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Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
11gリリース1(11.1.0.1.0)
B61023-01
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6 追加のOracle Management Serviceの追加

この章では、サイレント・モードで追加のOracle Management Service(OMS)をインストールする方法について説明します。特に、次の内容について説明します。


注意:

完全なEnterprise Managerシステム・インストールの一部としてインストールした最初のOMSにアドオンがインストールされている場合は、この章に示された手順を実行しないでください。その場合は、第8章「サイレント・モードでOracle Management Serviceソフトウェアのみをインストールして後で構成」を参照してください。

概要

インストール・タイプで「追加管理サービスの追加」を選択すると、既存のEnterprise Manager Grid Control環境に追加OMSをインストールできます。このオプションは、動作保証されているOracle DatabaseでEnterprise Manager Grid Controlをすでに使用し、次のような理由で別のOMSを必要とする場合に最適な方法です。

複数のOMSを使用できますが、接続される管理リポジトリは1つのみである点に注意してください。

表6-1に、インストール・プロセスと、このインストール・タイプでインストールまたは構成されるソフトウェア・コンポーネントを示します。

表6-1 サイレント・モードで追加のOracle Management Serviceを追加するためのプロセス

ステップ1

Oracle Management Service 11gリリース1のインストール

Oracleミドルウェア・ホーム内にOracleホームが作成され、新しいホームにOMSのソフトウェア・バイナリがインストールされます。

Oracleミドルウェア・ホームは、Oracle WebLogic Serverホームと(オプションの)1つ以上のOracleホームで構成されます。

Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、OMSのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/oms11gとなります。

ステップ2

Oracle Management Agent 11gリリース1のインストール

Oracleミドルウェア・ホーム内にOracleホームが作成され、新しいホームにOracle Management Agent(管理エージェント)のソフトウェア・バイナリがインストールされます。

Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、管理エージェントのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/agent11gとなります。

ステップ3

Oracle Web Tier 11gリリース1のインストール

Oracleミドルウェア・ホーム内にOracleホームが作成され、新しいホームにWeb Tierのソフトウェア・バイナリがインストールされます。

Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、Web TierのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/Oracle_WTとなります。

ステップ4

Oracle Common Directoryのインストール

Oracleミドルウェア・ホーム内に構成ファイルを格納するための共通ディレクトリが作成されます。

Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、共通ディレクトリは/u01/app/Oracle/Middleware/oracle_commonとなります。

ステップ5

Oracle Management Serviceのインスタンス・ベースの場所の構成

Oracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリ内に、OMS関連のすべての構成ファイルを格納するためのEnterprise Manager Grid Control用のインスタンス・ホームが作成されます。デフォルトのインスタンス・ホームはgc_instですが、これを編集してカスタム名を指定することもできます。

Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareで、デフォルトのインスタンス・ホームを保持するように選択した場合、インスタンス・ホームの場所は/u01/app/Oracle/gc_instとなります。

Oracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリに書込み権限がない場合は、Oracleミドルウェア・ホームにOracle Management Serviceインスタンス・ベースが作成されます。

ステップ6

コア・コンポーネントの構成

コンフィギュレーション・アシスタント・ツールが実行され、次の処理が実行されます。

  1. OMS関連の個別パッチの適用: (オプション)OMSのOracleホーム(oms11g)に個別パッチが適用されます。

  2. OMSの構成: Enterprise Manager Grid ControlがデプロイされたOMSおよび個別インスタンスが構成されます。

  3. アドオンOMS側の構成: OMSのOracleホーム(oms11g)内で検出された仮想化アドオンが構成されます。

  4. OCMの構成必要な場合): Oracle Configuration Manager(OCM)を構成するように選択した場合、OCMがOMSのOracleホーム(oms11g)とWeb TierのOracleホーム(Oracle_WT)内に構成されます。

