ヘッダーをスキップ

Oracle Enterprise Manager アドバンスト構成
10gリリース5(10.2.0.5.0)

B53907-01
目次
目次
索引
索引

戻る 次へ

2 Enterprise Managerコンポーネントの起動および停止

管理サービス、管理エージェント、Grid Controlコンソール、Application Server ControlコンソールやDatabase Controlを起動および停止するには、Enterprise Managerコマンドライン・ユーティリティ(emctl)を使用します。

コマンドライン・ユーティリティの機能は次のカテゴリに分けられます。

2.1 Oracle Management Agentの制御

次の項では、Enterprise Managerコマンドライン・ユーティリティ(emctl)を使用してOracle Management Agentを制御する方法を説明します。

2.1.1 UNIX上の管理エージェントの起動、停止およびステータス確認

UNIXシステム上の管理エージェントの起動、停止またはステータス確認を行うには、次のようにします。

  1. ディレクトリをAGENT_HOME/binディレクトリに変更します。

  2. 表2-1内の該当するコマンドを使用します。

    たとえば、管理エージェントを停止するには次のコマンドを入力します。

    $PROMPT> cd AGENT_HOME/bin
    $PROMPT> ./emctl stop agent
    
    表2-1    管理エージェントの起動、停止およびステータス確認 
    コマンド  目的 

    emctl start agent 

    管理エージェントを起動します。 

    emctl stop agent 

    管理エージェントを停止します。 

    emctl status agent 

    管理エージェントが実行中の場合、このコマンドで、エージェント・ホーム、プロセスIDおよび最後に成功した管理リポジトリへのアップロードの日時など、管理エージェントに関するステータス情報を表示します(例2-1)。 

    例2-1    管理エージェントのステータス確認

    $PROMPT> ./emctl status agent
    Oracle Enterprise Manager 10g Release 10.2.0.0.0
    Copyright (c) 1996, 2005 Oracle Corporation.  All rights reserved.
    -----------------------------------------------------------------
    Agent Version     : 10.2.0.0.0
    OMS Version       : 10.2.0.0.0
    Protocol Version  : 10.2.0.0.0
    Agent Home        : /scratch/OracleHomesX/agent10g
    Agent binaries    : /scratch/OracleHomesX/agent10g
    Agent Process ID  : 17604
    Parent Process ID : 17587
    Agent URL         : https://stadj32.us.oracle.com:3872/emd/main/
    Repository URL    : https://stadj32.us.oracle.com:1159/em/upload
    Started at        : 2005-09-13 01:31:11
    Started by user   : test
    Last Reload       : 2005-09-13 01:31:11
    Last successful upload                       : 2005-09-13 01:39:01
    Total Megabytes of XML files uploaded so far :     0.28
    Number of XML files pending upload           :        0
    Size of XML files pending upload(MB)         :     0.00
    Available disk space on upload filesystem    :     8.36%
    Last successful heartbeat to OMS             : 2005-09-13 01:38:51
    ---------------------------------------------------------------
    Agent is Running and Ready
    $PROMPT> 
    
    

大規模なメモリー構成を使用するIBM AIX環境で、管理エージェントによって多数のターゲットが監視されている場合、エージェントが起動しないことがあります。この問題を回避するには、管理エージェントを起動する前に、シェル内で次の変数を設定します。

LDR_CNTRL="MAXDATA=0x80000000"@NOKRTL
AIX_THREADSCOPE=S

LDR_CNTRL変数は、データ・セグメントのサイズを設定し、カーネル空間でのランタイム・ライブラリのロードを無効にします。AIX_THREADSCOPEパラメータは、AIXスレッドスコープのコンテキストを、デフォルトのP(プロセス全体)からS(システム全体)に変更します。これにより、mutexの競合が少なくなります。

2.1.2 Windows上の管理エージェントの起動および停止

WindowsシステムにOracle Management Agentをインストールすると、インストール時に
3つの新規サービスが「サービス」コントロール パネルに作成されます。

「サービス」コントロール パネルにアクセスする手順は、使用しているMicrosoft Windowsのバージョンによって異なります。たとえばWindows 2000では、「スタート」メニューから「設定」「管理ツール」を選択して「サービス」コントロール パネルに移動します。


注意:

2.2.1項に記載されているemctlユーティリティは、管理エージェントをインストールしたOracleホームのbinサブディレクトリで使用可能です。しかし、管理エージェントの起動および停止をWindowsシステム上で行う場合は「サービス」コントロール パネルの使用をお薦めします。 


表2-2では、管理エージェントを制御する場合に使用するWindowsサービスについて説明します。

表2-2    管理エージェントをWindowsにインストールする場合にインストールおよび構成されるサービスの要約 
コンポーネント  サービス名の書式  説明 

Oracle Management Agent 

Oracle<agent_home>Agent

次に例を示します。

OracleOraHome1Agent
 

これを使用して管理エージェントを起動および停止します。 

Oracle SNMP Peer Encapsulator 

Oracle<oracle_home>SNMPPeerEncapsulator

次に例を示します。

OracleOraHome1PeerEncapsulator
 

このサービスは、Simple Network Management Protocol(SNMP)の高度な機能を使用する場合にのみ使用します。

詳細は、『Oracle SNMPサポート・リファレンス・ガイド』を参照してください。 

Oracle Peer SNMP Master Agent 

Oracle<oracle_home>SNMPPeerMasterAgent

次に例を示します。

OracleOraHome1PeerMasterAgent
 

このサービスは、Simple Network Management Protocol(SNMP)の高度な機能を使用する場合にのみ使用します。

詳細は、『Oracle SNMPサポート・リファレンス・ガイド』を参照してください。 


注意:

