RACをクラスタ内の任意のノードにインストールできます。


関連項目:

プラットフォーム固有のOracle Databaseのインストレーション・ガイド

Oracle Clusterwareのソフトウェアの概念および要件

Oracle Clusterwareでは、投票ディスク・ファイルを使用して、フェンシングの提供およびクラスタ・ノードのメンバーシップの判断が行われます。OCRではクラスタ構成情報が提供されます。Oracle ClusterwareファイルはOracle ASMまたは一般共有ディスク記憶域のいずれかに格納できます。ファイルの冗長性が提供されない記憶域でOracle Clusterwareを構成する場合は、OCRおよび投票ディスク用に複数の場所を構成することをお薦めします。次に、投票ディスクおよびOCRについて説明します。

  • 投票ディスク

    Oracle Clusterwareでは、投票ディスク・ファイルを使用して、クラスタのメンバーであるノードを判断します。投票ディスクはOracle ASMまたは共有記憶域で構成できます。

    投票ディスクをOracle ASMで構成する場合は、投票ディスクを手動で構成する必要はありません。ディスク・グループの冗長性に応じて、適切な数の投票ディスクが作成されます。

    投票ディスクをOracle ASMで構成しない場合は、高可用性を確保するために、物理的に異なるストレージに3つ以上の投票ディスクを配置することをお薦めします。これによって、シングル・ポイント障害を回避できます。単一の投票ディスクを構成した場合、冗長性のために外部のミラー化を使用することをお薦めします。

    外部冗長性を提供するディスク・アレイなどのストレージ・デバイスを持たないかぎり、3つ以上の投票ディスクを使用する必要があります。6つ以上の投票ディスクは使用しないことをお薦めします。サポートされる投票ディスクの最大数は15です。

  • Oracle Cluster Registry

    Oracle Clusterwareでは、Oracle Cluster Registry(OCR)を使用して、Oracle Clusterwareで制御するOracle RACデータベース、リスナー、仮想IPアドレス(VIP)、サービスと任意のアプリケーションなどのコンポーネントの情報を格納および管理します。OCRには、一連のキーと値のペアからなる構成情報がツリー構造に格納されます。クラスタの高可用性を確保するために、複数のOCRの場所を定義することをお薦めします。さらに、次のような特徴があります。

    • 最大5つのOCRの場所を使用できます。

    • 各OCRの場所は、クラスタ内のすべてのノードがアクセスできる共有記憶域に存在している必要があります。

    • 障害が発生したOCRの場所がOCRの唯一の場所でないかぎり、オンラインで交換できます。

    • OCRは、Oracle Enterprise Manager、Oracle Clusterware制御ユーティリティ(CRSCTL)、サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)、OCR構成ユーティリティ(OCRCONFIG)、Database Configuration Assistant(DBCA)などのサポートされているユーティリティを介して更新する必要があります。


    関連項目:

    投票ディスクとOCRの詳細は、第2章「Oracle Clusterwareの管理」を参照してください。

Oracle Clusterwareのネットワーク構成の概念

Oracle Clusterwareを使用すると、クラスタのネットワーク要件の自己管理を介した、動的なグリッド・インフラストラクチャが可能になります。Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)では、VIPアドレスおよびSCANアドレスへの動的ホスト構成プロトコル(DHCP)の使用がサポートされていますが、パブリック・アドレスではサポートされていません。DHCPでは、ホストのIPアドレスの動的構成が提供されますが、外部クライアントに役立つ名前を生成する最適な方法は提供されません。

Oracle RACの使用時には、すべてのクライアントがデータベースに到達できる必要があります。つまり、クラスタのすべてのパブリック・アドレス、VIPアドレスおよびSCANアドレスはクライアントによって解決される必要があります。この問題は、Oracleグリッド・ネーミング・サービス(GNS)をクラスタに追加することによって解決します。GNSは会社のドメイン名サービス(DNS)にリンクされるため、クライアントはこの動的アドレスを解決し、クラスタおよびデータベースに透過的に接続できます。クラスタでGNSをアクティブ化するには、パブリック・ネットワークにDHCPサービスが必要です。