  5. エージェント関連の個別パッチの適用: (オプション)管理エージェントのOracleホーム(agent11g)に個別パッチが適用されます。

  6. 管理エージェントの構成: ターゲットの監視や情報の収集などが有効になるように管理エージェントが構成されます。

  7. OCMの構成必要な場合): Oracle Configuration Manager(OCM)を構成するように選択した場合、OCMが管理エージェントのOracleホーム(agent11g)内に構成されます。

  8. システム監視プラグインの構成: 管理エージェントのOracleホーム(agent11g)内で検出されたシステム監視プラグインが構成されます。


開始前

開始する前に、次のことに注意してください。

前提条件

追加OMSをサイレント・モードで追加する前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。

必要に応じてこの項を印刷し、各前提条件に対して○または×を記入してください。こうすることで、すでに満たされている前提条件と満たされていない前提条件を追跡できます。

表6-2 サイレント・モードで追加のOracle Management Serviceを追加するための前提条件

要件 説明 ○/×

ハードウェアの要件

付録A「ハードウェア要件の確認」に示されているハード・ディスク領域および物理メモリーの要件を満たしていることを確認します。


オペレーティング・システムの要件

OMSのインストール先が、My Oracle Supportノート412431.1に示されている動作保証済のオペレーティング・システムであることを確認します。


パッケージの要件

付録B「パッケージおよびライブラリの要件の確認」に示されているすべてのプラットフォーム固有パッケージをインストールします。


オペレーティング・システム・グループおよびユーザーの要件

付録C「オペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成の要件」の説明に従って、必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーを作成します。


一意のホスト名および静的IPアドレスの要件

ネットワーク構成を確認して、インストール先のホストがネットワーク内の他のホストから認識される一意のホスト名および静的IPアドレスに解決されることを確認します。

注意: 静的IPアドレスのみを使用してください。動的IPアドレスを使用すると、インストールは失敗します。


ファイル記述子の要件

ファイル記述子が4096以上に設定されていることを確認します。

ファイル記述子に設定されている現在の値を確認するには、次のコマンドを実行します。

/bin/sh -c "ulimit -n"

現在の値が4096でない場合は、rootユーザーとして、/etc/security/limits.confファイルを次のエントリで更新します。

<UID> soft nofile 4096

<UID> hard nofile 4096


一時ディレクトリ領域の要件

実行可能ファイルをコピーできる一時ディレクトリに400 MBの領域が割り当てられていることを確認します。たとえば、UNIXホストの場合は/tmpで、Microsoft Windowsホストの場合はc:\Tempです。


中央インベントリの要件

中央インベントリ・ディレクトリに100 MBの領域が割り当てられていることを確認します。

また、中央インベントリ・ディレクトリが共有ファイル・システム上にないことも確認します。中央インベントリがすでに共有ファイル・システム上に存在する場合は、My Oracle Supportノート1092645.1に示されている手順に従って、非共有ファイル・システムに切り替えてください。


