Oracle Enterprise Manager アドバンスト構成 10gリリース5(10.2.0.5.0) B53907-01 |
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Oracle Management AgentまたはOracle Management Serviceをインストールすると、Enterprise Managerでは、特定の情報、警告およびエラー情報などを一連のログ・ファイルに保存するようにシステムが自動的に構成されます。
ログ・ファイルは、Enterprise Managerインストールにおける潜在的な問題を解決する際に役立ちます。このファイルにはEnterprise Managerによって実行された処理の詳細や、警告またはエラーの発生の有無が記述されています。
この章には、Enterprise Managerログ・ファイルの内容の位置確認および参照方法のみでなく、問題解決の場合は詳細を、ディスク領域を節約する場合は概要をそれぞれ提供するようにログ・ファイルを構成する手順についても記載されています。
この章では次の項について説明します。
次の項ではOracle Management Agentのログおよびトレース・ファイルについて説明します。
Oracle Management Agentのログおよびトレース・ファイルには、ユーザーが問題解決のために後で使用できる重要な情報が保存されています。管理エージェントでは3種類のログ・ファイルが使用されます。
emagent.log
)エージェントが処理を実行したとき(起動、停止、管理サービスへの接続など)、またはエージェントでエラーが発生したとき(エージェントが管理サービスへ接続できない場合など)に、情報がログ・ファイルに保存されます。
emagent.trc
)管理エージェント・トレース・ファイルでは、ある問題の発生時にエージェントが実行していた処理についてのより詳しい情報を利用した、高度な問題解決方法を提供します。
emagent.nohup
)管理エージェントでは、エージェントの起動時に問題が発生すると、起動ログ・ファイルにその情報が保存されます。このファイルは管理エージェントのウォッチドッグ・プロセスによって更新されます。ウォッチドッグ・プロセスで問題が発見されると、このファイルに記録されます。
次の表に、その他の管理エージェント・ログ・ファイルを示します。
また、管理エージェントが特定のデータ収集タスクに使用するソフトウェア・プログラムであるfetchletについても、Enterprise Managerでログ・ファイルおよびトレース・ファイルが用意されています。
エージェントのログおよびトレース・ファイルは、エージェントのランタイム・ディレクトリに書き込まれます。ランタイム・ディレクトリを検索するには次のコマンドを使用します。
$ emctl getemhome
ログおよびトレース・ファイルは<EMHOME>/sysman/log
にあります。
管理エージェント・ログ・ファイルおよび管理エージェント・トレース・ファイルは両方とも、ファイルへの情報の書込みに伴ってサイズが拡大するように設計されています。ただし、ファイルの最大サイズも設定されています。ファイルが事前定義された最大サイズに達すると、管理エージェントではロギングまたはトレース情報の名前が変更(ロール)されて新しいファイル名になり、新規のログ・ファイルまたはトレース・ファイルが起動します。このプロセスによって、ログ・ファイルが大きくなりすぎることを防ぎます。
重要なログまたはトレース・ファイル情報へのアクセスを可能にするため、デフォルトでは
4回、管理エージェントでログ・ファイルおよびトレース・ファイルがロールオーバーされます。ログまたはトレース・ファイルのロールオーバーが4回を超えると、一番古いロールオーバー・ファイルは削除されます。
このため通常は、合計で4つのログ・ファイルと4つのトレース・ファイルがログ・ディレクトリにあります。次に示すのは、AGENT_HOME/sysman/log
ディレクトリにある3つのアーカイブ・トレース・ファイルと現在のトレース・ファイルの例です。
emagent.trc emagent.trc.1 emagent.trc.2 emagent.trc.3
ログおよびトレース・ファイルがどのくらいのサイズに達すると管理エージェントでロールオーバー・ファイルが作成されるかを制御できます。また、ロールオーバー・ファイルがいくつ作成されると管理エージェントでロギングまたはトレース・データが削除されるかを制御できます。
管理エージェントのログおよびトレース・ファイルのサイズと数量を制御するには、次のようにします。
emd.properties
ファイルを探します。
AGENT_HOME/sysman/config/ (UNIX) AGENT_HOME¥sysman¥config (Windows)
emd.properties
ファイルを開きます。
emd.properties
ファイル内のエージェントのロギングおよびトレース・プロパティを探して変更します。
表8-2 管理エージェントのログおよびトレース・ファイルのプロパティ
管理エージェント・トレース・ファイルに保存される情報量を変更するには、次のようにします。
emd.properties
ファイルを探します。
AGENT_HOME/sysman/config
emd.properties
ファイルを開き、ファイル内の終わり近くにある次のエントリを探します。
tracelevel.main=WARN tracelevel.emdSDK=WARN tracelevel.emdSDK.util=WARN tracelevel.ResMonitor=WARN tracelevel.Dispatcher=WARN tracelevel.ThreadPool=WARN tracelevel.pingManger=WARN . . .