Windows NTシステムで管理エージェントを起動または停止する際に問題が発生した場合、次のemctlコマンドを使用して管理エージェントを停止してください。

$PROMPT> <AGENT_HOME>/bin/emctl istop agent

emctl istop agentコマンドを使用して管理エージェントを停止した後、「サービス」コントロール パネルを使用して管理エージェントを起動します。

この問題および解決方法はWindows NTプラットフォームにのみ適用されます。Windows 2000またはWindows XPシステムなど、他のWindowsプラットフォームには適用されません。 


2.1.3 Windows上の管理エージェントのステータス確認

Windowsシステム上の管理エージェントのステータスを確認するには、次のようにします。

  1. ディレクトリをAGENT_HOMEディレクトリ内の次の場所に変更します。

    AGENT_HOME/bin
    
    
  2. 次のemctlコマンドを入力して管理エージェントのステータスを確認します。

    $PROMPT> ./emctl status agent
    
    

管理エージェントが実行中の場合、このコマンドで、エージェント・ホーム、プロセスIDおよび最後に成功した管理リポジトリへのアップロードの日時など、管理エージェントに関するステータス情報を表示します(例2-1)。

2.2 Oracle Management Serviceの制御

次の項ではOracle Management Serviceを制御する方法を説明します。

2.2.1 UNIX上の管理サービスの制御

Oracle Management ServiceをUNIXシステム上で起動および停止するには2つの方法があります。Oracle Process Manager and Notification(OPMN)ユーティリティを使用するか、一連のemctlコマンドを使用することもできます。

次の項では、管理サービスを制御するこの2つの方法、およびGrid Controlコンソールでも必要となるOracleAS Web Cacheの起動および停止方法を説明します。

2.2.1.1 OPMNを使用した管理サービスの起動および停止

管理サービスを起動および停止する方法の1つでは、Oracle Process Manager and Notification(OPMN)ユーティリティを使用します。OPMNユーティリティ(opmnctl)は、Oracle Application Serverインスタンスのコンポーネントを起動および停止するために使用される標準的なコマンドです。

管理サービスは、アプリケーション・サーバー内のOracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)インスタンスで実行されるJ2EEアプリケーションです。このため、次のコマンドによって、OC4J_EMインスタンスおよび管理サービス・アプリケーションを含むOracle Application Serverインスタンスのすべてのコンポーネントが起動します。

$PROMPT> cd opmn/bin
$PROMPT> ./opmnctl startall

同様に、次のコマンドによってOracle Application Serverインスタンスのすべてのコンポーネントが停止します。

$PROMPT> ./opmnctl stopall

管理サービスの実行に必要なコンポーネントのみを起動する場合は、Enterprise Managerコマンドライン・ユーティリティを使用します。

2.2.1.2 emctlを使用したOracle Management Serviceの起動、停止およびステータス確認

Enterprise Managerコマンドライン・ユーティリティによって管理サービスの起動、停止またはステータス確認を行うには、次のようにします。

  1. ディレクトリを管理サービス・ホームのORACLE_HOME/binディレクトリに変更します。

  2. 表2-3内の該当するコマンドを使用します。

    たとえば、管理サービスを停止するには次のコマンドを入力します。

    $PROMPT> cd bin
    $PROMPT> ./emctl stop oms
    
    表2-3    管理サービスの起動、停止およびステータス確認 
    コマンド  目的 

    emctl start oms 

    管理サービスJ2EEアプリケーションの実行に必要なOracle Application Serverコンポーネントを起動します。具体的にはこのコマンドによってOPMN、Oracle HTTP Server、および管理サービスがデプロイされているOC4J_EMインスタンスが起動します。

    注意:Oracle Application Server Web Cacheはemctl start omsコマンドでは起動しません。詳細は、「Oracle Application Server Web Cacheの起動および停止」を参照してください。 

    emctl stop oms 

    管理サービスを停止します。

    Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)ユーティリティによって管理されている他のプロセスは、このコマンドによって停止しないので注意してください。

    Oracle HTTP ServerおよびOracle Application Server Web Cacheなどの他のOracle Application Serverコンポーネントを停止するには、「Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlの起動および停止」を参照してください。 

    emctl status oms 

    管理サービスが実行中かどうかを示すメッセージを表示します。 

2.2.1.3 Oracle Application Server Web Cacheの起動および停止

デフォルトでは、Oracle Enterprise Manager 10gをインストールすると、Grid ControlコンソールはOracle Application Server Web Cacheを使用するように構成されます。

関連項目

Oracle Application Server Web Cacheの詳細は『Oracle Application Server Web Cache管理者ガイド』 

Oracle Application Server Web CacheではGrid Controlコンソールのパフォーマンスが改善されるだけでなく、Enterprise Manager Webアプリケーションのエンドユーザー・パフォーマンスを測定することも可能になります。

関連項目

エンドユーザー・パフォーマンスの監視とEnterprise Manager Webアプリケーションの詳細は第7章「サービスの構成」 

Oracle Application Server Web Cacheを使用してGrid Controlコンソールを表示するには、Oracle Enterprise Manager 10gのインストール時に割り当てた標準的なポート番号を使用してGrid Controlコンソールにアクセスします。このデフォルトのポート番号(通常は7777)はsetupinfo.txtファイルに記述されており、このファイルはEnterprise Managerのインストール時に次のディレクトリにコピーされます。

AS_HOME/Apache/Apache

Oracle Application Server Web Cacheが実行されていない場合、デフォルトのポート番号を使用してGrid Controlコンソールにアクセスしようとすると、次のようなエラー・メッセージが表示されます。

