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Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
11gリリース1(11.1.0.1.0)
B61023-01
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4 グラフィック・モードでEnterprise Managerソフトウェアのみをインストールして後で構成

この章では、グラフィック・モードでEnterprise Manager Grid Controlのソフトウェア・バイナリのみをインストールして、後でインストールを構成する方法について説明します。特に、次の内容について説明します。

概要

Enterprise Managerソフトウェアのみをインストールして後で構成する方法を使用すると、まずEnterprise Manager Grid Controlのソフトウェア・バイナリのみをインストールし、後から動作保証済の既存のOracle Databaseと使用できるようにEnterprise Manager Grid Controlを構成できます。動作保証済の既存のOracle Databaseは、My Oracle Supportノート412431.1に一覧表示されているデータベースの1つである必要があります。したがって、このアプローチはインストール・フェーズと構成フェーズの2つのフェーズに大別されます。

インストール・フェーズ中には、Oracleミドルウェア・ホーム内に次のものが作成されます。

構成フェーズ中には、次の処理が行われます。

開始前

開始する前に、次のことに注意してください。

前提条件

グラフィック・モードでEnterprise Managerのソフトウェア・バイナリをインストールする前に、「前提条件」で説明されている前提条件を満たしていることを確認してください。

インストール手順

グラフィック・モードでEnterprise Manager Grid Controlのソフトウェア・バイナリのみをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、インストーラを起動します。

    <Software_Location>/runInstaller -noconfig

    このコマンドの<Software_Location>は、<DVD><Software_Downloaded_Location>のいずれかです。


    注意:

    • Microsoft Windowsの場合は、runInstallerではなくsetup.exeを起動してください。

    • Microsoft Windowsで、ソフトウェアのダウンロード場所のパスに複数の語とその間の空白からなるサブディレクトリ名が含まれている場合、このようなサブディレクトリの親ディレクトリに、そのサブディレクトリの最初の語と一致する名前のファイルが含まれていないことを確認します。

      たとえば、ソフトウェアがC:\Documents and Settingsにダウンロードされている場合、setup.exeを起動する前に、C:\ driveにDocumentsというタイトルのファイル(たとえば、C:\Documentsのようなショートカット・ファイル)が存在しないことを確認します。

    • 複数のOMSを設定する場合は、管理エージェントによりアップロードされたすべてのメトリック・データ・ファイルを格納するための共有場所が保守されるように、共有ファイル・システム・ローダーを構成することを強くお薦めします。ここで中央ディレクトリを構成した場合は、同じOracle Databaseに接続される追加OMSのインストールはすべて、自動的にこの中央ディレクトリにマップされます。

      共有ファイル・システム・ローダーを構成するには、次のコマンドを使用してインストーラを起動します。指定する場所がすべてのOMSからアクセス可能かつ書込み可能であることを確認してください。

      ./runInstaller -noconfig SHARED_RECEIVE_DIRECTORY_LOCATION=<absolute_path_to_central_directory>

    • インストールが正常に終了すると、OMSおよび管理エージェントが自動的に起動されます。自動的に起動されないようにするには、START_OMS=falseおよびb_startAgent=false引数を使用してインストーラを起動します。

      ただし、START_OMS=false引数を渡した場合、インストールでEMCLIツールが構成されないため、EMCLIコマンドはいずれも機能しません。このため、インストールの終了後に、$<ORACLE_HOME>/binディレクトリ内に手動でEMCLIツールを構成する必要があります。これを行うには、次のURLで入手できる『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』を参照してください。

      http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

    • WebLogicドメインの作成に使用されるデフォルト名は、GCDomainです。

      これを上書きするには、次のコマンドを使用してインストーラを起動し、WebLogicドメインの一意のカスタム名を指定します。

      ./runInstaller WLS_DOMAIN_NAME=<Custom_Domain_Name>


  2. Enterprise Manager Grid Controlのインストール・ウィザードが表示されます。ウィザードにより、インストール・プロセス全体がガイドされます。1つ目のインストール・タイプ(「新しいEnterprise Managerシステムのインストール」を選択し、各画面で必要な情報を指定します。最終画面が表示されるまで、各画面で「次へ」をクリックします。最終画面で「インストール」をクリックして、Enterprise Manager Grid Controlをインストールします。

    各画面で指定する必要のある値の詳細は、次のURLで入手できる『Oracle Enterprise Manager Grid Control基本インストレーション・ガイド』の完全なEnterprise Managerシステムをインストールする手順に従ってください。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html


注意:

インストール・ウィザードの「Oracleデータベースへの接続」でノードの1つの仮想IPアドレスを指定した場合は、既存のOracle RACデータベースに接続するとき、「次へ」をクリックすると、インストール・ウィザードで「接続文字列」ダイアログが表示され、クラスタに属する他のノードの情報で接続文字列を更新するように要求されます。接続文字列を更新し、「OK」をクリックします。接続をテストする場合は、「接続テスト」をクリックします。

インストール後

(UNIXのみ)Enterprise Manager Grid Controlのソフトウェア・バイナリをインストールした後、新しい端末でrootユーザーとしてログインし、OMSのOracleホーム(oms11g)からallroot.shスクリプトを実行します。

