この節では、以下のトピックを取り上げます。
どの製品インストールを Smart Update で更新するかを指定するには、[対象インストール] パネル (図 3-1) を開き、パネルに表示される製品インストールの一覧で目的のエントリを強調表示します。この一覧には、Smart Update を起動したシステム上で検出された製品インストールが表示されます。検出されたすべての BEA_HOME ディレクトリと、それぞれのディレクトリ内にあるすべての製品インストールが一覧に含まれます。この一覧で現在選択されている製品インストールを、「対象インストール」と呼びます。
これ以降に Smart Update で実行する操作は、対象インストールとして選択されているインストールに対して実行されます。以下に例を示します。
My Oracle Support からは、選択されている対象インストールのために作成されたパッチ セット、メンテナンス パックのみ取得できる。現在選択されている対象インストールに該当する製品以外のために作成されたパッチを Smart Update でダウンロードすることはできません。
パッチの検証 (My Oracle Support から提供される検証データを使用し、衝突が生じることが確認されているパッチの適用を防ぐ、Smart Update の組み込み機能) も、対象インストールのみに対して動作する。
パッチ ダウンロード ディレクトリに一覧表示されるパッチのセットは、対象インストールに適用できるもののみ。
特定の対象インストールに適用したメンテナンス更新ファイルは、このパネルに一覧表示される別のインストールには適用されません。たとえば、ある 1 つの製品について複数のインストールが存在する場合 (同じ BEA_HOME ディレクトリ内または異なる BEA_HOME ディレクトリ内にある場合の両方を含む)、メンテナンスはそれらのうち一度に 1 つだけに対してのみ適用できます。(注意 : 通常、1 つのマシン上に複数の BEA_HOME ディレクトリを作成することはお勧めしません)。
対象インストールの選択に際しては、次の事項に留意してください。
このパネルに表示される BEA_HOME ディレクトリは、現在のシステム上で検出されたものだけとは限らない。他のシステム上にあるディスクをリモート マウントして、そこに現在のシステムから製品をインストールしたことがある場合は、そのリモートのディスク上にある製品の BEA_HOME ディレクトリも表示されます。このように完全な一覧が表示されることで、リモート システム上にメンテナンス更新ファイルをインストールするのが容易になります。
注意 : Smart Update グラフィカル インタフェースでは、ツールを実行したシステム以外を使用して作成された BEA_HOME ディレクトリは検出されません。 |
メンテナンス更新ファイルは、一度に 1 つの対象インストールに対してのみインストールできる。パッチ、Service Pack およびメンテナンス パックの更新を 1 回の手順で複数のインストールに対してインストールすることはできません。ただし、1 回の Smart Update セッション内で複数の更新をインストールすることは可能です。ある対象インストールに対してメンテナンス更新ファイルをインストールした後は、Smart Update を再起動しなくても、引き続き別の対象インストールに対して更新をインストールできます。
最後に選択された対象インストールは、Smart Update の終了時に記憶され、次回 Smart Update を起動したときにも強調表示される。1 つの BEA_HOME ディレクトリに複数の製品インストールが含まれる場合、それらの製品インストールに対して更新をインストールする順序に制限はありません。
同じ BEA_HOME ディレクトリに属する製品インストールの一覧は、必要に応じて表示を展開したり、折りたたんだりできる。この表示はデフォルトでは展開されています。
Smart Update のコマンドライン インタフェースを使用する場合は、対象インストールのディレクトリを設定するため、Smart Update の起動時に必ず -prod_dir=path
パラメータを指定する。「8 コマンドライン インタフェースの使用」を参照してください。
[対象インストール] ペインに一覧表示されていない他の BEA_HOME ディレクトリを指定することもできます。
注意 : ローカル ドライブまたはローカル マウント ボリュームでは、BEA_HOME が指定できる唯一のディレクトリです。 |
Smart Update の起動時に有効なインストール対象がない場合は、処理を継続する前に、BEA_HOME ディレクトリを指定するダイアログ ボックスが表示されます。
BEA_HOME ディレクトリを指定するには、次の手順を実行します。
[ファイル|対象インストール|他の BEA ホームの検索] を選択します。
有効な BEA_HOME ディレクトリを指定し、階層を移動してディレクトリを選択するか、[場所] フィールドにパスを入力します。