HTTP 500 - Internal server error

Oracle Application Server Web Cacheを起動するには、次のようにします。

  1. ディレクトリを管理サービス・ホームのORACLE_HOME/opmn/binディレクトリに変更します。

  2. 表2-4内の該当するコマンドを使用します。

    たとえば、Oracle Application Server Web Cacheを停止するには次のコマンドを入力します。

    $PROMPT> cd opmn/bin
    $PROMPT> ./opmnctl stopproc ias-component=WebCache
    
    表2-4    Oracle Application Server Web Cacheの起動、停止およびステータス確認 
    コマンド  目的 

    opmnctl startproc ias-component=WebCache 

    Oracle Application Server Web Cacheを起動します。 

    opmnctl stopproc ias-component=WebCache 

    Oracle Application Server Web Cacheを停止します。 

    opmnctl status 

    Oracle Application Server Web Cacheなどの、OPMNによって管理されているすべてのアプリケーション・サーバー・コンポーネントのステータスを示すメッセージを表示します。 

2.2.2 Windows上の管理サービスの制御

WindowsシステムにOracle Management Serviceをインストールすると、インストール時に
3つの新規サービスが「サービス」コントロール パネルに作成されます。

「サービス」コントロール パネルにアクセスする手順は、使用しているMicrosoft Windowsのバージョンによって異なります。たとえばWindows 2000では、「スタート」メニューから「設定」「管理ツール」を選択して「サービス」コントロール パネルに移動します。


注意:

2.2.1項に記載されているemctlユーティリティは、管理サービスをインストールしたOracleホームのbinサブディレクトリで使用可能です。しかし、管理サービスの起動および停止をWindowsシステム上で行う場合は「サービス」コントロール パネルの使用をお薦めします。 


表2-5では、Oracle Management Serviceを制御する場合に使用するWindowsサービスについて説明します。

表2-5    Oracle Management ServiceをWindowsにインストールする場合にインストールおよび構成されるサービスの要約 
コンポーネント  サービス名の書式  説明 

Application Server Control 

Oracle<oracle_home>ASControl

次に例を示します。

OracleOraHome1ASControl
 

このサービスは、管理サービスJ2EEアプリケーションをデプロイするためにインストールおよび構成されたOracle Application Serverインスタンスに対するApplication Server Controlを起動および停止する場合に使用します。 

Oracle Process Manager and Notification(OPMN) 

Oracle<oracle_home>ProcessManager

次に例を示します。

OracleOraHome1ProcessManager
 

このサービスは、管理サービスJ2EEアプリケーションをデプロイするためにインストールおよび構成されたOracle Application Serverインスタンスのすべてのコンポーネントを起動および停止する場合に使用します。

このサービスは、Grid Controlコンソールにアクセスするためにデフォルトで稼働する必要がある管理サービスおよびすべての関連コンポーネント(OC4J、Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheなど)を起動および停止する場合に使用します。 

2.3 Application Server Controlの制御

Application Server Controlは、Oracle Enterprise Manager 10gのコンポーネントで、Oracle Application Serverをインストールすると必ずインストールされます。次の項ではApplication Server Controlを起動および停止する方法を説明します。

2.3.1 UNIX上のApplication Server Controlの起動および停止

UNIXシステム上のApplication Server Controlコンソールを制御するには、Oracle Application Serverのインストール後にIAS_HOME/binディレクトリで有効なemctlコマンドライン・ユーティリティを使用します。

Application Server Controlコンソールを起動するには、ディレクトリをIAS_HOME/binディレクトリに変更し、次のコマンドを入力します。

$PROMPT> ./emctl start iasconsole

Application Server Controlコンソールを停止するには次のコマンドを入力します。

$PROMPT> ./emctl stop iasconsole

2.3.2 Windows上のApplication Server Controlの起動および停止

Windowsシステム上のApplication Server Controlを起動または停止するには、次のようにします。

  1. 「サービス」コントロール パネルを開きます。

    たとえばWindows NTでは、「スタート」「設定」「コントロール パネル」を選択して「サービス」アイコンをダブルクリックします。

    Windows 2000では、「スタート」「管理ツール」「サービス」を選択します。

  2. サービス・リストでApplication Server Controlを探します。

    このサービスの名前は通常Oracleで始まり、インストール時に指定したホーム・ディレクトリ名が続き、ASControlで終わります。たとえば、AS10gをOracleホームとして指定した場合、サービス名は次のようになります。

    OracleAS10gASControl
    
    
  3. サービスの場所を確認すると、「サービス」コントロール パネルを使用してApplication Server Controlサービスの起動または停止ができるようになります。

    デフォルトでは、システムが起動するとApplication Server Controlサービスは自動的に起動するように構成されています。

また、NET START Oracleoms10gASControlを使用して、Windows上でOracle Application Server Controlコンソール(iasconsole)を起動することもできます。

Windows上でOracle Application Server Controlコンソール(iasconsole)を停止するには、NET STOP Oracleoms10gASControlを使用します。

2.4 UNIX上のDatabase Controlの制御

Oracle Enterprise Manager 10g Database Controlコンソールは、Oracle Enterprise Manager 10gのコンポーネントで、Oracle Database 10gをインストールすると必ずインストールされます。

Database Controlを制御するには、Oracle Database 10gのインストール後に
ORACLE_HOME/binディレクトリで有効なemctlコマンドライン・ユーティリティを使用します。