GNSの実装

GNSを実装するには、ネットワーク管理者と協力し、パブリック・ネットワークでGNS VIPのIPアドレスを取得する必要があります。DNSでは、GNS VIPを使用してクラスタへのアクセスのリクエストがGNSに転送されます。また、DNS管理者と協力し、ドメインをクラスタに委任する必要があります。これは、別のドメインまたは既存のドメインのサブドメインです。DNSサーバーは、この新しいドメインに対するすべてのリクエストをGNS VIPに転送するように構成されている必要があります。各クラスタには独自のGNSがあるため、制御される一意のドメインを割り当てる必要があります。

GNSおよびGNS VIPは、クラスタ内の1つのノードで実行されます。GNSデーモンは、ポート53を使用しているGNS VIPでDNSリクエストをリスニングします。Oracle Clusterwareによって、GNSおよびGNS VIPはいつでも使用できるように管理されます。GNSが実行されているサーバーで障害が発生した場合、Oracle ClusterwareによってGNSおよびGNS VIPはクラスタ内の別のノードにフェイルオーバーされます。

Oracle Clusterwareでは、ネットワークでDHCPを使用してIPアドレスおよびその他のネットワーク情報(使用するゲートウェイ、DNSサーバー、ドメイン、NTPサーバーなど)がDHCPサーバーから取得されます。まず、Oracle Clusterwareでは、クラスタを構成中に、必要なIPアドレスが取得され、Oracle Clusterwareリソースは、GNSなど、DHCPサーバーから取得した正しい情報で更新されます。

単一クライアント・アクセス名(SCAN)

Oracle RAC 11gリリース2(11.2)では、単一クライアント・アクセス名(SCAN)が導入されています。SCANは、DNSまたはGNSのIPアドレス(1つ以上3つ以下)に登録されているドメイン名です。GNSおよびDHCPを使用している場合、Oracle Clusterwareでは、クラスタの構成時に指定されるSCAN名のVIPアドレスが構成されます。

ノードVIPおよび3つのSCAN VIPは、GNSを使用時している場合、DHCPサーバーから取得されます。新しいサーバーがクラスタに追加されると、Oracle Clusterwareでは、必要なVIPアドレスはDHCPサーバーから動的に取得されてクラスタ・リソースが更新され、GNSを介してサーバーにアクセスできるようになります。

例1-1に、ドメインをクラスタに委任するDNSエントリを示します。

例1-1 DNSエントリ

# Delegate to gns on mycluster
mycluster.example.com NS myclustergns.example.com
#Let the world know to go to the GNS vip
myclustergns.example.com. 10.9.8.7

関連項目:

DNSを使用して解決する方法の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

アドレスの手動構成

別の方法として、アドレスの手動構成も選択できます。この場合には次の内容を構成します。

  • ノードごとに1つのパブリック・ホスト名

  • ノードごとに1つのVIPアドレス。

    クラスタ内の各ノードにVIPアドレスを割り当てる必要があります。各VIPアドレスは、ノードのパブリックIPアドレスと同じサブネット上に存在し、DNSで名前を割り当てられているアドレスである必要があります。また、Oracle Clusterwareのインストール前は、各VIPアドレスがネットワーク内から使用されず、pingの実行も不可能であることが必要です。

  • クラスタ全体で最大3つのSCANアドレス。


    注意:

    SCANは、パブリック・ネットワークの1つ以上のアドレスに解決される必要があります。高可用性およびスケーラビリティを確保するために、SCANが3つのアドレスに解決されるように構成することをお薦めします。


関連項目:

システム要件およびネットワーク・アドレスの構成の詳細は、ご使用のプラットフォーム固有の『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

Oracle Clusterwareのプラットフォーム固有のソフトウェア・コンポーネントの概要

Oracle Clusterwareの動作時には、プラットフォーム固有の一部のプロセスまたはサービスがクラスタ内の各ノードで実行されます。この項では、これらの様々なプロセスおよびサービスについて説明します。

Oracle Clusterwareのスタック

Oracle Clusterwareは、クラスタ・レディ・サービス(CRS)・デーモン(crsd)が常駐する上位スタック、およびOracle高可用性サービス・デーモン(ohasd)が常駐する下位スタックの2つの独立したスタックで構成されます。これらの2つのスタックには、クラスタ操作を円滑化する複数のプロセスがあります。次の各項では、これらのスタックについてさらに詳しく説明します。