$<ORACLE_HOME>/allroot.sh

構成手順

Enterprise Manager Grid Controlを構成するには、次のようにします。

  1. 環境内に環境変数PERL5LIBが設定されている場合は、その設定を解除します。

  2. OMSのOracleホーム(oms11g)から、ConfigureGC.plスクリプトを実行します。

    $<ORACLE_HOME>/perl/bin/perl <ORACLE_HOME>/sysman/install/ConfigureGC.pl


注意:


構成後

Enterprise Manager Grid Controlを構成した後は、次の手順を実行します。

  1. インストールを検証します。

    1. OMSのOracleホーム(oms11g)に移動して次のコマンドを実行すると、OMSが動作していることを確認するメッセージが表示されます。

      $<ORACLE_HOME>/bin/emctl status oms

    2. 管理エージェントのOracleホーム(agent11g)に移動して次のコマンドを実行すると、管理エージェントが動作していることを確認するメッセージが表示されます。

      $<ORACLE_HOME>/bin/emctl status agent

    3. 管理エージェントのOracleホーム(agent11g)に移動して次のコマンドを実行すると、EMDアップロードが正常に完了したことを確認するメッセージが表示されます。

      $<ORACLE_HOME>/bin/emctl upload


    注意:

    デフォルトでは、HTTPSプロトコルを使用してのみEnterprise Manager Grid Controlにアクセスできます。HTTPプロトコルを使用するには、OMSのOraceホームから次のコマンドを実行して、ロック解除します。

    emctl secure unlock -console


  2. 付録H「Oracle Management Serviceのプロキシ構成の設定」の説明に従って、プロキシ・サーバーを構成します。

  3. 付録G「監視のためのデータベースおよびASMターゲットの構成」の説明に従って、Oracle DatabaseおよびOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)ターゲットを監視のために構成します。

  4. (オプション)完全なEnterprise Managerシステムのインストール中に共有ファイル・システム・ローダーを構成していない場合、ここで共有場所を構成するには、OMSのOracleホームから次のコマンドを実行します。

    $<ORACLE_HOME>/bin/emctl config oms loader -shared yes -dir <Loader_Directory>

    次に例を示します。

    $<ORACLE_HOME>/bin/emctl config oms loader -shared yes -dir /share/recv

  5. Enterprise Manager Grid Controlコンソールにアクセスするために、My Oracle Supportノート412431.1に示されている動作保証済のブラウザ以外は使用しないでください。

  6. (オプション)別の管理リポジトリに接続する場合は、OMSを停止して次のコマンドを実行してから、OMSを再起動します。

    emctl config oms -store_repos_details (-repos_host <host> -repos_port <port> -repos_sid <sid> | -repos_conndesc <connect descriptor>) -repos_user <username> [-repos_pwd <pwd>] [-no_check_db]


    注意:

    Linuxでは、一重引用符または二重引用符を使用して接続記述子をダブルエスケープする必要があります。ただし、Microsoft Windowsではその必要はありません。

    Linuxでの例を次に示します。

    emctl config oms -store_repos_details -repos_host myreposhost.mydomain.com -repos_port 12345 -repos_sid mydb -repos_conndesc '"(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=myreposhost.mydomain.com)(PORT=12345))(CONNECT_DATA=(SID=mydb)))"' -repos_user sysman

    Microsoft Windowsでの例を次に示します。

    emctl config oms -store_repos_details -repos_host myreposhost.mydomain.com -repos_port 12345 -repos_sid mydb -repos_conndesc (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=myreposhost.mydomain.com)(PORT=12345))(CONNECT_DATA=(SID=mydb))) -repos_user sysman


  7. (オプション)SYSMANパスワードを変更する場合は、OMSを停止して次のコマンドを実行してから、OMSを再起動します。

    emctl config oms -change_repos_pwd

  8. (オプション)新しくインストールされたターゲットを検出する場合、スタンドアロン管理エージェントをクラスタベース管理エージェントに変換する場合、クラスタの新規ノード上でターゲットを検出する場合、またはクラスタベース管理エージェントを再構成する場合は、agentcaスクリプトを実行して、再構成およびすべての新規ターゲットの検出を行う必要があります。

    agentcaスクリプトの詳細は、「エージェント・コンフィギュレーション・アシスタントの用途」を参照してください。

    管理エージェントの再構成およびすべての新規ターゲットの検出の詳細は、付録I「Oracle Management Agentの再構成および新規ターゲットの検出」を参照してください。

  9. (オプション)WLSでトランザクション・リクエストをトレースするためにリクエスト監視機能を有効にする場合は、監視対象のターゲットに対して、アプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)のマネージャとエージェントおよびJVM診断を構成する必要があります。

    JVM診断のインストールおよびリクエスト監視機能の有効化の詳細は、Oracle Enterprise Manager管理ガイドを参照してください。

    Enterprise Manager Grid ControlでのADP機能の有効化の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Management Pack Plus for SOAスタート・ガイド』を参照してください。

    これらのガイドはいずれも、次のURLで入手可能です。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html