2.4.1 UNIX上のDatabase Controlの起動

Database Controlを、関連付けられている管理エージェントおよび管理サービスとともに起動するには、次のようにします。

  1. 管理対象データベース・インスタンスのOracleホームおよびシステム識別子(SID)を指定するように、次の環境変数を設定します。

    • ORACLE_HOME

    • ORACLE_SID

  2. ディレクトリをORACLE_HOME/binディレクトリに変更します。

  3. 次のコマンドを入力します。

    $PROMPT> ./emctl start dbconsole
    

2.4.2 UNIX上のDatabase Controlの停止

Database Controlを、関連付けられている管理エージェントおよび管理サービスとともに停止するには、次のようにします。

  1. 管理対象データベース・インスタンスのOracleホームおよびシステム識別子(SID)を指定するように、次の環境変数を設定します。

    • ORACLE_HOME

    • ORACLE_SID

  2. ディレクトリをORACLE_HOME/binディレクトリに変更します。

  3. 次のコマンドを入力します。

    $PROMPT> ./emctl stop dbconsole
    

2.4.3 Windows上のDatabase Controlの起動および停止

Windowsシステム上のDatabase Controlを起動または停止するには、次のようにします。

  1. 「サービス」コントロール パネルを開きます。

    たとえばWindows NTでは、「スタート」「設定」「コントロール パネル」を選択して「サービス」アイコンをダブルクリックします。

    Windows 2000では、「スタート」「管理ツール」「サービス」を選択します。

  2. サービス・リストでDatabase Controlを探します。

    このサービスの名前は通常Oracleで始まり、インストール時に指定したホーム・ディレクトリ名およびデータベース・システム識別子(SID)が続き、DBControlで終わります。たとえば、DB10gをOracleホームとして指定した場合、サービス名は次のようになります。

    OracleDB10gDBControl
    
    
  3. サービスの場所を確認すると、「サービス」コントロール パネルを使用してDatabase Controlサービスの起動または停止ができるようになります。

    デフォルトでは、システムが起動するとDatabase Controlサービスは自動的に起動するように構成されています。

2.4.2項で説明しているように、emctl start dbconsoleを使用して、Windows上でDatabase Controlを起動することもできます。

2.5 単一ホストで複数のEnterprise Managerコンポーネントを起動する際のガイドライン

Oracle Enterprise Manager 10gコンポーネントは、各種のOracleソフトウェア製品の管理に使用されます。たとえば、Oracle Application Server 10g(9.0.4)インスタンスをインストールすると、Application Server Controlもインストールされます。同様に、Oracle Database 10gをインストールすると、Database Controlもインストールされます。また、Database Controlによってシステムを集中管理する場合は、監視対象の各ホスト上に管理エージェントもインストールされています。

本番環境では、ソフトウェア・リソースのパフォーマンスおよび可用性を向上させるため、複数のホスト間にデータベースおよびアプリケーション・サーバー・インスタンスを分散させる場合がほとんどです。ただし、同一ホスト上に複数のアプリケーション・サーバーまたはデータベースをインストールする必要がある場合は、次のガイドラインを参考にしてください。

Application Server Control、管理エージェントまたはDatabase Controlを起動すると、Enterprise Managerはすぐにホストおよびその管理対象ターゲットに関する重要な監視データの収集を開始します。ホスト上のコンポーネントの起動プロセスを開発する際は、このことを念頭に置いてください。

特に、次のプロセスが起動処理を開始する前に各Enterprise Managerプロセスが確実に起動できるように、起動プロセスの時間をずらすことを考慮してください。

たとえば、同一ホスト上にOracleAS Infrastructure 10g、J2EE and Web Cacheアプリケーション・サーバー・インストール・タイプおよび管理エージェントをインストールしていると仮定します。(システムの再起動の後などに)すべてのコンポーネントを起動する場合は、次のようなプロセスを使用します。

  1. opmnctl startallコマンドを使用して、OracleAS Infrastructure 10gホーム・ディレクトリ内のすべてのOPMN管理プロセスを起動します。

  2. 15秒間待ちます。

  3. emctl start iasconsoleコマンドを使用して、OracleAS Infrastructure 10gホーム・ディレクトリ内のApplication Server Controlを起動します。

  4. 15秒間待ちます。

  5. opmnctl startallコマンドを使用して、J2EE and Web Cacheホーム・ディレクトリ内のすべてのOPMN管理プロセスを起動します。

  6. 15秒間待ちます。

  7. emctl start iasconsoleコマンドを使用して、J2EE and Web Cacheホーム・ディレクトリ内のApplication Server Controlを起動します。

  8. 15秒間待ちます。

  9. emctl start agentコマンドを使用して、ホストの管理エージェントを起動します。

前述の例のような時間差をおく起動手順を使用することによって、各コンポーネントのCPU集中型の起動段階において、リソースに対するプロセスの競合が回避されます。

2.6 Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlの起動および停止

これまでの項で記述されているとおり、Oracle Management Service、Oracle Management Agent、およびGrid Controlが依存するOracle Application Serverコンポーネントを制御するには別々のコマンドを使用します。

次の項では、Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlコンソールのインストール時にインストールされるすべてのGrid Controlコンポーネントを停止および起動する方法を説明します。

この手順を使用して、システムの再起動後にすべてのフレームワーク・コンポーネントを起動することや、システム・メンテナンスのためにシステムを停止する前にすべてのコンポーネントを停止することができます。

2.6.1 Grid Controlとそのすべてのコンポーネントの起動

次の手順には、Grid Controlのすべてのコンポーネントの起動に必要なステップがまとめられています。たとえば、ホスト・コンピュータを再起動していて、Grid Controlのすべてのコンポーネントがそのホスト上にインストールされている場合は、この手順を使用します。

ホスト上のすべてのGrid Controlコンポーネントを起動するには、次のようにします。

  1. Oracle Management Repositoryがホスト上にある場合は、管理リポジトリをインストールした対象のデータベースのOracleホームにディレクトリを変更し、データベースおよびそのデータベースのNet Listenerを起動します。