クラスタ・レディ・サービス・スタック

この項のリストでは、CRSを構成するプロセスについて説明します。このリストには、LinuxおよびUNIXオペレーティング・システムのプロセスまたはWindowsのサービスであるコンポーネントが含まれます。

  • クラスタ・レディ・サービス(CRS):クラスタで高可用性操作を管理する主要プログラム。

    CRSデーモン(crsd)は、各リソースのOCRに格納されている構成情報に基づいて、クラスタ・リソースを管理します。これには、起動、停止、監視およびフェイルオーバー操作が含まれます。crsdプロセスは、リソースのステータスが変更されるとイベントを生成します。Oracle RACをインストールしている場合、crsdプロセスはOracle Databaseインスタンスやリスナーなどを監視し、障害が発生した場合にこれらのコンポーネントを自動的に再起動します。

  • クラスタ同期サービス(CSS): クラスタのメンバーシップを管理し、ノードがクラスタに対して追加または削除された際にメンバーに通知することによって、クラスタ構成を管理します。保証されているサード・パーティ製クラスタウェアを使用している場合、CSSプロセスは、クラスタウェアとともに動作して、ノードのメンバーシップに関する情報を管理します。

    cssdagentプロセスは、クラスタの監視およびI/Oフェンシングを実行します。このサービスは、以前はOracle Process Monitor Daemon(oprocd)(WindowsではOraFenceServiceとも呼ばれる)によって提供されていました。cssdagentで障害が発生した場合、Oracle Clusterwareによってノードが再起動されることがあります。

  • Oracle ASM: Oracle ClusterwareおよびOracle Databaseのディスク管理が提供されます。

  • クラスタ時刻同期化サービス(CTSS): Oracle Clusterwareのクラスタで時間管理が提供されます。

  • イベント・マネージメント(EVM): Oracle Clusterwareによって作成されたイベントを発行するバックグラウンド・プロセス。

  • Oracle Notification Service (ONS): 高速アプリケーション通知(FAN)イベントの通信用のパブリッシュおよびサブスクライブ・サービス。

  • Oracle Agent(oraagent): クラスタウェアを拡張し、Oracle固有の要件および複雑なリソースをサポートします。このプロセスは、FANイベントが発生した場合にサーバー・コールアウト・スクリプトを実行します。このプロセスは、Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)ではRACGと呼ばれていました。

  • Oracle Root Agent(orarootagent): 特殊なoraagentプロセスであり、rootが所有するリソース(ネットワークなど)およびグリッド仮想IPアドレスをcrsdで管理するのに役立ちます。

クラスタ同期サービス(CSS)、イベント・マネージメント(EVM)およびOracle Notification Service (ONS)コンポーネントは、同じクラスタ・データベース環境で、他のノードのクラスタ・コンポーネント・レイヤーと通信します。また、これらのコンポーネントは、Oracle Database、アプリケーションおよびOracle Clusterwareの高可用性コンポーネント間における主要通信リンクです。さらに、これらのバックグラウンド・プロセスは、データベース操作を監視および管理します。

Oracle高可用性サービス・スタック

この項では、Oracle高可用性サービス・スタックを構成するプロセスについて説明します。このリストには、LinuxおよびUNIXオペレーティング・システムのプロセスまたはWindowsのサービスであるコンポーネントが含まれます。

  • クラスタ・ログ出力サービス(ologgerd): クラスタ内のすべてのノードから情報を受信し、CHMリポジトリベース・データベースを維持します。このサービスは、クラスタ内の2つのノードのみで実行されます。

  • システム監視サービス(osysmond): 監視して、データをクラスタ・ログ出力サービスに送信するオペレーティング・システム・メトリック収集サービス。このサービスは、クラスタ内のすべてのノードで実行されます。

  • グリッド・プラグ・アンド・プレイ(GPNPD): グリッド・プラグ・アンド・プレイ・プロファイルへのアクセスを提供し、クラスタのノード間でプロファイルの更新を調整して、すべてのノードで最新のプロファイルが保持されるようにします。

  • グリッド・プロセス間通信(GIPC): 冗長なインターコネクトの使用を可能にするサポート・デーモン。

  • マルチキャスト・ドメイン名サービス(mDNS): クラスタ内のプロファイルを特定するためにグリッド・プラグ・アンド・プレイによって使用される他、名前解決を実行するためにGNSによって使用されます。mDNSプロセスは、Linux、UNIXおよびWindowsのバックグラウンド・プロセスです。