これらのプロパティはそれぞれ、管理エージェントの各種のサブコンポーネントに対するロギング詳細レベルを制御します。
表8-3 Enterprise Managerコンポーネントのトレース・レベル
管理エージェントのログおよびトレース・ファイルと同様に、管理エージェントのfetchletログ・ファイルおよびトレース・ファイルが最大サイズに達すると、管理エージェントではその情報の名前が変更(ロール)されて新しいファイル名になり、新規のログ・ファイルまたはトレース・ファイルが起動します。
管理エージェントのfetchletログおよびトレース・ファイルの最大サイズ、およびロールオーバー・ファイルの数量を制御するには、次のようにします。
emagentlogging.properties
ファイルを探します。
AGENT_HOME/sysman/config
emagentlogging.properties
ファイルを開き、
表8-4 管理エージェントのサーブレット・ログおよびトレース・ファイルのプロパティ
デフォルトでは、管理エージェントのfetchletで生成されたすべての致命的エラーおよび警告メッセージがemagentfetchlet.trc
ファイルに保存されます。ただし、fetchletが生成するロギング情報量を調整することは可能です。
管理エージェントのfetchletで生成されるトレース情報量を変更するには、次のようにします。
emagentlogging.properties
ファイルを探します。
AGENT_HOME/sysman/config
emagentlogging.properties
ファイルを開き、次のエントリを探します。
log4j.rootCategory=WARN, emagentlogAppender, emagenttrcAppender
log4j.rootCategory
パラメータの値を表8-3に示されている値の1つに変更します。
次の項では管理サービスのログ・ファイルの位置確認および構成方法を説明します。
Oracle Management Serviceのログおよびトレース・ファイルには、ユーザーが問題解決のために後で使用できる重要な情報が保存されています。管理サービスでは2種類のログ・ファイルが使用されます。
emoms.log
)管理サービスが処理を実行したとき(起動、停止など)、または管理サービスでエラーが発生したときに、Oracle Management Serviceでは情報がログ・ファイルに保存されます。
emoms.trc
)管理サービス・トレース・ファイルでは、ある問題の発生時に管理サービスが実行していた処理についてのより詳しい情報を利用した、高度な問題解決方法を提供します。
管理サービスのログおよびトレース・ファイルは、Oracle Management ServiceがインストールされデプロイされているOracle Application Serverホーム内の次のディレクトリに保存されます。
AS_HOME/sysman/log/
管理サービスのログおよびトレース・ファイルは、ファイルへの情報の書込みに伴ってサイズが拡大します。ただし、ファイルの最大サイズも設定されています。ファイルが事前定義された最大サイズに達すると、管理サービスではロギング情報の名前が変更(ロール)されて新しいファイル名になり、新規のログ・ファイルまたはトレース・ファイルが起動します。このプロセスによって、ログおよびトレース・ファイルが大きくなりすぎることを防ぎます。
このため、複数のログおよびトレース・ファイルが管理サービスのログ・ディレクトリにあることがほとんどです。次に示すのは、AS_HOME/sysman/log
ディレクトリにある1つのアーカイブ・ログ・ファイルと現在のログ・ファイルの例です。
emoms.log emoms.log.1
管理サービスのログおよびトレース・ファイルの最大サイズ、およびロールオーバー・ファイルの数量を制御するには、次のようにします。
emomslogging.properties
ファイルを探します。
AS_HOME/sysman/config
emomslogging.properties
ファイルを開き、表8-5に記述されているエントリを変更します。
表8-5 emomslogging.propertiesファイル内の管理サービス・ログ・ファイルのプロパティ
デフォルトでは、管理サービスによってすべての致命的エラーおよび警告メッセージがemoms.trc
ファイルに保存されます。ただし、管理サービスが生成するロギング情報量を調整することは可能です。
管理サービスで生成されるロギング情報量を変更するには、次のようにします。
emomslogging.properties
ファイルを探します。
AS_HOME/sysman/config
emomslogging.properties
ファイルを開き、次のエントリを探します。
log4j.rootCategory=WARN, emlogAppender, emtrcAppender
log4j.rootCategory
パラメータの値を表8-3に示されている値の1つに変更します。
管理サービスは、Application Server内のOracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)インスタンスで実行されるJ2EEアプリケーションです。Application Serverの別のコンポーネントでは、独自のログ・ファイルが生成されます。これらのファイルには、問題解決のために後で使用できる重要な情報が含まれます。
表8-6に、いくつかのコンポーネントのログ・ファイルの場所を示します。
iASファイルには2GBまでしか保存できないため、ログ・ファイルをローテーションするか、ODLに切り替えてください。
これらのログ・ファイルのサイズおよび繰返しの制御方法は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。
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