    1. ORACLE_HOME環境変数を管理リポジトリ・データベースのホーム・ディレクトリに設定します。

    2. ORACLE_SID環境変数を管理リポジトリ・データベースのSID(デフォルトはasdb)に設定します。

    3. Net Listenerを起動します。

      $PROMPT> $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl start
      
      
    4. 管理リポジトリ・データベース・インスタンスを起動します。

      ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog
      SQL> connect SYS as SYSDBA
      SQL> startup
      SQL> quit
      

      関連項目

      Oracle Databaseの起動および停止の詳細は『Oracle Database管理者ガイド』 

  2. Oracle Management Serviceを起動します。

    $PROMPT> ORACLE_HOME/bin/emctl start oms
    

    関連項目

    「Oracle Management Serviceの制御」 

  3. OracleAS Web Cacheを起動します。

    $PROPMT> $ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startproc ias-component=WebCache
    
    
  4. ディレクトリをOracle Management Agentのホーム・ディレクトリに変更し、管理エージェントを起動します。

    $PROMPT> AGENT_HOME/bin/emctl start agent
    

    関連項目

    「Oracle Management Agentの制御」 


    注意:

    emctl start agentコマンドは、管理サービスのホーム・ディレクトリではなく、必ずOracle Management Agentホーム・ディレクトリで実行してください。 


  5. オプションで、管理サービスをデプロイするOracle Application Serverインスタンスの管理に使用される、Application Server Controlコンソールを起動します。

    $PROMPT> $ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
    

    関連項目

    「Application Server Controlの制御」 

2.6.2 Grid Controlとそのすべてのコンポーネントの停止

次の手順には、Grid Controlのすべてのコンポーネントの停止に必要なステップがまとめられています。たとえば、ホスト・コンピュータを停止または再起動する対象のホストと同じホストに、Grid Controlのすべてのコンポーネントをインストールしている場合は、この手順を使用します。

ホスト上のすべてのGrid Controlコンポーネントを停止するには、次のようにします。

  1. Oracle Management Serviceを停止します。

    $PROMPT> $ORACLE_HOME/bin/emctl stop oms
    

    関連項目

    「Oracle Management Serviceの制御」 

  2. 必要な場合は、管理サービスをデプロイするOracle Application Serverインスタンスの管理に使用される、Application Server Controlコンソールを停止します。

    $PROMPT> $ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
    

    関連項目

    「Application Server Controlの制御」 

  3. Oracle HTTP ServerやOracleAS Web CacheなどのすべてのOracle Application Serverコンポーネントを停止します。

    $PROMPT> $ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
    

    関連項目

    『Oracle Application Server管理者ガイド』 

  4. ディレクトリをOracle Management Agentのホーム・ディレクトリに変更し、管理エージェントを停止します。

    $PROMPT> AGENT_HOME/bin/emctl stop agent
    

    関連項目

    「Oracle Management Agentの制御」 


    注意:

    emctl stop agentコマンドは、Oracle Application Serverホーム・ディレクトリではなく、必ずOracle Management Agentホーム・ディレクトリで実行してください。 


  5. Oracle Management Repositoryが同じホスト上にある場合は、管理リポジトリをインストールした対象のデータベースのOracleホームにディレクトリを変更し、データベースおよびそのデータベースのNet Listenerを停止します。

    1. ORACLE_HOME環境変数を管理リポジトリ・データベースのホーム・ディレクトリに設定します。

    2. ORACLE_SID環境変数を管理リポジトリ・データベースのSID(デフォルトはasdb)に設定します。

    3. データベース・インスタンスを停止します。

      $PROMPT> ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog
      SQL> connect SYS as SYSDBA
      SQL> shutdown
      SQL> quit
      

      関連項目

      Oracle Databaseの起動および停止の詳細は『Oracle Database管理者ガイド』 

    4. Net Listenerを停止します。

      $PROMPT> $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop
      

2.7 その他の管理エージェント・コマンド

次の項では、管理エージェントの制御に使用できる、その他のemctlコマンドについて説明します。

2.7.1 管理リポジトリへのデータのアップロードおよびリロード

通常の環境では、管理対象ターゲットについての情報は管理エージェントによって管理サービスへ定期的にアップロードされます。

ただし、管理サービスへのデータの即時アップロードや、管理エージェント・ホーム・ディレクトリに保存されているターゲットの定義および属性のリロードを、強制的に実行できる2つのEnterprise Managerコマンドがあります。

このコマンドを使用するには、ディレクトリをAGENT_HOME/binディレクトリ(UNIX)またはAGENT_HOME\binディレクトリ(Windows)に変更し、表2-6の該当するコマンドを入力します。

表2-6    手動による管理データのリロードおよびアップロード 
コマンド  目的 

emctl upload 

管理対象ホストから管理サービスに対する現在の管理データの即時アップロードを強制実行するには、このコマンドを使用します。このコマンドは、次に予定されているデータのアップロードまで待てない場合に使用できます。 

emctl reload 

このコマンドは、emd.propertiesファイルを変更する場合に使用できます。たとえば、アップロード間隔を変更するには、emd.propertiesを変更した後、emctl reloadを実行できます。このコマンドは、管理エージェント構成ファイル(.XML)が手動で編集されたときに使用できます。たとえば、管理対象ターゲットの属性を定義しているtargets.xmlファイルに対して変更が行われた場合、変更されたターゲット情報がこのコマンドによって管理サービスにアップロードされ、管理サービスでは管理リポジトリ内の情報が更新されます。