UMASK値の要件

シェル起動ファイル内でデフォルトのファイル・モード作成マスク(umask)が022に設定されていることを確認します。

次に例を示します。

  • Bashシェル

    $ . ./.bash_profile

  • BourneまたはKornシェル

    $ . ./.profile

  • Cシェル

    % source ./.login


共有ファイル・システム・ローダーの場所の要件

最初のOMSで共有ファイル・システム・ローダーを構成した場合、共有場所が追加OMSのインストール先のホストからアクセス可能かつ書込み可能であることを確認します。

最初のOMSで共有ファイルシステム・ローダーをまだ構成しておらず、今から構成する場合は、次の手順を実行します。

  • 最初のOMSのOracleホームから、次のコマンドを実行します。

    $<ORACLE_HOME>/bin/emctl config oms loader -shared yes -dir <Loader_Directory>

    次に例を示します。

    $<ORACLE_HOME>/bin/emctl config oms loader -shared yes -dir /share/recv

    注意: 追加OMSがすでに存在している場合は、それらの追加OMSが動作しているホスト上で同じコマンドを実行し、同じ共有場所を指定します。

  • 共有場所が追加OMSのインストール先のホストからアクセス可能かつ書込み可能であることを確認します。これを確認するには、次のコマンドを実行します。

    最初のOMSで、追加OMSごとに1つずつ、テキスト・エディタを使用して共有場所にテスト・ファイルを作成します。

    $ echo "test" > <oms name>.test

    次に例を示します。

    $ echo "test" > oms1.test

    追加OMSホストで、前述のファイルが共有場所で認識され、読取りと削除が可能であることを確認します。

    $ cat <oms name>.test

    $ rm <oms name>.test

    次に例を示します。

    $ cat oms1.test

    $ rm oms1.test


JDKの要件

Enterprise Manager Grid Controlのインストール先のホストに、次のバージョンのJDKがインストールされていることを確認します。

  • Linuxプラットフォーム(32/64ビット): SUN JDK 1.6_18

  • Solarisプラットフォーム: SUN JDK 1.6_18

  • HP-UXプラットフォーム: JDK 6.0.05+

  • AIXプラットフォーム: JDK 1.6.0 SR6+

  • Microsoft Windowsプラットフォーム(64ビット): SUN JDK 1.6_18

ご使用のプラットフォーム用のJDKバージョンを、プラットフォーム・ベンダーのWebサイトからダウンロードします。たとえば、Linuxプラットフォーム用のSUN JDK 1.6_18をOracle Webサイトからダウンロードします。同様に、他のプラットフォーム用のJDKを他のベンダーの信頼できるWebサイトからダウンロードします。

また、Linux x86_64プラットフォームにJDK 1.6_18をインストールする例が、My Oracle Supportノート1063587.1に記載されています。

すでにJDKがインストールされている場合は、<jdk>/binディレクトリに移動して次のコマンドを実行することにより、JDKのバージョンを確認します。この問合せの出力に、完全なバージョン番号が表示されます。

java -fullversion

注意: JROCKITはサポートされていません。


Oracle WebLogic Serverの要件

  • Enterprise Manager Grid Controlをインストールするホストに、Oracle WebLogic Server 10.3.2(Oracle Fusion Middleware 11gリリース1のパッチ・セット1)がすでにインストールされていることを確認します。

  • 「標準」インストールが行われたこと、また「カスタム」インストールであったとしても、「カスタム」インストールで、「標準」インストールに関連付けられたコンポーネントと同じコンポーネントを選択したことを確認します。

  • Oracle WebLogic Serverがミドルウェア・ホーム・ディレクトリの下にインストールされていることを確認します。たとえば、/scratch/aime/Oracle/Middleware1/wlserver_10.3の下です。

  • Oracle WebLogic Server 10.3.2のインストール先のミドルウェア・ホーム・ディレクトリにOracle Fusion Middlewareの他の製品またはコンポーネントがインストールされていないことを確認します。

Enterprise Manager Grid Controlによって、このOracle WebLogic Server内に新しいドメインが作成されます。既存のドメインはいずれも使用されません。

Oracle WebLogic Serverのインストールの詳細は、My Oracle Supportノート1063762.1を参照してください。詳細、ダウンロードおよびデモについては、次のURLにアクセスしてください。

http://www.oracle.com/technology/products/weblogic/index.html


Oracle WebLogic Serverパッチの要件

Oracle Smart Updateユーティリティを使用して、Oracle WebLogic ServerにパッチID WDJ7を適用する必要があります。このパッチにより、Oracle Bug#8990616、9100465および9221722が修正されます。

このパッチの適用の詳細は、My Oracle Supportノート1072763.1を参照してください。

Oracle Smart Updateユーティリティの詳細は、次のURLで入手できるOracle Smart Updateパッチおよびメンテナンス・パックのインストールを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/products/weblogic/index.html


既存データベース・バージョンの要件

動作保証済の既存のOracle Databaseが、My Oracle Supportノート412431.1に一覧表示されているデータベースの1つであることを確認します。データベースは、製品のインストール先のホストかリモート・ホストのいずれかに配置できます。


既存データベース構成の要件

動作認証済の既存のOracle Database内でOracle Management Repository 11gリリース1がすでに構成されていることを確認します。


インストール・ユーザーの要件

ユーザーが次の要件を満たしていることを確認します。

  • (UNIXのみ)rootユーザーがインストールを実行することはできません。

  • (Microsoft Windowsのみ)ユーザーはORA-DBAグループの一部であり、管理者権限を持っている必要があります。

  • (Microsoft Windowsのみ)ユーザーはDBAグループに属しており、オペレーティング・システムの一部としての機能、トークン・オブジェクトの作成、バッチ・ジョブとしてのログオン、およびプロセスのメモリー割当ての調整を行う権限を持っている必要があります。