[OK] をクリックします。[対象インストール] ペインに新しいディレクトリが追加されます。
指定したディレクトリに有効なインストール対象がない場合は、エラー メッセージが表示されます。
My Oracle Support からプライベートのパッチまたはパッチ セットをダウンロードするには、次の手順を実行します。
My Oracle Support にログインしていることを確認します。
Smart Update のメイン ウィンドウにある [対象インストール] パネルで、対象インストールを選択します。
[パッチの取得] タブを選択します。
[パッチ|プライベートの取得] メニュー オプションを選択します。[プライベート パッチの表示] ダイアログ ボックスが表示されます。
[プライベート パッチの表示] ダイアログ ボックスで、プライベートのパッチまたはパッチ セットを指定する ID とパスコードを入力します。
注意 : プライベート パッチの ID とパスコードは My Oracle Support から提供されます。 |
[ダウンロード] をクリックします。
パッチをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックするかどうかの指定を求められます。パッチ間の衝突とは、Smart Update によって検出される、ダウンロード、適用、削除のいずれかを実行するよう選択したパッチと、対象インストールに適用されているその他のパッチとの間に生じる問題のことです。My Oracle Support から特に推奨された場合を除き、プライベートのパッチまたはパッチ セットをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックする必要はありません。
プライベート パッチに関する詳細は、[ダウンロードされたパッチ] パネルで確認できます。ただし、[ダウンロードされたパッチ] パネル上の表示では、プライベート パッチと公開パッチとの区別は特にありません。
My Oracle Support にログインすると、公開パッチをダウンロードできます。公開パッチをダウンロードするには、次の手順を実行します。
Smart Update を起動し、My Oracle Support にログインします。
Smart Update のメイン ウィンドウにある [対象インストール] パネルで、対象インストールを選択します。
[パッチの取得] タブを選択します。
提供可能なパッチが表示されたパネルで、ダウンロードする各パッチの横にある [選択] ボタンをクリックします。
パネルに一覧表示される提供可能なパッチに関して詳細情報を確認する方法については、「3.4 パッチ情報の表示」を参照してください。
注意 : Smart Update に表示される公開パッチおよびダウンロード済みパッチの一覧は、自動的に更新されません。パッチおよびパッチ セットの一覧を更新するには、[パッチ|ビューの更新] を選択します。 |
[選択したものをダウンロード] をクリックします。
パッチをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックするかどうかの指定を求められます。
My Oracle Support からのパッチのダウンロードを要求すると、Smart Update ([ダウンロード] ダイアログ ボックス) では、要求したパッチをダウンロードする前にパッチ間の衝突をチェックするかどうかの指定を求められます。公開パッチをダウンロードする場合のみ、この検証を前もって実行することをお勧めします。
衝突のチェック (パッチ検証とも呼ばれる) とは、あるパッチと、対象インストールのその他のパッチとの間で衝突があるかどうかを判定するプロセスです。パッチをダウンロードする前に検証することを選択すると、そのパッチと、対象インストールのデフォルト パッチ プロファイルにすでに適用されているパッチとの間に問題が生じないかが Smart Update によって検証されます。衝突が検出されると (たとえば、ダウンロードするパッチを適用する前に別のパッチを適用する必要がある場合など)、Smart Update からその衝突が報告されます。その場合は続行する前に衝突を解決する作業ができますが、そのままダウンロードを続行することも可能です。
Smart Update では、パッチを適用するときに常に検証が行われますが、パッチのダウンロード前の検証は任意です。ただし、ダウンロード前にパッチを検証すれば、後で衝突のあるパッチを適用しようとしたときに発生する解決作業の量を抑えることができます。
次の状況に該当する場合、パッチをダウンロードする前に検証することをお勧めします。
公開パッチをダウンロードする場合。
対象インストールにパッチがすでに適用されている場合。
パッチ ダウンロード ディレクトリ内に現在あるパッチの完全な一覧を確認できない場合。
プライベート パッチだが、ダウンロード前に検証を実行するよう My Oracle Support から特に推奨された場合。