注意:手順が明確に文書化されている場合またはOracleサポートからユーザーに指示があった場合を除いて、手動によるtargets.xmlファイルの編集はサポートされていません。 

2.7.2 新規のターゲット監視資格証明の指定

データベース・ターゲットのパフォーマンスを監視するため、Enterprise Managerはデータベースのユーザー名およびパスワードを使用してデータベースに接続されます。このユーザー名とパスワードの組合せが、データベースの監視資格証明と呼ばれます。


注意:

この項の指示はデータベース・ターゲットの監視資格証明に固有のものですが、監視資格証明が必要な他のあらゆるターゲット・タイプに対してこの手順を使用できます。たとえば、この手順を使用してOracle Management Serviceおよび管理リポジトリに対する新規の監視資格証明を指定できます。

管理リポジトリの監視資格証明の詳細は、「SYSMANパスワードの変更」を参照してください。 


Oracle9iデータベース・ターゲットを最初に追加したとき、または管理エージェントのインストール時に追加されたとき、Enterprise Managerでは監視資格証明として、DBSNMPデータベース・ユーザー・アカウントとDBSNMPアカウントのデフォルト・パスワードが使用されます。

Oracle Database 10gをインストールする際、データベースのインストール手順でDBSNMP監視パスワードを指定します。

このため、DBSNMPデータベース・ユーザー・アカウントのパスワードが変更されている場合は、データベース・ターゲットのプロパティを変更して、Enterprise Managerが引き続きデータベースに接続して構成およびパフォーマンス・データを収集できるようにする必要があります。

同様に、Grid Controlに新規のOracle Database 10gターゲットを追加したらすぐに、データベースのインストール時に定義したDBSNMPパスワードを認識するようにターゲットを設定する必要があります。設定しないと、「データベース」ホームページに監視データが何も表示されず、データベースのステータスにメトリック収集エラーが示される可能性があります。

Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlコンソール、またはEnterprise Managerコマンドライン・ユーティリティ(emctl)を使用して、Enterprise Managerの監視資格証明を変更できます。

2.7.2.1 Grid Controlコンソールを使用した監視資格証明の変更

Oracle Enterprise Manager 10g Grid ControlコンソールでDBSNMPアカウントのパスワードを変更するには、次のようにします。

  1. Grid Controlコンソールで「ターゲット」タブをクリックします。

  2. 「データベース」サブタブをクリックして、監視しているデータベース・ターゲットを一覧表示します。

  3. データベースを選択して「構成」をクリックします。

    Enterprise Managerに「データベースの構成: プロパティ」ページが表示されます。

  4. 「モニター・パスワード」フィールドにDBSNMPアカウントの新しいパスワードを入力します。

  5. 「接続テスト」をクリックして、監視資格証明が正しいことを確認します。

  6. 接続に成功したら、データベース構成ウィザードの最後まで進み、「発行」をクリックします。

2.7.2.2 Enterprise Managerコマンドラインを使用した監視資格証明の変更

Enterprise Managerコマンドライン・ユーティリティで新しい監視資格証明を入力するには、次のようにします。

  1. ディレクトリを、AGENT_HOME/binディレクトリ(UNIX)またはAGENT_HOME\binディレクトリ(Windows)に変更します。

  2. 次のコマンドを入力して、新しい監視資格証明を指定します。

    $PROMPT>./emctl config agent credentials [Target_name[:Target_Type]]
    
    

    正しいターゲット名およびターゲット・タイプを確認するには、「管理対象ホスト上のターゲットの一覧表示」を参照してください。

    例2-2には、プロンプトと、コマンドから返される出力の例が示されています。

    例2-2    データベースの監視資格証明の変更

    $PROMPT>./emctl config agent credentials emrep10.acme.com:oracle_database
    Oracle Enterprise Manager 10g Release 10.1.0.2.0
    Copyright (c) 2002, 2003 Oracle Corporation.  All rights reserved.
    Name = emrep10.us.oracle.com, Type = oracle_database
    Want to change for "UserName" (y/n):n
    Want to change for "password" (y/n):y
    Enter the value for "password" :*******
    EMD reload completed successfully
    

2.7.3 管理対象ホスト上のターゲットの一覧表示

管理している特定のターゲットの名前およびタイプを提供することが必要な場合があります。たとえば、ターゲットの監視資格証明を設定するときは、ターゲットの名前およびタイプを知っておく必要があります。

特定の管理エージェントで現在監視されている、各ターゲットの名前およびタイプを一覧表示するには、次のようにします。

  1. ディレクトリを、AGENT_HOME/binディレクトリ(UNIX)またはAGENT_HOME¥binディレクトリ(Windows)に変更します。

  2. 次のコマンドを入力して、新しい監視資格証明を指定します。

    $PROMPT>./emctl config agent listtargets  [AGENT_HOME]
    
    

    例2-3には、標準的なコマンド出力が示されています。

    例2-3    管理対象ホスト上のターゲットの一覧表示

    ./emctl config agent listtargets
    Oracle Enterprise Manager 10g Release 10.1.0.2.0
    Copyright (c) 2002, 2003 Oracle Corporation.  All rights reserved.
    [usunnab08.us.oracle.com, host]
    [LISTENER_usunnab08.us.oracle.com, oracle_listener]
    [EnterpriseManager.usunnab08.us.oracle.com_HTTP Server, oracle_apache]
    [EnterpriseManager.usunnab08.us.oracle.com_home, oc4j]
    [EnterpriseManager.usunnab08.us.oracle.com_Web Cache, oracle_webcache]
    [EnterpriseManager.usunnab08.us.oracle.com, oracle_ias]
    [EnterpriseManager.usunnab08.us.oracle.com_OC4J_EM, oc4j]
    [EnterpriseManager.usunnab08.us.oracle.com_OC4J_Demos, oc4j]
    [EM_Repository, oracle_emrep]
    [usunnab08.us.oracle.com:1813, oracle_emd]
    [EM Website, website]
    [emrep10.us.oracle.com, oracle_database]
    