    エージェント・ユーザーにこれらの権限があるかどうかを確認するには、「スタート」メニューから「設定」「コントロール パネル」を選択します。「コントロール パネル」ウィンドウから「管理ツール」を選択し、「管理ツール」ウィンドウから「ローカル セキュリティ設定」を選択します。「ローカル セキュリティ設定」ウィンドウで、ツリー構造から「ローカル ポリシー」を開き、「ユーザー権利の割り当て」を開きます。


権限の要件

次の場所へのアクセスおよび書込みができることを確認します。

  • Oracleミドルウェア・ホームの場所

  • Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所

これらの場所の詳細は、「インストール・ディレクトリの理解」を参照してください。

実行可能ファイルのコピー先の一時ディレクトリに対する書込み権限があることを確認します。たとえば、/tmpc:\Tempなどです。


近接度の要件

OMSをインストールするホストと、管理リポジトリを構成するホストの場所が互いに近接していることを確認します。2つのホストの間のラウンド・トリップ・ネットワーク待機時間を1ミリ秒未満にするのが理想的です。


ファイアウォールの要件

環境内にファイアウォールがある場合は、第19章「Enterprise Managerのファイアウォールの構成」を参照してください。


インターネット接続の要件

構成情報が自動的に収集されてMy Oracle Supportにアップロードされるように、インストール・ウィザードの実行に使用するホストをインターネットに接続することをお薦めします。



インストール手順

サイレント・モードで追加OMSを追加するには、次の手順を実行します。

  1. 次のレスポンス・ファイルをローカル・ホスト上のアクセス可能な場所にコピーします。

    <Software_Location>/response/additional_mgmt_service.rsp

    このコマンドの<Software_Location>は、<DVD><Software_Downloaded_Location>のいずれかです。

  2. レスポンス・ファイルを編集し、表6-3に示されたパラメータに適切な値を指定します。

  3. インストーラを起動します。

    • これがホストにインストールする最初のOracle製品である場合は、次のコマンドを実行します。

      ./runInstaller -silent -responseFile <absolute_path_to_response_file>/additional_mgmt_service.rsp [-invPtrLoc <absolute_path_to_inventory_directory>]


      注意:

      • Microsoft Windowsの場合は、runInstallerではなくsetup.exeを起動してください。

      • Microsoft Windowsで、ソフトウェアのダウンロード場所のパスに複数の語とその間の空白からなるサブディレクトリ名が含まれている場合、このようなサブディレクトリの親ディレクトリに、そのサブディレクトリの最初の語と一致する名前のファイルが含まれていないことを確認します。

        たとえば、ソフトウェアがC:\Documents and Settingsにダウンロードされている場合、setup.exeを起動する前に、C:\ driveにDocumentsというタイトルのファイル(たとえば、C:\Documentsのようなショートカット・ファイル)が存在しないことを確認します。

      • 中央インベントリの場所を共有ファイル・システム上に指定しないでください。中央インベントリがすでに共有ファイル・システム上に存在する場合は、My Oracle Supportノート1092645.1に示されている手順に従って、非共有ファイル・システムに切り替えてください。


    • 最初のOracle製品でない場合は、次のコマンドを実行します。

      ./runInstaller -silent -responseFile <absolute_path_to_response_file>/additional_mgmt_service.rsp


    注意:

    • Microsoft Windowsプラットフォームの場合は、runInstallerではなくsetup.exeを実行してください。

    • インストールが正常に終了すると、OMSおよび管理エージェントが自動的に起動されます。自動的に起動されないようにするには、START_OMS=falseおよびb_startAgent=false引数を使用してインストーラを起動します。

      ただし、START_OMS=false引数を渡した場合、インストールでEMCLIツールが構成されないため、EMCLIコマンドはいずれも機能しません。このため、インストールの終了後に、$<ORACLE_HOME>/binディレクトリ内に手動でEMCLIツールを構成する必要があります。これを行うには、次のURLで入手できる『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』を参照してください。

      http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

    • いずれかのコンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合は、関連するログ・ファイルを参照して問題を解決し、「コンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合の処理」の説明に従ってコンフィギュレーション・アシスタントを再実行します。付録L「インストール・ログ・ファイルと構成ログ・ファイル」に示されているログ・ファイルも参照してください。