次の状況に該当する場合、パッチをダウンロードする前に検証しないことをお勧めします。
ダウンロードするパッチがプライベート パッチであり、ご使用の既存インストールとの互換性を考慮して開発されたパッチであることが My Oracle Support によって明確に保証された場合。
使用するダウンロード ディレクトリが、異なるパッチ メンテナンス レベルで動作する複数の製品インストールによって使用されている場合。
Smart Update を実行しているシステムから現在アクセスできる状態にない対象インストールのためにパッチをダウンロードする場合。
カスタム パッチ プロファイルに含めるためのパッチをダウンロードする場合。
ダウンロード前のパッチ検証において衝突が検出された場合、そのパッチがパッチ ダウンロード ディレクトリに移動される前に、解決のための作業を必要に応じて実行できます。衝突が報告された場合、そのままパッチのダウンロードを続行することは可能ですが、適用することはできない場合があります。したがって、衝突が発生する可能性が高いと考えられるパッチのダウンロードは避けることをお勧めします。
指定のパッチを検証するプロセスは、ダウンロード前の検証を選択するとすぐに開始されます。プロセスの進行状況については、Smart Update のメッセージ ボックスに表示される状態メッセージによって把握できます。
何らかの理由により、検証プロセスを終了して [パッチの取得] タブに戻る場合、[取り消し] をクリックすることで、プロセスが終了する前であればいつでも戻ることができます。
検証が完了すると、次のいずれかのダイアログ ボックスが表示されます。
衝突が 1 つも検出されなかったことを示すメッセージ ボックス。[OK] をクリックすると、ダウンロード手順を完了できます。
検出された衝突を一覧表示する [パッチのダウンロードの検証] ダイアログ ボックス。
以下の節では、[パッチのダウンロードの検証] ダイアログ ボックスの使用方法について説明します。
[パッチのダウンロードの検証] ダイアログ ボックスの上部には、ダウンロードすることを選択したパッチが表示されます。このダイアログ ボックスで使用されるアイコンについて、表 3-1 で説明します。
表 3-1 [パッチのダウンロードの検証] ダイアログ ボックスで使用されるアイコンの説明
アイコン | 説明 |
---|---|
![]() |
該当するパッチまたはパッチ セットでは衝突が発生していない。 |
![]() |
該当するパッチまたはパッチ セットで、ダイアログ ボックスの下部に示す衝突が発生した。 |
ダイアログ ボックスの上部では、衝突が発生した最初のパッチが強調表示され、下部には、そのパッチについて検出された衝突の概要が表示されます。選択されているパッチで発生しなかった衝突条件は、ダイアログ ボックスの下部では、該当しない衝突条件として淡色表示されます。[パッチのダウンロードの検証] ダイアログ ボックスの使用方法について、表 3-2 に説明します。
表 3-2 [パッチのダウンロードの検証] ダイアログ ボックスの使用
目的の操作 | 実行手順 |
---|---|
ダウンロードすることを選択したパッチの 1 つについて衝突情報を表示する |
衝突が発生したパッチをダイアログ ボックスの上部で選択し、下部に衝突の概要を表示する。 |
個々の衝突に関する意味と解決手順について詳細な情報を得る |
「3.6 パッチ間の衝突の解決」を参照。 |
ダウンロード操作を取り消す |
[取り消し] をクリックする。 これによりダウンロード手順を取り消し、もう一度パッチのダウンロードを試行する前に必要に応じた具体的なアクションを実行できる。 注意 : 通常は、ダウンロード前に衝突を解決することが推奨される。ただし、「3.3.1.1 ダウンロード前の検証が推奨される場合」の説明にある例外の場合を除く。 |
衝突の有無にかかわらずダウンロード操作を続行する |
[ダウンロード] をクリックする。 注意 : パッチは適用されず、単にパッチ ダウンロード ディレクトリに移動される。 |
衝突が発生しないパッチだけをダウンロードする |
|
報告された衝突をパッチのダウンロード前に解決する方法を調べるには、「3.6.1 パッチのダウンロード時の検証」を参照してください。
[パッチの取得] タブおよび [ダウンロードされたパッチ] パネルに表示されるパッチやパッチ セットの一覧は、パッチ ダウンロード ディレクトリにあるパッチが追加されたり、削除されたりしても、自動的には更新されません。この一覧を更新するには、[パッチ|ビューの更新] を選択します。
Smart Update では、必要に応じて、適用する前のパッチについて詳細情報を読むことができます。具体的には、次の 2 つのカテゴリのパッチについて、この機能を使用できます。2 つのカテゴリは、My Oracle Support でダウンロード可能になっている公開パッチ、および、すでにダウンロードして当該システム上またはアクセス可能なネットワーク ディスク ドライブに格納してあるパッチです。