  • Oracleグリッド・ネーミング・サービス(GNS): 外部DNSサーバーから送信されるリクエストを処理し、クラスタで定義されている名前の名前解決を実行します。

表1-1に、Oracle Clusterwareコンポーネントに関連付けられたプロセスおよびサービスを示します。表1-1で、UNIXまたはLinuxシステムのプロセスに(r)とある場合、そのプロセスがrootユーザーとして実行されることを示します。

表1-1 Oracle Clusterwareコンポーネントに関連付けられたプロセスおよびサービスのリスト

Oracle Clusterwareコンポーネント LinuxおよびUNIXのプロセス Windowsサービス Windowsのプロセス

CRS

crsd.bin (r)

OracleOHService

crsd.exe

CSS

ocssd.bincssdmonitorcssdagent

OracleOHService

cssdagent.execssdmonitor.exeocssd.exe

CTSS

octssd.bin (r)

 


octssd.exe

EVM

evmd.binevmlogger.bin

OracleOHService

evmd.exe

GIPC

gipcd.bin

 


 


GNS

gnsd(r)

 


gnsd.exe

グリッド・プラグ・アンド・プレイ


gpnpd.bin

OracleOHService

gpnpd.exe

LOGGER

ologgerd.bin (r)

 


ologgerd.exe

マスターDiskmon

diskmon.bin

 


 


mDNS

mdnsd.bin


mDNSResponder.exe

Oracle Agent

oraagent.bin(11.2)またはracgmainおよびracgimon(11.1)

 


oraagent.exe

Oracle高可用性サービス


ohasd.bin (r)

OracleOHService

ohasd.exe

ONS

ons

 


ons.exe

Oracle Root Agent

orarootagent(r)

 


orarootagent.exe

SYSMON

osysmond.bin (r)

 


osysmond.exe



関連項目:

プロセスに対して作成されるログ・ファイルの場所の詳細は、「クラスタウェアのログ・ファイルおよび統合ログ・ディレクトリ構造」を参照してください。


注意:

LinuxプラットフォームのOracle Clusterwareでは、複数のスレッドが、一意のプロセス識別子を持つ個別のプロセスとして表示される場合があります。

図1-2は、クラスタの起動を表しています。

図1-2 クラスタの起動

図1-2の説明が続きます。
「図1-2 クラスタの起動」の説明

WindowsシステムでのOracle Clusterwareプロセス

Microsoft WindowsシステムでのOracle Clusterwareプロセスには、次のものが含まれます。

  • mDNSResponder.exe: 所属するサブネット内で名前解決とサービス検出を管理します

  • OracleOHService: すべてOracle Clusterwareデーモンを起動します

Oracle Clusterwareのインストールの概要

次の項では、Oracle Clusterwareのインストール・プロセスの概要について説明します。


注意:

Oracle Clusterwareは、Oracle Universal Installerを使用してインストールします。

Oracle Clusterwareのリリースの互換性

クラスタには、異なるリリースのOracle Clusterware、Oracle ASMおよびOracle Databaseをインストールできます。クラスタに異なるリリースのソフトウェアをインストールする場合、次のガイドラインに従ってください。

  • クラスタ内で実行できるOracle Clusterwareのインストールは1つのみであり、Oracle Clusterwareは自身のホーム(Grid_home)にインストールする必要があります。使用するOracle Clusterwareのリリースは、クラスタ内で実行するOracle ASMおよびOracle RACのバージョン以上である必要があります。クラスタ内で実行するOracle Clusterwareのバージョンより後に公開されたOracle RACのバージョンをインストールすることはできません。つまり、次のようになります。

    • Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)では、Oracle ASM リリース11.2のみがサポートされます。これは、Oracle ASMが、Oracle Clusterwareも含まれるグリッド・インフラストラクチャ・ホーム内に存在するためです。

    • Oracle Clusterwareリリース11.2では、Oracle Database 11gリリース2(11.2)、リリース1(11.1)、Oracle Database 10gリリース2(10.2)およびリリース1(10.1)がサポートされます。