表6-3 追加のOracle Management Serviceを追加するためのレスポンス・ファイル・パラメータ

パラメータ 説明

SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORT

  • セキュリティ更新をダウンロードしてインストールする場合は、TRUEを指定します。続いて、次のパラメータの資格証明を指定します。

    MYORACLESUPPORT_USERNAME

    MYORACLESUPPORT_PASSWORD

  • セキュリティ更新のダウンロードとインストールを行わない場合は、FALSEを指定します。

DECLINE_SECURITY_UPDATES

  • セキュリティ更新を拒否する場合は、TRUEを指定します。この場合、SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTにFalseを指定する必要があります。

  • セキュリティ更新を拒否しない場合は、FALSEを指定します。この場合、SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTにTRUEを指定する必要があります。

INSTALL_UPDATES_SELECTION

このパラメータはデフォルトで、インストール中にソフトウェア更新をインストールできないことを示す"skip"に設定されています。

しかし、インストール中にソフトウェア更新をインストールする必要がある場合は、このパラメータを"staged"に設定します。続いて次のパラメータには、ソフトウェア更新が含まれるUpdatesディレクトリまで含めたフルパスを指定します。

STAGE_LOCATION

ORACLE_MIDDLEWARE_HOME_LOCATION

Oracle WebLogic Serverのインストール中に指定した場所を指定します。たとえば、u01/app/Oracle/Middlewareなどです。ミドルウェアの場所に、OMSのOracleホームと管理エージェントのOracleホームを作成するための書込み権限があることを確認します。

たとえば、デフォルト場所の/u01/app/Oracle/Middlewareを受け入れると、OMSのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/oms11gとして作成され、管理エージェントのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/agent11gとして作成されます。

この場所の詳細は、「Oracleミドルウェア・ホームとは」を参照してください。

注意: ここで指定するミドルウェア・ホームは、Enterprise Manager Grid Controlのみに対して使用されるようにします。Enterprise Manager Grid Controlに指定したミドルウェア・ホームに、Oracle Fusion Middlewareの他の製品またはコンポーネントがインストールされていないことを確認してください。

ORACLE_INSTANCE_HOME_LOCATION

デフォルトでは、gc_instがすべてのOMS関連構成ファイルを格納するためのOMSインスタンス・ベース・ディレクトリとしてみなされます。デフォルトのディレクトリを受け入れる場合は、このフィールドを空白のままにしておきます。しかし、カスタム・ディレクトリが必要であれば、カスタム・ディレクトリの名前を指定します。

デフォルトのディレクトリを受け入れるかカスタム・ディレクトリを指定するかにかかわらず、ディレクトリはデフォルトでOracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリの下に作成されます。たとえば、Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、ディレクトリは/u01/app/Oracle/gc_instとなります。

この場所の詳細は、「Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所とは」を参照してください。

ADMIN_SERVER_HOSTNAME

管理サーバーが実行されているホストの名前を指定します。管理サーバーは、最初のOracle Management Service 11gリリース1をインストールしたときに作成されたサーバーです。

ADMIN_SERVER_PORT

管理サーバーが実行されているポートを指定します。

WLS_ADMIN_SERVER_USERNAME

WebLogicドメイン用の管理ユーザーとして使用されるデフォルト・ユーザー名を指定します。デフォルトのユーザー名は、weblogicです。

WLS_ADMIN_SERVER_PASSWORD

WebLogicユーザー・アカウントのパスワードを指定します。

NODE_MANAGER_PASSWORD

ノード・マネージャ・パスワードを指定します。

DATABASE_HOSTNAME

既存のデータベースが常駐するホストの完全修飾名を指定します。たとえば、db.host.comのように指定します。

LISTENER_PORT

既存のデータベースに接続するためのリスナー・ポートを指定します。

SERVICENAME_OR_SID

既存のデータベースのシステムID(SID)を指定します。

SYSMAN_PASSWORD

SYSMANユーザー・アカウントのパスワードを指定します。

AGENT_REGISTRATION_PASSWORD

OMSと管理エージェントの間の通信を保護するには、パスワードを指定します。管理エージェントを保護するためのパスワードと同じ登録パスワードを入力する必要があります。