注意 : ダウンロード可能な公開パッチの一覧を取得するには、My Oracle Support にログインする必要があります。 |
以下の節では、入手可能なパッチを Smart Update で取得する方法について説明します。
以下の節では、次の種類のパッチについて一覧を表示する方法を説明します。
対象インストール用に My Oracle Support から入手可能な公開パッチ
現在のパッチ ダウンロード ディレクトリにダウンロードされているパッチ
注意 : プライベート パッチは、通常、公開パッチと同じように表示することはできません。ただし、プライベート パッチについても、ダウンロードした後はその他のダウンロード済みパッチと同じように詳細情報を表示できます。プライベート パッチの入手に関する詳細については、「3.3 公開パッチのダウンロード」を参照してください。パッチ ダウンロード ディレクトリは、「2.4.1 パッチ ダウンロード ディレクトリの選択」で説明するように [環境設定] ダイアログ ボックスで指定します。 |
[対象インストール] パネルで、目的の対象インストールを選択します (詳細については、「3.1 対象インストールの選択」を参照。)
[パッチの取得] タブを選択します。まだログインしていない状態でこのタブを選択すると、ログインするよう Smart Update から求められます。
注意 : ログインしていない状態で [パッチの取得] タブを表示することはできません。 |
ログインしていれば、入手可能なパッチの一覧が [パッチの取得] タブの上部に表示されます。このパネルに表示される情報の詳細については、「3.4.2 [パッチの取得] タブに表示されるパッチについて」を参照してください。
パッチ ダウンロード ディレクトリに現在格納されているパッチの一覧を表示するには、Smart Update のメイン ウィンドウで、次のいずれかのタブをクリックします。
[パッチの取得] タブには、対象インストール用のパッチ ダウンロード ディレクトリの内容が表示される。
[パッチの管理] タブには、ダウンロード ディレクトリにあるパッチが次の 2 つのカテゴリについて一覧表示される。
現在選択されているパッチ プロファイルを介して、対象インストールにすでに適用されているパッチ (パッチ プロファイルの詳細については、「3.5.2 パッチ プロファイルについて」を参照)。
現在選択されているパッチ プロファイルのコンテキストにおいて、対象インストールにまだ適用されていないパッチ。このカテゴリに属するパッチの一覧は、現在のパッチ プロファイルに対する [パッチの管理] タブの [ダウンロードされたパッチ] パネルに表示されます。
[ダウンロードされたパッチ] パネルに表示される情報の詳細については、「3.4.4 現在ダウンロードされているパッチの表示」を参照してください。
現在のパッチ ダウンロード ディレクトリ以外のディレクトリにダウンロードされているパッチについても、[環境設定] ダイアログ ボックスで目的のディレクトリを指定することにより、一覧を表示できます。詳細については、「3.3 公開パッチのダウンロード」を参照してください。
[パッチの取得] タブには、次の 2 つのパネルがあります。
上部パネル - ダウンロード可能な公開パッチおよびパッチ セットが表示される
下部パネル - [対象インストール] パネルで強調表示した対象インストール用にダウンロード済みのパッチおよびパッチ セットが表示される
また、いずれかのパネルに表示された任意のパッチについて詳細情報を要求するためのオプションも [パッチの取得] タブに表示されます。
どのパッチやパッチ セットが、ダウンロード可能な公開パッチとして表示されるかは、対象インストールのメンテナンス レベルによって決まります。対象インストールの現在のメンテナンス レベル向けに作成されたパッチだけが表示されます。
[パッチの取得] タブの上部パネルには、パッチおよびパッチ セットの一覧が次の 2 つのカテゴリに分かれて表示されます。
重大 - データとアプリケーションの整合性を維持するために、ただちに適用することを My Oracle Support が強く推奨するパッチ。たとえば、セキュリティ情報に関連するパッチなど。
任意 - 使用されない場合もある製品機能に対する、機能向上のためのパッチ。
いずれの一覧も、見やすいように表示を展開したり折りたたんだりできます。
注意 : Smart Update に表示される公開パッチおよびダウンロード済みパッチの一覧は、自動的に更新されません。パッチおよびパッチ セットの一覧を更新するには、[パッチ|ビューの更新] を選択します。 |
表 3-3 では、[パッチの取得] タブの上部パネルの各カラムに表示される情報について説明します。
表 3-3 ダウンロード可能なパッチに関する情報
カラムのタイトル | 説明 |
---|---|
パッチ ID |