    • Oracle ASMリリース11.2では、Oracle Clusterwareリリース11.2が必要です。また、Oracle Database 11gリリース2(11.2)、リリース1(11.1)、Oracle Database 10gリリース2(10.2)およびリリース1(10.1)がサポートされます。

    • Oracle Database 11gリリース2(11.2)では、Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)が必要です。

      次に例を示します。

      • Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)をクラスタウェアとしてインストールしている場合、Oracle Database 10gリリース1(10.1)のシングル・インスタンス・データベースを1つのノードで実行し、別にOracle Real Application Clusters 10gリリース1(10.1)、リリース2(10.2)、およびOracle Real Application Clusters 11gリリース1(11.1)のデータベースを同じクラスタ内で実行できます。ただし、Oracle Clusterware 10gリリース2(10.2)をクラスタにインストールして、Oracle Real Application Clusters 11gをインストールすることはできません。Oracle Clusterware 10gリリース2(10.2)のクラスタ内のノードにOracle Database 11g(シングル・インスタンス)をインストールすることは可能です。

      • 異なるリリースのOracle ASMおよびOracle Databaseを使用する場合、各製品の機能は、以前のリリースのソフトウェア機能に依存します。つまり、Oracle Clusterware 11gをインストールして後からOracle ASMを構成し、Oracle Clusterwareを使用して既存のOracle Database 10gリリース10.2.0.3のインストールをサポートする場合、Oracle ASMの機能は、リリース10.2で使用可能な機能のみに制限されます。ディスク・グループのcompatible属性は、使用されているソフトウェアの適切なリリースに設定します。


        関連項目:

        ディスク・グループのcompatible属性の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。

  • クラスタでは、Oracle Database(シングル・インスタンスおよびOracle RACの両方)の複数のOracleホームを使用できます。Oracle RACデータベースのすべてのノードのOracleホームは同じである必要があります。

  • Oracle ClusterwareとOracle Databaseのホームでは、属しているプライマリ・グループが同じであれば異なるユーザーを使用できます。

  • Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)では、クラスタ内で実行できるOracle ASMのインストールは1つのみです。Oracle ASMは常にOracle Clusterwareと同じバージョンであり、Oracle Clusterwareは、Oracle Databaseのリリースと同じか、それ以上のリリースである必要があります。

  • Oracle9iが稼働するOracle RACでは、Oracle9iのクラスタを実行する必要があります。UNIXシステムでは、HACMP、Serviceguard、Sun ClusterまたはVeritas SFを使用します。WindowsおよびLinuxシステムでは、Oracle Cluster Managerを使用します。Oracle RAC 10gをインストールするには、Oracle Clusterwareもインストールする必要があります。

  • Oracle Database 10gのクラスタにOracle9i RACをインストールすることはできません。Oracle9i RACクラスタが存在する場合、Oracle RAC 10gをクラスタに追加できます。ただし、Oracle Clusterware 10gをインストールすると、Oracle9i RACデータベースを新しくインストールすることはできません。

  • 連携して動作する保証がないかぎり、同じサーバーでは異なるクラスタ・ソフトウェアを実行しないことをお薦めします。クラスタの一部であるサーバーにOracle RACを追加する場合は、Oracle Clusterwareに移行するか、次のことを確認します。

    • 実行するクラスタウェアが、Oracle RAC 11gリリース2(11.2)とともに動作することを確認します。

    • Oracle Clusterwareと他のベンダーのクラスタウェアが連携して動作するための適切なオプションをインストール済であることを確認します。


関連項目:

バージョンの互換性の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

Oracle Clusterwareのアップグレードの概要

Oracleでは、インプレース・アップグレードおよびアウトオブプレース・アップグレードがサポートされています。どちらの方法でもローリング・アップグレードが容易になります。Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)の場合、インプレース・アップグレードはパッチに対してのみサポートされています。パッチ・バンドルおよび個別パッチはインプレース・アップグレードでサポートされていますが、パッチ・セットおよびメジャー・リリースは、アウトオブプレース・アップグレードでのみサポートされています。

インプレース・アップグレードによって、Oracle Clusterwareソフトウェアは同じGridホームの新しいバージョンに置き換えられます。アウトオブプレース・アップグレードの場合は、同じソフトウェアの両方のバージョンがノードに同時に存在しますが(Gridホームは異なる)、アクティブなバージョンは1つのみです。