2.7.4 ブラックアウトの制御

ブラックアウトを使用すると、Enterprise Managerのユーザーは、管理データ収集アクティビティを1つ以上の管理対象ターゲットで一時停止することができます。たとえば、予定されているメンテナンスや緊急の操作の間、データ収集が行われないようにするため管理者が使用します。

関連項目

Enterprise Managerのブラックアウトの詳細は『Oracle Enterprise Manager概要』の「システムの監視」 

ブラックアウトは、Oracle Enterprise Manager 10g Grid ControlコンソールまたはEnterprise Managerコマンドライン・ユーティリティ(emctl)で制御できます。ただし、コマンドラインでターゲットのブラックアウトを制御している場合は、同じブラックアウトをGrid Controlコンソールでは制御しないでください。同様に、Grid Controlコンソールでターゲットのブラックアウトを制御している場合は、そのブラックアウトをコマンドラインでは制御しないでください。

関連項目

Grid Controlコンソールによるブラックアウトの制御の詳細は、Enterprise Managerのオンライン・ヘルプのブラックアウトの作成、編集および表示に関する項 

コマンドラインでは、次のブラックアウト機能を実行できます。

Enterprise Managerコマンドライン・ユーティリティを使用してブラックアウトを制御するには、次のようにします。

  1. ディレクトリを、AGENT_HOME/binディレクトリ(UNIX)またはAGENT_HOME¥binディレクトリ(Windows)に変更します。

  2. 表2-7内の該当するコマンドを入力します。


    注意:

    ブラックアウトを開始する際、ブラックアウトの影響を受けるターゲットを指定する必要があります。ターゲットの正しいターゲット名およびターゲット・タイプを確認するには、「管理対象ホスト上のターゲットの一覧表示」を参照してください。 


    表2-7    ブラックアウト・コマンドの要約 
    ブラックアウトの操作  コマンド 

    指定したターゲットまたはターゲット一覧に対して即時ブラックアウトを設定 

    emctl start blackout <Blackoutname>
    [<Target_name>[:<Target_Type>]]....
    [-d <Duration>]

    後でブラックアウトの停止またはステータス確認を行うときに指定できるように、ブラックアウトには必ず一意の名前を使用してください。

    -dオプションは、ブラックアウトの期間を指定するために使用します。期間は[days] hh:mmという書式で指定され、それぞれの意味は次のとおりです。

    • daysは日数を示します(オプション)。

    • hhは時間を示します。

    • mmは分を示します。

    ターゲットまたはターゲット一覧を指定しない場合、Enterprise Managerではローカル・ホスト・ターゲットがブラックアウトされます。一覧を指定するか、-nodelevel引数を使用しないかぎり、ホスト上の監視対象ターゲットはすべてブラックアウトされません。

    異なるターゲット・タイプの2つのターゲットが同じ名前を使用している場合は、ターゲットのターゲット・タイプを指定する必要があります。 

    即時ブラックアウトを停止 

    emctl stop blackout <Blackoutname> 

    ホスト上のすべてのターゲットに対して即時ブラックアウトを設定 

    emctl start blackout <Blackoutname> [-nodeLevel] [-d <Duration>]

    -nodeLevelオプションは、ホスト上のすべてのターゲットに対してブラックアウトを指定するために使用します。つまり、管理エージェントのホストを含め、管理エージェントが監視しているすべてのターゲットが対象となります。-nodeLevelオプションは、ブラックアウト名の後に続ける必要があります。-nodeLevelオプションの後にターゲットを指定した場合、そのリストは無視されます。 

    ブラックアウトのステータスを確認 

    emctl status blackout
    [<Target_name>[:<Target_Type>]]....
     

Enterprise Managerコマンドラインからのブラックアウトの制御について、より詳しく学ぶために、次の例を使用します。

2.7.5 管理エージェントのタイムゾーンの変更

管理エージェントは、アップグレード後に構成された時のタイムゾーンと異なることが検知されると、起動しない場合があります。

Enterprise Managerリリース10.1.0.2および10.1.0.3のRACの管理エージェント・インストールには不具合があり、管理エージェントがUTCタイムゾーンで構成されます。

次のコマンドを使用して、管理エージェントで使用されるタイムゾーンを修正できます。

emctl resetTZ agent

このコマンドは、管理エージェント側のタイムゾーンを修正し、管理リポジトリ側で値を修正するために実行される追加のコマンドを指定します。


重要

管理エージェントのタイムゾーンを変更する前に、管理エージェントで管理されているターゲットで現在実行中または実行予定のブラックアウトがあるかどうかを確認してください。 


ブラックアウトを確認するには、次の操作を実行します。

  1. Grid Controlコンソールで、「ターゲット」タブの「すべてのターゲット」に移動し、ターゲットのリストで管理エージェントを探します。管理エージェントの名前をクリックします。これにより、管理エージェントのホームページが表示されます。

  2. 管理エージェントで監視されているターゲットのリストが、「監視ターゲット」セクションに表示されます。

  3. 各ターゲットについて、次の操作を実行します。

    1. ターゲット名をクリックします。これにより、ターゲットのホームページが表示されます。

    2. ホームページの「関連リンク」セクションで、「ブラックアウト」リンクをクリックします。これにより、このターゲットに対して現在実行中または実行予定のブラックアウトを確認できます。