パッチ ID は、単一のエンティティとしてダウンロードされる個別のパッチまたはパッチ セットに関連付けられた固有の文字列である。 パッチ ID の横には次のいずれかのアイコンが表示される。 |
説明 |
パッチ ID で示されるパッチまたはパッチ セットに関する簡単な説明。 |
製品 |
パッチの適用先となる製品の名前 (WebLogic Server、Workshop for WebLogic、WebLogic Portal、JRockit、Oracle Service Bus など)。 |
CR |
問題の報告に対して割り当てられ、My Oracle Support 内部で使用される番号。 |
カテゴリ |
パッチが該当する製品カテゴリ。以下に例を示する。
|
選択 |
このボックスをクリックすることで、ダウンロードするパッチを選択する。 |
以下の節では、パッチおよびパッチ セットについて表示できる詳細情報について説明します。
パッチの詳細情報を表示するには、目的のパッチ ID の横にあるアイコンをクリックします。
Smart Update のダイアログ ボックスに表示される詳細情報の項目について、表 3-4 で説明します。
表 3-4 パッチの詳細情報へのアクセス
詳細情報の項目 | 説明 |
---|---|
バージョン |
パッチの適用対象となる製品のバージョン。 |
重大度 |
パッチの重大度 (重大または任意)。 |
サイズ (KB) |
パッチのサイズ (単位は KB)。 |
再起動 |
パッチの適用後に再起動が必要となるソフトウェア コンポーネント。 |
ステータス |
パッチの提供方法。
|
OS |
パッチの動作環境として想定されているオペレーティング システム。 |
無効 |
次のいずれかの理由により無効に指定されたパッチ。
注意 : パッチ ダウンロード ディレクトリ内に無効なパッチが検出された場合は、Smart Update により自動的に報告される。 |
置換 |
既存の無効なパッチを置き換える代替パッチ。置き換え対象となる無効なパッチの ID が表示される。 |
[OK] をクリックすると、[パッチの詳細] ダイアログ ボックスが終了し、Smart Update のメイン ウィンドウに戻ります。
パッチ セットの詳細情報を表示するには、目的のパッチ セット ID の横にあるアイコンをクリックします。
Smart Update のダイアログ ボックスに表示される詳細情報の項目について、表 3-3 および 表 3-5 で説明します。
表 3-5 パッチ セットの詳細情報へのアクセス
詳細情報の項目 | 説明 |
---|---|
セットに含まれるパッチ |
セットに含まれる各パッチの ID。いずれかのパッチ ID をクリックすると、ダイアログ ボックスが展開され、該当するパッチの詳細が表示される。 |
サイズ (KB) |
セットに含まれるパッチすべての合計サイズ (単位は KB) |
無効 |
次のいずれかの理由により無効に指定されたパッチ セット。
注意 : パッチ ダウンロード ディレクトリ内に無効なパッチ セットが検出された場合は、Smart Update により自動的に報告される。 |
[パッチの取得] タブの [ダウンロードされたパッチ] パネルには、現在選択されている対象インストール用のパッチ ダウンロード ディレクトリにあるパッチの一覧が表示されます。ダウンロードされているすべてのパッチが、適用済みかどうかに関係なく表示されます。
[ダウンロードされたパッチ] パネルは、[パッチの取得] タブにも、[パッチの管理] タブにも表示されます。[パッチの取得] タブでこのパネルを表示した場合は、[適用] ボタンが非アクティブになります。[パッチの管理] タブで表示した場合は、[適用] ボタンがアクティブになります。詳細については、「3.5 パッチの適用および管理」を参照してください。
デフォルト以外のディレクトリをパッチ ダウンロード ディレクトリとして指定すると、それに応じて [ダウンロードされたパッチ] パネルに表示されるパッチおよびパッチ セットの一覧が更新されます。パッチをダウンロードした場所がシステム環境内に複数あり、それらの場所にネットワーク ディスク ドライブを介してアクセスできる場合は、単に新しくパッチ ダウンロード ディレクトリを指定するだけでそれらのパッチにアクセスできます。異なるパッチ ダウンロード ディレクトリを指定する場合の詳細については、「3.3 公開パッチのダウンロード」を参照してください。
[ダウンロードされたパッチ] パネルに表示されたパッチ セットについては、各パッチ セットに含まれる個別パッチのエントリを表示するか、非表示にするかを選択できます。この設定を切り替えるには、「2.4.2 [ダウンロードされたパッチ] パネルでパッチ セットの表示」で説明するように、[ファイル] メニューからアクセスできる [環境設定] ダイアログ ボックスを使用します。パッチ セット内の個別パッチを一覧に表示しないようにする機能は、[ダウンロードされたパッチ] パネルでのみサポートされています。