ローリング・アップグレードでは、停止時間が回避され、ソフトウェアが新しいバージョンにアップグレードされる間、Oracle Clusterwareの連続的な可用性が確保されます。11gリリース2(11.2)にアップグレードすると、Oracle ClusterwareおよびOracle ASMバイナリがグリッド・インフラストラクチャという1つのバイナリとしてインストールされます。Oracle Clusterwareは、Oracle Clusterware 10gおよびOracle Clusterware 11gからローリング方式でアップグレードできますが、Oracle ASMはOracle Database 11gリリース1(11.1)からの場合のみローリング方式でアップグレードできます。

Oracleでは、クラスタの一部のノードが停止している場合の強制アップグレードがサポートされます。


関連項目:

Oracle Clusterwareのアップグレードの詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

Oracle Clusterware環境の管理の概要

次のリストに、Oracle Clusterware環境を管理するツールとユーティリティを示します。

  • Oracle Enterprise Manager: Oracle Enterprise Managerには、単一インスタンス環境およびOracle RACデータベース環境を管理するための2つのGUIインタフェース、Database ControlおよびGrid Controlがあります。また、Oracle Clusterware、およびOracle Grid Infrastructureのインストールで構成したすべてのコンポーネントを管理するGUIインタフェースもあります。Oracle Enterprise Managerを使用して管理タスクを実行することをお薦めします。


    関連項目:

    Oracle Enterprise Managerを使用したOracle Clusterwareの管理の詳細は、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』およびOracle Enterprise Managerのオンライン・ドキュメントを参照してください。

  • クラスタ検証ユーティリティ(CVU): クラスタとOracle RAC固有の様々なコンポーネントの検証に使用するコマンドライン・ユーティリティ。CVUを使用して、共有ストレージ・デバイス、ネットワーク構成、システム要件、Oracle Clusterware、およびオペレーティング・システムのグループやユーザーを検証します。

    CVUをインストールして使用し、インストール前およびインストール後のクラスタ環境をチェックします。CVUは、Oracle ClusterwareおよびOracle RACコンポーネントのインストール前およびインストール時に特に役立ち、これによって、現在の構成がインストールの最小要件を満たしていることを確認できます。また、CVUを使用して、ノードの追加や削除などの管理タスクの完了後にその構成を検証できます。


    関連項目:

    CVUを手動でインストールする方法については、ご使用のプラットフォーム固有のOracle ClusterwareおよびOracle RACのインストレーション・ガイドを参照してください。CVUの使用方法の詳細は、付録A「クラスタ検証ユーティリティのリファレンス」を参照してください。

  • サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL): クラスタ内のデータベース、サービス、リスナーなどのOracleリソースを管理するためのコマンドライン・インタフェース。


    注意:

    接頭辞ora.*を持つ名前のサーバー・プールのみ、SRVCTLを使用して管理できます。


    関連項目:

    『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』の付録「サーバー制御ユーティリティのリファレンス」

  • Oracle Clusterware制御(CRSCTL): Oracle Clusterwareを管理するためのコマンドライン・ツール。CRSCTLは、クラスタウェアの一般的な管理および個々のリソースの管理に使用してください。

    Oracle Clusterware 11gリリース2(11.2)には、クラスタ対応コマンドが導入されています。これらのコマンドを使用して、操作に応じてクラスタ内の別のノードで、またはクラスタ内のすべてのノードで、クラスタ内の任意のノードから操作を実行できます。

    crsctlコマンドを使用すると、クラスタ・リソースを監視したり(crsctl status resource)、サーバー、および接頭辞ora.*を持つ名前のサーバー・プール以外のサーバー・プールを監視および管理できます(crsctl status servercrsctl status serverpoolcrsctl modify serverpoolcrsctl relocate serverなど)。ノード固有のオプション引数-nまたは-allを使用して、クラスタ全体でOracle高可用性サービスを管理することもできます(crsctl start | stop | enable | disable | config crs)。また、CRSCTLを使用して個々のノードでOracle Clusterwareを管理できます(crsctl start | stop | enable | disable | config crs)。


    関連項目:


  • Oracle Interface Configurationツール(OIFCFG): シングル・インスタンスのOracle DatabaseとOracle RAC環境の両方のコマンドライン・ツール。OIFCFGを使用して、ネットワーク・インタフェースのコンポーネントへの割当ておよび割当て解除を行います。また、OIFCFGを使用して、特定のネットワーク・インタフェースを使用するようにコンポーネントを設定したり、コンポーネントの構成情報を取得できます。