AGENT_REGISTRATION_CONFIRM_PASSWORD

エージェント登録パスワードを確認します。

LOCK_ORACLE_MANAGMENT_SERVICE

OMSは常にセキュア・モードで実行されます。さらに、ロックされている状態と、ロックされていない状態に分けられます。ロックされていない状態の場合、セキュアな管理エージェントはHTTPSプロトコルを、セキュアでない管理エージェントはHTTPプロトコルを使用して、OMSと通信します。しかし、ロックされた状態の場合、セキュアな管理エージェントのみがHTTPSプロトコルを使用してOMSと通信します。

  • セキュア・モードで実行されているOMSをロックし、OMSと管理エージェントの間の通信のセキュリティをさらに強化する場合は、TRUEを指定します。

  • OMSと管理エージェントの間の通信のセキュリティを強化しない場合は、FALSEを指定します。

ALLOW_ONLY_SECURE_ACCESS_TO_CONSOLE

デフォルトでは、HTTPプロトコルかHTTPSプロトコルのいずれかを使用して、Enterprise Manager Grid Controlコンソールにアクセスできます。

  • アクセスを保護し、ユーザーがHTTPSプロトコルを使用してのみコンソールにアクセスできるようにする場合は、TRUEを指定します。

  • アクセスを保護せず、ユーザーがHTTPSプロトコル以外でもコンソールにアクセスできるようにする場合は、FALSEを指定します。

START_OMS

OMSをインストール後に自動的に起動する場合は、TRUEを指定します。OMSをインストール後に自動的に起動しない場合は、FALSEを指定します。


インストール後

追加OMSを追加した後は、次の手順を実行します。

  1. インストールを検証します。

    1. OMSのOracleホーム(oms11g)に移動して次のコマンドを実行すると、OMSが動作していることを確認するメッセージが表示されます。

      $<ORACLE_HOME>/bin/emctl status oms

    2. 管理エージェントのOracleホーム(agent11g)に移動して次のコマンドを実行すると、管理エージェントが動作していることを確認するメッセージが表示されます。

      $<ORACLE_HOME>/bin/emctl status agent

    3. 管理エージェントのOracleホーム(agent11g)に移動して次のコマンドを実行すると、EMDアップロードが正常に完了したことを確認するメッセージが表示されます。

      $<ORACLE_HOME>/bin/emctl upload


    注意:

    デフォルトでは、HTTPSプロトコルを使用してのみEnterprise Manager Grid Controlにアクセスできます。HTTPプロトコルを使用するには、OMSのOraceホームから次のコマンドを実行して、ロック解除します。

    emctl secure unlock -console


  2. (UNIXオペレーティング・システムのみ)rootユーザーとして次のスクリプトを実行します。

    • インストーラの起動中にインベントリの場所を指定していない場合、これがホストにインストールした最初のOracle製品であれば、中央インベントリからoraInstRoot.shスクリプトを実行します。

      $HOME/oraInventory/oraInstRoot.sh

      たとえば、SUDOを使用してrootユーザーに変更する場合は、次のコマンドを実行します。

      /usr/local/bin/sudo $Home/oraInventory/oraInstRoot.sh
      
    • OMSのOracleホーム(oms11g)から、allroot.shスクリプトを実行します。

      <ORACLE_HOME>/allroot.sh

      たとえば、SUDOを使用してrootユーザーに変更する場合は、次のコマンドを実行します。

      /usr/local/bin/sudo /scratch/OracleHomes/oms11g/allroot.sh
      
  3. 追加OMSを追加した結果としてのドメインの構成変更がGrid Controlコンソールに反映されるように、Enterprise Managerアプリケーションが含まれるOracle WebLogic Serverドメインをリフレッシュします。Oracle WebLogic Serverドメインをリフレッシュするには、次の手順を実行します。

    1. Enterprise Manager Grid Controlで、Enterprise Managerアプリケーションが含まれるOracle WebLogic Serverドメインのホームページにナビゲートします。ほとんどの場合、ホームページへのダイレクトURLは次のようになります。ドメイン名がGCDomainでない場合は、その文字列でドメイン名を置換してください。