パッチ ダウンロード ディレクトリにパッチをダウンロードした後は、対象インストールにパッチを適用できます。以下の節では、パッチを適用および管理する方法について説明します。
対象インストールにパッチを適用する用意ができたら、Smart Update のメイン ウィンドウで [パッチの管理] タブを選択します。
[パッチの管理] タブには次のパネルがあります。
パッチ プロファイル パネル - すでに適用されているパッチの一覧が表示される。デフォルト パッチ プロファイル (対象インストール全体に適用されているパッチを表す) については、「3.5.2 パッチ プロファイルについて」で説明します。
パッチ セットを適用する場合、プロファイルに含まれるパッチの一覧表示には、パッチ セット自体のエントリと、セットに収められている各パッチのエントリの両方が含まれます。
[ダウンロードされたパッチ] パネル - 現在パッチ ダウンロード ディレクトリにあるパッチのうち、まだ現在選択されているパッチ プロファイルを介して対象インストールに適用されていないものが一覧表示される。対象インストールにパッチを適用すると、該当するパッチ プロファイルに対しては、それ以降、適用したパッチのエントリが [パッチの管理] タブの [ダウンロードされたパッチ] パネルに表示されなくなります。詳細については、「3.5.3 対象インストールへのパッチの適用」を参照してください。
Smart Update では、パッチ プロファイルの概念を使用してパッチのセットを管理します。パッチ プロファイルには、適用されているパッチの一覧が収められます。すべての対象インストールには、デフォルト パッチ プロファイルがあらかじめ定義されています。デフォルト パッチ プロファイルに表示されるパッチはインストール全体で有効であり、デフォルトでは、そのインストールから実行されるすべてのアプリケーション、ドメイン、および WebLogic Server インスタンスについても有効です。
一般的なメンテナンス要件に適合するために、デフォルト パッチ プロファイルだけはほとんどのユーザが使用する必要があります。デフォルト パッチ プロファイルはあらかじめ用意されており、コンフィグレーション不要ですぐに使用できます。
多くのユーザはカスタム パッチ プロファイルを作成します。カスタム パッチ プロファイルを使用すると、インストール内の特定のサーバ、ドメイン、またはアプリケーションを、インストールの一部にのみ適用する 1 つまたは複数のパッチ セットに関連付けることができます。ただし、カスタム パッチ プロファイルを使用すると、製品のインストールのメンテナンスが複雑になります。カスタム パッチ プロファイルについては、「6 個々のアプリケーション、ドメイン、またはサーバへのパッチの適用」を参照してください。
対象インストールにパッチを適用するには、[ダウンロードされたパッチ] パネルで、目的のパッチの横にある [適用] をクリックします。
注意 : 予想外のエラーを避けるには、パッチ適用時にサーバを停止します。 |
対象インストールにパッチを適用する場合、次の処理が実行されます。
適用するパッチが、現在のパッチ プロファイル内にあるパッチに対して検証されます。
パッチ間の衝突が発生しない場合は、パッチが適用されます。
衝突が発生する場合は、衝突の概要を示す [Patch Installation Validation] ダイアログ ボックスが表示されます。パッチは適用されません。
パッチが適用されると、そのパッチは現在のパッチ プロファイルに追加されます。このプロファイルの [パッチの管理] タブの [ダウンロードされたパッチ] パネルにはリストされなくなります。
ただし、[パッチの取得] タブの [ダウンロードされたパッチ] パネルの一覧にはそれ以降も表示されます。
検証時に衝突が検出された場合は、そのパッチを適用する前に衝突を解決する必要があります。詳細については、「3.6 パッチ間の衝突の解決」を参照してください。
注意 : 対象インストールに複数のパッチ プロファイルがあり、インストール全体のリソースに影響を与えるパッチを適用しようとすると、Smart Update によって警告のポップアップ ウィンドウが表示されます。インストール全体に対して有効になるパッチとしては、システム リソースを置き換えるパッチや、セキュリティ勧告に対応するためのパッチなどがあります。適用を続行することを選択すると、そのパッチは、対象インストールに定義されているすべてのパッチ プロファイルに対して自動的に適用されます。パッチのタイプによっては、適用されたメンテナンスがユーザのアプリケーションおよびドメインでアクティブ化されない場合があります。デフォルト プロファイルとカスタム プロファイルのどちらにパッチが適用されたかに関係なく、パッチのタイプおよびシステム環境とコンフィグレーションに応じて、管理者は次のうちの 1 つまたは複数の操作が必要になる場合があります。
|