  • Oracle Cluster Registryコンフィギュレーション・ツール(OCRCONFIG): OCR管理のためのコマンドライン・ツール。また、OCRCHECKおよびOCRDUMPユーティリティを使用して、OCRに影響を及ぼす構成の問題のトラブルシューティングを実行できます。


    関連項目:

    OCRの管理方法の詳細は、第2章「Oracle Clusterwareの管理」を参照してください。

  • クラスタ状態モニター(CHM): CHMは、オペレーティング・システムとクラスタのリソース関連の低下および障害を検出して分析し、ノードの排除など、Oracle ClusterwareおよびOracle RACの多くの問題に関する詳細をユーザーに提供します。このツールは、オペレーティング・システム・リソースの消費状況を、ノード、プロセスおよびデバイス・レベルで継続的に追跡します。また、クラスタ全体のデータを収集し分析します。リアルタイム・モードでは、しきい値に達すると、ツールによってユーザーにアラートが表示されます。根本原因分析のため、履歴データを再生し、障害発生時に何が起きていたのかを理解できます。


    関連項目:

    CHMの詳細は、「クラスタ状態モニター」を参照してください。

グリッド環境でのOracle Clusterwareのクローニングおよび拡張の概要

ノードのクローニングは、新しいクラスタを作成する場合に推奨される方法です。クローニング・プロセスでは、Oracle Clusterwareソフトウェアのイメージが同様のハードウェアおよびソフトウェアを持つ他のノードにコピーされます。クローニングを使用して、同じ構成で複数のクラスタを迅速に作成します。クローニングを使用する前に、プラットフォーム固有のOracle Clusterwareのインストレーション・ガイドに記載された手順を使用して、1つ以上のノードにOracle Clusterwareホームを正常にインストールする必要があります。

新規インストールの場合またはインストールするクラスタが1つのみの場合は、Oracle Universal InstallerやOracle Enterprise ManagerのProvisioning Pack機能など、自動化された対話型のインストール方法を使用することをお薦めします。これらの方法ではインストールのチェックが実行されるため、正常にインストールできます。クラスタ内のノードに対してOracle Clusterwareを追加または削除するには、addNode.shおよびrootcrs.plスクリプトを使用します。


関連項目:


Oracle Clusterwareの高可用性フレームワークおよびAPIの概要

Oracle Clusterwareでは、クラスタで実行されるアプリケーションまたはプロセスを管理できる、CLSCRS APIという多くの高可用性Application Program Interfaceが提供されます。このCLSCRS APIによって、すべてのアプリケーションで高可用性を実現できます。


関連項目:

CLSCRS APIの詳細は、付録F「Oracle Clusterware C Application Program Interface」を参照してください。

アプリケーションが実行されているクラスタ内のノードとは関係なくユーザーがアプリケーションにアクセスできるように、アプリケーションのVIPアドレスを定義できます。これは、アプリケーションVIPとも呼ばれます。複数のアプリケーションVIPも定義できますが、通常は稼働するアプリケーションごとに1つのアプリケーションVIPを定義します。アプリケーションVIPは、Oracle Clusterwareにより定義されたアプリケーション・リソースに依存することでアプリケーションに関連付けられます。

Oracle Clusterwareコンポーネントは、高可用性を維持するために、定義されている高可用性規則に従い、ステータスの変化に応じてアプリケーションおよびプロセスを再起動できます。アプリケーションをOracle Clusterwareに登録し、クラスタウェアがアプリケーション・プロセスを起動、停止または再配置できるように構成することによって、Oracle Clusterwareの高可用性フレームワークを使用できます。これを行うには、Oracle Clusterwareを使用して、アプリケーションを監視、再配置および再起動するプロファイルを作成し、カスタム・アプリケーションの高可用性を確保します。



脚注の説明

脚注1: Oracle Clusterwareでは、Oracle Database 10gリリース2(10.2)以上のリリースが稼働する構成において、クラスタ内で最大100のノードがサポートされます。
脚注2: クラスタ対応ストレージは、マルチホスト・デバイスと呼ばれることもあります。