      [protocol]://[host]:[port]/em/faces/as/as/domainHome?target=/secFarm_GCDomain/GCDomain&type=weblogic_domain

    2. 「WebLogicドメイン」メニューから「WebLogicドメインのリフレッシュ」をクリックします。

    3. 「WebLogicドメインのリフレッシュ」ページで「続行」をクリックします。


    注意:

    これにより、「WebLogicドメインのリフレッシュ」ジョブが発行されます。このジョブによってドメイン構成変更が取得され、Enterprise Manager Grid Controlコンソールに反映されます。このジョブは1日に1回繰り返されます。このため、将来的にさらに追加OMSを追加したり、Enterprise ManagerシステムからOMSを削除したりすると、このジョブによってOracle WebLogic Serverドメインの構成変更が自動的に取得されます。追加OMSを追加するたびにこの手順を繰り返す必要はありません。

  4. 付録H「Oracle Management Serviceのプロキシ構成の設定」の説明に従って、プロキシ・サーバーを構成します。

  5. 付録G「監視のためのデータベースおよびASMターゲットの構成」の説明に従って、Oracle DatabaseおよびOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)ターゲットを監視のために構成します。

  6. Enterprise Manager Grid Controlコンソールにアクセスするために、My Oracle Supportノート412431.1に示されている動作保証済のブラウザ以外は使用しないでください。

  7. emoms.propertiesファイルはサポートされなくなったため、管理リポジトリに関連する詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。

    emctl config oms -list_repos_details

  8. (オプション)別の管理リポジトリに接続する場合は、OMSを停止して次のコマンドを実行してから、OMSを再起動します。

    emctl config oms -store_repos_details (-repos_host <host> -repos_port <port> -repos_sid <sid> | -repos_conndesc <connect descriptor>) -repos_user <username> [-repos_pwd <pwd>] [-no_check_db]


    注意:

    Linuxでは、一重引用符または二重引用符を使用して接続記述子をダブルエスケープする必要があります。ただし、Microsoft Windowsではその必要はありません。

    Linuxでの例を次に示します。

    emctl config oms -store_repos_details -repos_host myreposhost.mydomain.com -repos_port 12345 -repos_sid mydb -repos_conndesc '"(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=myreposhost.mydomain.com)(PORT=12345))(CONNECT_DATA=(SID=mydb)))"' -repos_user sysman

    Microsoft Windowsでの例を次に示します。

    emctl config oms -store_repos_details -repos_host myreposhost.mydomain.com -repos_port 12345 -repos_sid mydb -repos_conndesc (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=myreposhost.mydomain.com)(PORT=12345))(CONNECT_DATA=(SID=mydb))) -repos_user sysman


  9. (オプション)SYSMANパスワードを変更する場合は、OMSを停止して次のコマンドを実行してから、OMSを再起動します。

    emctl config oms -change_repos_pwd

  10. (オプション)新しくインストールされたターゲットを検出する場合、スタンドアロン管理エージェントをクラスタベース管理エージェントに変換する場合、クラスタの新規ノード上でターゲットを検出する場合、またはクラスタベース管理エージェントを再構成する場合は、agentcaスクリプトを実行して、再構成およびすべての新規ターゲットの検出を行う必要があります。

    agentcaスクリプトの詳細は、「エージェント・コンフィギュレーション・アシスタントの用途」を参照してください。

    管理エージェントの再構成およびすべての新規ターゲットの検出の詳細は、付録I「Oracle Management Agentの再構成および新規ターゲットの検出」を参照してください。

  11. (オプション)WLSでトランザクション・リクエストをトレースするためにリクエスト監視機能を有効にする場合は、監視対象のターゲットに対して、アプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)のマネージャとエージェントおよびJVM診断を構成する必要があります。

    JVM診断のインストールおよびリクエスト監視機能の有効化の詳細は、Oracle Enterprise Manager管理ガイドを参照してください。

    Enterprise Manager Grid ControlでのADP機能の有効化の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Management Pack Plus for SOAスタート・ガイド』を参照してください。

    これらのガイドはいずれも、次のURLで入手可能です。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html