適用済みのパッチまたはパッチ セットを対象インストールから削除する必要がある場合 (たとえば、適用の目的であった問題が解決しなかった場合、パッチが不要になった場合、または、パッチによって新たな問題が発生したため My Oracle Support から代替パッチが適用されるのを待つ場合など) には、該当するパッチ プロファイル内の一覧で、削除するパッチの横にある [削除] をクリックします。
注意 : 予想外のエラーを避けるには、パッチを削除時にサーバを停止します。 |
対象インストールからパッチを削除する場合、次の処理が実行されます。
パッチ適用時の検証と同じように、削除操作についての検証が実行されます。対象インストールからパッチを削除する際には、現在のパッチ プロファイルに含まれる他のパッチが削除するパッチに依存していないかどうかが Smart Update によりチェックされます。
衝突が検出されると、具体的な衝突の内容を示す [パッチの削除の検証] ダイアログ ボックスが表示されます。衝突が発生する場合は、そのパッチを削除する前に衝突を解決する必要があります。
削除によって発生する衝突が検出されない場合は、次の処理が実行されます。
対象インストールおよび現在のパッチ プロファイルから、該当するパッチが削除されます。
削除されたパッチが、現在のパッチ プロファイルに対して [パッチの管理] タブの [ダウンロードされたパッチ] パネルに表示されるようになります。
パッチを削除する際には、次の点に注意してください。
対象インストールに複数のパッチ プロファイルがある場合、インストール全体のリソースに影響するパッチを削除すると、Smart Update の警告のポップアップが表示される。削除を続行することを選択すると、そのパッチは、対象インストールに定義されているすべてのパッチ プロファイルから自動的に削除されます。
インストール全体に影響しないパッチを削除する場合は、現在のパッチ プロファイルから該当するパッチが削除される。
パッチ セットを削除する場合、またはパッチ セットのメンバーであるパッチを削除する場合は、操作がパッチ セットに影響することを示すメッセージ ダイアログ ボックスが表示され、削除操作の確認を求められる。
パッチ セットを削除すると、該当するパッチ セットのエントリおよびそれに属する各メンバー パッチのエントリが、パッチ プロファイルおよび対象インストールから削除される。
パッチ セット内の他のメンバー パッチを残したまま特定のメンバー パッチだけを削除すると、削除するパッチのエントリだけでなく、それが属していたパッチ セットのエントリも現在のパッチ プロファイルから削除される (該当するパッチ セットに属していた他のメンバー パッチのエントリはそのまま残ります)。
該当する製品インストール内にあるサーバ インスタンスの実行時の動作に影響するパッチを削除した後は、パッチの削除を有効にするためにサーバを再起動する必要がある。
削除によって発生する衝突を解決する方法の詳細については、「3.6 パッチ間の衝突の解決」を参照してください。
Smart Update では、ダウンロード、適用、または削除するパッチについて、対象インストールにすでに適用されている他のパッチとの互換性が検証されることにより、ご使用のシステムが保護されます。検証によって問題が検出されればパッチ間の衝突として報告されるので、衝突を解決してからパッチの操作を完了できます。
この節では、次の検証プロセスにおいて検出される場合がある衝突の種類について説明します。
各節では、衝突の種類ごとに、解決の手順についても説明します。
パッチのダウンロード時に衝突が報告されても、ダウンロード プロセスを続行することはできます。しかし、報告された問題はこの段階で解決してからダウンロードを続行することをお勧めします。
表 3-6 では、ダウンロード時の検証で報告される可能性がある衝突の種類について説明し、それぞれの種類について解決の手順を示します。
表 3-6 パッチのダウンロード時の衝突状況
報告される衝突 | ダウンロードするよう選択したパッチの状況 | この衝突を解決して選択したパッチをダウンロードする手順 |
---|---|---|
前提条件が満たされていません |
このパッチを適用する前に、別のパッチを適用する必要がある |
|
順序が間違っています |
このパッチを適用する前に、適用されている別のパッチをいったん削除する必要がある |
|
相互に排他的です |
このパッチと併用できない別のパッチがすでに適用されている |
ダウンロードするパッチのほうが重要と判断した場合は、衝突が報告された ID のパッチをすべて削除してから、目的のパッチをダウンロードして適用する。 適用済みのパッチのほうが重要と判断した場合は、Smart Update を終了する。 |
警告 : Smart Update では、任意の順序でパッチをダウンロードできます。ただし、特定の順序で適用する必要があるパッチについては、Smart Update での適用時に所定の順序に従う必要があります。誤った順序でパッチを適用しようとすると、パッチ間の衝突が報告され、衝突を解決しないと適用できません。 |