そのようなブラックアウトが存在する場合は、次の操作を実行します。

  1. Grid Controlコンソールから、その管理エージェントで監視されているすべてのターゲットについて現在実行中のブラックアウトをすべて停止します。

  2. Grid Controlコンソールから、その管理エージェントで監視されているすべてのターゲットについて実行予定のブラックアウトをすべて停止します。

現在実行中および実行予定のブラックアウトをすべて停止した後は、emctl resetTZ agentコマンドを実行して、管理エージェントのタイムゾーンを変更できます。

管理エージェントのタイムゾーンの変更後、必要に応じ、ターゲットに対して新しいブラックアウトを作成します。

関連項目

12.1.6項「管理エージェントのタイムゾーンの設定」 

2.7.6 メトリック収集の再評価

リリース10.2の管理エージェントを実行している場合、次のコマンドを使用して、メトリック収集の即時再評価を実行できます。

emctl control agent runCollection <targetName>:<targetType> <colletionItemName>

<collectionItemName>は、メトリックを収集する収集項目の名前です。

このコマンドを実行すると、メトリックの再評価された値が管理リポジトリにアップロードされ、メトリックがしきい値を超えた場合にアラートをトリガーします。

通常、関連メトリックはともに収集されます。ともに収集された一連のメトリックはメトリック収集と呼ばれます。各メトリック収集は独自の名前を持ちます。メトリックを再評価する場合、まずそれが属しているメトリック収集の名前を判別し、次にそのメトリック収集の収集項目を判別する必要があります。

前述のコマンドを実行してメトリックを再評価すると、同じメトリック収集および収集項目に含まれているその他のメトリックもすべて再評価されます。

次の手順を実行して、メトリックに対するメトリック収集名および収集項目名を判別します。

  1. $ORACLE_HOME/sysman/admin/metadataディレクトリに移動します。
    $ORACLE_HOMEは管理エージェントのOracleホームです。

  2. ターゲット・タイプのXMLファイルを探します。たとえば、「使用可能なファイルシステム領域(%)」というホスト・メトリックを対象とする場合は、host.xmlファイルを探します。

  3. XMLファイル内で、対象とするメトリックを探します。メトリックとして認識しているものは、実際にはメトリックの表示名です。メトリック名には、次で始まるタグが先頭に含まれます。

    <Label NLSID=

    たとえば、host.xmlファイルでは、「使用可能なファイルシステム領域(%)」のメトリックには、次のようなエントリが含まれます。

    <Label NLSID="host_filesys_pctAvailable">Filesystem Space Available (%) 
    </Label>
    
    
  4. XMLファイル内でメトリックを検索すると、そのエントリがより大きなエントリの一部であることがわかります。このエントリの先頭は次のとおりです。

    <Metric NAME=

    Metric NAMEに定義されている値をメモに記します。これがメトリック収集の名前です。たとえば、「使用可能なファイルシステム領域(%)」メトリックの場合、エントリは次のようになります。

    <Metric NAME="Filesystems"

    したがって、「使用可能なファイルシステム領域(%)」メトリックの場合、メトリック収集の名前はFilesystemsです。

  5. 次に、このメトリック収集の収集項目を判別する必要があります。
    $ORACLE_HOME/sysman/admin/default_collectionディレクトリに移動します。$ORACLE_HOMEは管理エージェントのOracleホームです。

  6. このディレクトリでは、ターゲット・タイプの収集ファイルを探します。この例では、これはhost.xmlです。

  7. メトリック収集がそれ自体によって収集される場合は、同じ名前の単一の収集項目が収集ファイル内に存在します。メトリック収集にこれが該当するかどうかを判別するには、収集ファイル内で、次で始まるエントリを探します。

    <CollectionItem NAME=

    CollectionItem NAMEに割り当てられている値は、手順4のMetric NAMEと一致します。

    「使用可能なファイルシステム領域(%)」メトリックの場合、収集ファイル内のエントリは次のようになります。

    <CollectionItem NAME = "Filesystems"

  8. そのようなエントリが見つかった場合、CollectionItem NAMEに割り当てられている値が、emctlコマンドで使用可能な収集項目の名前です。

  9. 見つからない場合、メトリック収集は、単一の収集項目下の他のメトリック収集とともに収集されることを意味します。メトリック収集の収集項目を見つけるには、まず、メトリック収集を探します。次のタグが先頭に含まれます。

    <MetricColl NAME=

    見つかったら、その上のファイル内で<CollectionItem NAME=を探します。

    CollectionItem NAMEと関連する値は、emctlコマンドで使用する収集項目の名前です。

    たとえば、「オープン・ポート」というホスト・メトリックを再評価する場合は、前述の手順を使用して次の操作を実行します。

    1. $ORACLE_HOME/sysman/admin/metadataディレクトリに移動します。$ORACLE_HOMEは管理エージェントのOracleホームです。host.xmlファイルを探し、そのファイル内で<Metric NAME="openPorts"を探します。

    2. $ORACLE_HOME/sysman/admin/default_collectionディレクトリに移動します。host.xmlファイルを探し、そのファイル内で
      <CollectionItem NAME="openPorts"を探します。

      見つからなかった場合は、<MetricColl NAME="openPorts"を探します。

    3. そのファイル内で、このエントリより前の部分で<CollectionItem NAME=文字列、および<CollectionItem NAME="oracle_security"を探します。

    oracle_securityという収集項目名が、emctlコマンドを使用して「オープン・ポート」メトリックを再評価する際に使用されます。


戻る 次へ
Oracle
Copyright © 2003, 2009 Oracle Corporation.

All Rights Reserved.
目次
目次
索引
索引