パッチの適用プロセスでは、さまざまな種類の衝突が報告される可能性があります。衝突が報告された場合は、目的のパッチを適用する前に衝突を解決する必要があります。
表 3-7 では、適用時の検証で報告される可能性がある衝突の種類について説明し、それぞれの種類について解決の手順を示します。
表 3-7 パッチの適用時の衝突状況
報告される衝突 | 適用するよう選択したパッチの状況 | この衝突を解決して選択したパッチを適用する手順 |
---|---|---|
前提条件が満たされていません |
このパッチを適用する前に、別のパッチを適用する必要がある |
|
順序が間違っています |
このパッチを適用する前に、適用されている別のパッチをいったん削除する必要がある |
|
相互に排他的です |
このパッチと併用できない別のパッチがすでに適用されている。 |
対象インストールに適用する必要があるパッチを選択し、必要に応じて適用する。 |
問題解決に必要な情報を My Oracle Support に提供する作業が容易になるように、Smart Update には、特定のパッチ プロファイルに適用されているパッチに関する情報を簡単にキャプチャする方法が用意されています。その方法とは、メンテナンス スナップショットを作成することです。これは、[パッチの管理] タブで選択されたパッチ プロファイルに関する情報 (当該プロファイルに適用されている各パッチの ID など) を含んだ、プレーンな ASCII ファイルです。
My Oracle Support に問題を報告すると、問題解決の最初の手順として、このスナップショットを提供するよう求められます。したがって、問題が発生した場合は、あらかじめメンテナンス スナップショットを用意してからカスタマ サポートに連絡することを強くお勧めします。
メンテナンス スナップショットは、Smart Update グラフィカル インタフェースを使用してすぐに作成できます。
Smart Update のメイン ウィンドウにある [対象インストール] パネルで、報告する問題が発生した製品インストールを選択します。
[パッチの管理] タブで、報告する問題が発生したパッチ プロファイルを選択します。
[パッチ|パッチ プロファイル|スナップショットの保存] を選択します。
メンテナンス スナップショットの名前と場所の指定を求めるダイアログ ボックスが表示されます。デフォルトでは、メンテナンス スナップショット ファイルは BEA_HOME
\utils\bsu
内に作成されます。別の場所を指定する場合は、目的の場所にあるファイルへのアクセスに必要な権限があることを確認してください。
メンテナンス スナップショットは、Smart Update コマンドライン インタフェースを使用して作成することもできます。その方法については、「8.3 コマンドライン インタフェースの例」に示す例を参照してください。
メンテナンス スナップショットを作成する際には、必ず次の事項を守ることをお勧めします。
1 つの製品インストールに関するメンテナンス スナップショットは 1 つの場所にまとめ、見つけやすい場所に保存する。
他のメンテナンス スナップショットと混同しないよう、内容を区別しやすいファイル名を付ける。たとえば、パッチ プロファイルの名前を示すようにする (MyCustomProfile.txt
など)。
メンテナンス スナップショットを My Oracle Support に送付する際には、サポート関連の行動を必ず記録しておいてください。
WebLogic Server パッチはサーバ、クライアントまたは両方で適用できます。この節ではクライアントにパッチを適用するのに必要な手順を示します。
Smart Update を使用してパッチをダウンロードおよび適用します。
BEA_HOME
\patch_wls1030\patch_jars
で 「パッチ JAR ファイル」を探します。
注意 : ダウンロード ディレクトリ (BEA_HOME \utils\bsu\cache_dir ) とは異なります。 |
適切なディレクトリに「パッチ JAR ファイル」内のクラス ファイルをコピーするか、またはファイルが置かれたディレクトリへのパスをクラスパスの先頭に配置して JMS クライアント環境でクラス jar を参照します。
Smart Update を使用してパッチをダウンロードします。
パッチはデフォルトで BEA_HOME
\utils\bsu\cache_dir
にコピーされます。異なるディレクトリを指定した場合 (「3.1.1 他の BEA_HOME ディレクトリの指定」を参照)、パッチはそのディレクトリにコピーされます。
パッチ ファイルから「パッチ JAR ファイル」を抽出します (たとえば、パッチ ファイル 7XHQ.jar
から CR322355_100mp1.jar
ファイルを抽出します)。
適切なディレクトリに「パッチ JAR ファイル」内のクラス ファイルをコピーするか、またはファイルが置かれたディレクトリへのパスをクラスパスの先頭に配置して JMS クライアント環境でクラス jar を参照します。